モントリオール会議



 

 

201011月にカナダのモントリオールで行われるアメリカ科学史学会に

アダム君とクニ君の3人で乗り込むことになりました。

当地にはミムラ君もいるので盛り上がることは確実です!

 

宇宙論と神学について ESM 誌上と『ミクロコスモス』の第2集で

同時に特集をくむための前哨戦でもあります。

 

 

 

           アルベルトゥス・マグヌスの『天空と世界について』における生きている天空

              The Heaven’s Animation in Albert the Great’s De caelo et mundo

              Adam Takahashi

 

Albert the Great (1200-80) wrote a commentary on Aristotle’s On the Heavens under the title, De caelo et mundo (ca. 1250), as the second work of his project of Aristotelian paraphrases after the Physica. In this treatise he developed a sophisticated system of the universe. Among various issues he paid a special attention to Aristotle’s discussions on the heaven’s animation. This idea, according to which the universe is conceived as a great living being, was popular among the ancient Greeks who received it not as a mere primitive superstition but as a highly philosophical doctrine. It was then continuously discussed through the ages. Even early modern scientists such as Galieo and Kepler faced it seriously. Aristotle’s theory has been almost neglected by historians in comparison to its counterpart, the Platonic doctrine of the “World-Soul” (anima mundi). The present paper will examine the case of Albert’s reception of this theory. In this connection his discussions on the active intellect, celestial causality and cosmic heat will be crucial, and their analysis will show that Albert’s main guide was Averroes who had elaborated his own philosophy by transforming Aristotle’s original teachings through the method of exegesis. Albert was one of the earliest Western commentators of Aristotle who received the profound impact of Averroes.

 

 

ユリウス・カエサル・スカリゲルの宇宙論における神、知性、そして天使

“God, Intellect and Angels in the Cosmology of Julius Caesar Scaliger”

              Kuni Sakamoto

 

The sixteenth-century Aristotelian Julius Caesar Scaliger (1484-1558) expounded his cosmology in his Exoteric Exercises (Paris, 1557), a work that was to become a popular textbook of philosophy in the transalpine countries. He there claimed that the movements of the celestial spheres were caused by the cosmic intellects, which he identified with angels. Based on this assumption, he explored various relevant topics: Why are the heavenly movers called “intellects” and “angels”? In what respects are they different from God and sublunary beings? How do they move the celestial orbs? Scaliger carefully elaborated his idea on the traditional angelology to incorporate it into his Aristotelian conception of the universe, which was conditioned by the controversy with his arch-opponent Girolamo Cardano (1501-76). Historians have long recognized the existence of Scaliger’s theory of the cosmic intellects, since Johannes Kepler declared to have supported it when writing his Secret of the Universe (1596). However, as he finally rejected Scaliger’s idea, they have generally dismissed it just as a remnant of the “pre-modern” way of thinking. To compensate this lacuna of research, the present paper examines Scaliger’s theory and provides the basic information on the causal explanation of the celestial movements at the threshold of the “New Astronomy.”

 

 

           ジャック・ガファレルの『前代未聞の驚異』 (1629年)における占星術、護符、そして医学

Astrology, Talismans and Medicine in Jacques Gaffarel’s Curiositez Inouyes (1629)

              Hiro Hirai and Clare Felton

 

Jacques Gaffarel’s (1601-81) main work, Curiositez Inouyes (Paris, 1629), was a veritable encyclopedia for talismans, horoscopes and astrology popular among the “Orientals.” This society, mainly consisted of Hebrews, was conceived in Gaffarel according to the tradition of Renaissance Christian cabbalism. This vision was also reinforced by the belief in the “ancient theology” (prisca theologia), reactivated at the end of the fifteenth century in the circle of Marsilio Ficino (1433-99) and developed in the current of Renaissance Platonism. Reprinted several times and translated into English (1650) and Latin (1676), Gaffarel’s Curiositez Inouyes achieved the considerable success which lasted until the early eighteenth century, the dawn of the Age of Enlightenment. Gaffarel was not viewed as a charlatan but as a learned orientalist, much respected by leading minds of the time, including the French atomist Pierre Gassendi (1592-1655). Although his fame was widespread and his work extremely popular, Gaffarel has been unduly neglected by historians. The present paper focuses on the medical dimension of his work and its natural philosophical foundations in relation to his perception of talismans, horoscopes and astrology. Gaffarel’s work is a good case for investigating how a mind deeply anchored in the heritage of Renaissance magical philosophy discussed those themes on the threshold of seventeenth-century “new philosophy” and for evaluating the reactions made by the protagonists of early modern science.

