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ごくごく個人的な「本」日記

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20135

 

2013. 5. 31

  今日はレンタカーを借りて、ナイメーヘンからいろいろな荷物をリェージュ BH 本館に移します。

 

  なんとか、忙しさのヤマをひとつ越えた感じです。油断してはいけませんが、つぎは13日から15日にグローニンゲンで行われる国際会議での発表原稿と、今月10くらいにくるはずのエミーさんの本の第2ゲラのチェックでしょう。

 

  自分用のメモとして書いておきますが、『UP』誌でのリレー連載(平岡9、榎本10、ヒライ11、菊地原12)は1000字の序文を7月末までに書かないといけません。また、BH 叢書発刊の辞800字以内で6月末までに、さらにメガ・シンポ論集の序文も6月中に仕上げます。

 

 

2013. 5. 30

  一日ほど日記の記述が先行しています。ご容赦を。

 

  メルマガの原稿を準備していました。あと一回ほど推敲すればいいでしょう。今回は前回の続きで、プリンチーぺ『錬金術の秘密』の第1章の前半に当たります。> 推敲を終え、ドロップしました。62の配信です。お楽しみに!

 

  7月26日に予定されているダレルの立教大学での公開講演『ヨーロッパ史のなかの占星術:中世・ルネサンスから近代へ』のためのポスター案をクレアがつくってくれました。なかなか美しいでしょ?> フェイスブックにアップしたものは一晩で300人の人がチェックし、25人からの「いいね!」がつきました!

 

 

 

 

2013. 5. 29

  あと1か月と迫ってきたせいか、イスキア島で7月上旬に行われるサマー・スクールについての連絡がいろいろ来るようになりました。

 

  今月もメルマガを書かなければいけないタイミングが来ました。いつもより少し遅れてますが、今日・明日には何とかしたいと思っています。

 

  ダレルエミーさんからの反応も来ましたので、われわれのセッション「医学、占星術、夢解釈」、そして根占先生と平岡君の「キリシタンの世紀」のそれぞれの応募書類をつくりました。これで、ほぼできたと思います。> パネル企画の申請にそなえ、発表者の RSA のアカウントを整備しないといけません。エミーさんと根占先生のお手伝いしました。あとは、平岡君と最後の一人のアカウントが揃えば OK です。

 

 

2013. 5. 28

  来年3月末にニューヨークで行われるルネサンス学会で予定しているエミーさんとの共同発表カルダーノの『わが人生の書』における占星術、夢解釈、そしてダイモン Astrology, Dream Interpretation and Demons in Cardano’s On My Life 要旨です。基本的には、エミーさんの近刊書『天才カルダーノの肖像』のエッセンスを抜き出して、僕なりに料理の腕をふるうことを目指しますが、いまの段階では余裕をもたせて守備範囲を広くとっています。20の発表ですから、実際にはもっと的をしぼった内容になると思います。

 

Astrology, Dream Interpretation and Demons in Cardano’s On My Life

「カルダーノの『わが人生の書』における占星術、夢解釈、そしてダイモン」

Hiro Hirai (Radboud University Nijmegen) & Emi Enomoto (Japanese Association for Renaissance Studies)

 

On My Life is the autobiography of the famous Milanese physician, Girolamo Cardano (1501–1576/77). It was posthumously published in Paris in 1643 by the editorship of the French scholar Gabriel Naudé (1600–1653). This piece of work, extremely complex and difficult to understand for modern readers, is richly illustrated by elements based on Cardano’s personal dream interpretations, and its structure borrows models from the tradition of Greek astrology and medicine. It is also colored by his lifelong conversation with demons, or more precisely with his “guardian spirit,” which appeared in the guise of his father, Fazio. This paper tries to decipher these elements by using his writings devoted to medicine, dreams and demons, namely the Book of 100 Examples of Genitures (1547), Book of 12 Genitures (1554), Commentary on Ptolemy’s Tetrabiblos (1554), Books on Synesian Dreams (1562) and Dialogue between Girolamo and his Father Fazio (written ca. 1574).

