ラヴェンナ国際会議

 

 

 

 

 

セネカ『自然問題集』と科学

 

Seneca e le scienze naturali

 

ラヴェンナ20071114

 

 

 

タイトル

 

ユストゥス・リプシウスの『ストア派の自然学』におけるセネカの『自然学問題集』:世界霊魂、摂理、そして終末論

 

Hiro Hirai

 

“Seneca’s Naturales Questiones in Justus Lipsius’ Physiologia Stoicorum: The World-Soul, Providence and Eschatology”

 

1. Introduction: Lipsius and his Physiologia Stoicorum

2. Seneca’s Natural Questiones in Lipsius

3. Naturales Questiones in Phsyiologia I

4. Naturales Questiones in Physiologia II

5. Naturales Questiones in Physiologia III

Conclusions

 

『セネカと科学』に収録予定

in Francesco Citti and Marco Beretta (eds.), Seneca e le scienze (Florence: Olschki, 2012)

 

 

 

 

プログラム

 

サイト

 

 

 

Ore 9.15 Saluti

 

9.30-10.00 P. PARRONI (Università di Roma La Sapienza): Il linguaggio "drammatico" di Seneca scienziato

 

10.00-10.30 M. BERETTA (Università di Bologna): Il concetto di legge naturale in Lucrezio e Seneca

 

10.30-11.00 Discussione

11.00-11.30 Pausa

 

11.30-12.00 D. LEHOUX (Manchester University - Max Planck, Berlin): Entanglement and Atomic Facts: Theories and Things in Hellenistic Philosophy

 

12.00-12.30 F. ROMANA BERNO (Università di Padova): Non solo acqua. Elementi per un Diluvio universale (Questioni naturali, libro III)

 

12.30-13.00 Discussione

Pausa

 

15.00-15.30 H. H. HINE (St. Andrews University): Tradition and Originality in Seneca, Natural Questions Book II

 

15.30-16.00 A. DE VIVO (Università di Napoli): Seneca e i terremoti (Questioni naturali, libro VI)

 

16.00-16.30 Discussione

16.30-17.00 Pausa

 

17.00-17.30 H. HIRAI (Center for history of science, Ghent): Seneca's Natural Questions in Justus Lipsius' Physiologia Stoicorum (1604)

 

17.30-17.45 Discussione

 

17.45 F. CITTI (Università di Bologna): Conclusioni

 

 

 

 

メイキング風景

 

 

論集出版までの道のり

 

 

2012. 7. 25

  おお、ついに、セネカ論集『セネカと自然科学 Marco Beretta et al. (eds.), Seneca e le scienze naturali, Florence, Olschki, 2012 が届きました。英語2本、独語1本、伊語8本の合計11本が収録されています。セネカの『自然問題集Naturales Quaestiones を研究する上では、今後は避けてはとおれない一冊だと思います。

 

              Il concetto di legge naturale in Lucrezio e Seneca, Marco Beretta

              「ルクレティウスとセネカにおける自然法の概念」

              Il linguaggio ‘drammatico’ di Seneca scienziato, Piergiorgio Parroni

              「科学者セネカの劇的な言語」

              Originality and Independece in Seneca Natural Questions Book 2, Harry M. Hine

              「セネカの『自然問題集』第2書における独創性と独立性」

              Non solo aqua: elementi per un diluvio universal nel terzo libro delle Naturales Quaestiones, Francesca Romana Berno

              「水だけではない:『自然問題集』第3書における普遍洪水にみられる諸元素」

Le piene del Nilo nelle Naturales Quaestiones di Seneca, Pasquale Rossi

              「セネカの『自然問題集』におけるナイル氾濫」

              Le piene del Nilo: nota bibliografica, Daniele Pellacani

              「ナイルの氾濫:ノート」

              Seneca e i terremoti (Quaestioni naturali, libro VI), Artuo De Vivo

              「セネカと地震(『自然問題集』第6諸)」

              L’opzione della scienza a proposito di Seneca, De otio 4.2, Francesco Citti

              「セネカの『怒りについて』における科学の道」

              Seneca’s Naturales Quaestiones in Justus Lipsius’ Physiologia Stoicorum: the World-Soul, Providence and Eschatology, Hiro Hirai

              「リプシウスの『ストア派の自然学』におけるセネカの『自然問題集』:世界霊魂、摂理、そして終末論」

              Seneca und die Kometentheorie der Frühen Neuzeit, Bardo Maria Gauly

              「セネカと初期近代の彗星理論」

              Per una rassegna sulla fortuna delle Naturales Quaestiones, Fabio Nanni & Danielle Pellacani