 

 

 

会議までの道のり

 

2010. 11. 10

  モントリオールから帰ってきました。アダム君の発表をクレアが編集して Facebook の研究所の専用ページにアップしたので、見ることができます。

 

 

2010. 11. 9

  生命の水:ワイン蒸留と蒸留酒の歴史 C. Anne Wilson, Water of Life: A History of Wine-Distilling and Spirits, 500 BC-AD 2000, Devon, Prospect Books, 2006 という本が届きました。どこの化学史の雑誌図書館でも見かけないもので、仕方ないので自分で購入したのでした。ギリシア哲学と錬金術におけるイオシス (水) の概念について研究書をだしたこともある人です。

 

 

2010. 11. 8

  モントリオール会議のブック・エキジビションでは、目に留まった本を2冊ほど入手しました。両方とも会場での特別割引価格からさらに半値にしてもらいました。ということで、お得だったとは思います。とくに、ブリルのシニア編集者のマーティには、君もこれからはブリル人なので、負けてあげるよ、といわれました。前者はフィレンツェでの会議からの国際論集ですが、全ての論考を英語に訳しなおしたようです。イタリアの若手を外の世界に売り出すという気合が感じられます。後者は、基本的に『ティマイオス』注解のプロローグの研究のようです。

 

チメント・アカデミーとその欧州的文脈

Marco Beretta, Antonio Clericuzio & Lawrence Principe (eds.), The Accademia del Cimento and its European Context, Science History Publications, 2009.

 

プロクロスの自然観:プラトンの『ティマイオス』注解における自然哲学とその手法

Marije Martijn, Proclus on Nature: Philosophy of Nature and its Methods in Proclus’ Commentary on Plato’s Timaeus, Leiden, Brill, 2010.

 

 

2010. 11. 7

  13時のフライトでモントリオールをあとにして、フィラデルフィアに戻ります。ホテルを10に発つ予定です。

 

 

2010. 11. 6

  会議の2日目です。時差ボケのせいで朝の6に目が覚めました。疲れがたまっているときに、これでは早すぎます。もう一度眠ることにして、8時半に起きました。

 

  朝の11時過ぎにミムラ君の発表があります。その前にブリル書店の編集者に会う予定です。> 無事に発表を終えたミムラ君を誘って、クニ君と4人で昼食を食べに行きました。午後からはアダム君とクニ君のセッションがありました。二人とも国際舞台での発表は初めてでしたが、それなりだったと思います。18時からナンシーさんの記念講演があって、大団円をむかえました。

 

  今回のモントリオール滞在は、アダム君とクニ君という僕の2人の生徒の世界デビューを目の当たりにでき、ずっと彼らについての話をきいてもらってきたナンシーさんに実際に見てもらうことができたのが、個人的には最も感慨深い経験でした。この5年間で自分がしてきたことの実りを感じることのできた大きなイヴェントでした。研究だけではなく、人を育てることができなければ意味がありません。自分の研究の成果を世界に発信し、新たな人材を発掘し、育て、世界に送り出す、これが BH の真骨頂です。

 

 

2010. 11. 5

  本番の1日目です。僕の発表のあるセッションには20くらい来るかなと思って、ハンドアウト20部用意したのですが、大部屋でかなりの人が入り、50はいたでしょう。チェアマンがあまり仕事をしっかりしないので、ちゃんと僕の順番が時間内に回ってくるか心配だったのですが、大丈夫でした。皆さんの反応からすると、なかなか良かったようです。一仕事すんで、これで安心しました。

 

  明日はアダム君とクニ君のセッションがお昼の後に、夕方からナンシーさんの講演があります。

 

 