 

  日本のことを研究している日本人の研究者が英語で発表するときに、毎行のようにジャパンジャパンと連呼するのはエレガントではないと思っています。日曜日にアップした「キリシタンの世紀とはなにか?」で使った he country など、いろいろ他の単語が応用できます。それから、アラビア語圏の研究でエキゾティックな固有名詞が連発されてついていけないと西洋の人々が嘆くのをよく聞きます。これも参考になる発言だと思います。たとえば、the mighty lord Nobunaga のように挿入すれば、たとえ名前が覚えられなくても、the mighty lord の部分は記憶に残りやすいと想像されます。とにかく、どんな分野においても、耳慣れない単語が出てくるときは注意をする必要があるでしょう。

 

 

2013. 5. 27

  エミーさんの本『天才カルダーノの肖像』のための人名索引の細かいところを調整しています。ガリレオは、苗字ではなく通称であるガリレイで引かせるのではなく、ガリレオ・ガリレイで引かせるべきでしょう。ティコについても、ブラーエというのは苗字ではないので、ティコ・ブラーエで引かせるようにしようと思っています。

 

それから、引きつづき正式ウェブ・サイトの細かいところをクレアに調整してもらっています。

 

来年3月末にニューヨークで行われるルネサンス学会のために申請するパネル企画の申し込みの締め切りが、6月11日と迫っています。余裕をもたせて、5月末にまでに陣容を定めて書類を準備しないといけません。パネル企画は基本的に3名から構成され、発表のタイトル、150単語の要旨、そして300語以内での著者紹介からなっています。今回、提案するパネルは2つあります。

 

ひとつは、カルダーノについての僕とエミーさんによる共同発表とダレルの発表、そしてトニー・グラフトンがコメントをつけるルネサンスの医学占星術についてのパネルです。今日は、僕とエミーさんの発表のための要旨をつくっています。> できあがりましたのでクレアにプルーフ・リーディングしてもらいました。これをエミーさんとダレルに見せてコメントをもらい、最終的なものとしたいと思います。

 

もう一つのパネルは、われらが根占先生と平岡君、そしてもう一人からなるキリシタンの世紀についてです。このもう一人が、いったんは引き受けてくれたのですが、その後なかなか返事をくれないので困っています。こういう人は、当日も姿を現さないかもしれないので、手遅れにならないうちにチェンジした方が良いのかもしれません。7月に日本に来てくれるホルヘニューヨークにも行きたいらしいので、彼に頼むのが良いのかもしれません。

 

 

2013. 5. 26

  今日は12の新幹線でベルギーに戻ります。ここ数日ずっとばかりだったのですが、いまのところは降ってない模様です。おそらく14時半には、BH 本館に着いていると思います。> 着きました!一服中。

 

  ついに満を持して、全世界に向けて科研費プロジェクト『キリシタンの世紀』のための解説『キリシタンの世紀とはなにか?』の英語版イントロを正式ウェブ・サイトに公開しました!日本のことを何も知らない海外の人々をもワクワクさせるような魅力的な記述を、どのようにすべきかという点に苦心しました。ココです。どうでしょうか?

 

 

2013. 5. 25

  今日は天気が回復しました。しかし、5月とは思えないほどの寒さで、クリストフもアパートの暖房をいれ直しました。

 

  お昼には、クレアとお父さんと、『トゥルミルー』というビストロに行きました。2回目ですが、良いところです。

 

  エミーさんの本『天才カルダーノの肖像』の索引に採用する人名を、あぶり出してもらいました。素早くチェックして、確認用のヴァージョンを送り返しました。あとはゲラの第2弾が来たときに該当する頁数をひろって完成です。

 

 

2013. 5. 24

  昨日の新幹線のなか、そして今日一日がかりで、菊地原君の『パラケルススと魔術的ルネサンス』の第6章の再チェックを行いました。疑問点を解決したら、これで良いでしょう。ふう。これは第3章ほどではありませんが、なかなか手ごわいものでした。

 

  先週バーゼル一緒だったばかりなのですが、15時から1時間ほどソルボンヌの脇でディディエと会って、ルネサンスのパラケルスス主義錬金術の研究動向について話しました。あっという間に、時間が過ぎてしまいました。

