カリフォルニア国際会議

 

 

 

 

質料形相論

 

Hylomorphism

 

カルフォルニア工科大学、パサデナ・キャンパス、2008 523-24

 

Friday, 23 May

9:00 – 10:00 Michael Edwards (Cambridge University), “Body, Soul and Anatomy in Late Aristotelian Psychology”

10:00 – 10:30 Coffee Break

10:30 – 11:30 Gary Hatfield (University of Pennsylvania), “Mechanizing the Sensitive Soul”

11:30 – 12:30 Justin Smith (Concordia University), “How to Feed a Corporeal Substance: The Metaphysics of Nutrition from Fernel to Leibniz”

12:30 – 14:30 Lunch

14:30 – 15:30 Hiro Hirai (University of Ghent), “Atomism, Hylomorphism, and Biology in Daniel Sennert”

15:30 – 16:00 Coffee Break

16:00 – 17:00 Denis Des Chene (Washington University, St. Louis), “Pores and Corpuscles in the Schools”

17:00 – 18:00 Bill Newman (University of Indiana), “Daniel Sennert's Conversion to Atomism”

 

Saturday, 24 May

Morning Free

14:30 – 15:30 Tad Schmaltz (Duke University), “Substantial Form as Cause: From Suarez to Descartes”

15:30 – 16:00 Coffee Break

16:00 – 17:00 Roger Ariew (University of South Florida), “Descartes and His Critics on Matter and Form”

17:00 – 18:00 Daniel Garber (Princeton University), “Leibnizian Hylomorphism”

 

 

 

 

論集出版までの道のり

 

2011626日以降の動きは、こちらをご覧ください。

 

2011. 6. 26

  ギデオンの話では、カルテック論集はサイン済みの契約書が寄稿者すべてから送り返された段階で校正に入るということです。ここからは、けっこう進みが速いかもしれません。寄稿者は、会議のオリジナル・メンバー全員に加えて、ギデオンその人の論考が入るということです。ということは、ほぼこのプログラム通りのなんとも豪華な執筆人による論考がならぶ、歴史的な論集になるということでしょう。がありますね。

 

  気になったので、このあいだのリチェティ論文の場合を振り返ったのですが、ブリルから契約書が送られてきたのが1月半、次に校正刷りがほぼ3ヵ月後4月上旬、そして出版はそこから3ヵ月後7月頭という感じです。これがブリルにおける作業のだいたいのリズムだと考えられます。編集校を受け取り、版組みにはいる前に契約書を交わすということなのでしょう。ということはカルテック論集も、もうブリルに編集校は渡っていて、これから版組みに入るということだと思います。そうすると、ここから6ヶ月くらいで論集は日の目を見るのではないでしょうか?

 

  論集がどのシリーズに入るのかは、月曜日にギデオンが教えてくれるそうです。しかし、よくよく考えると、今夏から来年の初めにかけて半年のうちに、ブリルから BH 絡みの本が一挙に3冊も出ることになります。ESM 誌といい、完全にブリル人です。

 

 

2011. 6. 23

  カルテックのギデオンからメールがあり、質料形相論に的をしぼった野心的な20085月のカリフォルニア会議をベースにした国際論集が、ついに来年にブリル書店から、『初期近代科学と哲学における質料と形相Matter and Form in Early Modern Science and Philosophy という題名で出版されることが決まったようです。ビルダニエル・ガーバーなどの稀代の大物が一堂につどう、何ともめまいのするような記念碑的な書物の寄稿陣に名前を連ねることができるなんて光栄な話です。まずは、契約書にサインして送り返さないといけません。

 

  クニ君によれば、ケンブリッジ大学出版などが良かったのではないか?ということですが、まさにこれだけの布陣ならそれを目指すべきだったかもしれません。それでも、会議の主催者のモーティが最初に提案していた、どこかの雑誌の特集号という安易かつオブスキュアなかたちは避けられたので良かったと思います。みなさん、雑誌の論文なんてどうでもいいというような、高みにある人たちばかりですからね。

 

 

この間に2年が経ちました

 

 