2010. 11. 4

  11のフライトなので9に空港に着かないといけませんが、8過ぎの電車に乗れれば問題ないでしょう。> フライトに1時間半の遅れがあるとメールで連絡があったので、少し余裕ができました。

 

 

2010. 11. 3

 今日一日は、フィラデルフィアのアパートの掃除です。

 

 

2010. 11. 2

  今日はモントリオールに向かって出発します。帰ってくるのは10の予定です。

 

  無事に中継地のフィラデルフィアに着きました。

 

 

2010. 11. 1

  朝6時半の電車でクレアが空港に向かいました。僕はといえば、明日のフライトでまずはニューアーク、そして電車でフィリーに向かいます。

 

 

2010. 10. 26

  朝からクレアに付き合ってもらって、読み練習をしました。今の段階で19でしたので、長さ的にはこれでバッチリだと思います。この調子で出発までに何回か読み練習をするつもりです。慣れるにしたがって速くなるのでしょうが、ゆっくり読むことを心がけたいと思います。

 

  僕は来週火曜のフライトで出発ですので、そろそろカバンの準備を始めたいと思います。クニ君が『地球の歩き方』のモントリオールの部分を送ってくれるはずなのですが、ここ数日のところスカイプ上で姿を見ません。前もって空港から市中、そして会場となるホテルまでのアクセスを調べないといけません。

 

 

2010. 10. 25

  朝からクレアにモントリオール会議での発表原稿のプルーフ・リーディングをしてもらいました。これで完成です。明日から読みの練習に入りたいと思います。あと1週間で出発ですからね。

 

  発表原稿の中に出てくるポーランド人キミストがセンディヴォギウスではないかとも思ったのですが、専門家のラファルに質問したところ、そうではないようです。

 

 

2010. 10. 21

  朝にクニ君のモントリオールの発表原稿について、気がついた点をコメントしました。やはり、原稿は発表出版の前にそれなりに分かる人に見せて気がついた点をコメントしてもらうのが定石ですよ。ひとりでやっていると、どうしても独りよがりの議論になるからです。> アダム君のは、どうなっているのでしょうか?やはり、プロ志願なんだから、表層的な話しか出来ないツィッターを頼りにしていてはダメですよ。

 

 

2010. 10. 18

  モントリオール後の予定を上げておきます。12月に Ambix 誌から依頼されたパラケルススについての英語の本の書評の締め切りが一本入っています。そして、1月半ば締め切りでジェルマーナの主催する一般向けの『ルネサンスの魔術』という本に占星術医学の関係について一本書かないといけません。それから118にリールのセミナーでガファレルにおけるルネサンスのキミアについて発表します。これは30程度ということなので、モントリオールの発表を4枚から6枚に発展させたものとなります。もともとガファレルは論集用にもう少し話を発展させなければいけないと思っていた訳ですし、少しの作業で何とかなると思うのですが、ジェルマーナの論集への寄稿は何だか気が重いのです。

 

  クニ君のモントリオール用の原稿に目を通しました。お互いのタイミングのあうところで、コメントしたいと思います。

 

 

2010. 10. 15

  朝起きて少しするとクニ君が来て、前の晩に渡しておいた原稿にコメントしてくれました。いつもながら的確かつ効果的です。それをオフィスに出てそれらを元の原稿にフィードバックしつつ、午後までに議論の流れの悪いところを幾つか手術を施してだいたいの話が出来上がったと思います。週明けにクレアに英語を直してもらって一旦は完成ということにしましょう。

 

 

2010. 10. 13

  モントリオーの発表原稿は、だいぶカタチになってきました。あと2〜3日で完成できると思います。

 

 

2010. 10. 12

  午後はガファレル論の執筆を続けています。4頁半まで落ちてきました。4頁にまとめないといけませんので、もう少しです。大筋に関係のない余計な議論を思いきって削らないといけません。

 

 

2010. 10. 8

  ま、なんとか今回まとめようと思っていた5章分をまとめて6頁となりました。これから、集めた題材を練って、発表原稿のために4枚分にしたいと思います。

 

 

