ごくごく個人的な「本」日記
2013年3月
2013. 3. 31 日
ロスアンゼルスから車で南下して、サンディエゴの近くの町まで戻ってきました。明日にはサンディエゴにたどり着きます。
2013. 3. 30 土
週末にクレアの友人に会うために、サンディエゴから車で北上してロサンゼルスに向かっています。昨日は途中のラグーア・ビーチという町で夕飯を食べて、近場のモーテルに泊まりました。アメリカ映画のような車で乗りつけるホテルってあるじゃないですか?あれです。
週末明けには、図版のほうも解像度の低いものを含めて、いったん提出することになりました。平岡君とヨシ君のものはまだ揃ってませんが、仕方ありません。
2013. 3. 29 金
メガ・シンポ論集の方は、すべての原稿12本を出版社の担当の方に送り出しました。原稿に目をとおしてもらっている間に、図版についての作業をすすめないといけません。各寄稿者とも、図版の選定についてはほぼ終わっていますが、解像度の良いものを提出してもらっていなかったり、PDF だけ入手して画像ファイルに変換していなかったりします。エミー計画のとき同様に、PDF から変換する画像はクレアに手伝ってもらって角度などを整え、歪やシミ・汚れなどをなくさないといけません。
美術史・建築史の人たちは別として、残念ながら多くの人が画像は出版社の人に任せるものだという甘えた考えを持っていますが、図版の選定や入手、版権のクリアなど、寄稿者その人が責任をもつのがワールド・スタンダードです。日本の学問のレヴェルをあげるためには、そういう知識を多くの人に共有してもらわないといけません。このことをあえて書くのは、僕にはそれを伝える使命があると思っているからです。
2013. 3. 28 木
もうニューヨークを離れる木曜日となりました。今回の滞在は、本当にあっという間でした。午後にはナンシーさんとお別れして、空港に向かいます。サンディエゴ行のフライトは17時です。向こうに到着するのは、現地時間で21時の予定です。
つぎのフライトは国内便だから1時間前に空港につけばいいだろうとタカをくくっていたのは、大きな間違いでした。空港について、自動マシンで搭乗券をプリントしようとしたら、プリントできません。近くにいた係員にその旨を告げると、何時のフライトだと聞かれました。1時間後だというと、すぐに私について来いといわれ、列に並ばずにバッグを預けることができました。しかし、サンディエゴ行は第3ターミナルから第4ターミナルにシャトルバスで移動しなければならないようです。シャトルに向かおうとすると、時間切れだといわれました。それでも、なんとかならないか?と尋ねると、超特急で11番ゲートにいって、そこからシャトルに乗りなさいと指示されました。荷物チェックを受けてから、走ってゲートにたどり着くと、係員に急いでついて来いといわれ、階段をかけ降りて待っていたシャトルに間一髪で乗り込むことが出来ました。こうしてターミナルを移動し、ギリギリでサンディエゴ行に乗り込むことができました。やれやれ一安心ですが、もしかしたら荷物は間に合わなかったかもしれません。最悪の場合は翌日に空港に届くことになるでしょう。> なんとか荷物もつきました。やれやれ。
東京大学出版会の PR 雑誌『 UP 』に BH の仲間でリレー連載をする企画が、正式に編集会議をとおりました。めでたい、めでたい。いまのところの予定では、9月号から12月号に BH 叢書の第1弾と第2弾となるエミーさんと菊地原君が、それぞれカルダーノとパラケルススの研究について、そして3番目に僕がメガ・シンポ論集を中心としたインテレクチュアル・ヒストリーについて、最後に著作がもうすぐ出版される平岡君がキリシタンの世紀の日本における西洋宇宙論の受容について寄稿します。どうぞ、お楽しみに!