2009. 5. 31

  いきおいに乗って、英語版ゼンネルト論文も編集担当のギデオンに送り出しました。締め切りから丸々5ヶ月がかかってしまいました。すいません。ふう。> 早速のところギデオンから受け取りの連絡が来ました。

 

 

2009. 5. 22

  今日も朝から英語版ゼンネルト論文の作業をしています。最終段階に入って、もうほぼ完成に近づいています。ところで、すでに年末の締め切りから5ヶ月!が経とうとしているのですが、編集を担当しているロスのギデオンからは何も言ってこないので、さすがに心配になってまだ間に合うかどうか問い合わせるメールを出したら、すぐに返事が返ってきて大丈夫だと言われました。数日ほど待ってもらうことにしました。良かった。しかしです、アメリカ行きとマシン・トラブルがあったせいでもあるのですが、ポールには英語版レオニチェノ論文を6ヶ月も待ってもらいましたし、マルコにはセネカ論文を最終的には8ヶ月も待ってもらいました。どうもいけない傾向にあります。まったくもって、手本には出来ない行為です。

 

 

2009. 5. 21

  朝から英語版ゼンネルト論文の仕上げをしています。最初に仏語版から訳した2年前から時間がたっているので、現在の僕の英語の流れのスムーズさと比べると劣るようなので、この際ですから通して読み直しつつ、細かい表現などをチェックしたり書き直しすることにして、その作業に没頭しているという次第です。

 

 

2009. 5. 17

  昨日は、長らくたまっていた宿題を片付けようと、まずはギデオンに送らなければいけない英語版ゼンネルト論文の書式の修正をおこないました。これはすぐに完了です。時間を見つけて一回通して読みたいと思います。それから、ESM 誌から依頼されている論文審査を再開しました。すでに一回読んでいますし、いろいろ考えてはいます。それらを元に審査評を書いているうちに、やはり同主題のコンチェッタの論文に目を通さないといけないと思いたって読み始めました。これは、150頁もある長いものです。コンチェッタにとっては若書きらしいですが、それでもこの論文を無視してフィチーノの『ティマイオス』注解を語るわけには行かないでしょう。

 

 

 

会議までの道のり

 

2008. 5. 29

  僕の作品のファンだというケンブリッジのミルトン研究者とカリフォルニア会議で知り合いました。共同論文か何か一緒に出来たら良いなと思っています。僕はもともと、形成的自然の概念についても論文を書いている William Hunter というミルトン学者の研究が好きだったので、その路線でゼンネルトの英国での影響を見るようなものとかを考えています。今週ゲントでのコスモグラフィアの会議が終わって落ち着いたら、アイデアを提案する予定です。今後の英語圏への進出のことも含め、気軽に何でも聞けるネイティヴの同僚を持つことは、非常に良いことではないのでしょうか?

 

 

2008. 5. 28

  最近では、Hiro’s student という肩書を得るだけで、これまで日本人がどんなに頑張っても体験できなかったような未知の世界に入っていくためのが開くことを、身をもって経験している学生さんが増えています。これは一重に、これまで知識だけの頭でっかちな観光客としてではなく、世界に通用する学問的な作品で勝負できる日本人がいなかったことが間違っていた訳ですが、運良くそういうチケットを手に入れた学生君たちも、かけられた期待に応えられるように頑張ってください。> 僕との些細な約束事も、勝手につまらないことと自分だけで判断して無視しないで、ちゃんとした約束事として尊重して下さい。

 

 

2008. 5. 27

   カリフォルニア会議の事務方のエミリーさんから連絡があり、数日中に旅費を払い戻してくれるそうです。航空券を送る必要なしとのことで、良かったです。

 

 

2008. 5. 26

  ほぼ予定通りの9時半に、無事にブリュッセルに帰って来ましたが、どうやら飛行機の着陸ミスの事故が前日にあったようで、電車のダイヤが乱れています。今は、日本に一時帰国した時のような心身ともにトロトロな状態です。やはり、10時間を超えるロング・フライトはこたえます。しかし、今寝てしまってはまた時差ボケになってしまいます。がんばって夜まで起きていなければなりません。とにかく、まずはウチに帰ってシャワーを浴びて着替えたいところです。夕方からは、カリフォルニア遠征の大成功を祝いたいと思っています。