2010. 10. 7

  ガファレル第2部(第3章から第7章)までを取り扱うこととして、それまでの導入を書いたところで昨日は時間切れとなりました。今日はその続きを着々と進めたいと思います。> 議論の内容をまとめるという作業に徹して、5頁目に入りました。

 

 

2010. 10. 6

  それ以外は、今日は何とかモントリオールでの発表のイントロの部分の執筆を始めています。まずは分析対象となるガファレルの著作『前代未聞の驚異』がどういう構成になっているかをまとめています。

 

 

2010. 10. 5

   なんとかやっとのことで、ガファレルを読み終えることができました。ふう。なかなか集中するのに苦労しました。次のステップは、個人的に一番面白いと思った第5書を中心にまとめていきたいと思います。

 

 

2010. 10. 2

  今月はモントリオール行きの航空券を買ったので台所事情が苦しくなりました。旅費の払い戻しは会議が済んでからとなるので、11月中旬まで待たないといけません。とほほ。

 

 

2010. 9. 30

  昨日は移動雑事をこなすだけで終わってしまいましたが、今日はガファレルの読書の続きをしたいと思います。>  4書構成13ある本のうち12までを読み終わりました。あと70ほど残っています。

 

  モントリオールの登録を済ませました。103までが割り引きなのですよね。

 

 

2010. 9. 28

  午後は何とかかんとかガファレルに戻ることができ、テクストの半分を読み終わりました。

 

 

2010. 9. 26

  なぜ BH 本館のあるリェージュのこのアパートが良いかというと、5年以上かけてオプティマルな環境を作り上げているのでいろいろ作業がしやすいのですよね。ナイメーヘンの良いところは図書館と大学が契約している雑誌の電子版を閲覧できること、そしてプリンターですが、それ以外はまだリェージュの方が勝っています。ただこれからは、ガファレルの読書に集中しなければいけないので、むしろ少し不便な方が良いのかもしれません。> 結局のところ今日もガファレルに戻れませんでした。

 

 

2010. 9. 25

  コンチェッタの書評やピコの占星術批判と調べものをドンドン進めたいとココロがはやるのですが、ここはモントリオールのために何とか抑えてガファレルの『前代未聞の驚異』の読書に戻らないといけません。

 

 

2010. 9. 20

  11月はじめのモントリオール行きの航空券をかいました。ニューアークフィラデルフィア経由です。そろそろ会議の発表の準備のために、今回のテーマであるガファレルの『前代未聞の驚異』 (パリ、1629年) をプリント・アウトしようと思います。

 

           アムステルダム  112 14 : 00 – ニューアーク 17 : 50

           フィラデルフィア  114 11 : 15 – モントリオール 12 : 50

           モントリオール  117 13 : 30 – フィラデルフィア 15 : 20

           ニューアーク  119 18 : 55 – アムステルダム 8 : 20

 

   エッセー・レヴュの後半部を書き出すという手もありますが、そうすると途中で一旦中断して、モントリオールの準備に入らないといけません。むしろ、スペインからの便りを待っているあいだに、先にモントリオールの発表の準備を進めた方が良さそうです。ということで、まずはテクストのプリント・アウトに集中しました。800頁分A4の一枚に2頁づつで両面をつかって200に収めました。なかなか性能のいいプリンターで助かりました。

 

 

2010. 9. 15

    モントリオール行きの飛行機を探り始めました。

 

 

2010. 8. 1

  モントリオールで開かれるアメリカ科学史学会のための専用ホテルの予約が始まりました。学会の特別割引で予約が出来ます。僕は、11月4日から7日までの3泊を予約しました。

 

 

2010. 7. 13
  11月に行われるモントリオールでの
アメリカ科学史学会の仮プログラムが発表されました。僕の発表は、金曜日の午後の最初のセッションの2番目のようです。クニ君とアダム君は一緒で、土曜日の午後の最初のセッションのようです。まだまだ決定版ではないので少々の変更はあるでしょう。ホテルの予約はいつから開始されるのでしょうか?基本的には4日の木曜について、7日の日曜に引き上げるようにしようと思っています。つまり3泊ですね。そのうちに、学会用のスペシャル・オファの案内があるはずです。

 

 