            「『自然問題集』の影響についての研究のために」

 

 

2012. 7. 22

  夏休みのせいでしょうか、まだカルテック論集『質料と形相』とセネカ論論集は、一般のウェブ書店ではスムーズに入手できないみたいです。困りましたね。

 

 

2012. 6. 29

  本そのものはまだですが、セネカ論集の全体の PDF だけが先に送られてきました。会議のときにはなかった論考も2つほど入っていて、100の程度の小著かと思っていたら、なんと250を越すものにパワーアップされていました。どうりで時間がかかったわけです。

 

 

2012. 6. 17

  編者のフランチェスコから連絡があったのですが、ついに論集『セネカと自然科学Francesco Citti & Marco Beretta (ed.), Seneca e le scienze naturali, Florence Olschki, 2012 が刷りあがって製本も終わったようです。近日中に入手可能になるでしょう。2007ラヴェンナでの国際会議からですから、これまた5と時間がかかりました。古代についての出版物に、小品ながら自分の作品が載るなんてなんとものようです。 

 

 

2012. 6. 10

  6になりましたが、5月が発売の予定だった僕も寄稿したマルコセネカ論集とジェルマーナ占星術論集は、まだ出てないようです。いつになるのでしょうかね?ちなみにギデオンカリフォルニア論集も、まだ出ていないようです。3つとも遅れています。

 

 

2012. 5. 6

  これまでに330という爆発的な数の訪問者をむかえているセネカ=リプシウス論文を収録した論集『セネカと科学』 (フィレンツェ、オルスキ書店)と、僕としては久々の新作となるルネサンス期の医学占星術の関係をあつかった論文「アストラル・メディシン」を収録した論集『ルネサンスにおける占星術と占術』 (ローマ、カロッチ書店)は、そろそろ(5といわれています)発売の予定なのですが、今のところまだ出ていないようです。

 

 

2012. 4. 26

  どういうことなんでしょう?Academia.edu にアップしたセネカ=リプシウス論文の訪問者は、いつのまにか300を越えていました!僕の作品のなかでは非常に地味な小品であると個人的には思っていたのですが、アクセス数ではもしかしたらダントツでトップです。> ここから有益な教訓をひきださなくてはなりません。なにが原因なのでしょうか?他の作品に先行してアカデミアに発表したからだけなのでしょうか?しかし、それよりも先に発表したリチェティ論文は60ほどにとどまっています。いま現在のところの上位5つをあげると、だいたい以下のようになります。

 

            セネカ=リプシウス 300 (24日から)

            ゼンネルト 170  (414日から)

            医学と占星術 140 (31日から)

            リプシウス 110

            キルヒャー 70

            リチェティ 60

 

 

2012. 4. 16

  僕のセネカ=リプシウス論文を収録した国際論集『セネカと科学Seneca e le scienze, Florence, Olschki, 2012 は、第2校正をおこなったのが2月初旬だったので、もしかしたらそろそろ出版されるかもしれませんね。> オルスキ書店のサイトをチェックしましたが、まだのようです。もう少しの辛抱でしょうか?原稿を提出してからすでに3年が経っているので、もう今さら1ヶ月の違いなんて意味ないのですけれどね。とにかく、この春は3ほど出る予定ですので、出版ラッシュとなります。

 

 

2012. 3. 11

  もう一度とおしてゼンネルト論文の校正刷りのテクストを読みなおしてみました。来週は修正指示のリストを作りたいと思います。> クレアにも一回ほど読んでもらって修正点を確認し、校正指示のリストをつくりました。修正箇所は前回のセネカ=リプシウス論文よりも多くなりましたが、今回はブリルなので第2著作の校正時に行ったように僕自身が修正事項を PDF に打ち込んでもいいと思います。それなら、編者のギデオンもそれほど文句をいわないでしょう。> 打ち込みました。

 

 

2012. 3. 9

   その作業も18時半には終わりました。前回のセネカ=リプシウス論文と同様に、細かい修正の必要な箇所がけっこうあります。こればかりは仕方ありませんね。当時の僕の英語力は、この程度のものだったのです。ぐすん。ただ、今回はギデオンが介入してあきらかに僕の意味するのとは異なる理解をしているところが幾つかあり、これらは直さないと意味がつうじないと思います。そういう場所は、もとの文章では意味不明だったのでしょう。作戦としては、完璧はねらわず (それは僕の第2著作を読んでください)、あきらかにマズイものだけ直したいと思います。

