ごくごく個人的なアウトプット

 

 

 

 

海外編

 

その5

 

 


ピエール・ガッサンディの種子の理論

17世紀における物質と生命の科学のはざ間で

 

Le concept de semence de Pierre Gassendi

entre les théories de la matière et les sciences de la vie au XVIIe siècle

 

in

Medicina nei Secoli, 15 (2003), pp. 205-226.

 

 

 

                                         1. Introduction イントロダクション

      2. Le concept de semence de Ficin à Gassendi フィチーノからガッサンディまでの種子の理論

2-1. Marsile Ficin フィチーノ

2-2. Fernel et Paracelse フェルネルとパラケルスス

2-3. Séverin セヴェリヌス

3. Le concept de semence de Gassendi ガッサンディの種子の理論

3-1. Les semences dans les science de la matière 物質の科学における種子

3-2. Les semences dans les science de la vie 生命の科学における種子

3-3. La science des semences et l’influence de Séverin 種子のスキエンチアとセヴェリヌスの影響

4. Le concept gassendiste chez Francesco Redi (1668) フランチェスコ・レディにおけるガッサンディ的理論 

 

 

カッシーノ論集

 

その他の収録論文

 

Marco Beretta, "The Revival of Lucretian Atomism and Contagious Diseases during the Renaissance" p. 129-
ルネサンス期におけるルクレティウス原子論の復活と伝染病


Benedino Gemelli, "Formazione e conservazione della vita, tra speculazione ed esperimento negli scritti di Francis Bacon" p. 155-
フランシス・ベーコンの著作における生命の形成と保存、思弁と経験のはざ間で


Michael Stolberg, "Particles of the Soul: The Medical and Lutheran Context of Daniel Sennert's Atomism" p. 177-
霊魂の粒子:ダニエル・ゼンネルトの原子論の医学的・ルター主義的背景


Hiro Hirai, "Le concept de semence de Pierre Gassendi entre les theories de la matiere et les sciences de la vie au XVIIe siecle" p. 205-
ガッサンディの種子の理論:17世紀の物質の科学と生命の科学のはざ間で


Antonio Clericuzio, "La chimica della vita: fermenti e fermentazione nella iatrochimica del Seicento" p.227-
生命の化学:17世紀の医化学における酵母と発酵


Federica Favino, "Sostanza e materia in uno scritto inedito di Girolamo Brasavola" p. 247-
ジロラーモ・ブラサヴォーラの手稿に見る実体と質料


Maria Confrti, "Il moto fermentativo prima origine della vita: dibattiti sulla natura del sangue in Italia tra Sei e settecento" p. 269-
生命発生前の発酵の神話:17-18世紀イタリアにおける血液の本性についての論争


Alessandro Ottaviani, "Il dibattito sulla generazione delle piante imperfette tra sei e settecento" p. 291-
17-18
世紀における下等植物の発生に関する論争


Marc J. Ratcliff, "Clandestinite, autorite et experimentalisme: styles et querelles de la generation spontanee de Trevoux a Reaumur" p. 319-
異端、権威、そして実験主義:トレヴォーからレオミュールまでの自然発生の論争とスタイル


Francois Duchesneau, "Charles Bonnet et le concept leibnizien d'organisme" p. 349-
シャルル・ボネとライプニッツ主義の生命体概念

 

 

 

2002. 06. 08

そろそろ、カッシーノ国際会議で読んだガッサンディ論文も、仕上げ作業に入らないと、また締め切りに間に合わない火達磨 (漢字で書くとちょっとコワイですね) 状態になるので、早めに取り掛からないといけません。そうだ、この日曜日から始めましょう。そう決めてしまうのが良いです。


2002. 06. 10

  やっとのことで、午後の3時間だけですが、ガッサンディ論文に取り組み始めました。ま、カッシーノで読んだ原稿の字面を直して、注のフォーマットを整えれば良いのですから、それほど大変だとは思いませんが、はやり早め、早めに手を打たないと、ズルズル行ってしまうので、今回は用心しています。

 

2002. 06. 14

来週にリェージュに帰るまでに、ガッサンディ論文を仕上げてしまわないといけないのかな?と思うと、案外時間が無いことに気がつきました。ヤバイ。急ぎます。構成は以下の通りです。

