その1.ラテン語原典
全集
‐‐‐ Opera, (Lyon, 1600?), 2vols. G.Olms,
Hidelsheim, 1970.
随分前から全集の復刻版 (598DM!) が出ています。
魔術論
‐‐‐ V. Perrone Compagni, Cornelius Agrippa : De occulta philosophia
libri tres. Brill, Leiden, 1992.
不朽の名作 『オカルト哲学について』 (ラテン語)の決定版的な校訂版。その註解の緻密さには脱帽です。
魔術論
‐‐‐ La magie celeste. trad. par Jean Servier. Berg, Paris, 1981.
‐‐‐ La magie naturelle. trad. par Jean Servier. Berg, Paris, 1982.
‐‐‐ La magie ceremonielle. trad. Jean Servier. Berg, Paris, 1982.
上記3冊は、アグリッパの 『オカルト哲学について』 の学術的な仏語訳分冊です。これより前にも、20世紀前半にフランス語訳は出ていますが、これ以降、あまり使い物にならないのが実情です。
‐‐‐ Three Books of Occult Philosophy. trad. par James Freake (1651)
ed. et notes par Donald Tyson. Llewellyn, St. Paul, (Minnessonta), 1997.
こちらは、17世紀の英訳にアメリカの好事家が懇切丁寧な註をつけて出版されたもので、安価なので英語しか読めない人にはもってこいですが、悲しいかな学術的には2級品です。
懐疑論
‐‐‐ Of the Vanitie and Uncertaintie of Arts and Sciences. reprint,
California, 1974.
17世紀の英訳のファクシミリ復刻版です。これがどうしても欲しい。ウォンテッド!
‐‐‐ Ueber die Fragwuerdigkeit, ja Nichtigkeit der Wissenschaften,
Kuenste und Gewerbe. ed. by Gerhard Guepner, Akademie, Berlin, 1993.
結構良い作りの本ですが、高価です。
女性論:以下の2つの校訂翻訳版を押さえておけば良いでしょう。
‐‐‐ Declamation on the Nobility and Preeminence of the Female Sex.
London, 1996.
--- De nobilitate et praecellentia foeminei sexus, edition critique
par R. Antonioli et al., Geneve, 1990.
・その人生と仕事
‐‐‐ Dictionary of Scientific Bibliography, 1, (1970), pp.79-81.
‐‐‐ A.Prost, Corneille Agrippa : Sa vie et ses oeuvres. 2
vols. Paris, 1881-1882.
基本中の基本の伝記です。古いですが、復刻版もあります。
‐‐‐ L.Thorndike, A History of MAgic and Experimental Science.
N.Y., 1941. v.5, pp.127-138.
案外これをちゃんと使えない歴史家が多いのが問題です。
‐‐‐ C. G. Nauert, Agrippa and the Crisis of Renaissance Thought.
Urbana, 1965.
これなくしてはの基本です。一番入りやすいかもしれません。
--- V. Perrone Compagni, Cornelius Agrippa : De occulta philosophia
libri tres. Brill, Leiden, 1992.
本書はラテン語の魔術論の校訂版ですが、重要なイントロダクションやアグリッパのソースを探る上で重要なインデックスがあります。
‐‐‐ M. Van Der Poel, Cornelius Agrippa, the Humanist Theologian
and his Declamations. Leiden, 1997.
エラスムスとアグリッパの関係をついた画期的な新刊本。でも、魔術については、ノータッチです。
・魔術とカバラ、新プラトン主義
‐‐‐ W.Pagel, Paracelsus. Basel, 1958 / 1982. pp.295-301.
パラケルススとの関係。
‐‐‐ D.P.Walker, Spiritual and Demonic Magic from Ficino to Campanella.
London, 1958. pp.90-96.
次のイェーツと並んで重要な取り扱いです。
‐‐‐ F.A.Yates, Giordano Bruno and the Hermetic Tradition.
London, 1964. pp.130-143.
精神史上におけるアグリッパの意味を換えてしまった記念碑。
‐‐‐ Francois Secret, Les kabbalistes chretiens de la Renaissance.
第2増補版 Arche, Milano, 1985.
上の2冊に比べその重要性がしっかり認知されていない本書。アグリッパはそこら中に出てきます。
‐‐‐ P. Zambelli, "Magic and Radical Reformation in Agrippa of Nettesheim."
Journal of the Warburg and Courtauld Institutes, 39, (1976), pp.69-103.
実は、この人が一番アグリッパについていろいろ書いているのですが、その大半はイタリア語やドイツ語です。ここでは、この英文のものだけ紹介しておきます。
‐‐‐ W.-D. Mueller-Jahncke, Astrologische-magische Theorie und
Praxis in der Heilkunde der fruehen Neuzeit. Stuttgart, 1985. pp.62-67.
この人の博士論文は、アグリッパの魔術についてのモノグラフィ(医学博士なので短いと思われます)ですが、僕も一度見てみたいという幻の一品です。それを元に、さらに研究を進めたのが本書で、ミューラー・ヤンケ氏のマスター・ピースとなっています。
‐‐‐ Idem, "The Attitude of Agrippa von Nettesheim (1486-1535) towards
Alchemy." Ambix, 22, (1975), pp.134-150.
アグリッパと錬金術。
‐‐‐ Idem, "Agrippa von Nettesheim et la kabbale." in A. Faivre et
F. Tristan (eds. ), Kabbalistes chretiens. Paris, 1979. pp.195-209.
アグリッパとカバラ。
‐‐‐ Pierre Behar, Les langues occultes de la Renaissance.
Desjonqueres, Paris, 1996. pp.29‐62.
本書は隠れた名著。ロイヒリンとアグリッパについての章です。
‐‐‐ H.Hirai, Le concept de semence dans les theories de la matiere
a la Renaissance : de Marsile Ficin a Pierre Gassendi. (Ph.D. diss.),
Lille, 1999. pp.49-54.
僕もアグリッパについてフィッチーノの種子の理論の受容という点について論じています。
・懐疑論と学問の危機
‐‐‐ R.H.Popkin, The History of Scepticism from Erasmus to Spinoza.
2e ed. L. A. , 1979. pp.23-25.
邦訳版にもあるので手っ取り早く見れますが、当時ポプキンはまだアグリッパの重要性に気づいていませんでした。
‐‐‐ B.C.Bowen, "Cornelius Agrippa’s De vanitate : Polemic or Paradox
?" Bibliotheque d’Humanisme et Renaissance, 34, (1972), pp.249-265.
‐‐‐ M. H. Keefer, "Agrippa’s Dilemma : Hermetic Rebirth and the
Ambivalences of De Vanitate and De Occulta Philosophia." Renaissance Quarterly,
41, (1988), pp.614-653.
アグリッパの懐疑論と魔術論が矛盾や妥協の産物でなかったことを証明する入魂の論文。これで賞を取ってます。
3.アグリッパ・ウェブ・サイト これは良い出来です。お薦め!
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