ごくごく個人的な「本」日記
2014年3月
2014. 3. 31 月
ギリギリで次号のメルマガをドロップしました。今回のニューヨーク遠征での詳細と、他では話せない裏話など盛りだくさんです!
根占先生、平岡君、エミーさんの日本勢は、明日の早朝のフライトで日本に帰る予定です。
この秋(11月6-9日)にシカゴでおこなわれる米国科学史学会で、パラケルスス主義についてのセッションをやりたいので発表できないか?とジョーリー(シャッケルフォード)から打診がありました。ただ、250語の要旨の締め切りが4月8日だそうで、明日には丸一日かかる大西洋横断のフライトもあるので、ちょっと忙しいですね。がんばってみますが、どうでしょうか?
2014. 3. 30 日
12時前にチェックアウトし荷物をあずけて、ランチを食べにいきました。15時過ぎに荷物を受けとり、一路ブルックリンのナンシーさん宅を目指しました。16時時前に到着し、お茶を飲みながら談笑。19時から鏡リュウジさんと英国の占星術家を囲む夕食会があり、それに向けて出かけました。ミッドタウンのメキシコ料理屋で、なかなか良いチョイスでした。家に帰ってきたのは、零時を回っていましたかね。
2014. 3. 29 土
今回のニューヨーク遠征の目玉であるルネサンス学会の最終日です。詳しくは、メルマガで。
2014. 3. 28 金
ルネサンス学会の第2日目です。詳しくは、次号メルマガでお楽しみください。大成功に終わったトニーとの感動的なセッション、そして素敵な飛び入りゲストもありました!
2014. 3. 27 木
今回のニューヨーク遠征の目玉であるルネサンス学会の第1日目です。詳しくは、4月2日配信の次号メルマガでお楽しみください。
2014. 3. 26 水
あいにく、まだクレアの調子は完全ではありませんが、予定よりすこし遅れて13時半の電車でニューヨークに向かいます。2時間ほどで到着する予定です。日本勢からの連絡はまだありませんが、ぶじにホテルに着いていることでしょう。別便で現地に向かった鏡リュウジさん一行は、出発時間を勘違いしていて危うくフライトを逃すところだったようですが、間一髪でセーフだったようでなによりです。
今回のニューヨークにはトニーやナンシーさんだけではなく、ルネサンス学会の常連であるパリのクリストフ以外に、この学会には疎遠だったラリーやビルも来るようで、なんだか全員集合の大きなパーティの様相を呈してきました。ニューヨークというマグネットのせいでしょうか?
2014. 3. 25 火
明日は、いよいよルネサンス学会のためにニューヨーク入りする日となりました。根占先生、平岡君、エミーさんからなる日本勢も明日の朝11時のフライトで、現地に向かいます。時差の関係で、同日付の午前11時に着くようですので、入国審査をへて荷物を受けとり、マンハッタンのホテル入りするのは12時半から13時くらいになるのではないかと思っています。あいにく、週末からクレアがインフルエンザにかかってしまい寝込んでいるので、僕たちのニューヨーク入りは予定よりも遅れるかもしれません。明日になってみないと何ともいえません。しかし、遅くても夕飯までにはホテル入りしているつもりです。
去年の夏の国際シンポのために日本にやってきて、超有名ブログ『石版!』の紺野さんとも意気投合したホルヘも、ぶじにニューヨークに到着したようです。明日、われわれと合流します。
2014. 3. 24 月
初期近代において占星術がマージナルなものになっていく現象について、来年3月にオランダのユトレヒトで大型の国際会議をおこなう計画をリンク(フェルメイ)と練っているのですが、誰かビッグ・ネームに基調講演を依頼したいと思っています。残念ながら、肝心要のトニーは、来年度は授業が忙しすぎて無理ということです。どなたか他に良い人はいるでしょうか?どういうアイデアでも歓迎です。ツイッターなどで遠慮なくご提案ください。>
幾人かにアイデアを出してもらいましたが、決定打はナシという感じです。
以前、老舗の学術出版
