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ごくごく個人的な「本」日記

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20131

 

2013. 1. 31

  定刻どおりの9に成田に着きました。カバンを受けとってから、携帯電話を借りたりしていると、10時半のリムジンバスの発車時刻が近づいていきました。2時間くらいで池袋に到着するでしょう。しかし、冬の日本は本当に天気がいいですね。快晴ですよ。こういうのは欧州では見られませんね。

 

  2回の台湾講演のタイトルが決まりました。一つ目は僕の一冊目を土台にした「種子の理論:中世哲学と近代科学をむすぶミッシング・リンクConcept of Seeds: A Missing Link between Medieval Philosophy and Modern Science、そして二つ目は第2著作をもとにした「医学と哲学:物質、生命、霊魂についてのルネサンス論争Medicine and Philosophy: Renaissance Debates on Matter, Life and the Soul  です。どちらも40分くらいの予定です。20日と21日の午前中に行なわれる予定です。

 

 

2013. 1. 30

  9時半にホテルをチェックアウトして、新幹線の出るブリュッセル南駅に向かいました。30も待たないうちに新幹線に乗り、一路パリへ。途中の草原のまっただなかで故障ということで急に列車が止まり、どうなることかと思いましたが、何とか動き出し、20分遅れで空港駅に到着しました。短い乗り継ぎ時間だったのですが、無事に成田行きのエアフランス航空機に乗り込みました。運よくフライトの前半はぐっすり眠ることができ、シベリアのイルクーツク上空あたりで、あと4時間で日本に到着というところで目が覚めました。定刻どおりに着くのではないかと思われます。

 

  年末年始にやろうとしていて、ずっと延ばし延ばしにしていたブリルの占星術史のコンパニオンへの原稿を、出発直前にやんわりと催促されました。もともと締切りは指定されていなかったので、ちょっと不思議な感じではあるのですが、おそらく2月末には原稿を送れるでしょうと答えておきました。これは昨年イタリアで出版されたジェルマーナの論集のために書いたものにちゃんとしたをつけて、すこしだけ加筆すれば良いかなと思っているので、それほど大変ではないでしょう。

 

 

2013. 1. 29

  午後4時に電車に乗り、8時近くにブリュッセルのホテルに着きました。近くのモロッコ料理のレストランにクスクスを食べに行き、これこそベルギーという感じで満足しました。明日はパリまで新幹線で行き、そのあとに成田行きのフライトです。なお、ホテルはブリュッセル南駅前の Ibis にしました。アメリカ系のホテルほど高くなく、それでいて快適です。デュッセルドルフで体験してから気に入りました。

 

 

2013. 1. 28

  6月半ばにパリで行なわれる予定のコスモグラフィにかんする国際会議に招待されましたが、僕の6月のスケジュールはもう一杯ですし、しかもコスモグラフィアは僕にとっては鬼門です。どうもいつになっても、僕の持ち玉とコスモグラフィが結びつけられないでいます。

 

  アメリカ滞在中にコンタクトがあり、講師になることを引き受けたのですが、7月にイタリアのイスキア島で行なわれる国際サマー・スクールの詳細が発表されました。タイトルは『生命を創造する:錬金術から人造生物学までCreating Life from Alchemy to Synthetic Biology で、1週間の滞在費3万円で住居とすべての食事、そして教材がカヴァされます。授業はすべて英語で、午前中に授業、午後はセミナーとなる感じだと思います。僕も授業一回、セミナーを一回ほど担当します。初期近代の自然哲学、医学、錬金術における生命とその操作についてのインテレクチュアル・ヒストリーです。皆さんも、これといった夏休みの予定がない人は、遠慮なくどしどし応募してください。イスキアはナポリ湾に浮かぶ島で、ポンペイなどの古代ローマの遺跡にも近く、白ワインの有名な産地です。

 

  今日は一時帰国の準備と、エミー計画の微調整、そして山田さんの ESM 誌用の書評の編集などを行ないました。

 

 

2013. 1. 27

  ふとしたことから、ついに初期近代に製作されたなかなか良いガレノスの肖像を見つけることができました。サンブクス『古今医学者・哲学者肖像集』 (アントウェルペン、1574年)という図版集にはいっていました。フェイスブックのほうに貼っておきますが、エミー計画とメガ・シンポ論集でつかおうと思います!> この本は他にもいろいろな人物の肖像がはいっていて見ているだけで楽しいです。

 