 

 

2012. 2. 17

  Academia.edu に公開してあるリプシウス論文とセネカ=リプシウス論文の訪問者は、それぞれ85人と250人となりました。どこまで行くのでしょうか?ついでに、その次に人気の高い作品はどれかといいますと、英語化して加筆し、2010年末に出版された国際論集『キミア』に収録されたデュシェーヌ 論文です。これまでアップした作品のなかでは55の訪問者をかぞえ、人気の高いものです。宣伝などはしてませんが、spirit とかquintessence といった Google での語句検索で世界中からたどりつく人が多いようです。

 

  そうです。Academia.edu の最大の武器は、Google での語句検索で高順位にヒットするようになることです。その効果といったら、個人的なウェブサイトやブログではとうてい太刀打ちできないものです。こうして世界規模でインパクトがあるように組織的にやってもらうところに作品を挙げておくことの意味を考えてみてください。別に論文でなくてもいいのです。セミナー勉強会での発表のレジメなどでも構いません。発表自体は英語でなくても、データを登録するときにタイトルを英語で入力しておく(ここが大事!)と、その効果はおおきく増大します。また、訪問者がくるたびに知らせてくれますので、すぐに手ごたえをえられます。

 

 

2012. 2. 16

  おかげさまで Academia.edu に公開してあるリプシウス論文とセネカ=リプシウス論文は、とびぬけて人気があるようです。それぞれの訪問者は70人と240人です。それらを読んだ人は納得してもらえるかもしれませんが、リプシウスの主著のひとつ『ストア派の自然学』 (アントワープ、1604年) は世界霊魂についての書物といってもいいくらい、いたるところでこの概念が言及されています。たまたま昨日、ライプニッツの小論考「唯一の普遍的な知性の学説についての考察」 (1702年)(邦訳著作集では9に入っているようです) の英訳をセミナー用に読んでいたところ、この論考は知性単一論の批判 (アヴェロエスにも言及されます)というよりも、世界霊魂の学説の批判とみたほうが良いだろうと思うようになりました。ただしライプニッツは、その2つを混同している節もありますが。> この日記でも、ここのところライプニッツについての記述が増えてきましたので、ついに BH にも専用頁を作りたいと思います。お待ちを!

 

 

2012. 2. 9

   Academia.edu に公開したセネカ=リプシウス論文は、ついに訪問者が210を突破しました。どこまでいくのでしょう?コワイくらいです。

 

 

2012. 2. 8

 土曜日に Academia.edu に公開したセネカ=リプシウス論文は、4がすぎた時点で、ついに訪問者が180を突破しました。なんともスゴイ勢いです。ただただ驚いております。

 

 

2012. 2. 6

  土曜日の午後4時に Academia.edu に公開したセネカ=リプシウス論文の PDF は、なんと76!もの訪問者をむかえたことになります。たったの30時間ですよ。たんに偶然がかさなっただけなのかもしれませんが、これはスゴイとしかいえません。みなさんも自分の研究を世界に発信することを望むなら、ぜひ Academia.edu を有効に利用しましょう!> さらに一晩たった40時間後には、120 にものぼっていました。信じられます!?爆発してます!

 

 

2012. 2. 5

  はやり Academia.edu による作品公開の威力はツイッターの比ではない気がします。昨日は、いろいろなところで告知してから半日で50を超える世界中の人が、アップしたばかりのセネカ=リプシウス論文の PDF にたどりつきました。すべての人が目をとおしたわけではないでしょうが、そのうちの何人かがざっとでも読んだのであれば、それはそれで効果は大きかったといえると思います。

 

 

2012. 2. 4

  午後にセネカ論集の第2校正刷がきたので、すかさずチェックしました。前にも書きましたが、アメリカで修行する以前に提出したこの原稿の英語の質はそれほど良くなくて、申し訳ないことにかなり変更点があったのですが、編者のフランチェスコは文句もいわずに綺麗にこなしてくれていました。ほんとうに頭がさがります。ただ3箇所だけマイナーな見落としがあったのでメールで知らせました。万が一これらが直っていなくても、べつに問題ではありません。ここから3ヶ月くらいで、この論集も出版されると思います。ふう。 Academia.edu の方にPDFをアップしておきます。

 

 