2013. 3. 27 水
メガ・シンポ論集は、ついに確認校が3つとも帰ってきて、12本すべての原稿の完成校が揃いました。残っている最後の微調整をしたら、出版社の担当者の方に送り出します。ちなみに微調整とは、今回はじめて欧米の出版物の規定にそって数字同士をつなぐときに普通のハイフンではなくエヌ・ダッシュというものを採用したのですが、どうやらこの記号は邦語環境ではワードから移し替えるときに文字化けするようなのです。ということで、すべてハイフンに戻さないといけません。
来たる5月19日に学習女子大学にて第40回のルネサンス研究会が開かれます。今回は趣向を変えて、これから開かれるラファエロ展にあわせてフィレンツェのイ・タッチ研究所から来日する特別ゲストの講演が予定されています。詳しいお知らせは、こちらです。
2013. 3. 26 火
今朝は5時半に目が覚めました。時差ボケがある割には良い方です。今日はノブさんのマシンにスカイプを入れる予定です。
2013. 3. 25 月
それではこれから出発します。月曜から木曜まではナンシーさんのところにお邪魔します。そのあとカリフォルニアに向かいます。> 電車のダイヤが少し乱れているようで、なかなか通過駅のユトレヒトにもたどり着きません。早めに家を出てきたので、焦ってはいません。じつは僕はナンシーさんに見習って、移動のときはかなり早めに出発するようにしています。ただ彼女の場合は極端で、以前にワシントンまで一緒に移動したときは、あまりに早く駅についてしまったので二人でイスに座って2時間も待ったことがあります。
だいぶ眠れたせいかフライトはスムーズで、予定どおり16時過ぎにニューヨークに到着しました。入国審査を済ませ、荷物を受けとり、地下鉄 A 線に乗ってブルックリンをめざしました。ナンシーさん宅に着いたのは18時半でした。夕食のあと、22時にダウンしました。
2013. 3. 24 日
明日は13時半のフライトです。いろいろとカバンの準備をしています。オンラインでチェックインも済ませました。ただ欧州は昨日から大雪が降っているところもあるようで、心配なので早めに家を出ようと思っています。
メルマガの次号分をドロップしました。今回は、サンディエゴ計画での発表「ピコ以降のルネサンスの発生学と占星術:パパレッラの場合」ということで、1560年代にイタリアのピサとペルージャで活躍した人物を扱います。これまでほとんど誰も研究したことがなく、歴史の忘却に埋もれた人物を再発掘する世界初の試みです。いったいどうなりますでしょうか?4月2日の配信予定です。
2013. 3. 23 土
メガ・シンポ論集は、最終的な微調整の段階に入りました。3月中に出版社の担当の方に原稿一式を渡したいと考えています。そのまえに聖書の書名の書き方をある程度は揃えて、一般読者に分かりやすくしておきたいと思います。僕も把握しているつもりですが、それでも見落としがあるかもしれません。寄稿者各位、ご協力よろしくお願いします。> やっぱり、僕の見逃しが幾つかありました。皆さんに聞いてみて良かったです。速やかな反応に感謝です。
2013. 3. 22 金
メガ・シンポ論集は、2つの論考の確認校をチェックする作業を終え、いよいよ残りは月末の予定の確認校ひとつと、週末前には届くはずの原稿ひとつとなりました。もう、あと一歩ですね。> その原稿が届いたので、昨晩から早速にも編集作業をすすめ、午前中には何とか終わりました。読んでいてとても楽しくなる論考で、よく書けています。こういう原稿に出会うと本当に嬉しいですね。これで、大きな編集作業は終わりました。あとは確認や微調整などの細かいことが残っているだけです。昨年11月から本格的にはじめたこの作業も、足掛け6か月となかなか大変なものがありましたが、やっと終わってほっとしています。
11月にボストンで行われるアメリカ科学史学会での発表は、「ルネサンスの自然哲学、医学、錬金術における生命の原理」 The Principle of Life in
Renaissance Natural Philosophy, Medicine and Alchemy で行きます。その要旨は以下のような感じです。セッションの主催者に送ったら、まさにこういう一本を待っていた!と嬉しそうでした。だから、これで大丈夫だと思います。
In
the late Renaissance, especially during the second half of the sixteenth
century and the first decades of the seventeenth century, the “newly recovered”
writings of prominent ancient authors such as Galen, Hippocrates and
Aristotle’s Greek commentators exerted a considerable impact on medicine and
natural philosophy. Propelled by this intellectual stimulus, leading minds in
these fields started to cast doubt on the fundamental body of doctrines offered
in traditional university teachings. These factors fuelled physicians’ and
natural philosophers’ debates on living beings and their nature, structure and
functions, and even forced them to avail themselves of divergent new ideas. As
this period also witnessed the rise of the Paracelsian movement, which was
closely related to alchemy, and since the proponents of this current were often
themselves physicians, interactions of medicine, natural philosophy and alchemy
contributed to the emergence of a number of remarkable interpretations of life
phenomena. The present paper aims to provide a synthesis of my work on such
interactions by focusing on the notion of the “principle of life” (principium vitae).