 

  科研費プロジェクト『キリシタンの世紀』の英語版ウェブ・サイト用のイントロ「キリシタンの世紀とはなにか?」を先日書上げたました。今週はそれをクレアにプルーフ・リーディングしてもらったので、あとは史実に誤認がないか専門家の平岡君にチェックしてもらいます。それが終わったら、お披露目いたします。

 

 

2013. 5. 23

  今日はクレアとお父さんの誕生日です。二人とも南イタリアから移動して、いまはパリにいますので、午後の新幹線で合流します。日曜までパリのクリストフのところに滞留しますが、更新は鈍ると思います。ご容赦ください。明日の15時にはソルボンヌでディディエと会います。

 

  昨日は菊地原君の『パラケルススと魔術的ルネサンス』の第6章のチェックを行いました。第1章から第5章までは、もうほぼ完成だと思うのですが、それらに比べると、この章はまだ日本語がこなれていず、論述が分かりにくい気がします。一回とおして最後まで行きましたが、パリに向かう新幹線のなかでもう一回だけ見直したいと思います。

 

 

2013. 5. 22

  三元社から、『イタリア・ルネサンスの霊魂論』の新装版をいただきました。ありがとうございます。自分をふくめ旧版を持っている人には悪いのですが、なんとも美しい装丁にぜひとも末ながく愛蔵したいという気持ちに駆られます。今なら、JARS 発足記念として、ビッグな特典つきで入手することができます。こちらにその案内があります。皆さんも、ぜひ!

 

 

 

 

2013. 5. 21

  昨日の午後は、正式ウェブ・サイトに必要な「キリシタンの世紀とはなにか?」の英語版を作成していました。それぞれの人物などについては素直に訳せばいいという感じですが、まずはイントロの部分からです。普段は、歴史的な記述というものをなるべくしないので、僕にとってはもっとも難しいところです。日本のことを何も知らない世界中の人にも分かるように、日本語版よりも包括的なものを狙っています。

 

  メガ・シン論集をだす出版社の担当の方から、ついに連絡がありました。原稿はとても読みやすいという評価をえられ、努力をした甲斐がありました。あとはイントロです。これは小澤君の原稿をたたき台にして、そもそもインテレクチュアル・ヒストリーとはなんなのか?どういう研究史があるのか?収録される論考は互いにどのように関係しているのか?4部構成のそれぞれは、どうのように関連しているのかを説明するものになります。この本も年内の出版に向けてがんばりますよ!

 

  根占先生やクニ君と JARS のことやグローニンゲンでの国際会議のことなど、いろいろやり取りしています。

 

 

2013. 5. 20

  ヨーロッパは降臨祭の祝日です。天気は良いですが、外は静かです。

 

  昨日のハーヴァード講演会につづき、科研費プロジェクト『キリシタンの世紀』と JARS の正式ウェブ・サイトもお披露目になりました。こちらです。> Chrome Safari では上手く表示されますが、Explorer では上手くいってないようですので修正します。少々お待ちを!しかし、みなさん、この天使の顔が日本人のものであると気がつきましたか?!

 

 

  早速にも、英国にベースをおく International Society for Intellectual History という組織のブログで、科研費プロジェクト『キリシタンの世紀』を紹介してもらいました。世界的にも非常にアピールがあるようで、管理人氏によれば It sounds like a really great project とのことです。

 

 

2013. 5. 19

  冬の一時帰国台湾での講演の後は、ほとんど休む間もなく、サンディエゴマドリッド、そしてバーゼルと遠征が続きました。しかし、これから次のグローニンゲンまでの1ヶ月ほどは、少し落ち着けます。会議への登録も済ませ、あとは宿探しが残っています。

 

  あいにく体調を崩してしまったマドリッド会議とは異なり、今回のバーゼル会議ではさかんに質問をして議論に参加したので、帰りぎわに主催者に挨拶したら、とくに感謝されました。

 