2012. 1. 29

  編者のフランチェスコに、ラヴェンナ会議論集のためのセネカ=リプシウス論文の校正指示のリストを送りだしました。べつに問題ないのですが、提出するのを意味もなくのばしていました。というか、忘れていました。申し訳ありません。

 

 

2012. 1. 11

  週末に届いたラヴェンナ会議論集に収録されるセネカ=リプシウス論文をプリント・アウトしてきました。今日になってからファイルを開けてみて気がついたのですが、どうやらこれは編集校ではなく、校正刷りそのもののようです。勘違いしていました。ということは、論集の出版は3〜4ヶ月以内でしょう。

 

 

2012. 1. 8

  ついに4年の時空をこえて、200711月にイタリアのラヴェンナで行われた会議からのセネカ論集の編集作業が大詰めをむかえたようです。収録予定の僕の論文「リプシウスの『ストア派の自然学』におけるセネカの『自然問題集』」の編集校が送られてきました。15から20でみなおして、送りかえしてくれということです。おそくても1月末までということでしょう。明日にでも、オフィスでプリント・アウトして作業にとりかかりたいと思います。

 

 

ここで3年が経過

 

2009. 3. 31

  どうも今年の最初の3ヶ月はこれといった研究を出来なかった気がします。基本的には、ガッサンディ論集の書評、タウシグ論文の直し、マヌの論文の直し、ルネサンス学会の発表原稿の執筆、Nuncius 誌の論文審査といった一連の外延的な作業はしていたのですが、何か新しいテクストに真摯に向かいあうという基本的な作業が決定的に欠けている気がします。ま、それでも一応はセネカ=リプシウス論文の最終的なツメをしたので何もしなかった訳ではありません。そうそう、4月には入魂のリプシウス論文の校正刷りが来るはずです。それから、いま書いている書評が終わったらテレジオのテクストの読みに集中したいと思います。

 

 

2009. 2. 3

  先週から断続的にセネカ=リプシウス論文の推敲を続けています。何度も読む、これが重要です。だんだん磨きがかかってきました。>何度読んでもロジックが自分的にはスッキリ行かない部分が幾つかあったのですが、今日の直しでずいぶんと良くなったと思います。これで納得のいく出来になったと思います。

 

 

2009. 1. 25

 雑誌 Nuncius 誌の編集長マルコ (ベレッタ) に教えてもらった指定の書式は、シカゴ形式と Isis 形式の中間体のようなものです。ちょっと雑誌論文の書誌の表記の仕方が変わってます。>クニ君から帰ってきたリマークをフィードバックして、書式を揃えました。アダム君の意見も聞きたかったのですが、行方不明です。あと残すはプルーフ・リーディングですが、向こうでやってくれるでしょうか?ちょっと聞いてみます。

 

 

2009. 1. 24

 お昼に中断した後、午後から再び作業を続けて、長らくノドにつかえたトゲのようだったラヴェンナ会議からの論集用の論文「ジュストゥス・リプシウスの『ストア派の自然学』 (1604) におけるセネカの『自然問題集』“Seneca’s Naturales Quaestiones in Justus Lipsius’s Physiologia Stoicorum (1604)” がだいたい出来上がってきました。本当に今回は、非常に大変な思いをしました。しかし、何とか発表原稿から論文の体裁をとるところまで持って行くことができました。ふう。メイク・センスしていることを祈ります。> マルコにメールしてもう少しで原稿を提出できるから論集の入る予定の雑誌 Nuncius 誌のシリーズの指定の書式を教えてくれといったら、すぐに返事がきました。

   

 

2008. 12. 17

  マルコ (ベレッタ)には、今は忙しすぎてラヴェンナ会議からのセネカ論集には論文を渡せそうもないので待たないでくれと言っているのですが、またしても締め切りを2月末まで延期してきました。これで2回目です。う〜む。どうしても許してくれません。是が非でも僕の論文が欲しいようです。僕としては、頼まれ仕事でやった内容的にはあまり乗り気になれない原稿なので、流してくれるのが望ましいのですが、どうもそうは問屋が卸さないようです。こういうのが、売れっ子の宿命ということなのでしょうか?