       

Le concept de semence de Pierre Gassendi entre les sciences de la matière et les sciences de la vie au XVIIe siècle

ピエール・ガッサンディの種子の理論:17世紀の物質と生命の科学のはざ間で

 

1.      Introduction

イントロダクション

2.      Le concept de semence de Ficin à Gassendi

フィチーノからガッサンディまでの種子の理論

2-1. Marsile Ficin

    フィチーノ

2-2. Fernel et Paracelse

    フェルネルとパラケルスス

2-3. Séverin

    セヴェリヌス

3.      Le concept de semence de Gassendi

ガッサンディの種子の理論

3-1. Les semences dans les science de la matière

    物質の科学における種子

3-2. Les semences dans les science de la vie

   生命の科学における種子

3-3. La science des semences et l’influence de Séverin

   種子のスキエンチアとセヴェリヌスの影響

4.      Le concept gassendiste chez Francesco Redi (1668)

フランチェスコ・レディにおけるガッサンディ的理論

 

2002. 06. 16

  例によって、ガッサンディ論文の制作風景をまとめるコーナーを開設しています。ガッサンディの肖像画を入れたかったのですが、ネット上では良く使われるものがありませんでした。ロンドンに持ってきた文献内には無いので、次にリェージュに帰った時に調達したいと思います。

 

2002. 06. 17

  明日から3日間、集中してガッサンディ論文を仕上げるぞ!と心に誓います。

 

2002. 06. 19

  昨日で一応、ガッサンディ論文は完成しました。後は、リェージュに帰って最終チェックして、幾つか足りない点を補填して終りにします。良かった。

 

  今日は、ガッサンディ論文をもう一度見直した後、『ミクロコスモス』のフィードバック原稿から、東君、平岡君、桑木野君の4本を最終チェックしました。他の人も、早めに出してくださいね。

 

2002. 06. 22

 ガッサンディ論文の最終チェックも終わりました。ところで注のつけ方は、標準的な方法を取ってますが、雑誌 Medicina nei Secoli は、他と大きく違ったものを採用しています。この方法を遵守しなくてはいけないのかな?と少し疑問です。編者が直してくれるでしょうか?とにかく、もうすぐ送れそうです。

 

2002. 06. 24

  校正刷りの届いたばかりのフェルネル論文と、週末に原稿の出来上がったばかりのガッサンディ論文、どちらも、生命の起源の問題に深く関与したものです。ウェルカムっぽいといえば、そうかもしれません。でも、キミア (錬金術) と地球科学 (鉱物学)、神学にも深く関与するという、いろいろな要素の絡み合う不思議な場であるといえば、そういえるでしょう。自分でいうのも何ですが、既存のカテゴリーに当て嵌めるのは、難しいと思います。

 

2002. 06. 26

  自分の頭の中を整理するため、今現在、抱えている仕事を列挙します:フェルネル論文の校正、ガッサンディ論文の書誌フォーマットの調整、まろあ計画の校正、ミクロコスモスの各原稿の直しの確認。+ロンドン生活における細々とした問題の解決。僕の場合、同時にいろいろ来ると、どこから手をつけて良いか分からなくなるという悪い癖があります。一つづつこなして行くしかないのですが。締め切りの順番から行くと、ガッサンディですな。> とにかくも、ガッサンディ論文をもう一度手入れし、どうしても分からない雑誌の指定書式の処理について、現段階で原稿を送るべきか、先に細かい質問を幾つかして分からないところを完全にクリアしてから原稿を送るべきか、編者の Clericuzio 氏にメールで伺いを立てました。

 

2003. 10. 20

 ロンドンで会ったアントニオから、ガッサンディ論文の校正校は11になると言われました。その前に、さらに4〜5行の要約とキーワードを送らなければなりません。ま、着実に進んでいるということでOKとしましょう。そういえば、原稿落とした人はいるかと聞いたら、ラマルクのことを話した大御所の P. Corsi 氏とデカルトを扱った G. Stabile 氏の2人ということです。全体のレヴェルの高かったあの国際会議で読まれた他のペーパーは収録されるようですから、初期近代における生命と物質の問題に関心のある方すべてにお勧めの論集となることでしょう。