2010. 6. 30

  今年11月にモントリオールで行われるアメリカ科学史学会のために提出していた僕の発表案は受理されたようです。「17世紀の治療と医薬」のセッションに入れてもらいました。クニ君のも受かったようで、「宇宙の生命」のセッションだそうです。こういうセッションが組まれるということは、おそらくアダム君のも受かったのでしょう。それプラス、別に一本ほど似たような発表があるのではないでしょうか?だんぜん面白くなってきましたね。

 

 

2010. 5. 23

  来年3月のルネサンス学会は、偶然にも今年11月の科学史学会と同じくカナダのモントリオールで行われます。今日が発表の申し込みの締切日なのですが、一年のうちに2も同じ場所に行くのはどうしたものか?と悩んでいます。理論的には、アメリカでの存在をアピールするために行ったほうが良いのでしょうが。> 夕方となりましたが、行かない方向で考えています。> 結局、申し込みませんでした。

 

 

2010. 4. 5

  朝にアダム君の発表要旨について幾つか気がついた点を指摘しました。ロジックがなくグルグルと回る論述の問題から出発して、どうもやはり普段から話し相手もなく一人で孤立無援にやっているので、決定的に他人との議論が足りず、聞き手に分かるように説明するという基本行為がないがしろにされているところに問題があるのでは?という話になりました。こればかりは本人が意識的に改善しようという気がないとなんともなりません。英語における字面の問題はネイティヴなどに頼めば直してもらえますが、繰り返しといったロジックの問題はよほど気の効いた人でないと直してくれません。

 

   続いてクニ君の要旨も来ました。これで3人が出揃いました。この際ですから、モントリオールまでの道筋をフォローする専用頁を立ち上げましょう。この遠征計画は、『ミクロコスモス』の第2集と ESM 誌上で同時に組む「宇宙論と神学」に関する特集の前哨戦でもあります。

          

ユリウス・カエサル・スカリゲルの宇宙論における神、知性、そして天使

Kuni Sakamoto, “God, Intellect and Angels in the Cosmology of Julius Caesar Scaliger”

 

The sixteenth-century Aristotelian Julius Caesar Scaliger (1484-1558) expounded his cosmology in his Exoteric Exercises (Paris, 1557), a work that was to become a popular textbook of philosophy in the transalpine countries. He there claimed that the movements of the celestial spheres were caused by the cosmic intellects, which he identified with angels. Based on this assumption, he explored various relevant topics: Why are the heavenly movers called “intellects” and “angels”? In what respects are they different from God and sublunary beings? How do they move the celestial orbs? Scaliger carefully elaborated his idea on the traditional angelology to incorporate it into his Aristotelian conception of the universe, which was conditioned by the controversy with his arch-opponent Girolamo Cardano (1501-76). Historians have long recognized the existence of Scaliger’s theory of the cosmic intellects, since Johannes Kepler declared to have supported it when writing his Secret of the Universe (1596). However, as he finally rejected Scaliger’s idea, they have generally dismissed it just as a remnant of the “pre-modern” way of thinking. To compensate this lacuna of research, the present paper examines Scaliger’s theory and provides the basic information on the causal explanation of the celestial movements at the threshold of the “New Astronomy.”

 

 

2010. 4. 4

   夜になってアダム君の発表要旨を受け取りました。あいかわらずグルグル回っています。こういうものをまっすぐ直線的なロジックにするは苦労します。一応、それなりにまっすぐになったので、あとは誰かに英語を見てもらいなさい、という感じです。

 

              アルベルトゥス・マグヌスの『天空と世界について』における生きている天空

Adam takahashi, “The Heaven’s Animation in Albert the Great’s De caelo et mundo

 

Albert the Great (1200-80) wrote a commentary on Aristotle’s On the Heavens under the title, De caelo et mundo (ca. 1250), as the second work of his project of Aristotelian paraphrases after the Physica. In this treatise he developed a sophisticated system of the universe. Among various issues he paid a special attention to Aristotle’s discussions on the heaven’s animation. This idea, according to which the universe is conceived as a great living being, was popular among the ancient Greeks who received it not as a mere primitive superstition but as a highly philosophical doctrine. It was then continuously discussed through the ages. Even early modern scientists such as Galieo and Kepler faced it seriously. Aristotle’s theory has been almost neglected by historians in comparison to its counterpart, the Platonic doctrine of the “World-Soul” (anima mundi). The present paper will examine the case of Albert’s reception of this theory. In this connection his discussions on the active intellect, celestial causality and cosmic heat will be crucial, and their analysis will show that Albert’s main guide was Averroes who had elaborated his own philosophy by transforming Aristotle’s original teachings through the method of exegesis. Albert was one of the earliest Western commentators of Aristotle who received the profound impact of Averroes.