 

 

2008. 10. 28

  気が抜けてしまって、ラヴェンナ会議からの国際論集用のリプシウス=セネカ論文は、今月末までに完成できそうにありません。

 

 

2007. 11. 18

昨日来たラヴェンナ会議の主催者フランチェスコからのメールの文面から察する限り、会議の内容は国際論集として出版されるようです。おそらくは、フラカストロ論集の時のように雑誌 Nuncius の並行叢書 Nuncius Library に入って、フィレンツェの学術出版の老舗 Olschki 書店から出されるのしょう。僕の論文は、あまりに発表用の読み原稿すぎるので、出版用に全面的に書き直したほうが良いでしょうね。ま、時間はあると思います。イタリアでの出版なのですが、去年の会議のテーマであったルクレティウスについての論集がもうすぐ出るそうなので、原稿提出から出版まではスピーディに行くかも知れません。発表は7本だったので編集作業は比較的に楽でしょう。僕の論文は、 以下のようになる感じです:

 

     “Seneca’s Naturales Quaestiones in Justus Lipsius’ Physiologia Stoicorum (1604)”, in Francesco Citti (ed.), Seneca e le scienze naturali, Firenze, Olschki, forthcoming.

論文「ジュストゥス・リプシウスの『ストア派の自然学』 1604年) におけるセネカの『自然学問題集』」論集『セネカと自然科学』所収予定。

 

 

 

会議までの道のり

 

2007. 11. 16

  マッド11月が半分過ぎ、ここで一息つける感じです。ポスト・フェステム状態に入るところですが、僕のココロは宇宙神学の探求に惹かれ続けています。明日も図書館に行ってしまうと思います。今になって気がついたのですが、ラヴェンナ会議のサイトがあるようです。

 

 

2007. 11. 15

  朝早く7時に起きて、8時にはホテルを出ました。840分のラヴェンナ発の電車に乗ってボローニャに向かい、12時前のボローニャ発の飛行機に乗るためです。疲れていたのでしょう、飛行機の中ではすぐに熟睡し、目が覚めたら飛行機が着陸態勢に入ったところでした。まるで飛行機に乗っていなかったみたいです。家に着いたのは16でした。本当は、夕方のセスナの授業に出るために早く帰って来たのですが、アダム君の面倒を夜中まで見ていたので、授業には行きませんでした。

 

 

2007. 11. 14

  さあ会議の本番です。朝の7時半に起きました。起きがけにメガネが見つからず焦りましたが、ベッドの下に落ちていました。ああ、助かった。ニューヨークで似たような状況に陥ったばかりなので怖かったのですが。

 

  会議は順調に進みました。順番的に最後だし、英語の発表なので、みな帰ってしまうかな?あるいは質問はないかな?と心配したのですが、つつがなく終了しました。今回はマルコがいろいろ面倒を見てくれたので、他に知り合いがいない割にはスムーズに進みました。しかし、もうちょっと流暢にイタリア語が話すことができたら、もっと人々と話が出来て良かっただろうと思います。残念なのは昨日の到着がおそく、今日は一日中仕事で、明日は早くラヴェンナを発たないといけないので、最低限のマスト・アイテムすら見ることが出来なかったことです。ここは、ヴィザンツ時代のモザイクの遺跡で有名なのですが。また、いつか戻ってくるようですね。 

 

  ところで、昼食は素晴らしいものでしたが、おそらく高かったと思うので当然ではあります。しかし、ヴェローナで食べたものが忘れられません。決して高いレストランではなく、大学前の普通のトラトーリアという感じだったのですが。

 

 

2007. 11. 13

  それでは、ラヴェンナに行って来ます。フライト・スケジュールは以下の通りです。帰ってくるのは、木曜の夕方となります。イタリアではネット接続は望めないと思います。

 

            1113 1440 Brussels 1620 Bologna

1115 1155 Bologna 1345 Brussels

 

  移動はスムーズにすみ、空港でマルコ(ベレッタ)一行が出迎えてくれました。そのまま車でラヴェンナまで移動し、夕方の6時過ぎにホテルに着きました。中央広場のすぐ横にあるホテル「チェントラーレ・バイロン」で、あてがわれた部屋は朝食込みで70ユーロのシングルです。> 夕飯まで時間があるので市中を徒歩でクルクルと回ってみました。小さい町です。約束の815分前にホテルに戻ると幾人かイタリアからの参加者がロビーに集まっていました。ホテルの近くのレストランでの地方料理は、なかなか美味しいものでしたが、もうちょっと繊細さがあっても良かったかも知れません。ヴェローナの方が良かった気がします。ところで、昔はイタリア語も良く分からなかったし、英会話もよく出来なかったし、知り合いもいなかったし、と国際会議での食事も退屈で長いものに感じたのですが、最近はかなり慣れたせいか、ずいぶんと楽しめるようになりました。

