自然魔術とカバラ
 
 
 
その9
 
『サンフォリアン・シャンピエとルネサンス期フランスに
おけるオカルト伝統の受容』
 
Brian P. Copenhaver,
Symphorien Champier and the Reception of the Occultist
Tradition in Renaissance France.
Mouton Publishers, Den Haag, 1978.
368pp. +Index   ISBN ************
  
  
    近年(1992年)ヘルメス文書の新註解英訳版を編纂している著者は、マルシリオ・フィッチーノの魔術思想の専門家でもあり、ルネサンス期における科学と魔術思想の関係を追及しているといっても良いでしょう。従って、W.-D. Mueller - Jahncke 氏やこのコーナーに納めた他の多くの歴史家同様にF.A.イェーツとD.P.ウォーカーの影響を強く受けていると感じられます。本書は、そんな著者のデビュー作にあたります。その他にも著者は、ワールブルグの偉大なる C.B.Schmitt 氏の遺作である『ルネサンス哲学』を編集しており、現在は、アメリカのカリフォルニア大学で教鞭をとっているようです。
    本書のテーマは、イタリア・ルネサンス思想(お馴染みのフィレンツェのプラトン主義)をアルプス以北に移植するのに大きく貢献したフランスはリヨンの医師・哲学者であったシンフォリアン・シャンピエ(c.1470−c.1539)のフィッチーノ流のオカルト哲学に対する対応を分析しています。全体は二部構成で、始めに歴史コンテクストそった研究、後半は『魔術論駁のためのダイアローグ』のテクストの翻訳と註解に当てられています。     
 
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