2013. 3. 21 木
ある雑誌のリレー連載の企画のための第一弾の原稿がもう到着しました。最初は手をつけないつもりだったのですが、これは僕の性根なのでしょうね、少しだけ手を入れて送り返しました。
今朝の速報によりますと、ついに平岡君の近著『南蛮系宇宙論の原典的研究』(花書院、3月末刊行)は、予約完売となったようです。めでたし、めでたし。この本は闇市でとても高いプレミアがつくことは間違いないでしょう。しかし、出版社の社長のご厚意で、まだ特別に
BH ファンだけには予約は続行されるとのこと、最後の最後に駆け込む余地はありそうです。あと1週間しかありません。急いでください!
これから月末までにすることのメモで触れた、11月にボストンで行われる米国科学史学会用での発表のためのアブストラクト(講演要旨)を書きましたので、クレアにプルーフ・リーディングしてもらいます。最大で250語までのところ、170語ですが何とかなるでしょう。つぎのメルマガの準備もできましたし、今月は順調です。あとはメガ・シンポ論集の編集作業だけですが、こちらは寄稿者の動きに依存していますので、僕だけではどうしようもないところもあります。
ずっと眠らせてあったガファレル論集のための作業を、昨日から再開させました。まずは、集めた原稿を編集せずに見た目だけ整えたものをプリント・アウトしてジェルマーナに送って、イースターの休暇中に目を通してもらおうと思います。
2013. 3. 20 水
さて、BH 叢書の第2弾はキクパラ計画こと菊地原君の『パラケルススと魔術的ルネサンス』ですが、そのカバー原案のための作業も開始しました。パラケルススには多数の肖像画がありますが、僕もだんだん初期近代の図版探しのコツがつかめてきた感じで、ほどなく菊地原君の希望するヴァージョンが Augustin Hirschvogel という版画家によるもので、1566年版の『気象学』 Das Buch Meteororum に入っていることをつきとめました。入手した版はちょっと汚れがあるのですが、これは比較的簡単にキレイにできるでしょう。フェイスブック版 BH にアップしておきます。これが、クレアのマジックでいったいどのようなカバー原案になるか楽しみに待っていてください!
スカイプをつかって菊地原君と1時間くらい話をしました。基本的には今後の作業の進め方についてです。ミクロコスモス大賞のときからですから、直接に話をするのはまる3年ぶりです。ついでにフェイスブックのアカウントもつくってもらいました。自分の本の宣伝のためですからある意味で当たり前ですし、これで距離が縮まるでしょう。
2013. 3. 19 火
まだ完成版ではないのですが、エミー計画『天才カルダーノの肖像:ルネサンスの自叙伝、占星術、夢解釈』のためにクレアがつくってくれたカバー原案を幾つかフェイスブック版 BH にアップしておきました。どれが人気あるのか知りたいと思っていますので、ぜひ皆さんのリアクションをください。カバーのデザインにまで読者の意見が反映されるなんて画期的ではないですか?