 

 

2007. 11. 12

  今朝アントニオからメールがあり、水曜日にどうしても抜けられない会議が入り、ラヴェンナには来れないということです。残念!3月にリールで会って以来ですから、楽しみにしていたのですが、仕方ないですね。本当は、Bruniana & Campanelliana 誌で企画されているパラケルスス主義の特集号について話すことになっていたのですが。これについては、メールでやり取りすることになるでしょう。

 

  あとで気がついたのですが、危うく読み原稿を持たずにラヴェンナに旅立ってしまうところでした。冷汗モノです。

 

 

2207. 11. 11

  なかなかラヴェンナ会議の原稿に戻ってこれません。あと、今日明日しかないのですが。> 土曜日に気がついたことを省みてテクストを直してプリント・アウトし、一回通して読んでみました。早口で27くらいです。持ち時間は30ですが、やはり少し切って、もっとゆっくり話した方が良いでしょうね。> この仕事はラヴェンナに行きたいがために受けたものなのですが、もう少し面白い議論のタネも出てくるだろうと期待していたところもあり、それが出て来なかった手前、自分の中ではあまり誇らしい作品ではないのですが、可ではあると思います。そういうときだってあります。毎回、スマッシュヒットを打てる訳がありません。反省点としては、やはりスケジュールがタイト過ぎました。ま、世界のセネカの『自然学論集』研究の最前線に触れる良い機会ではありますので、キャンセルはせずに臨みたいとは思います。しかも、午後のセッションの司会はアントニオなので、久々に彼にも会えます。

 

 

2007. 11. 9

  普段でしたら、遠征の後は最低1週間くらいポスト・フェステム状態で何も手につかないのですが、今回は息つく暇もなくラヴェンナに向けて旅立たないといけません。先方から要約ハンドアウトの提出を求められたので、それを送らないと行けません。要約です。こんな感じでどうでしょうか?

 

The Professor of history at Leiden (1579-1590), then that of Latin at Louvain (1590-1606), Justus Lipsius (1547-1606) is famous especially as a founder of Neostoicism in the history of Renaissance moral and political philosophy. After an early work De constantia (Leiden, 1583), he composed two major treatises for the restoration of the ancient Stoicism, Manuductio and Physiologia Stoicorum, both published in Antwerp in 1604. The former is devoted to moral philosophy, the latter to natural philosophy and theology of Stoics. These works might be considered a Renaissance prototype of Hans von Arnim’s Stoicorum Veterum Fragmenta (Leipzig, 1903-1905). However, Lipsius’ works were conceived in a totally different spirit from Arnim’s. Being the editor of the complete works of Seneca (Antwerp, 1605), Lipsius produced these works as guides for a better understanding of the Roman moralist’s thought. The present paper shall examine how Seneca’s Natural Questions is used in his Physiologia Stoicorum. What kind of passages does Lipsius draw from Seneca’s treatise? Do they furnish him some essential element for his arguments? If yes, which passage is it in particular? In what context is it used? And what is its consequence? These observations will reveal that Lipsius were interested especially in Seneca’s notion of God.

 

  なかなかラヴェンナの発表原稿に戻って来られませんが、何とか午後に集中したいと思います。

 

 

2007. 10. 21

  何とか苦労して、ラヴェンナ用の発表原稿は結論部を含めて5枚半まで来ました。持ち時間は30ですが、別に25で終わっても良い訳ですし、もう今は、これ以上は書けないような気がします。しかし、自分的には満足していません。まったく議論にBHらしい妖しい輝きというか、色艶がないのです。> 今回はあまり自信がなかったのですが、クニ君に原稿を見せたら、古典学者には受けるのではないか?と言われて、少し安心しました。しかし、あまりモノトーンにならないように、表現の方でヴァリエーションをつけないといけません。ま。ワシントンへ行く前と帰って来てからで少し時間があるので、もう少し煮詰めることは可能だと思います。

 

 