  パラケルスス論文をお送りする次号のメルマガもドロップして、月頭に配信予定です。もともとは、1997の国際会議で生まれて初めてフランス語で発表した僕にとっては、これがデビュ作です。それから当初あった論集計画がすったもんだの末、12の時空を越えて2009年に雑誌のストア自然学の特集号の一本として出版されました。英語の練習のためにと英語版もつくったのですが、それは残念ながらまだ発表する機会を得ていません。ということで、個人的にはいろいろな感慨が深い一本です。発表したヴァージョンにフィチーノの部分を加筆していますが、よくこのような論文の原型が留学三年目のあの時点で書けたものだと、われながら感心しています。

 

  一応これで出発前に片づけないといけないものは一通り終わったので、これからは講演会の準備に集中します。

 

 

2013. 1. 26

  クニ君が紹介していたのですが、アヴィセンナによる『治癒の書』の第6書にあたる霊魂論の邦訳が出たようです。個人的には、『治癒の書』の自然学(とくに作用に関する第4書と動物に関する第8書)や『医学典範』などのアラビア語からの英訳も、世界的な規模でもっと進めて欲しいところです。

 

  メルマガ用にパラケルスス論文を邦訳しました。午後からはじめて夜半までかかりました。といっても時差ボケで生活時間はかなり乱調なので、まったく遅いという感じもありません。

 

 

2013. 1. 25

  欧州に帰還後は時差ボケを抱えつつもちょっと心身ともにハードな3日間を過ごしたので、今日は家にとどまりスローな動きでメガ・シンポ論集のための作業をしています。そろそろ月末ですので、メルマガの準備をしなくてはいけません。まだ何にするか決めてないのですが、何がいいでしょうね?そうか、パラケルスス論文にしましょうか?そうしましょう。

 

  なお、屋形船パーティの方は、参加予定を確認する作業もあと一人のところまで行きました。ご協力ありがとうございます。ところで乗船する船は勝手に「ヘルメスの船La nave di Ermete と名づけたいと思います。> この日は、そのまえに今度たちあげる BH 叢書についての打ち合わせがあります。その調整もトントン拍子で進んでいます。

 

  台湾講演では読みあげる原稿は用意しないで、パワーポイントをつかった講義形式にしようと思っていますので、それを作成しないといけません。講演は2回あり、基本的にはそれぞれ僕の第1著作第2著作にもとづいた話となります。それらを適宜つかって東京の講演も行ないたいと思います。

 

  去年の12月にフランスのトゥールにあるルネサンス研究所において、コンチェッタが主催したワークショップで発表したフィエヌスについての原稿を、古代からルネサンスまでの女性の健康と医学の歴史に関する論集にするので6月末に提出するようにいわれました。なんだかこの春はいろいろな国際会議への参加や原稿の締め切りがあって、ちょっと無理っぽい気がします。早めに伝えておいたほうが良いでしょうね。

 

 

2013. 1. 24

  昨日の夜に連絡があり、スイスのバーゼルで5月半ばに行なわれる医学哲学・宗教との関係についての国際会議に招待されました。その前週にはマドリッドの会議が入っていますし、6月半ばにはグローニンゲンで行なわれる人文主義についての大型学会にも参加しますので、受けるかどうかは微妙なところです。ただ発表時間は20と短く、僕の第2著作からの話でも良いということですので、準備そのものはそれほど難しくないかもしれません。第2著作のプロモの一環としていくべきかもしれません。おそらくマドリッドよりも大物が多く集合する予定です。

 

  ついに、29の土曜日の屋形船パーティの詳細がほぼ決まりましたので、全部で17の参加予定者に連絡をしました。各人からの確認の返事をまっています。> ぞくぞく返事が届いております。

 

  昨日、まだかなと思っていたテレジオ論集『自然哲学と近代科学のはざまに位置するテレジオ Giuliana Mocchi et al. (eds.), Bernardino Telesio tra filosofia naturale e scienza moderna (Rome: Serra, 2012) が、ついに僕のところに送られてきました。ゲマ論集と同じようにセラ書店のシリーズなので装丁は美しいできあがりですが、ある論文に収められている図版群は解像度が低すぎて奇麗ではありません。ちょっと残念。久しぶりに出たテレジオについてのまとまった研究書で、図書館のルネサンス哲学の棚には必要な一書です。

 

 

2013. 1. 23

  1ヶ月ぶりにオフィスに出てきました。たまった雑務をただこなすだけです。

 

  超有名ブログ『石版!』の紺野さんにメガ・シンポ用の僕の原稿を読んで誤字脱字や間違いなどを拾ってもらいましたので、それを原稿にフィードバックする作業をしました。深く感謝いたします。> つぎには平岡君のものを読んでもらいました。僕が見逃していた微調整の必要な点に気づいてもらって本当に助かってます。

 

  あとは昨日から断続的にエミー計画用の細かい微調整文献表の確認・整理の作業を行ないました。英語のタイトルと章立てもだいたい決まりました。どうです、海外で出版される書物のような立派な内容じゃないですか?> 文献表はカズ君にもチェックしてもらって、微調整の必要な部分を指摘してもらいました。感謝です。

 

Portrait of a Genius: Girolamo Cardano and Renaissance Autobiography, Astrology and Dream Interpretation

 

by Emiko Enomoto

 

Foreword (Hiro Hirai)

 

Part I. Who was Cardano?

