New Paracelsus Lounge
 
パラケルスス研究のラウンジ
  
 
 
その6
 
映画 『パラケルスス』 (ドイツ、1943年)を見た!
 
 
    いや〜。ついに見ました、映画 『パラケルスス』 (ドイツ、1943年)。良かったです。制作年代的にかなり白黒サイレント映画に近いものを想像していたのですが、1950〜60年代モノなのでは?と思えるくらい生き生きとしています。特殊効果の原型と言えるようなものもかなり用いられています。お話は、パラケルススのバーゼル時代を扱ったものです。あらましは、大体こんな感じです。大学の医師達がさじを投げるような足の病に苦しむ大出版業者フローベンの足を直す事が出来たパラケルススは、大学当局の反対にあいながらも民衆や学生達の支持により大学で教える事を許可されます。何とかパラケルススを追い出そうとする大学の医学教授達は、あの手この手で彼の邪魔をしようとしますが、パラケルススの弟子となったヨハネス(オポリヌスの事でしょう)が、功を焦り勇み足で、パラケルススに無断で持ち出した製作途中の万能秘薬『エリクシール』を勝手に処方して、病気の再発したフローベンを死なせてしまうことから、パラケルススは批判を受け、逮捕状が出されます。街を逃亡せざるを得なくなった彼は、仲間の機転でまんまと城門を通過、無事去って行く事が出来ます。最後には、田舎に引っ込み奇跡的な力で多数の民衆を治療するパラケルススの医術の評判を聞きつけた神聖ローマ帝国皇帝の使者が、彼を宮廷医としてスカウトしに来ますが、パラケルススは、民衆を治療する事を選び、皇帝のオファーを辞退して感動の大団円と。ま、こんなところです。完全なフィクションの一般向け物語映画なのですが、結構、史実を尊重していたり、パラケルススの人となりを良く表現できていると思います。主演の Wener Krauss も、はまり役だと思います。僕は、映画史のことはそれほど詳しくありませんが、監督の Georg Wilhelm Pabst は、ドイツ映画史上において結構重要な監督みたいですね。録画(パル=セカム方式、オリジナル独語音声+仏語字幕)したので、時間を見つけてまた見ましょう。 
 
 
万能薬エリクシールを求めて実験
酒場にて自然と人、医術について語る
  
 
        この放映は、2001年1月16日、23:15 から、フランスの 『 arte 』 (アール・テと読みます) という渋い知的番組構成しかしないテレヴィ局からでした。北フランスのリール第3大学にいる Bernard Joly 氏についている、僕にとっては弟・弟子にあたるレミ君から速報のメールが来てそれを知った次第です。『 arte 』 は、アート・テレヴィの略とでも言いましょうか、ドイツの ZDF とタイアップしている独仏資本のテレヴィ局なので、ドイツの映画なども沢山放映している基本的に2ヶ国語テレヴィ局です。基本放映データを入れておきますが、独語文と仏語文です。あしからず。その他の文献では、Udo Benzenhiefer, "Zum Paracelsus-Film von Gerog W. Pabst (1943)." in J.Telle (ed.), Parerga Paracelsica. F.Steiner, Stuttgart, 1991. pp.359-377. が一番まとまっているみたいです。
 
  
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