5月のマドリッド国際会議の次の週に予定されているバーゼル国際会議『16‐17世紀の西欧における異端的医学:哲学と宗教』の仮プログラムがきました。なんと、僕の発表が最初ですか?ま、ベルリンでも2番目だったので、それに似た感じではありますが、なんだか会議の方向を左右するようで荷が重いです。
2013. 3. 18 月
次のメルマガは、2週間後のサンディエゴ会議での発表内容にしようと思います。昨日のうちに大半は訳し終わりました。あとは飛ばしたイントロのところをかたづけて、推敲すればいいでしょう。> 予定どおりに推敲しました。明後日にオフィスでプリント・アウトしてそれをチェックして終わりにしたいと思います。
今日はちょっとリェージュに行って来ようと思います。いろいろ事務手続きがあります。> 暖房が壊れていて&大家がいい加減な人で、この冬のあいだはまったく訪れることができなかった BH 本館に、なんと4か月ぶりに帰ってきました。暖房は直ったようです。やっとのことで頭脳と身体がつながった感じがします。やはり、ここがいい。
2013. 3. 17 日
クレアは一足先に明日のフライトでアメリカに戻りますので、カバンの準備をしています。
スペイン語の面白い論文を見つけました。こんどのプロジェクトのためにコツコツと準備しているのですが、ドミニコ会士ルイス・デ・グラナダは大成功をおさめたカテシスムについての著作(サラマンカ、1584年)の第1巻で、天地創造や被造物のことを説明しています。ここは自然についての議論が集中している場所です。どうやら、人体の成り立ちについての議論では当時の最新の解剖学の知見も取り入れていて、メインとなったソースがヴェサリウスや彼の仕事に影響を受けたスペインの医学者の著作のようです。この論文を出発点として、いろいろ研究の目はあると思いますので早速われらが解剖博士・澤井君に連絡しました。
来週は、メガ・シンポ論集の編集、メルマガの準備、そして来年のボストンでの HSS のセッションのための論題と要旨を準備しないといけません。とくに後者は、これまでのルネサンスにおける生命論についての僕の研究(パラケルスス主義、アリストテレス主義、ガレノス主義)をまとめるようなものを狙おうと思います。ちょっと野心的すぎますかね?
2013. 3. 16 土
今日は朝から嬉しい知らせがありました。メガ・シンポでも発表してくれたアメリカのプリンストンにいるヨシ君が、博論の公開審査をへて無事に博士号を取得しました。おめでとうございます!送られてきた博論の最終版には、ダニエル・ガーバーらとならんで僕もしっかり謝辞に入っていました。博論についてアドヴァイスなどしたわけではないのですが、さすがこの辺の心配りは日本の人たちとはまったく違います。深く感謝です。
フェイスブック版の BH も好調にファンの数をふやし、なんと95人となりました。とくにツイッター上で鏡リュウジ氏とつながってから、グッと数が増えました。あと少しで記念すべき100人を迎えます。なにか特典を差し上げたいと思っています。永きにわたってご愛顧いただいている往年のファンを大事にすることはもちろん、迫りくる7月の BH 叢書の旗揚げにむけて、どんどん新しい人たちが訪問してくれることは良いことです。
2013. 3. 15 金
メガ・シンポ論集の編集作業ですが、昨日の午後から夜半にかけて別の論考を編集しました。非常に難しい漢字が連発される平野さんの独特な文章に比べると分かりやすいのですが、ともかく長かったです。図版も多いので、すごい頁数になるのかもしれません。しかし、これで全体の編集を済ませていない論考は残り1本となったので、ようやく出口が見えてきました。編集校の確認と図版の選定をしなければいけない未校了の4本が済めば、ほぼ終了という感じでしょうか?