2007. 10. 20

  今日はバイトがないので、一日を有効に使うことが出来ます。ワシントンでの発表原稿がカタチになりつつあります。良かった、良かった。あと1週間ほど推敲する時間的な余裕があります。ワシントンから帰って来てからは1週間しかないので、ワシントンに発つ前にラヴェンナ用のセネカについての原稿を書き始めないといけません。> 書き始めました。今回は時間がないので、いきなり英語で書いています。30の話しをしないといけないので、A4紙で6という感じですが、今は4枚ほど書きました。ただこちらは非常に淡々とした羅列的な記述で、あまりBHらしさを感じさせないものです。全ての原因は、セネカの『自然学問題集』のなかには、それなりに魅惑的な議論はいろいろある訳ですが、なぜかリプシウスはそれらを使わないところにあります。それでは幾ら分析しようにも、翼をもがれた鳥のようなもので、なかなか色艶のある議論にはなりません。> 6枚中の5枚まで来ました。あと、1枚分です。ふ〜。

 

 

2007. 10. 14

  リプシウス論文の結論を書いています。> 夜半から、ラヴェンナ会議用の下準備を始めました。基本的には、セネカの『自然学問題集』からの引用のロキを同定してあったものの仏訳を探す作業です。一通り行ってみて思ったのは、う〜ん、何だかセクシーじゃないぞということです。ツヤのある断片が少なすぎます。これで、どうやって自分的に満足の行くストーリーが作れるというのでしょうか?う〜ん、やっぱりこれは失敗だったのかな?

 

 

2007. 9. 26

  ラヴェンナ会議のプログラムが来ました。ああ、予想はしていましたが、また最後の発表です。皆が疲れて聞く気にならない状態になっていると思います。

 

 

2007. 9. 20

  さて、残り時間について考えています。期日は、1030日から116日がワシントン1113日から15日がラヴェンナ、そして1130日がリプシウス会議です。ラヴェンナ以降の2週間はリプシウスに集中できます。でも、もちろんそれだけでは足りないので、その前から準備が必要です。また、ワシントン以降の1週間でラヴェンナの準備をしていたのでは間に合わないでしょう。ワシントンの話は20で、基本的にはルーヴァンで話したものの延長線上にあり、僕の本からの切り出しですので2週間あれば良いでしょう。ということは、1015日くらいまで、リプシウスダブル発表の原稿執筆にあてることが出来ます。最近の悪い傾向として、準備にかける時間が短くなってきています。例えば、200310月のキルヒャーの発表の時は、ヴァカンスを取らないでひと夏をかけてテクストを読み込んだものでした。う〜ん、良いのかな、こんなことで。ま、とにかくタイトな日程なので、ここからはリズムを崩さないようにしていきたいと思います。

 

 

2007. 9. 19

   ラヴェンナ会議用にセネカの『自然問題集』の使用状況を知るためにも、まずはリプシウスの『ストア派の自然学』の全体を通してどういうソースを使っているのかを見てみました。全体を終えたところで、まだ少し時間があったので、続いて章立ての分析をしました。で、だいたい重要そうな場所の目星はつきました。次回からは、テクストを打ち込みながら、じっくり読んで行きたいと思います。> 久しぶりに夜の2時まで頑張って、セネカの『自然問題集』からの45の引用のロキを同定しました。ここから、どうやって30の話を作るのかは、まだ考えていません。これに関しては、ドライヴ感のない淡々とした叙述的な分析しか出来ない気がします。そういうのはBHらしくないですが、残り時間の関係もあり、仕方ありません。

 

 

2007. 9. 10

  さて、ラヴェンナに行くためには、やはりボローニャ空港から入るのが最善のようです。主催者側の調べでは次のような便があるようです。予約しました。> 空港からバスに乗り20分でボローニャ中央駅へ。そこから電車に乗ること1時間でラヴェンナに着くようです。帰りは11時には空港に着いていないといけないので、逆算すると10時にはボローニャ駅に着きたい感じです。そうするとラヴェンナは、8時半の電車に乗らないといけないようです。おらら、早いですね。ホテルから駅が近いことを祈ります。

 

            1113日(火) 1440 Bruxelles – 1620 Bologne

1115日(木) 1155 Bologne –1345 Bruxelles

 

 

2007. 9. 7

  今年前半の目玉であった英語版&仏語版のゼンネルト論文を片づけた後は、マッドスケジュール11月に向けて着実な準備をしないといけません。1ヶ月の間にビッグな国際会議を3本(そのうち2つは遠征)もこなすのは、今回が初めてです。大丈夫かな?そういうことなので、来週からはしっかりとリプシウスのテクストの読みに入りたいと思います。ゲマの時は前の年から準備していましたが、今回はまだ下準備もしていない状態ですので、あまり後手後手に回らないようにしたいと思います。願わくば、リプシウスの議論展開が僕の想像以上に手に汗握る面白いものであるとことを望みます。ラヴェンナの方は細かい議論はせずに、リプシウスセネカをどのように使っているのか大まかな俯瞰を示すものになると思います。