 

  同時に、とある方の発表要旨を見せてもらったのですが、数行のうちに同じ語句を何度も連発してグルグルと回るものでした。本人はまったく気がついてないのでしょうけれど、これは何とかした方が良いのではないかなと思いました。なんで、みなグルグルしたものばかり書こうとするのでしょうか?良くわかりません。> 逆に、僕の文章はあまりそれほどにはグルグルと回らないので、邦語にしたときは味気のない乾いたものとうつるのかもしれません。

 

 

2010. 4. 3

  そのあと午前中は、モントリオールの発表要旨を作成。最大で250単語までいけますが、とりあえず190単語のモノが出来ました。まだちょっと少ないかな?最低でも200単語は欲しいところ。夕方には230単語まで達したのでクレアに送り出しました。彼女のチェックが終わり次第アップしたいと思います。> 出来ました。アメリカ科学史学会のサイトの専用頁で行う登録も済ませました。ふう。こんな感じになりました。茶目っ気でクレアとの共著としたので、彼女に読んでもらって僕が質疑応答で答えるようにしようかなと思います。

 

           ジャック・ガファレルの『前代未聞の驚異』 (1629年)における占星術、護符、そして医学

Hiro Hirai, “Astrology, Talismans and Medicine in Jacques Gaffarel’s Curiositez Inouyes (1629)”

 

Jacques Gaffarel’s (1601-81) main work, Curiositez Inouyes (Paris, 1629), was a veritable encyclopedia for talismans, horoscopes and astrology popular among the “Orientals.” This society, mainly consisted of Hebrews, was conceived in Gaffarel according to the tradition of Renaissance Christian cabbalism. This vision was also reinforced by the belief in the “ancient theology” (prisca theologia), reactivated at the end of the fifteenth century in the circle of Marsilio Ficino (1433-99) and developed in the current of Renaissance Platonism. Reprinted several times and translated into English (1650) and Latin (1676), Gaffarel’s Curiositez Inouyes achieved the considerable success which lasted until the early eighteenth century, the dawn of the Age of Enlightenment. Gaffarel was not viewed as a charlatan but as a learned orientalist, much respected by leading minds of the time, including the French atomist Pierre Gassendi (1592-1655). Although his fame was widespread and his work extremely popular, Gaffarel has been unduly neglected by historians. The present paper focuses on the medical dimension of his work and its natural philosophical foundations in relation to his perception of talismans, horoscopes and astrology. Gaffarel’s work is a good case for investigating how a mind deeply anchored in the heritage of Renaissance magical philosophy discussed those themes on the threshold of seventeenth-century “new philosophy” and for evaluating the reactions made by the protagonists of early modern science.

 

 

2010. 4. 2

  今年11月にカナダのモントリオールで行われるアメリカ科学史学会の発表のオンラインでの申し込みは4月11日までですが、来週は留守にしますので今週末中に処理しなければいけません。まだ何について発表するか決めてないので、それを早く決めないといけません。本当は秋から手をつけようと思っていた「テレジオにおけるアヴェロエスでの影」でも持って行きたいところですが、今年の9月にナイメーヘン入りしてすぐの11月ですから、あまり野心的なものを持っていくという無理はできないと思います。はじめの計画どおりに、「リプシウス、ケプラー、キルヒャーにおける世界霊魂の座としての太陽」にしようかなと思っていますが、結局のところヴェルサイユ論集にも参加しないので、まだ何も準備していません。夏に準備すれば何とかなるかと思います。あるいは、「ジャック・ガファレルにおける占星術、護符、そして医学」というのもありかと考えています。

 

 

 

 

 

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