Springer 書店の『ルネサンス哲学事典』のために、医学についてのエントリー群のリストを準備しました。今日は、そこから正式に4点ほど執筆の依頼がきました。リストに自分をエントリーしておいたので予定どおりです。「発生」、「種子の理論」、「梅毒」、「徴の理論」で、前者は僕の2つの本からまとめればいいでしょう。後者の2つについては、菊地原君との連名にしたいと考えています。基本的には、『パラケルススと魔術的ルネサンス』の記述からまとめてもらって、それを僕が英語化して最終的なかたちを整えればよいだろうと思っています。締め切りは夏休み明けですので、まだ時間はあります。
2014. 3. 23 日
科研費プロジェクト『キリシタンの世紀』を宣伝するために、去年クレアにつくってもらった絵ハガキを100枚ほど増し刷りしたのですが、ぶじに根占先生のところに届いたようです。安心しました。われらのパネル「キリシタンの世紀」は、おなじみとなったダレルに司会をやってもらうので各発表者のプロフィールを説明するためのメモを作成しました。そういえば、『ティマイオス』についてのパネルの司会を僕も頼まれているので、主宰者にメモを火曜日までに送ってもらうようにメールしました。
『図書新聞』の今週号に根占先生が執筆した、菊地原君の『パラケルススと魔術的ルネサンス』の紹介記事が出されました。皆さんも、チェックしてみてください。>
参考のために記事をスキャンしたものが送られてきました。感謝です。
2014. 3. 22 土
お昼のあとに発表練習をしました。各語の発音とアクセントの位置を確認しながら、一回とおして読みました。そのため今回は切れ切れなので、つぎからは普通のスピードにします。まだ実際に何分かかるか計っていません。
2014. 3. 21 金
今日は、もう一方のジェニーの錬金術論集に寄稿した論文の微調整をすることにしました。こちらは、最初は気乗りしなかったのですが、それでも比較的に短かい時間で問題を解決することができましたと思います。この論集はシカゴ大学出版から出すことを目指しているようです。僕にとっては、アメリカでのメジャーな出版は初めてなので、晴れの大舞台となります。夕方に、そのジェニーと会います。
これで残りの作業は、メルマガだけとなり気分がだいぶ楽になりました。それさえ解決すれば、あとはニューヨークでのルネサンス学会の発表練習に集中できます。もし、メルマガをルネサンス学会の様子について報告することにすれば、さらに時間のやりくりが楽にはなります。ただ残り時間がすくないので、ギリギリになってしまいそうで怖いのです。
来週のルネサンス学会は、割り当てられた会場のサイズから考えると、僕とダレルの占星術のパネルも、根占先生と平岡君のキリシタンの世紀のパネルも普段とは比べ物にならない多くの聴衆を集めそうです。そういう場所で恥をかくわけにはいきません。ここでコケたら、これまでの努力が水泡と帰します。普段よりも練習に力を入れたいと思います。
2014. 3. 20 木
今日から気持ちを入れかえて、溜まりはじめた作業をこなしていきましょう。まずは書類づくりからです。> これは、あんがい簡単に済んだので、つぎは昨秋にとても苦しんで書きあげた2本の論文(錬金術論集とラウトレッジ論集)を編者の希望をいれて微調整することに移りたいと思います。普段だったら、なんなく片付けることができる仕事ですが、なぜか気が進まないでいます。
作業をはじめたのですが、ラウトレッジ論集の方は、どうも編者のひとりでコメントとつけている人がアリストテレス主義すぎて、ルネサンスのプラトン主義やパラケルスス主義の話についてこれないようで、いろいろ僕にいわせれば非歴史的な難癖をつけています。これに対応するためには、アウェイで少しずつ時間をみつけて作業するのでは無理だと思われます。4月に家に帰ってからゆっくり作業することにしました。
2014. 3. 19 水
どうも、このエアのメモリ容量が足りなくて赤色の危険状態のままで長らくいたのですが、今日はアップル・ストアにいって専属ジーニアスに見てもらいました。それによると、使っていないメール機能のせいで、20ギガもムダにしていた模様です。それを消去して赤色から脱出し、だいぶ楽になりました。ふう。
ニューヨークから欧州にもどる次の週にバルセロナで45分から1時間の話をしないといけません。基本的には、座長のリクエストで僕の1冊目のセヴェリヌスの章について話すのですが、その原稿の準備もしないといけません。先日リストをつくったときに、すっかり忘れていました。あんがい悠々としている暇はないようです。
