BH からの学術論集の出版計画
計画立ち上げの呼びかけ、基本理念にかえて
僕の主催するこの bibliotheca
hermetica (略称 BH) は、現在のところ約100名の登録するMLと、このメイン・ウェブサイト、そして年末の第1回目の関西セミナー &東京ミーティング
(2000)、個別の中核的なメンバーへの e-アドヴァイス&情報交換、からなっています。以下のことは、東京ミーティングで提案するつもりでしたが、今ここで書いていしまっても良いと思います。この一年のBHの活動を通して、これはと思える初期近代
(15-17世紀) のことを研究している人達が僕にコンタクトを取ってきました。人数もある程度揃ってきたところで考えるようになったことなのですが、クロス・ボーダー型の
Intellectual History を扱う専門の学術雑誌というか限定出版型の論文集を1年後ぐらいに出せたら良いな、と最近思っています。これはまだかなりナイーヴなアイデアで、費用の面など、どのくらい実現可能かは分かりません。敷居の高い超レヴェルの高いモノにするつもりはありません、若い人に機会を与えることを主眼に置くもので、1本が5〜10ページくらいの短めの論文というか研究ノートの集積型のものと考えておいた方が良いでしょう。論文・研究展望・翻訳・文献紹介などが入っていても良いでしょう。日本の学術雑誌は、会員制が多いのですが、別に会員でなくても投稿できる方が良いような気がします。普段、みな、分野別の縦割り型で、あまりルネサンスやバロックの時代精神というか文化状況を理解していない人しか居ない、オーディエンスの全くない既存の学会誌などに投稿などしているようですが、初期近代の文化の研究は、そういった分野別の縦割りがほとんど意味をなさない時空間です。分野横断型の受け皿が必要なのです。どうせ出すならオーディエンスの居るところに出した方が良いでしょう。そういうオーディエンスを開拓して行くのも狙いです。面白い研究をしているのに、既存の狭いところに出して、なかなか皆に広く知られないと嘆き思っている人は、まだまだ沢山居るのではないでしょうか?(一度どこかに出してしまったものでも、コピーライトに引っ掛からないように上手くリライトしてくれれば良いでしょう。)
(2000年10月10日しるす)