 

 

2008. 5. 25

  今日は7時前にホテルを出て、用意されたタクシーで空港まで向かいました。車中で一緒にバックシートに座ったビルが、なかなか親切な感じで、いろいろ話しかけて来ました。少し距離が縮まったかも知れません。

 

  ニューヨークでの飛行機の乗り継ぎは、45分と時間も短く、初めの経験なので少し焦りましたが、なんとか無事に済みました。このマシンは購入してから1年半が経ちますが、運の悪いことにバッテリーに問題が出て来てしまったため、乗り継ぎ時間を含めた、ロスからニューヨークまでの6時間とニューヨークからブリュッセルまでの8時間の合計で15時間、一度も開けることが出来ませんでした。そこで、少し今週の金曜日にあるコスモグラフィアについての国際会議用の発表原稿を練ろうと思っていたので、計算ミスです。

 

 

2008. 5. 24

  今日は哲学の発表が3本です。どれも変わり映えしないもので、歴史的文脈などはお構いなしでデカルトトマスを比べるとか、そういうことばかりしています。ま、でもケンブリッジ版の17世紀哲学を編集しているデカルトライプニッツ研究の権威と言われる人たちです。僕は、シュミットが中心となって編集したルネサンス哲学の歴史の方が断然よいと思っています。しかし、なぜこの人たちは、背景を無視してテクストだけみているだけで、新しいものが生まれてくると思っているのでしょうか?

 

Tad Schmaltz (Duke University), “Substantial Form as Cause: From Suarez to Descartes”

              Roger Ariew (University of South Florida), “Descartes and His Critics on Matter and Form”

              Daniel Garber (Princeton University), “Leibnizian Hylomorphism”

 

 

2008. 5. 23

  デニスDenis Des Chene (Washington University, St. Louis), “Pores and Corpuscles in the Schools”が休みなので、時間ほど遅れて会議がスタートしました。きしくも、デニスの欠席によるプログラムの微調整のせいで、僕とビルの発表が同じセッションになり一騎打ちの様相を呈して来ました。

 

Michael Edwards (Cambridge University), “Body, Soul and Anatomy in Late Aristotelian Psychology”

Gary Hatfield (University of Pennsylvania), “Mechanizing the Sensitive Soul”

 

    午前中の2本は、まずマイケルのダンティニウスというイエズス会士の霊魂論注解における解剖学の役割についての話。最近 ESM に出た論文に近い話です。カトリックプロテスタントの2極に分けて、プロテスタントではメランヒトンを、カトリックではコインブラ・イエズス会の注解をメインに話を構築していました。昼ご飯の時に隣に座ったので、パドヴァ霊魂論の伝統にも目を傾けた方が良いよ、とアドヴァイスしました。次のゲイリーは、アメリカではデカルト学の権威らしいのですが、物質の自己構成能力のアイデアのソースをルクレティウスに見る話でした。ディスカッションで、ルネサンスの化学哲学で流布した種子の理論の影響は考えられないだろうか?と質問したのですが、ちょっと頭の固い人で話にはなりませんでした。仕方なし。

 

Justin Smith (Concordia University), “How to Feed a Corporeal Substance: The Metaphysics of Nutrition from Fernel to Leibniz”

 

   昼食後の1本目。これは、非常に気合いの入った発表で、素晴らしいとガーバーも絶賛していました。キミア関係の部分は、僕の本で触れた事柄が沢山出てくるので、是非とも参照して欲しいと思います。発表の前に話をした時に、アマゾン・フランスで君の本を注文したのだけれど、入手不可能だったよと言われました。そうなのですよね。カタログでは出てくるのに、実際に注文すると入手不可能という答えが返ってくると前に誰かに言われたことがあります。

 

              Hiro Hirai (University of Ghent), “Atomism, Hylomorphism, and Biology in Daniel Sennert”

              Bill Newman (University of Indiana), “Daniel Sennert's Conversion to Atomism”