三面記事のような話題なので、ここに書くのは相応しくないかもしれませんが、学問の作法についてのことなのでお許しを。時差ボケのなかで、ほぼ4時間にわたる理研の記者会見をみました。改ざんと捏造、そして中心人物の心理に記者たちの関心は集中していましたが、僕が危惧しているのは、論文執筆において盗作を盗作と思わないごく稀な個人的な倫理観の問題では収まらず、もっと文化的・構造的な次元が背後に隠されているのではないか?という点です。もっとはっきりというと、日本の科学界には、ソースに言及しさえすれば何行でもそのまま書き写していいのだという雰囲気が広がっているのではないか?という疑問です。これを関係者の応答のなかに感じざるをえませんでした。
2014. 3. 18 火
さあ、今日はニューヨークに向かってフライトです。6時に目覚ましをかけておいたのですが、こころなし興奮しているせいか、4時過ぎに目が覚めてしまいました。身支度を焦らずにできるので、都合がよいに越したことはありません。予定では、ニューヨークの空港に13時(6時間の時差があります)に到着してマンハッタンに入り、そこから電車に乗ってフィリーにむかいます。14時40分発のものに間にあえばラッキーです。
ブリュッセルの空港には7時過ぎに到着し、チェックインして荷物を預けました。シルヴァー・ステイタスになってからは、ファースト・クラスとビジネス・クラスの人たちにつづいて、お先に並ばずに搭乗できるので、ゆったりしています。しかも、今回は機内がすいていたので3席をベッド代わりにして寝ていたら、起きたときにはニューヨークに到着する直前でした。入管も荷物の受け取りもスムーズで、地下鉄に乗ったのは30分後という新記録。マンハッタンの中央駅について、20分後の14時45分発のフィリー行に乗ることにしました。今は、アムトラックのなかには無料の無線ネットがあります。17時に到着の予定です。
2014. 3. 17 月
明日がニューヨークへのフライトなのですが、朝の9時半(空港には7時半)と早いので、今夜はブリュッセルに泊まることにしました。ということで、すでに今日の夕方からは旅モードに入ります。
これから、ルネサンス学会がニューヨークで行われます。科研費プロジェクト『キリシタンの世紀』が母体となっている JARS として、1年前からじっくりと準備してきました。いまの世界的な認識では、日本にはルネサンス学は存在しないことになっています。この誤った先入観にまっこうから挑戦する大舞台です。
それと並行して今月末までにしないといけないことを、自分用にメモしておきます。とくに、後者の2本は今後の展開のために重要です。
メルマガの準備
デシューヌ論文2の改定
ラウトレッジ論文の改定
2014. 3. 16 日
昨晩から今朝にかけて、『知のミクロコスモス』の寄稿者たちと中世編や近代編の可能性を話していました。とても夢のある話です。ただ僕が BH の活動をとおして10数年にわたって培ってきた希望の種子たちのネットワークと、それぞれの種子のたしかな成長が、このプロジェクトを成功に導いているので、いきなり付け焼刃のように研究者を集めても、うまくいかないかもしれないという意見もあります。
僕自身は状況をわかっていないのですが、例えば中世でいえば、どうも制度や政治に関心を集中している歴史学の研究者と、スコラ学を中心とする中世哲学の研究者のあいだのギャップがあまりにも大きくて、そのあいだを埋める広大な領域の知の歴史をあつかう人材があまりいないらしいのです。説教、予言書、神秘主義、動物譚、植物図譜、マルコ・ポーロ、マンデヴィル、怪物、魔女、ダンテ、チョーサーなど、ワクワクするような本をつくるための楽しいテーマはいろいろあるのです。こういう本があれば良いのにと皆さんも思いませんか?
ただ、単行本では時間も労力もかかるので、サイズを半分くらいにしてキンドルでやりたいと思っています。賛同される寄稿者や出版社はいませんか?4〜5本はいっている電子書籍、1000円から2000円くらいの手頃なものを想定しています。
2014. 3. 15 土
今日は日本時間の21時から、超有名ブログ『石版!』の紺野さんを迎えた特別対談があります。専用放送局『マルシリオ・フィチーノ』にチューンして、お待ちください。お楽しみに!