  ハーヴァード講演会は、とても上手くいったようです。プレッシャーを感じてかなり緊張したようですが、クニ君による科研費プロジェクト『キリシタンの世紀』と JARS のお披露目は大成功でした。ご苦労さまでした。全部が英語によるプログラムで、70の観衆がかけつけたようです。今回のためにつくった科研費プロジェクトのポスト・カードの第1弾は、かなり人気があったようで、残りは20を切ったようです。

 

 

 

2013. 5. 18

  ディディエと朝食をとるときに会い、宿舎をチェックアウトして、荷物をフロントに預け、一緒に歩いて会場に向かいました。ファン・ヘルモントの著作のドイツ語訳をつくったクリスチャン・クノール・フォン・ローゼンロトについての発表でした。15のフライトで帰還することになっているので、13に会場を離れ、宿舎に戻って荷物を受けとって駅に向かいました。駅前から空港行のバスが出ていました。それに乗って15分で空港です。フライトはスムーズで予定どおり16時半に到着しましたが、荷物が出てくるまでに20ほどかかりました。どこかで事故があったようで、ナイメーヘン行の電車がすべてキャンセルになっています。仕方なしに、遠回りですがデン・ボッシュ経由で家路に向かっています。

 

  さて、いよいよハーヴァード講演会は明日に迫りました。根占先生によるヴァリニャーノの日本への旅についての詩情あふれる発表、そしてクニ君による科研費プロジェクト『キリシタンの世紀』のお披露目があります。まれにみる知的興奮にあふれる午後となることでしょう。皆さん、ぜひお出かけください!

 

 

2013. 5. 17

  さあ、会議2日目の朝のセッションです。1本目は、飲み物の医学的効用をあつかった伊語の著作についてのロベルト・ポマによる発表でした。二つ目は、17世紀前半に活躍したフランシスコ・サンチェスにおける哲学の病気という概念についての英語の発表でした。そして3本目はフィリップ2世のスペインにおける医学者フアルテ Huarte と異端審問の関係についての英語の発表でした。どういう問題が異端的とみなされたのか?審問後の第2版では、どうなったのか?ということが議論されました。

 

  昼食の後は、ヴィヴィアン16世紀英国における異端と医学についての発表がありました。ユーモアを交えた、素晴らしい発表でした。今日もあと2本でプログラムは終了です。

 

  ついに我慢しきれなくなって、24時間だけネット接続を買うことにしました。12ユーロと高いのですが、仕方ありません。

 

 

2013. 5. 16

  サンディエゴで知り合ったバーゼル在住のルネサンス研究者アンナ=ローラと、10時過ぎにカテドラルの前で待ち合わせして、いろいろな話をしながら町の歴史地区を案内してもらいました。なかでも、エラスムスの墓標には感慨深いものがありました。そのあと、市役所の前まできたところで、カルロス・ジリーの話になり、アンナ=ローラは彼と一緒に活動していたことをしりました。そして、20153ボストンでのルネサンス学会で、カルロスに捧げるための「バーゼルの人文主義:エラスムスからツウィンガーまで“Humanism in Basel from Erasmus to Theodor Zwingerというパネルを一緒に企画することを決めました。まだ準備まで1あるので、ゆっくりと人選と内容を練りたいと思います。

 

  お昼には早めに到着した人々で昼食を食べました。そのあとに、30分遅れで会議がはじまりました。発表の順番が入れ替わり、僕は2番目に回されました。無事に僕の発表は済みました。休憩ではディディエとずっと話していました。彼もボストンでの企画に参加してくれるそうです。

 

  午後はコンチェッタの発表からです。レオニチェノマイナルディによる梅毒についての話です。ちょうど菊地原君の本『パラケルススと魔術的ルネサンス』の原稿チェックで梅毒についての章を読んだばかりだったので、より身近に感じました。

 

  最後は、イアン・マクリーンによる基調講演「信仰告白の時代における異端の諸レヴェルLevels of Dissident in the Age of Confession でした。なかなか話をまとめるのは難しい講演でした。

 

 

2013. 5. 15

  さて、国際会議『16-17世紀の西欧における異端的医学:哲学と宗教』のために、午後のフライトでスイスのバーゼルに向かいます。前に行ったのは、博論を終える前の19977月でした。フェイスブック版 BH でつかっているパラケルスス通り Paracelsusstrasse の標識の写真は、そのときに撮ったものです。懐かしいですね。