Chapter 1. Cardano’s Life and Work

 

Part II. Cardano’s De vita propria

Chapter 2. De vita propria as Autobiography

Chapter 3. Astrology and the Structure of De vita propria

Chapter 4. Galen’s Shadow in De vita propria

Chapter 5. Dream Interpretation

Chapter 6. Cardano’s Conversations with His Guardian Spirit

 

Part III. Cardano’s De uno

Chapter 7. Ordered Multiplicity: Reflections on De uno

Chapter 8. A Japanese Translation of De uno

 

Addenda

Post Scriptum and Acknowledgments

Current Trends in Cardano Studies (Kuni Sakamoto)

 

List of Illustrations

Bibliography

Index

English Table of Contents and Summary

 

 

2013. 1. 22

  先週にめでたくも、ついに博論を提出して、すこし身軽になって時間があるというヨシ君に、メガ・シンポ論集の編集済み原稿5本をひととおりチェックしてもらいました。短時間のうちに細かいところにも注意を配ってくれて、僕の見逃していた間違いを拾ってくれたのでとても助かりました。ふかく感謝いたします。

 

 

2013. 1. 21

  一日分記述が先行していますが、ご容赦を。今日はちょっとネットへのつながりが良くありません。

 

  エミー計画の巻末にくるクニ君による解説文は感動的です。今日はその原稿を編集しました。昨日ここに記したような注意点をしっかり守ってもらっていて、それほど手はかかりませんでした。図版の選定作業は平行して続けるとして、あとは榎本さんによるあとがきの最終版および各章の微調整の指示、そして文献表への追加で完了でしょうか?1月末ですべての原稿を揃えて、出版社の担当の方に渡したいと思っています。

 

  メガ・シンポ論集のために図版をいろいろ探していたのですが、初期近代におけるチュービンゲン大学の教師陣の肖像画をあつめた本を見つけました。シェキウスのほか天文学者のマエストリンなど、いろいろ珍しい人のものが入っています。

 

  しかし、本当にガレノスの姿を描いた初期近代の肖像画は、がつくほどレアです。だいたいどれも、18世紀以降の作品です。どなたか良いものを見つけられる人はいませんか?

 

 

2013. 1. 20

  昨日からずっとメガ・シンポ論集の図版リストの作成のため、寄稿者諸君と頻繁なやりとりをしています。だいぶカタチになってきました。謝辞が入ってなかった人には、たんに凡ミスで忘れているだけかもしれないのでリマインダーを送っています。

 

  ついにメガ・シンポ論集のための折井さんの編集校を確認のためご本人に送り返しました。僕と仕事をするのは初めてなので、の入った原稿をみて驚かないことを祈ります。基本的には、寄稿者の皆さんの原稿の編集作業とまったく同じことをしています。だいたいどんなことをするかというと、以下のような点です。> ちょっと心配だったのですが、ポジティヴに受けとっていただけたようで安心しました。月末か2月上旬には確認校がいただけると思います。

 

            書式の統一

            多すぎる漢字はひらく

            カタカナの濫用を避ける

            余計な読点「、」は削除

           同じ言葉の繰り返しを避ける

            長い文は2つに切る

            専門家にしか分からない表現・用語は平易なものにする

            人物や鍵となる概念の初出時にはなるべく枕をつける

            記号や外字の使用はなるべく避ける

            文章のつながりにロジックの破綻がないか確認

 

 

2013. 1. 19

  メガ・シンポ論集への寄稿が遅れているクニ君は、今月末には原稿を出してくれる予定だそうです。その編集が済めば、ほぼ僕の担当分は終わりになります。> 編集パートナーの小澤君も、10月までには出版にたどりつくようにすると言っていますので、その辺は大丈夫でしょう。日本の出版界は伝統的に論集にたいして冷たいですが、それは思ったように売り上げが伸びないという誤った固定観念があるからでしょう。この思い込みのカベを、身をもって粉砕する!というのが僕の本作りにかける意気込みであり、あの偉大なる二宮ワールドにたいするトリビュートなわけです。

 