 

  さあ、ついに本日のメイン・イヴェントとなりました。かなり緊張しましたが、今回はあまり読む練習をしていなかったにも関わらず、僕の発表は無事に済みました。ディスカッションの反応も良かったですし、途中で助け船を出してくれたりして、ビルのリアクションも良好でした。良かった、良かった。主催者の Feingold 教授に、Good job ! と言われたのが、特に嬉しかったです。最後のビルの発表は、ゼンネルトの原子論の起源をスカリゲルの粒子的なミニマ理論に求めるもので、とくに原初の状態に物質を戻す、という概念を鍵と捉えているものでした。相変わらずのビル節で、他を寄せ付けない迫力のある発表でした。ここでも相変わらずウルズラの本を批判していました。これだけ力のある人が世界を飛び回って批判を展開する訳ですから、この人に睨まれたら怖いというのが良く分ります。僕は、ビルの議論を鵜呑みにしている訳ではない&ビルの見ないものを見ようとしている訳で、彼の反応を気にしているのですが、これまで同様に同胞という感じで、発表の中でも何回も僕の名前が呼ばれ、今回も非常にフレンドリーでした。

 

18時半からコンフェランス・ディナーがありましたが、非常に美味しいものでした。僕は食べ物には厳しい方なのですが、僕をうならせるものでした。という感じで、1日目のプログラムは終了しました。そうそう、日本から会議を聞きに来ている K 君が途中で、「ここ無茶苦茶レヴェルが高いですよ。日本では考えられません!」と正直な感想を述べていました。そうだと思います。世界のトップ・レヴェルが集まっているのですから。僕でさえ、この中では下から2番目の若造です。

 

 

2008. 5. 22

  6時に目が覚めました。今日は、9時からジェット・エンジン研究所のプライヴェート・ツアーがあります。詳しいことは、プライヴェート版に書きます。

 

 

2008. 5. 21

  ふたたび移動日です。6時に起きて身支度をし、8時にはナンシーさん宅を後にして地下鉄に乗りました。空港には、9時頃に着いたと思います。飛行機は11時半の出発です。6時間のフライトはスムーズでしたが、機内食は有料のものしかありませんでした。同じデルタなのですが、これでは格安のライアン・エアなどと変わりありません。空港ではカルテックが用意してくれた専用タクシーが僕を待っていました。それに乗って美しい丘陵地帯を1時間ほど走り、ロスの郊外にあるパサデナのホテルに着きました。少し予定を過ぎて4時半に K 君が、僕のホテルに合流し、少し作業をしながら話をした後、カルテックの場所確認とパサデナ観光を兼ねて散歩に出かけました。夕食後の10時頃に、K 君は地下鉄に乗って帰って行きました。

 

 

2008. 5. 20

  今日はあいにくので気温も下がっています。午前中は、ナンシーさんの書斎で、研究のことやフィラデルフィアの住処探しのことをアレコレと。午後は、ナンシーさんはお昼寝。僕は、時差ボケの影響だと思うのですが体調がイマイチすぐれず、バファリンを飲んで頭痛がおさまるのを待ちつつ、ゆっくりしていました。

 

 

2008. 5. 19

  明日に国鉄の全面ストが予定されているとも知らずに駅に着いたら、今日も既にダイヤは乱れているようで、予定の電車はキャンセルされていました。しかし、大した混乱もなく次の電車に乗って、ブリュッセルの国際空港に向かいました。今日は、なぜかチェックインは空いていて、手続きもスムーズでした。今は飛行機の中にいるのですが、食事の後の昼寝が済んだところです。夏の時や前回のハロウィン休暇直前と違って、空席も目立ちます。ブリュッセルを経ってから4時間が経過しました。あと3時間のフライトでニューヨークに到着します。

 