 

  まだカバンの用意をしてないので、午前中はテキパキと忘れ物をしないように準備します。

 

  13の電車に乗ってアムステルダム空港へ。16時半のフライトでバーゼルへ飛び、空港からはバスに乗って市内へ。少し迷いましたが、19にはホテルに到着しました。劇場のある広場の近くなので繁華街という感じではなやいでいます。ただホテルのネット接続料が高すぎます。30(4ユーロ)いう短い時間か、112ユーロ)、そして1週間50ユーロ)という感じで、そのあいだがないのが痛いです。

 

 

2013. 5. 14

  今日はバーゼルでの国際会議にいくのまえ最後のオフィスにでる機会です。ランチ・ミーティングをこなしてから、細かい準備をしました。

 

519の日曜日に行われるハーヴァード講演会で、科研費プロジェクト『キリシタンの世紀』をクニ君がお披露目してくれるのですが、そのためのパワーポイントも作成しました。

 

  夕方には、エミー計画『天才カルダーノの肖像:ルネサンスの自叙伝、占星術、夢解釈』の校正指示を担当者に送り出しました!ふう。

 

 

2013. 5. 13

  19日のハーヴァード講演会のための根占先生の読み原稿をもらったので、そのチェックをしました。

 

  午後には、エミー計画『天才カルダーノの肖像:ルネサンスの自叙伝、占星術、夢解釈』のための校正指示について、スカイプをつかって日本と欧州のあいだで2時間ほど細かく議論をしました。エミーさんと、いろいろお話できて楽しかったです。クニ君の分もふくめて、15にはリストを提出します。

 

このあとエミーさんには2週間ほどで、人名索引に入れるべき人物名をピックアップしてリストをつくってもらいます。第2のゲラが出たら、それをもとに索引をつくります。

 

 

2013. 5. 12

  日曜なので、ちょっとファンタジーを書きます。先日のネット・インタヴュ平岡隆二  『南蛮系宇宙論の原典的研究』を語る!では放映されなかった第2部の放談で、信長はキリスト教に帰依していたのか?という突っ込んだ質問をしてみました。少し想像してください。彼が本能寺で殺されずに天下をとっていたら、日本はキリスト教国になっていた可能性があるのです!?紙一重の歴史のアヤですが、むかし欧州式の築城術を大胆にとり入れていたという安土城跡などを訪問したことのある僕には、案外あり得ない話ではないと思えるのですよね。

 

  第1回目の国際会議のための専用頁も開設しました。

 

 

2013. 5. 11

  フェイスブックにつくった720日の国際会議のための専用頁に、フィチーノ学者でルネサンス人文主義研究の権威 James Hankins 氏も応援のためのコメントを送ってくれました。科研費プロジェクト『キリシタンの世紀』のシリアスさが伝わったようです。これは事件ですよ!

 

  もう一度バーゼルでの国際会議『16-17世紀の西欧における異端的医学:哲学と宗教』のための発表原稿を読みなおしました。これで大丈夫でしょう。クレアにプルーフ・リーディングをしてもらいます。

 

  どうやらエミーさんも、ひととおり校正のチェックが済んで、これからリストをつくるところまで来たようです。そのあとに二人のチェックしたものをひとつひとつ、スカイプを使って確認していく予定です。

 

  昨日お披露目したキリシタンの世紀とはなにか?のコーナーをつくる作業で、個人的に学んだことは、以下のような大まかな時代区分です。

 

           1549-1580 ザビエルの到着から日本コレジオの設立まで

           1581-1613 日本コレジオの設立から家康のキリシタン禁令まで

           1614-1650 弾圧と地下潜伏の時代

 

僕個人としては、織田信長1534-1582)とキリシタンの関係に興味を持っています。彼は1569年にルイス・フロイスが京都に滞在することを許可しているように、大きな流れのカギだったような気がするのです。はじめはキリシタンに好意的だったようにもみえる豊臣秀吉1537-1598)は1589年に禁教令をだし、その後は弾圧を強めていったようです。