今日はバスでヘーレンという町に行って、カルラリタのオープン大学での教授就任のための演説を聴きます。13時にバスで出発して、帰ってくるのは夜中でしょう。> 案の定、帰ってきたのは23時半でした。
2013. 3. 14 木
もう一度推敲をして、サンディエゴ会議のための原稿をなんとか仕上げたので、クレアにプルーフ・リーディングしてもらいました。2300語を少し欠けるくらいですが、ま、いいでしょう。
皆さんのおかげで昨日の問題も解決したので、今日はもう一度全体をとおして平野さんの論考に取りくみました。ふう。ほぼ完成といって良いのではないでしょうか?メガ・シンポ論集も全部で12本のうち、これで残りは水野さんと小澤君の論考となりました。でも、これらについては確認くらいの作業で済むかなと期待しています。
2013. 3. 13 水
ここのところの季節外れの寒波の襲来と大雪で、欧州は大混乱しています。今週あたりにリェージュの BH 本館に行く予定でしたが、どうも怪しくなってきました。
おお、なんと平岡君の近著 『南蛮系宇宙論の原典的研究』 (3月末発売)は、昨日で予約数が80部に達したという知らせをうけました。ということは、あと残り20部で完売です。皆さんも、のん気に構えている場合ではないですよ。自分の分を確保しておいてください!
今日はメガ・シンポ論集の編集作業に戻り、平野さんの論考をアタックしました。これは大変でした。なにしろ漢字が難しすぎます。この作業で困ったのは、邦訳の聖書を手元にもっていないことです。『ローマ人への手紙』第16章第17-18節の訳が欲しいのです。それから、モリエールの『学者気取りの女たち』(あるいは『才女気取り』)には邦訳があるのでしょうか?第2幕第6場の一節をチェックしたいのです。
2013. 3. 12 火
やっとのことで、サンディエゴ行の航空券を入手しました。最初に数日ほどニューヨークでナンシーさんのところにお邪魔します。自分用のメモとして旅程を書いておきます。
3月25日(月) アムステルダム 13:25 − ニューヨーク 16:35
3月28日(木) ニューヨーク 17:15 − サンディエゴ 20:40
4月7日(日) サンディエゴ 14:40 − アムステルダム 翌13:30
サンディエゴでの発表原稿をつくってみました。現段階で2400単語ですので、ちょっと多いですね。もう少し減らします。クレアは1週間先に出発するので、見てもらうなら今週だけしかありませんが、あと2〜3回ほど推敲して要らないところを削ればなんとかなるでしょう。
イスキアのサマー・スクールの主催者から連絡がきて、セミナーで使うリーダーを3月29日までに用意してくれといわれました。英語で最大25頁までだそうです。2次文献の方は、人造人間についてのビルの論文がちょうど25頁でした。1次文献は何がいいか探しています。> カズ君に聞いたところでは、人工生命についての話はベイコンにはなさそうです。英語でないといけないので、ボイルかな?
2013. 3. 11 月
オフィスに出て雑用をしてましたが、部屋の暖房がうまく動いてないようで、極度に寒くなったので退散しました。
ある雑誌に BH 叢書の紹介をするための企画を練る作業を進めています。
2013. 3. 10 日
一昨日ここで紹介したモニカの『大公と星々:ルネサンス期ミラノにおける占星術と政治』の邦訳版を BH 叢書から出すかどうかを見決めるために、ツイッターやフェイスブックでリアクションを募集しましたが、予想を上回るものすごい反響です。これは迷っている場合ではないかもしれませんね。よし、計画をすすめましょう!翻訳を担当したい人はいますか?技術的なサポートはしますよ。
この本は、フランス王がイタリアに攻め込んでくるまでの15世紀後半のミラノ公国での話をメインに扱っています。ちょうどカルダーノが生まれる直前で、彼の父ファツィオが持っていたであろう医学と占星術に関する考えを理解するうえで大いに役に立つものだと思います。
2013. 3. 9 土
今日は、メガ・シンポ論集のクニ君のものに続いて、折井さんの論考を再チェックしました。これでほぼ校了だと思います。あとは図版の選定と入手ができれば OK です。それが済むまでのあいだに平野さんの論考の編集作業に移りたいと思います。
モニカの本の続きを読んでいます。でも、占星術と医学についてのことは、これで良いでしょう。
最終的なプログラムの PDF 版も発表となり、サンディエゴ会議も近づいてきました。そこで、僕の企画したセッションの発表者たち12人に、日時と場所のリマインダーと、発表の長さ(ペーパー自体は20分、そしてディスカッションを10分)、そして会議後に一緒にディナーをとるためのレストランの調整をはじめました。前回のサンディエゴ滞在で、どこにすればいいかは大体の目星がついています。
2013. 3. 8 金
こんどスプリンガー書店が立ち上げるオンライン版 『ルネサンス哲学百科事典』 における医学の分野の主幹になってくれと依頼されました。その話によると、なんだかウィキペディアみたいなのですが、依頼された記事を専門家が執筆し、審査にとおったものはどんどんウェブ上にアップされ(つねに微調整をできる)、すべてのエントリーがそろうであろう約4年後には、図書館用の紙ヴァージョンの百科事典として印刷されるようです。かなり大型なプロジェクトで時間と労力を必要とするのでしょうが、残念ながら15あるセクションの主幹には謝金は出ないかわりに、スプリンガーのすべての書籍の電子版は無料で入手できるようになるみたいです。ある意味で、出版という古い産業のあるべき未来の姿であるような気はします。はてさて、受けようか、どうしようか迷ってます。皆さんは、どう思いますか?