  このマシンのバッテリーは、ここのところ持ちが悪くなりました。飛行機は定刻通りに到着し、入国審査もスムーズに終えて、ゲートを出たころでノブさんが待っていてくれました。天気も良い方です。車でブルックリンに到着すると、用事があって出かけていたナンシーもちょうど帰って来たところらしく、さっそくティー・タイムとなりました。その後、ナンシーさんの書斎で研究の話をいろいろしてから、夕方に近くのイタリアンに行きました。時差ボケのようで、9時にはダウンして寝てしまいました。> 目が覚めたのは朝の3時です。完全に時差ボケです。

 

 

2008. 5. 16

   パリ遠征の旅費を立て替えた250ユーロ(約4万円) が帰って来ました。良かった、良かった。あとは、カリフォルニア行きの650ユーロ(約10万円)が、会議後にスムーズに帰ってくることを祈ります。しかし、今はものすごいユーロ高ということで、円に換算するとエライことになってますね。

 

 

2008. 5. 15

  カリフォルニア会議の最終的な準備として、パワーポイント用のスライドを作りました。単純に10ほど引用の個所を挙げただけですので、すぐに出来ました。> 空港からホテルまでタクシーを手配してくれました。片道90ドルもしますが、向こう持ちです。やはりリッチな会議です。> しかし、ニューヨーク東京とは不思議と時差を感じないのですが、カリフォルニアは地球の裏側にあることを感じさせます。

 

 

2008. 5. 13

  カリフォルニア会議の発表原稿の作業をしないといけないのですが、どうも集中できません。> 下敷きになるゼンネルト論文の長さはテクストだけで11あります。持ち時間の1時間のうち40くらい話すとして、多くても8くらいまで落とさないといけません。> 午後になんとか集中して8枚まで落としました。余計な枝葉を取ったので、だいぶ議論がストレートかつクリアになったのではないでしょうか?

 

 

2008. 5. 12

  もう来週の月曜日には、カリフォルニア会議に向けて飛行機に乗らないといけないところまで来てしまいました。

 

 

2008. 5. 9

  カリフォルニア会議の事務方から、旅費の払い戻しのために e-ticket のコピーを転送してくれという連絡がありました。640ユーロも建て替えている訳で、早く返してくれることはありがたいことです。あとは、前回のパリ行きの旅費250ユーロも早く帰って来て欲しいところです。2つ合わせると900ユーロ15万円くらい?) ですからね。こうなってくると、なかなかバカに出来ない額ですよ。この職業は、立て替えるだけの経済力のない人には大変なものだと思います。

 

  これから1週間ほどカリフォルニア会議の原稿執筆に専念するとして、その後のコスモグラフィア会議のための原稿を書くのは無理だと思います。一応エントリーは、キルヒャーなのですが、完全に思考停止しています。エヴァンスの名著『ハプスブルグ・ヘゲモニーの形成R.J.W. Evans, The Making of the Habsburg Monarchy, 1550-1700 : An Interpretation, Oxford, Clarendon, 1979 の中にあるキルヒャーに関する記述を出発点にすることは可能ですが、キルヒャーのテクストを新たに読んでいないところから個人的な貢献を足すことはできないので、それまでの気もします。なかなか良い切り口が見つからないというか、コスモグラフィアというテーマ自体が個人的な感性にピンとこないというか、そういうところなのです。あくまでBH的な切り口を追及するとすれば、天地創造とどうつながっているか?とかですね、そういうふうに考えれば良いのでしょうか?> そうか、コスモグラフィアというのは世界の隅々に宿る神の摂理の痕跡を綿密に記述・整理する営為ということなのでしょうか?つまり、ルネサンス期のエンブレム的博物誌に通じるものと見るべきなのでしょうか?次のようなタイトルは、セクシーでしょうか?