 

 

2013. 5. 10

  昨日が昇天祭の祝日だったので、今日は飛び石の橋(ブリッジ休暇)をとる人が多いようです。お店や小中学校は開いている模様。

 

  今月15までにエミー計画の校正指示を提出したいので、これから特急でチェックしてあるもののリストを作成します。> とりあえず今日の段階で半分までできました。明日で残りを片付けます。

 

  昨日に発表した720日の国際会議の仮プログラムには、いろいろな方面から驚くほどの熱い反応をいただきました。本当に、ありがとうございます。皆さんの期待に応えるように、「海外に行かなくても世界レヴェルの真の国際会議を体験できる!」をモットーに運営もがんばります。お楽しみに!> フェイスブックにも、イヴェント頁を開設しました。これは会員でないと見ることができないのですが、昨日クレアがつくってくれた素晴らしいポスターを見ることができます。

 

  とくに海外の人からキリシタンの世紀とはなにか?と熱心に聞かれることが多いです。この科研費プロジェクトのインパクトと、人々の関心の高さが分かります。クレアが製作中で、もうすぐお披露目になる正式なウェブ・サイトに、キリシタンの世紀を説明するための頁を入れる予定です。今日は、そのもとになる日本語版を平岡君と折井さんに手伝ってもらってつくりました。こちらです。時間を見つけて英語化します。

 

 

2013. 5. 9

  無事にリェージュ BH 本館に帰ってきました。疲れてますが、体調そのものは回復しました。月曜から火曜にかけて僕を襲ったあの熱病は、なんだったのだろうかと思っています。いわゆるコルドバ熱というものでしょうかね?

 

  科研費プロジェクト 『西欧ルネサンスの世界性と日本におけるキリシタンの世紀』 が今年度の前半の目玉としてお送りする、720に学習院女子大学で行われる国際会議の仮プログラムが決まりました!関係者からのフィードバックでは OK なようですので、お披露目いたします。まだまだ多少の微調整はあるかと思いますが、海外に行かずに世界レヴェルを体験できる中身の濃い一日になることは確実ですので、ぜひスケジュールを確保しておいてください!

 

 

Renaissance Culture and Japan’s Christian Century (1550-1650) 『ルネサンス文化とキリシタンの世紀』

 

10:00-10:30  Welcome (Ken Nejime)

10:15-10:30  Introduction (Hiro Hirai)

 

10:30-12:00  Session 1: “Renaissance Philosophy and Medicine” 「ルネサンスの哲学と医学」

Scaliger on Angels (Kuni Sakamoto)

「スカリゲル、天使について」

Astrology at Pisa before Galileo (Darrel Rutkin)

「ガリレオ以前のピサにおける占星術」

The Immortality of the Soul in Renaissance Medicine (Hiro Hirai)

「ルネサンス医学における霊魂の不滅性」

 

12:00-14:00  Lunch

 

14:00-15:30  Session 2: “Renaissance Literature and Religion” 「ルネサンスの文学と宗教」

Erasmus and Luis de Granada (Jorge Ledo)

「エラスムスとルイス・デ・グラナダ」

Melanchthon on Order between Plato and Aristotle (Yoshi Kato)

「メランヒトンにおける秩序、プラトンとアリストテレスのはざまで」

Francis Bacon and Religion (Hazuki Shimono)

「フランシス・ベイコンと宗教」

 

15:30-16:00  Coffee Break

 

16:00-17:00  Session 3: “Japan’s Christian Century” 「キリシタンの世紀」

The Immortality of the Soul in Japan’s Christian Century (Ken Nejime)

「キリシタンの世紀における霊魂の不滅性」

Western Cosmology in Japan’s Christian Century (Ryuji Hiraoka)

「キリシタンの世紀における西洋宇宙論」

 

17:00-17:45  Final Discussion

 

18:30-20:30  Dinner

 

 

2013. 5. 8

  今日は一転してイベリア半島についてのセッションが続きます。ルネサンスから啓蒙主義まで幅広いテーマが扱われる予定です。聞いたこともないような名前の人物についての発表も幾つかあります。なかなか普段は耳にすることの少ないイベリア半島での状況には、科研費プロジェクト『キリシタンの世紀』のこともあり、とても興味があります。