 

 

2007. 9. 5

  11月のラヴェンナ会議の方も、発表のためのレジメを送れという指示が来ました。今週はお客もいるし、何もする気もないので、これは来週にします。

 

 

2007. 6. 18

  おそらくは論集が Nuncius 誌の並行叢書 Nuncius Library から出されそうということで、気分的な障害はなくなりました。もう殆ど、ラヴェンナに行く気持ちを固めました。> こうなってくると、ルネサンスにおけるセネカの受容についての基本文献を調べないといけませんね。最初に送られてきたメールによると、スピーカーと発表内容は今のところ以下のようになっているようです。前半は古典学者によるテクスト分析、後半は歴史家による受容の研究という感じでしょうか?> ラヴェンナには、おそらくボローニャ経由で入らないといけないので、そこにいるはずの知り合いに声をかけました。

 

Harri Hine (St. Andrews) NQ II

Piergiorgio Parroni (Roma) NQ ?

Arturo De Vivo (Napoli) NQ VI

Francesca Romana Berno (Padova) NQ IV

Elisa Romano (Pavia) NQ and Progress

Giovanni di Pasquale (IMSS, Firenze) Seneca's Attitude towards Technical Arts

Marco Beretta (Bologna ­ IMSS, Firenze) Seneca's Concept of Scientific Law

Hiro Hirai (Ghent) Seneca's NQ in Lipsius' Physiologia Stoicorum (1604)

 

 

2007. 6. 17

  この秋にボローニャ大学主催で、イタリアのラヴェンナで開かれるセネカの『自然学問題集』と科学の関係についての国際会議に招待されました。問題は、開催日が1114の水曜日なことです。ご存じの通り、今年の11月はワシントンに行きますし、11月末にはリプシウス会議の運営が待っています。一つの国際会議が終わるごとにポスト・フェステムとか言って、その後1週間も何も手につかない人間が、ひと月のうちに何と3つ!も国際会議をこなすことが果たして可能でしょうか?ああ、でもラヴェンナに行ってみたい。しかも、招待で。

 

  一瞬考えたのはアグリコラにおける『自然学問題集』の利用ですが、それではインパクトが弱い感じです。リチェティ論文で見たとおり、彼もしっかりセネカを使用しています。う〜む。どうしましょうか?と、思っていたら、ああ、そうだ、リプシウスの方が頻繁にセネカを使っているはずです。それなら、11月の国際会議の流れとして何とかなるかも知れません。

 

  しかし、ルネサンス人文主義における自然学という問題設定では、会議主催者の発表者パネルの想定に自然と僕の名前がリストアップされるというところは、なかなか良い感じじゃないですか?ここまで頑張ってきた甲斐がありました。> ラヴェンナの頁を設けて、もう行く気になっています。

 

  でも、せっかく参加発表しておいて出版物が出ないのは残念なので、その点を確認したいと思います。ワン・デイですから発表者の数は限られるので、論集というよりも雑誌の特集号の感じになるかも知れません。Nuncius 誌でしょうか?それなら、十分に価値があります。> 発表の仮題を「リプシウスの『ストア派の自然学』 (1604年)におけるセネカの『自然学問題集』“Seneca’s Natural Questions in Justus Lipsius’ Physiologia Stoicorum (1604)” として幾つか質問するメ−ルに対して、主催者の一人マルコから返事が来ました。この地の料理を堪能するためだけにも、ラヴェンナに来る意味があるよと言っています(> 食通のアダム君へ)。一部を引用します:

 

              Caro Hiro,

Grazie per la tua sollecita risposta e in ottimo italiano per giunta! Il titolo va benissimo e se preferisci leggerla in francese va benissimo. Il seminario dello scorso anno, dedicato a Lucrezio e la scienza, verrà pubblicato nella serie Biblioteca di Nuncius. E' possibile si faccia lo stesso con Seneca. Tutti i pasti sono a nostro carico e naturalmente sarai graditissimo ospite anche la sera del 13. La cucina romagnola vale la pena da sola una visita a Ravenna! Spero che queste informazioni ti siano sufficienti per farti un'idea della nostra iniziativa e che ti persuadano ad accettare l'invito.

Un caro saluto,

Marco

 

 

ホーム