 

キルヒャーのコスモグラフィアと神の摂理のエンブレム的解釈 “Kircher’s Cosmography and Emblematic Reading of Divine Providence”

 

 

2008. 5. 8

  実は、10日後にはロスアンゼルスに向かって旅立つというところまで来てしまいました。そろそろ本気でカリフォルニア会議の発表原稿に取り掛からないと、いくらゼンネルト論文を流用するといっても、マズイですよね。最近得られた知見をもとにアップデートしたいと思っていますし、会議の趣旨により合わせるためにイントロも変更しないといけないでしょうし、こうして考え出すとやるべきことはいろいろあります。

 

 

2008. 4. 13

  クニ君が話題にしている、ウルズラの本に対するビルの批判を読みました。これは、ウルズラによるビルの本への批判 Metascience, 16, 2007, pp. 247-256 に対するお返しです。他の追随を許さない圧倒的なヘゲモニーを築こうとしているビルキラーぶりが遺憾なく発揮されています。こういう論争好きな人を相手にすると、非常に厄介だということが分かりますが、問題はビルが廊下を歩けばコバンザメのように群れをなして彼につき従う輩たちのように彼に迎合せずに、いかに学問的な信念をまっとうするか?という点にあると思います。その辺りが、これから5月のカリフォルニア会議でのビルとの11真剣勝負を控える僕としての心構えです。

 

 

2008. 4. 12

  カリフォルニアから連絡があり、1泊ほど多くヒルトンに泊まる分もカルテックがカヴァーしてくれるそうです。うん、やはり主催者はリッチだと思います。

 

 

2008. 4. 10

  ついに、カリフォルニア会議のプログラムが来ました。これは、風雲急を告げる展開です。お互いにゼンネルトをテーマに選んだ時点で既に、ビルとの全面対決の様相を示しています。今年度後半のハイライトを飾るにふさわしいメイン・イヴェントです。興奮します。これだから、この職業はやめられないのです。> ちなみに、Michael Edwards というのは、去年5月のナイメーヘンでのワークショップに来ていた博論を終えたばかりの若手です。Gary Hatfield Tad Schmaltz は、デカルト学の人だと思いますが、よく知りません。

 

Friday, 23 May

9:00 – 10:00 Michael Edwards (Cambridge University), “Body, Soul and Anatomy in Late Aristotelian Psychology”

10:00 – 10:30 Coffee Break

10:30 – 11:30 Gary Hatfield (University of Pennsylvania), “Mechanizing the Sensitive Soul”

11:30 – 12:30 Justin Smith (Concordia University), “How to Feed a Corporeal Substance: The Metaphysics of Nutrition from Fernel to Leibniz”

12:30 – 14:30 Lunch

14:30 – 15:30 Hiro Hirai (University of Ghent), “Atomism, Hylomorphism, and Biology in Daniel Sennert”

15:30 – 16:00 Coffee Break

16:00 – 17:00 Denis Des Chene (Washington University, St. Louis), “Pores and Corpuscles in the Schools”

17:00 – 18:00 Bill Newman (University of Indiana), “Daniel Sennert's Conversion to Atomism”

 

Saturday, 24 May

Morning Free

14:30 – 15:30 Tad Schmaltz (Duke University), “Substantial Form as Cause: From Suarez to Descartes”

15:30 – 16:00 Coffee Break

16:00 – 17:00 Roger Ariew (University of South Florida), “Descartes and His Critics on Matter and Form”

17:00 – 18:00 Daniel Garber (Princeton University), “Leibnizian Hylomorphism”

 

 

2008. 4. 4

  朝からカリフォルニア行きの航空券を購入しようとしているのですが、いつものサイト上での予約システムでは、すぐにタイムアウトになってしまい、何度も同じ作業を繰り返しています。う〜む。アタマに来ます。少し、時間をおかないとダメなようです。とりあえず基本的な旅程は、次のようなものを考えています。帰りもニューヨークに立ち寄りたいのですが、時差の関係で上手く行きません。> 午後も何回試しても上手くいかなかったので、ブリュッセルの予約センターに電話したら、どの便に乗るか良く分っていた&スカイマイルのメンバーだったせいもありますが、ものの10で解決しました。今日は本当に朝から夕方まで、この件にかかりきりでした。早速、ナンシーさんにニューヨークにつく日程と時間を伝えました。

 

           519日 (月) ブリュッセル 1145 − ニューヨーク 1355

           521日 (水) ニューヨーク 1130 − ロスアンゼルス 1441

           525日 (日) ロスアンゼルス 935 − ブリュッセル  26日 (月) 900

 

 