 

一日目は体調があまりに悪く、他の人の発表を聞いても身に入らなかったのですが、昨日の午後のセッションでは質問をしたりできるようになり、だいぶ体調も回復してきました。ま、しかし来週のバーゼル会議のこともありますし、ゆっくり焦らずに行きます。> 3本目あたりから参加していますが、どうもこの発表はプログラムにはない感じです。最初の紹介を聞きのがしたので、ちょっと雲のなかにいる感じがします。

 

  この会議の会場は、『ヴェラスケスの家』という名の研究所で、マドリッドにおけるアカデミー・フランセーズの支所およびスペイン・イベリア高等研究所を兼ねたもののようで、1920年代に設立され、すべてをフランス政府が出資しているようです。スペイン内戦の開始から20年ほどは、砲撃により廃墟と化していたようですが、いまでは近代化した研究所(図書館や宿舎とカフェ・食堂が入っています)として再生しています。

 

  3日間で30もの発表が詰まっている今回の会議は、なかなかタフなもので、2日目には多くの人がキツイといっていたのですが、3日目の最終日の午前中には会場にいる人の数も3分の2くらいの20に減りました。その半分が今日の発表者でしょう。

 

 

2013. 5. 7

  まだ完全ではありませんが、なんとか復活しました。しかし、この会議は30もの発表が3日間の日程に詰め込まれているので、なかなか大変です。ひとり、引退しているであろう年配のお医者さんが聴講しているのですが、毎回ちょっとずれた質問をしているので面白いです。

 

どうやら、今日は会場が違うようで、宿舎から歩いて10分の哲学科の建物でした。最初の御大 Theo Verbeek の発表を逃しましたが、テクストが配られたので助かりました。午前中は、デカルトとデカルト主義者の話が大半です。レギウス、コルドモア、スピノザ、ラミ、ペロー、ステノなどです。今日の方が、真正面から身体や生理学・医学と哲学との関係について組んでいると思います。昨日のルネサンスの部における発表の多くはレトリックと医学とか、懐疑主義と医学、政治と医学と、どうも実際の身体の内部の問題をほとんど扱っていませんでした。それはそれで良いのですが、どうも会議の主題である近代人間学と正面からとらえているものは少なかった気がします。

 

  この会議に参加しているスペイン文学家の新鋭ホルヘ・レド Jorge Ledo 氏はスイスのバーゼル大学に活動の拠点をおいているようですが、エラスムスとその影響の専門家です。昨日の発表はスペイン語だったのですが、しっかりしたものでした。テクストをくれるか頼んだら、昨日のうちの送ってくれました。アメリカにいたこともあり、英語もしっかりしています。コーヒー・ブレイクのときに機会があったので、ルイス・デ・グラナダや科研費プロジェクト『キリシタンの世紀』の話をしたら、いまちょうどこの人物にも興味を持っていて調べているということでした。これは素晴らしい出会いでした。幸運にも、来週のバーゼル会議でも顔を合わせるようですので、なにかと好都合です。

 

 

2013. 5. 6

  さあ、今日からマドリッド国際会議『ヨーロッパにおける近代人間学の起源:哲学と医学』の本番です。朝起きたのですが、う〜む、なんだか体調がすぐれません。僕の発表は、朝のセッションの2番目なのですが。仕方ないので、バファリンを1個飲みました。> だんだん効いていたので、もう一個バファリンを飲んで会場に向かうことにしました。

 

  この会議を主催しているのは、ベルリン会議を主催したのを同じグループです。なぜか、この人たちは会議の趣旨説明に1時間もかけます。普通は15で十分ですよ。なお、最終的なプログラムではジャキ・ピジョが僕らの前に入り、20ほど後ろに全体がずれるようです。

 

  今日の前半はルネサンスです。僕以外の発表は、相も変わらずモンテーニュの懐疑論についてとデカルト以前における情念(霊魂のパッション)論についてという問題設定ですね。それほど新しい視点はなさそうです。

 