今回もあえて各論考の英題を『知のミクロコスモス』のなかには入れなかったのですが、やっぱりつくろうという声が出たので、一昨日からつくっております。一つ一つの題の案にたいして、幾人もが批判を加えてより良いものになってきていると思います。
ちなみに、英題を考えなかった理由は、2010年の『ミクロコスモス』のときに海外の人たちから要旨がないと題だけではあまり意味がないといわれていたからです。それでも英題があると、気になることをしている人がいるのだと気がつくことにはなるので効果はあるのですよね。
2014. 3. 14 金
『知のミクロコスモス』から、ヨシ君の「スキャンダラスな神の概念」とクニ君の「アリストテレスを救え」を読みました。本の構成上は第2部と第3部に分かれているのですが、ふたつの論考はいろいろな点で交錯しており、スムーズな流れでつながっています。クニ君の論考は僕の論考とも話題がクロスしているし、カズ君のベイコン論ともつながっているので、これらの4本は密接に関連したひとつのシリーズをつくっている感じがします。とおして読んでみると、この流麗な展開はなかなか素晴らしいです。
今日は、慶応三田でおこなわれたディドロ研究者の逸見さん関係の講演会で、ヨシ君が『知のミクロコスモス』をもっていって行商してくれました。5冊すべては飛ぶように売れてしまったということです。関係者の皆さまに感謝です。
2014. 3. 13 木
昨晩の赤江君のインタビュ「中世説教世界への招待」も、たいへん好評だったようで良かったです。初回は50名、そして編集後に現在まで50名ほどが視聴しています。
日曜日の座談会のなかで個人的に驚いたのは、幾人もの人が『知のミクロコスモス』が書店の哲学のタナに並ぶのが当然だと考えていることでした。この論集におさめられた論考のなかで、哲学という分野にあたるような論考は、おおめに見てもヨシ君とクニ君、そして折井さんのものだけではないでしょうか?哲学よりも曖昧で、懐が深いかもしれない思想ということかもしれませんが、どうでしょう、ストレートにこれが思想だ!といえるものは何本あるでしょう?
内容全般を見わたしてみれば分かるかと思うのですが、この論集が目指しているものは、あくまで人為の知的な側面をあつかう歴史学、つまりインテレクチュアル・ヒストリー以外のなにものでもないのです。知的な側面をあつかう以上、思想との区別は難しいということなのかも知れませんが、哲学・思想のムラのなかに落ち着いてしまうと、歴史に興味がある人のなかには尻込みしてしまう人もあらわれるでしょう。それは意図しているところではないのです。もっとオープンなものなのです。
『知のミクロコスモス』の序文でも書いていますが、これは伝統的な学問の対象とされてきた素材(カノニカルなもの)から一見して逸脱した周縁にあるものにも光を当て、それを歴史的・知的な文脈のうえにしっかりとおいて理解しようという作業なのです。説教、記憶術、古代性、怪物、聖餐、星々の影響、天国、ボディ・ペインティングといった、現代人の表層的な合理主義の価値観からこぼれ落ちてしまったモノたちが織りなしていた知のコスモスを蘇らせようという試みなのです。
2014. 3. 12 水
いつもよりも1時間遅めの電車にのってオランダのオフィスに向かっております。はたして、今日こそ『知のミクロコスモス』が入った荷を受けとることができるでしょうか?税関などでひっかかっていないことを祈ります。アマゾンのほうは再入荷があって在庫は復活し、順位も歴史学で第1位にもどしております。あらたに、哲学の分野でも第14位まできました。> と、思っていたら、またまた在庫切れになってしまったようです。これは嬉しい悲鳴をあげるしかないのでしょうかね?
各方面でぞくぞく出されている紹介のリンクを『知のミクロコスモス』の頁にまとめておきました。今日は日本時間の21時から、巻頭をかざる論考をよせてくれた赤江君の特別インタビュがあります。専用放送局『マルシリオ・フィチーノ』にチューンして、お待ちください。お楽しみに!
昼ご飯時にオフィスに着きました。すぐに郵便受けにいってみたら、通知がおいてあります。なんだか朝にイヤな予感がしたので、さきほど半分は冗談のつもりで税関のことを書いたのですが、オーヴァー・サイズということで本当に税関に引っかかってしまっているようです。書かなければ良かったと思っても、あとの祭りです。しかたなく、通関手数料にあたる約4千円を払って荷を受けとりました。とほほ。
2014. 3. 11 火
今日は午後いっぱいをかけて、根占先生のニューヨークでの発表原稿をチェックしました。> クレアに送りだして、プルーフ・リーディングをしてもらっています。明日にはできているでしょう。
超有名ブログ『石版!』の紺野さんが、『知のミクロコスモス』を紹介してくれました。そして、カズ君は収録されている平野さんによる入魂の論考「キリストの血と肉をめぐる表象の位相」の紹介をブログに書いてくれました。それぞれのリンクは、フェイスブック版で確認してください。
いちどアマゾンで第1位になったのはいいのですが、そのあとはずっと在庫切れの状態がつづき、改善されません。そのあいだに、どんどんランキングが落ちていきます。なんとも、ヤキモキする気分です。しかし、この入荷のしくみはアマゾン独自のもので、出版社もあまり有効な対抗手段がないらしいのですよね。
2014. 3. 10 月
週末に発売されたばかりの『知のミクロコスモス』は、ついにアマゾンの歴史部門で堂々の第1位となりました。はじめて見たのですが、第1位になると、タイトル下に「ベストセラー1位」というバナーが入るのですね。同時に、初回入荷分は売り切れとなりましたが、すぐに補充されることでしょう。今日は朝から、寄稿者の諸君と上へ下への大騒ぎでした。入手いただいた皆さまに、ふかく感謝いたします。
2014. 3. 9 日
昨晩は、ヨシ君とクニ君と日本時間の今夜9時に、JARS 専用放送局『マルシリオ・フィチーノ』でラジオ版の緊急座談会を行うことを決めたところで眠りにつきました。朝起きたら、『知のミクロコスモス』がアマゾンの歴史部門で第3位まで来ていました。皆さん、どうもありがとうございます!