2008. 4. 3

  そろそろカリフォルニア行きの計画を立てないといけません。しかし、遠征が多くなると、自分で立て替える額も大きくなります。ベルリン行きで飛行機代130ユーロ、パリ行きで電車賃とホテル代250ユーロほど建て替えていることになります。

 

 

2008. 3. 30

  5月のカリフォルニア会議のプラグラム用に発表タイトルを送ってくれという要請が留守中にありました。「ダニエル・ゼンネルトにおける原子論、質料形相論、生物学“Atomism, Hylomorphism and Biology in Daniel Sennert” というものにしました。先方のリアクションを見る限り、問題はないようです。会議は、一人の発表が英語圏には珍しく1時間 (発表40分+ディスカッション20分くらいでしょうか?) もあり、2日間で8人程度の発表が予定されているようです。なかでも、Roger AriewDaniel GarberWilliam NewmanDennis Des Chene といったワールド級のスターが一堂に会します。

 

 

2008. 3. 11

  カリフォルニア会議の発表では一人の持ち時間1時間ということですので、原稿45+ディスカッション15ということになるでしょうか?英語圏にしては長いですね。僕としては何かこれから全く新しいものを作るのではなくて、ゼンネルト論文をもとにした話をする予定ですので、それほど心配はしていません。といっても、軽く流すのではく、ビルを始めとする世界のトップを走るオールスターの前で発表するのですから、ドカンと一発みなを圧倒するものにしたいと思います。今年前半のハイライトですね。ハイ。

 

 

2008. 3. 5

  今、カリフォルニア会議のためにロスアンジェルス行きの飛行機の値段を見たら、だいたい500から600ユーロですね。ただ、変則的に行きは23ニューヨークに立ち寄る予定ですので、全体的な値段は変わるかも知れません。> 『地球歩き方』のアメリカ西海岸編の最新版は現在のところ在庫切れのようです。困りました。

 

 

2008. 2. 27

この5月にカリフォルニア工科大学で行われる国際会議のための発表タイトルを、ゼンネルトにおける原子と質料形相論 “Atoms and Hylomorphism in Sennert” にしてみました。どうでしょうか?それとも、「ゼンネルトにおける原子、形相、霊魂 “Sennert on Atom, Form and the Soul” の方が良いかも知れません。しかし、そろそろ飛行機のチケットの手配や旅程を立てることを始めないといけない時期に入って来ました。まだ、何分ほど話せば良いかなど基本的なことが分かっていません。

 

 

2008. 2. 1

   カリフォルニアから返事が来ました。国際会議の日程は、5月23-24に決まったそうです。それから、あと1〜2ほど発表者を増やしたいので推薦したい人はいないか聞かれました。どなたか質料形相論に関することで、ロスアンジェルス近郊に招待されてみたいという人はいませんか?> 参加予定者を聞いたところ、GarberAriewNewmanDes ChenesSchmaltz、その他という答えが返って来ました。おお!ワールドクラスオールスターばかりじゃないですか!?ついに、僕もここまで来たのですね。しかし、こんな千載一遇のチャンスにアダム君が本当に行方不明になってしまったことが残念で仕方ありません。

 

 

2008. 1. 31

  カリフォルニアでの国際会議の日程が知りたいのですが、まだ決まらないのでしょうか?今後の予定を立てるためにも、とても気になります。> 問い合わせのメールを出してみました。

 

 

2007. 11. 3

昨日の件は MIT ではなく、CALTECH California Institute of Technology でした。もう一人のエライ人からも言われたので、ほぼ間違いないと思いますが、次の春にカルフォリニアである質料形相論についての国際会議に招待されることになりそうです。ついに、BH もカリフォルニアに進出となります。どうなるかまだ分りませんが、縁起が良いのでワールド・ワイドのリストにカリフォルニアも付け加えることにします。これも、全てナンシーさんの強力なプッシュのおかげです。

 

 

2007. 11. 2

  夕方のレセプションで、ナンシーさんにカリフォルニアの MIT の科学史研究所の非常に偉い人に紹介されました。別に何も頼んでないのですが、次々と人を紹介してくれます。

 

 

 

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