  僕の発表はなんとか無事にこなすことが出来ました。会場の聴衆も、僕が体調を崩していると気がつかなかったようです。そのあとスペイン語の発表があった後に昼食となりました。このときにフランソワ・デュシェノー氏が話しかけてきてくれました。とても嬉しかったです。いつからか覚えていませんが、パリ、ボルドー、リヨンといろいろな機会に顔をあわせました。しかし、ここまで来るのに本当に時間がかかりましたね。

 

  申し訳ないですが、午後の発表の4本(うち2本はスペイン語)はスキップして、部屋に帰って休養することにしました。

 

 

2013. 5. 5

  7時にホテルを後にしてコルドバの中央駅に、そして8時の新幹線でマドリッドに向かいます。マドリッドのアトーチャ駅からは地下鉄でマドリッド・コンプルテンセ大学の宿舎ヴェラスケスの家11時前に着きました。マドリッドのミゲルとは13時に待ち合わせしています。> 昼食を食べに行って、そのあとは街中をドライヴして17時には宿舎に帰ってきました。

 

  夕方からは菊地原君の『パラケルススと魔術的ルネサンス』の第2章の見直しに集中しました。

 

 

2013. 5. 4

  キリスト教、イスラム教、ユダヤ教の3つの一神教の文化が混沌と流れ込んでいるアンダルーシア地方にくると、いつもなんとも形容しがたい不思議な感覚に包まれます。今週末は、そんなコルドバの町で過ごしております。

 

今年の9月には博論を提出する予定の田邊さんと、科研費プロジェクト『キリシタンの世紀』について話しています。ルイス・デ・グラナダに代表されるルネサンス期スペインの説教文学にみるレトリックや詩学の要素と田邊さんの専門とする詩人ゴンゴラとの接点が見いだせるのではないか?と提案しています。中世の説教文化の専門家である赤江君もルネサンスとの絡みに興味があるということですので、説教文学詩学について研究会を持つのはどうでしょうか?

 

 

2013. 5. 3

  今日からマドリッドでの国際会議に向けて、スペインに移動します。9に帰ってきますが、それまでのあいだ更新できるか分かりません。会議自体は月曜からですが、その前に田邊さんのいるコルドバに立ち寄って週末を過ごします。

 

エミーさんの本の校正刷りをみて、縦書きでの注意点を学んだので、移動中の飛行機のなかでキクパラ計画こと菊地原君の本『パラケルススと魔術的ルネサンス』の第1章を再チェックしました。これで良いでしょう。この感じで他の章も、見直ししていきます。

 

 

2013. 5. 2

  519日のイ・タッチ講演会では、クニ君が科研費プロジェクト 『キリシタンの世紀』 と JARS お披露目をしてくれます。多くの人に来ていただこうと、JARS のサイト内にも専用頁を立ち上げました。皆さんも、ひとりでも多くの人に回覧されるように、ご協力ください!> 皆さまの温かい応援のおかげで、告知のツイートも数時間で19もの方にリツイートしてもらいました。単純計算でいけば、潜在的にはこれで数千人の方にお知らせが渡ったことになります。ふかく感謝いたします。

 

 

  先週の土曜日に行われたネット・インタヴュ 平岡隆二  『南蛮系宇宙論の原典的研究』を語る! の動画は、放送から1週間も経たないうちにのべ400の方が視聴したようです。これはなんとも驚異的な数字ですよ。

 

 

2013. 5. 1

  今日は勤労の日ということで、ベルギーは祝日です。科研費プロジェクト『キリシタンの世紀』の紹介のためのポスト・カードを試しに100枚ほど発注しました。1週間くらいでクニ君のところに届くようです。ウェブ・サイトの製作のほうも進んでおります。使用する画像の正式な許可をとらないといけないので、もう少し時間がかかりますが、いまから2週間くらいでお披露目できるでしょう。

 

  エミー計画の校正刷りを吟味することで、縦組における注意点を学んでいます。僕としてはほぼ初めてなので、いろいろ処理の分からないところもあります。エミーさんと相談しないといけないので、スカイプを入れて欲しいと思っています。

 

 

 

 

 

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