先の占星術と医学についての論考の補足として、モニカ(アッツォリー二)の新著『大公と星々:ルネサンス期ミラノにおける占星術と政治』 Monica Azzolini, The Duke and the Stars: Astrology and Politics in Renaissance Milan (Cambridge MA: Harvard University Press, 2012) を読んでいます。ギリギリまで待ちましたが、本は到着しなかったので、昨晩モニカに頼んで校正刷りの PDF を見せてもらったのです。
2013. 3. 7 木
事務の不手際で止まってしまった大学のアカウントが、やっとのことで直ったようです。普段は感じませんが、やはりアクセスができないと困ることもあります。JSTOR とかもそうですが、それにもまして、そもそも印刷ができなくなるのです。占星術と医学の論考のために、ナンシーさんの論文を一つプリントしてじっくり読みたかったのでした。
そろそろサンディエゴ行の航空券などを準備しないといけません。
う〜ん、平岡君の近著 『南蛮系宇宙論の原典的研究』 (3月末発売)にたいする各方面からのヴィヴィッドな反応には、ほんとうに目を見張るものがあります。これは事件ですね!出版までの残り3週間が待ちきれません。まだ自分の分を予約してない人は、乗り遅れないようにしてください。後悔先に立たずですよ!
2013. 3. 6 水
やっとのことで、占星術と医学についての論文『医学と占星術:ルネサンスにおける新しい星辰医学』もほぼ脱稿となり、クレアにプルーフ・リーディングしてもらうところまでたどり着きました。この原稿は、基本的にはジェルマーナの論集で伊語版にしてもらったものの下敷きとなった英語版を使ったもので、11月に産休中のモニカの代打として引き受けたものですが、いままで忙しすぎて落ちついて着手することができませんでした。これでなんとか、アンドレアスの論集と、この『ブリル版・西洋占星術史必携』のためのふたつの山を超すことができました。
じつは去年、それまでさまざまな編者に預けていた原稿が一挙に5本も出版されました。ながらく足踏みしていたものが日の目を見ることは、たしかに良いことです。ぜいたくな悩みといえるかもしれませんが、その反動でストックは空になり、つぎに出る予定のものはありませんでした。ここでガファレル論集とあわせて、あらたに3本が充てんされたことになります。自分でいうのもなんですが、この秋から冬にかけてはほんとうによく仕事をしましたね。
このあとはメガ・シンポ論集の作業にもどります。編集が残っている原稿は3本です。それが終わったら、サンディエゴに集中します。> 一気にクニ君の原稿の編集を済ませ、確認校を送りだしました。あとは平野さんの長大なものが残っています。
2013. 3. 5 火
おお、Annals of Science 誌の最新号に僕の第2著作の書評ではなく、なんとエセー・レヴュがでました!ルネサンスの宗教哲学史の権威でドイツ語圏におけるジョルダーノ・ブルーノ研究の牽引車のひとりである Paul Richard Blum 氏によるものです。おそらく紙ヴァージョンの出版前のパイロット版で、実際の出版はもう少し後になるのかもしれません。印象的な決め文句は “With this book we have a solid assessment of major sources, topics, and strategies in the Renaissance medical debate about the philosophy of life” です。
朝から会議で、3月からはじまる大型プロジェクトについて話しあいました。詳しいことは、もうすこし細部が決まってからお伝えします。
2013. 3. 4 月
ついに、BH 叢書の記念すべき第一弾となるエミー計画から『天才カルダーノの肖像:ルネサンスの自叙伝、占星術、夢解釈』の全原稿と図版を出版社に送り出しました!あとは版組と校正、そしてカバー・デザインで、この7月には出版されると思います。> 送り出したのは日本時間で夕方だったので、うまく届いたかどうかのリアクションは明日になるでしょう。
オフィスに来たのですが、なにかの手違いで僕の大学のパソコンのアカウントが開かなくなってしまいました。先週、延長届を出してもらったはずなのに。困りました!