朝起きて、ラジオ版座談会の準備をしました。本づくりの様子や成立の背景、そしてスコープなどを1時間半にわたり、いろいろ話をしました。編集版をアップするまでに約60名が聞いたようです。編集版は、こちらにアップしました。
2014. 3. 8 土
ある意味で、瞬間最大風速のようなものだと思いますが、『知のミクロコスモス』がアマゾンのランキングの歴史部門で第5位までいきました。さすがに、これは記録かもしれません。哲学とか思想ではなく、歴史一般というところがスゴイところです。ランキングに入っている他の本は、さもありなんという感じで、近現代の日本をあつかった一般書ばかりですね。
朝起きたら、ルネサンスの宗教哲学やジョルダーノ・ブルーノについての研究で有名なリチャード・ブルム氏から、フェイスブックのチャット機能をとおして、『ブリル版ルネサンス占星術必携』に掲載された英語版の論文「ルネサンスの星辰医学」の PDF を欲しいといわれました。すぐに持っている校正段階のものを送りました。僕の第2著作につづいて新作にも関心をもってくれて嬉しかったのですが、いきなりだったのでビックリしました。
2014. 3. 7 金
僕にしては、ひさびさになる長尺の邦語による論文「ルネサンスの星辰医学」を寄稿した『学習院女子大学紀要』ができあがったようです。ここから PDF 版をダウンロードできます。あの『スター・ピープル』に寄稿して以来でしょうかね?
九州の寄稿者にも、『知のミクロコスモス』が届いたようです。海外組のところには今週はまだ着かないようです。来週ですね!>
クニ君も荷を受けとったようです。やはり、東京=ロンドンは郵便がはやいですね。あまりに気になったので、夕方に大学のフロント・デスクまでいって聞いてみましたが、やっぱり来てないようです。とほほ。
僕は漠然とですが、出版の未来についても考えています。そのための仲間を募っています。研究者だけではなく、コンピュータに詳しい人、マーケットに敏感な人、アーティスト、いろいろな人の協力が不可欠です。これについては、おいおい。
2014. 3. 6 木
関東の寄稿者には、ぞくぞく『知のミクロコスモス』が届いているようです。関西は1日プラス、九州は2日プラスでしょうか?海外は、速達に近い ESM 便というもので出したらしいのですが、これは何日かかるのでしょうか。ちなみに、普通の郵便では、日本から欧州まで約1週間です。いまは献本のための統一リストをまとめていて、明日には提出します。二宮隆洋さんへの追悼論集ということですので、2年前の偲ぶ会でお会いした関係者の幾人かにも、中公から送られているようです。
今週はまだオランダに行くか、どうしようか迷っています。おそらく行くと思うのですが、木曜も昼時を過ぎました。>
結局のところ、14時の電車に乗りました。金曜ではなく、土曜になってからリェージュに戻ることにします。
ベルリンにある老舗の学術書店
de Gruyter の編集部から連絡があり、新しい電子出版のプラットフォームができたので、寄稿して欲しいと要請がありました。これは完全なオープン・アクセスをうたっていて、単著だけではなく論集の企画も受けるとのことです。もちろん、原稿の審査はあります。名前の知られ具合が欧州ベースであるところが、世界を目指す場合には物足りないかもしれませんが、スプリンガーやブリルと違って、完全な無料で誰にもオープンであるというところが大きな魅力かとも思えます。キンドル版も出るようです。独語のほかに英語や仏語も出版します。また、同時に紙ヴァージョンも印刷するようで、こちらは従来の高めの価格帯となるでしょう(ここの出版物の値段はブリルやスプリンガーと近いです)。
僕が思うに、近いうちにこうした巨大資本の学術出版社が、日本語の出版物にも手をつけるようになるのではないでしょうか?海外の出版界は日本のマーケットが意外に大きいことをほとんど知りません。日本語による出版のノウハウもないでしょう。しかし、パソコンの発達で多言語を処理できる環境が整った現在では、日本語のコンテンツを企画・編集できる能力がある人間が加われば電子出版は、比較的に簡単だと思われます。いま日本の出版界はアマゾンによる攻勢にどう対抗するかで右往左往しているようですが、ついに海外の巨大資本が学術書のマーケットに参入してくる日も遠くないのではないかと思っています。
