「キミア」の歴史に関する
 
スペシャル・セッション
  
  
 
その2
 
アメリカ科学史学会年会(ピッツバーグ、1999年7月6日)
    
『化学史研究』2000年2号にて東工大の梶さんが紹介なさっている
ピッツバーグでのアメリカ科学史学会年会(1999年)で初期化学のスペシャル・
セッションがあり、W.R.Newman 氏や L.M.Principe 氏の発表があり元気が
良かったとありますが、更なる情報を直接に梶さんにお聞きしました。
 
以下が、発表者とその演題のリストです。
 
 
"Chysmistry" and "Chemistry" - Stability, Transformation, and 
Rejection in the Century before Lavoisier
『「キミア」と「化学」 : ラヴォワジェ以前の世紀における安定、変容そして拒絶』
 
議長 : Lawrence M. Principe (Johns Hopkins)
   
William R. Newman (Indiana), 
"An Ungentlemenly Gentleman : Boyle's Approapriation of Chymical Knowledge."
「紳士的でない紳士 : ボイルのキミア的知の盗用」
 
Lawrence M. Principe (Johns Hopkins),
"Experiment in Chymistry and the Notebookds of George Starkey."
「キミアにおける実験とジョージ・スターキーのノート」  
 
John Powers (Indiana),
"History and Alchemy in the Chemical Work of Herman Boerhaave."
「ヘルマン・ブールハーヴェの化学的著作における歴史と錬金術」
  
Kevin Chang (Chicago),
"In Search of True Sulphur: Georg Ernst Stalh's "Zymotechnia Fundamentalis""
「真の硫黄を求めて : ゲオルグ・エルンスト・シュタールの
『ジモテクニア・フンダメンタリス』」
 
  
もう、Principe 氏と Newman 氏に対するコメントは要らないかと思いますが、
面白いのは、Principe 氏が Starkey について、Newman 氏が Boyle に
ついて発表しています。何かの間違いでなければ、非常に興味深い点です。
 
3人目の John C. Powers 氏は、近年 "‘Ars sine arte’ : Nicholas Lemery and the
End of Alchemy in Eighteenth-Century France." Ambix, 45, (1998), pp. 163-189
という重要な論文を発表している注目株の研究者です。今回は、最期の「キミスト」
ライデンのヘルマン・ブールハーヴェについてですね。
  
4人目の K.Chang 氏は、シカゴからということで、A.G.Debus 氏がらみでしょうか?
  
1997年のリェージュでの第20回国際科学史学会での初期化学の
スペシャルセッション同様なかなかすごい内容だと思います。
 どの発表のタイトルもなかなか刺激的なものばかりで、
これらが実際出版される日が楽しみです。
  
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