今週は占星術と医学についての論文に集中したいと思っています。と書きましたが、なかなか集中できてません。> なんとか午後の終わりから夕方にかけて作業を始めることができました。いったん始めてしまえば、あとは何とかなるのでは?と淡い期待をしています。
2013. 3. 3 日
今日は何もしません。> といいつつ、ひとつ水面下で計画が進んでいます。じつは、マドリッド会議の直前か直後に、薔薇十字研究の世界的な権威であるカルロス・ジリー氏の功績をたたえるために、秘密パーティを行うことをミゲルが企画しています。連動してマドリッドでワークショップが開かれ、特集が Azogue 誌に組まれるというものです。参加してペーパーを読むことになりそうです。ワクワクです!
2013. 3. 2 土
エミー計画のために、昨日一日かかってクレアがきれいにしてくれた画像の25点を原稿に埋め込みました。もちろん画像ファイルは別に送り出しますが、だいたいどの位置に、どういう図版が入るのかを出版社と印刷所に把握してもらうためです。あと残りは、チャートが1点です。ただチャート作成のためには、クレアも良いソフトを持っていません。これさえクリアすれば、すべてを送り出せます。メガ・シンポ論集でも、カズ君の論考にチャートがひとつあるので、そこがネックとなっています。どなたか、チャート作成に自信ある人はいませんか?
カズ君の論考のための図版はシンプルです。それほど迷惑もかけないだろうと思い、すーうさんにお願いしました。ものの数分で作っていただいて感激しました。やっぱり建築家は違いますね!あと残りは、エミー計画用の1点だけとなりました。こちらはちょっと複雑な図版です。> 結局のところクレアが作ってくれました。
専用頁を設けて、平岡君の近著『南蛮系宇宙論の原典的研究』を紹介しましたが、1週間でフェイスブック版 BH の訪問者が、700人と爆発的に増えました。この本にたいする人々の期待が手にとるようにわかります。タッチの差で BH 叢書に入れることができなかったのは、ほんとうに残念でなりません!
2013. 3. 1 金
今日は、また新しい動きがありました。正式には月曜の朝に分かると思いますが、ええ!?というくらいのスゴイ本の翻訳プロジェクトがスタートしそうです。ますますヒートアップする BH 叢書に、乞うご期待!> 皆さんも、翻訳したい本がある人、著作の原稿を抱えている人は、お気軽に相談ください。どんどん出していきますよ!
カズ君のサンディエゴ用の原稿がきましたので、チェックしました。あとは、クレアに見てもらえばOKでしょう。この直しが終わったら、カズ君には英国人たちの前で発表と質疑の練習をしてもらわないといけません。
つぎの米国科学史学会が11月22-24日に米東海岸のボストンで開かれるのですが、エヴァン(ラグランド)からの誘いで「キミアと生命」というセッションで発表することになりました。まだ詳しいことについてはわかっていません。ボストンには行ったことないので、ちょうど良い機会です。
メルマガは無事に配信されたようです。受け取れなかった人は、スパム・フィルターに引っかかってないか確認してください。