2014. 3. 5 水
『知のミクロコスモス』の献本用のリストづくりをしています。金曜までに提出する予定です。あと3人の寄稿者のものが入れば、OKというところまできました。
10時過ぎにホテルを発って、歩いてソルボンヌ横の老舗の Vrin 書店までいき、2冊ほど古代哲学についての本を物色しました。そのあとは地下鉄に乗ってパリ北駅に向かいました。12時の新幹線でリェージュに戻ってきましたが、なぜか今回は WiFi が故障していて使えませんでした。これは困ったものでした。
日本の寄稿者の何人かは、もう『知のミクロコスモス』を受けとったようです。とくに、日々の本づくりの進行に一喜一憂していたヨシ君などはうれしかったでしょう。
2014. 3. 4 火
おお!ついに、『知のミクロコスモス』の見本が刷りあがったようです。早速のところ、写真を送ってもらいました。
出発前の慌ただしさのなかで、送ってもらった写真をアップして家を出ました。パリについてからは国立図書館に近い第7大学に直行し、食事のあとにジョナタンの授業枠で20人くらいの学生たちの前で授業をしました。大半は歴史学科に所属している3年生のようですが、科学史や医学史の知識があるわけではありません。それでも、ルネサンスの人文主義や古代神学の話など、いろいろ興味を持てたようで、たくさんの質問をうけました。
授業の後は、いそいでパリ天文台に向かいました。フランス科学史界を長年にわたってとりまとめていたビッグ・ボスが主催する講演シリーズでしたので緊張しましたが、うまくいったと思います。場所柄、おもに天文学に関心がある聴衆だと思ったのですが、集まった人々は医学の話にもオープン・マインドでした。ビッグ・ボスもなかなか気に入ってくれたようで、講演後のレストランでも話の華が咲きました。ルネサンスの期の天文学と医学との関係についての共同研究プロジェクトが立ち上がるかもしれません。
2014. 3. 3 月
あまり実のある作業ではありませんが、今日は明日のパリ講演の原稿とパワーポイントを見直しました。普段の中身のつまった感じで90分も話すのは無理な気がします。むかし、ゲマのことについて90分ほど話したことがありますが、そのときも大変でした。
明日は、9時50分の新幹線でパリに向かいます。12時にはパリ北駅につきます。まずは、ジョナタンのセミナーで2時間ほど話をするために、地下鉄の国立図書館駅前のスターバックスで待ち合わせしています。そのあとは、パリ天文台に向かいます。17時から講演です。
2014. 3. 2 日
パリ講演のテクストを同僚でサインディエゴでも発表してくれたエリザベトにプルーフ・リーディングしてもらいました。これであとは、パワーポイントを見直しするだけです。
2014. 3. 1 土
今日と明日で、パリ講演のためのパワーポイントをつくりたいと思います。> かけ足で全体をひと通りつくりあげました。明日もう一度、ゆっくりとチェックしていきます。
2008年の秋にマシンのクラッシュがあって Gmail を使うようになってからは、ニフティのアカウントに送られてくるメールは自動転送でみていました。今日、ふとしたきっかけから、これが万全ではなく、ときどき漏れがあることが分かりました。近いところでは、中西さんからの年賀、すこし前だと赤江君からの幾つかのメール、なんのリアクションもしなくて申し訳ないです。さらにショックだったのは、2012年の春に亡くなれた二宮さんが、その少し前に僕に送ってくれた最後のメールが転送されていなかったことです。このメールは、『知のミクロコスモス』として日の目をみる論集の構想を、これから出版社に働きかける旨が書いてあります。いまから、ちょうど2年前のことでした。タイムマシンにのって二宮さんが、目の前にあらわれたような感触に包まれました。