 

 

2003. 10. 22

  昨日は、アントニオに、ガッサンディ論文の英語の要約とキーワードを送りました。周りにチェックしてくれる人はいないので、これで良いかちょっと気になりますが、ま、良いでしょう。誰か何か気がついたら言って下さい。

 

Summary: Gassendi’s theory of molecules as seeds of things is not a simple adaptation of Lucretian idea of

semina rerum but is strongly influenced by Renaissance concept of seeds, stemming from Marsilio Ficino’s

Neoplatonic metaphysical cosmology and developed in Paracelsian natural philosophy. Examining its own

historical context and its chemical and biological dimensions, the present study reveals the very source of his

idea.

              Key words: molecule, atomism, matter and life science

 

2004. 1. 12

  カッシーノ国際会議論集のためのガッサンディ論文の校正稿が送られてきたようです。といっても、フォルチューナ論文同様にワードファイルを雑誌の書式に合わせて版組したものを添付メールで送って来ただけでしょうが、これで今週のすることは決まってしまいました。今日は実際に上記のテクストの打ち込みを始めたのですが、15頁まで行ったところで一旦お預けとなります。> 添付はPDFファイルで、20日までに返してくれと言っています。これだけ待たせて、校正は数日で済ませろというのも勝手だなとは思いますが、ま、取り敢えず忙しくないので大丈夫でしょう。書誌データは、Medicina nei Secoli, 15 (2003), pp. 205226 となるようです。ファイルの番号打ちからいうと、論集中5番目の論考ということになるでしょうか?この間のフォルチューナ論文が2002年度扱いとなる思わぬ展開に、2003年度の出版物はなしになっちゃうの?と心配していたのですが、どうやらこのガッサンディ論文が2003年度となるので助かりました。しかし、ココまで来るのに、会議からは4年、原稿提出からは2年かかっています。

 

2004. 1. 13

  ガッサンディ論文の校正を開始しました。今になって読み返してしみじみ思うのですが、これは傑作です。自分の書いたものを後で読むと非常に良く見えてしまうのが僕の悪いところなのですが、それを差し引いても、これは良いです。真にワールドクラスの一本。しかし、言葉遣いに細かい修正が入っていることに気がつきました。面妖な。仏語に関しては、さすがにアントニオより僕の方が上のはずで、誰か文ごころあるネイティヴに見てもらったとしか思えません。誰でしょう?ところで、この論集は重要な論考が目白押しで、1718世紀の生命と物質の問題に関心ある全ての人が見ておくべき一書です。要チェック!しかし、雑誌の特集号ではなく、当初の予定通りに単行本として Olschki 書店から出して欲しかったです。

 

2004. 1. 14

  昨日ここに書いたガッサンディ論文は、それほど変更箇所もないですし、実際に出るのは数ヶ月後でしょうし、校正稿はPDFファイルなので簡便ですし、Medicina nei Secoli 誌は日本での入手が難しいでしょうし、といった理由から、仏語の読める&ガッサンディにも関心ありそうな人に添付メールで配りました。他にも、自分も欲しいという人は、遠慮せず連絡して下さい。ガッサンディや17 世紀の生命と物質の問題のことは良く知らないけれど、ワールドクラスの傑作!とは一体どんなものか、一度この目で見てみたい、という好奇心旺盛な仏語の読める方でも構いません。> この論集を欲しい人のために便宜が計れないか考えています。カード決済は無理でしょうから、ローマから僕のところにモノを送ってもらって、僕が日本に送り、日本からは円で決済できるようにする方法があります。ローマ=リェージュ間の輸送費が余計にかかりますが、送金手数料をカットできるでしょう。あるいは、円で振り込んでもらって、僕が手数料なしのユーロ送金だけして、ローマから直接に日本へ送ってもらうようにするのが一番安上りかも知れません。ただし、ローマ=日本間の郵便がキチンと機能するという前提での話です。どっちが得か (リスクが少ないか) 良く考えてみて下さい。ま、論集自体を欲しいと思うのは2〜3人でしょうが。

 

 

 

ごくごく個人的なアウトプット