  今回の一時帰国は最初の話では、それなりに滞在費が出るような感じだったので、思い切って前々から頼まれていた台湾講演もドッキングさせて長期滞在にしたわけですが、じつは全部でものすごい額を立て替えないといけない感じになってきました。どうも、帰ってくるのも一部だけのようです。ここ半年ほど、ちょっと台所の事情が良くないので、このままいくと苦しいかなと思っています。ま、仕方ないですね。とほほ。

 

 

2013. 1. 18

  早速のところ平岡君と田邊さんに出来あがったばかりの編集校を見てもらいました。深く感謝いたします。あとクニ君とカズ君にも送ってあるので、彼らのリアクションを待ってから折井さんに原稿をお返ししたいと思います。

 

  「皆も同意するように、理性的霊魂は地平線に、つまり時間と永遠のあいだの境界に位置する」という謎の一節があります。もともと根占さんが最近の研究のなかで、これをフィチーノの書簡から引いていて、折井さんもそれを受けているのですが、この一節の意味を一番うまく説明してくれるのは、なんと僕もいろいろ手伝ったパリのクリストフの論考「プラトンの『パイドロス』へのフィチーノの注解における馬車の像:神への帰還のための道具としての霊魂の運搬者Christophe Poncet, “L’image du char dans le commentaire de Marsile Ficin au Phèdre de Platon: le véhicule de l’âme comme instrument du retour à Dieu,” Revue des sciences philosophiques et théologiques 94 (2010), 249-285 だと分かりました

 

  まさに、灯台下暗しとはこのことです。早速にも、この論文の PDF をクリストフから送ってもらいました。彼も、まさか1611という早い時期にフィチーノの霊魂論の何らかの一端が日本にまで届いているなんて、しかもそれに言及した研究に自分の論考が役に立つなんて思ってもみなかったと喜んでいます。

 

  いや〜、このメガ・シンポ論集は、本当に中身の濃い素晴らしいものになると思います。願わくば、それに応じたリアクションが各界から寄せられることを祈ります。やはり、肩書きとか、コネとか、外見とかではなく、中身そのものでものごとを判断してもらいたいというのが、昔からずっと BH が伝えようとしているメッセージです。

 

 

2013. 1. 17

  やっとのことで折井さんの原稿の編集をほぼ終えることができました。幾つか質問しなければならない事項もありますが、その前に幾人かの他の寄稿者に編集作業で間違ってないか見てもらおうと思います。普段、キリシタン文献に関する研究や日本思想史に馴染みのない人でも、無理なく入れる読みやすいものでないといけません。

 

  少し遅れたお年玉としてメルマガ増刊号を出します。不老長寿をうながす秘薬といわれたエリクシルについての話です。時差の関係で、明日の朝の配信となるでしょう。> もう配信されたようです。

 

 

2013. 1. 16

  メガ・シンポ論集用のための折井さんの原稿の編集作業を終えたかったのですが、今日はいろいろあってまとまった時間を見つけて腰を落ちつけて作業をするのは無理でした。

 

 

2013. 1. 15

  なんとか、カズ君に見てもらった部分をフィードバックし、結論を補強してほぼ完成かと思われます。

 

  メガ・シンポ論集は、つづいて折井さんの原稿の編集に入りました。これは思っていたより大変です。今日は3分の2まで終了、あと1日あれば何とかなる感じですが、スペイン語の得意な人のアシストが必要な気もします。

 

 

2013. 1. 14

  夕方にフィラデルフィア郊外のクレアの実家に戻ってきました。今日は何もしません。

 

  週末にワシントンに滞在しているあいだに、僕の受賞記念の講演会の調整が進みました。論題は「ルネサンスにおける生命と物質:20年の海外研究生活から」で、場所は駒場で、日程は28の金曜日の夕方17時半からです。プロアマ問わず、どなたでも聴講できますので、遠慮なく参加ください。無料です。講演会の告知のための専用頁もできました。ここです。

 

  東大の橋本さんの主催する講演会シリーズの一部ということになります。このシリーズをもとにした論集を出そうという話もあります。いろいろ夢がありますね!

 

 

2013. 1. 13

  メガ・シンポ論集のための折井さんの論考に、平岡君がコメントしてくれました。感謝です。一昨日送った僕の論考には、カズ君が早速にも誤字脱字を拾いつつ、丁寧なコメントとつけてくれました。これまた、ふかく感謝いたします。言われたことは素直にほとんどそのまま採用するつもりです。

 

 

2013. 1. 12

  早速にもメガ・シンポ論集のための折居さんの論文の編集作業を始めました。手始めとして、脚注のスタイルを整えました。

 

  この週末はちょっとワシントンまでドライヴして、クレアの友人宅に泊まっています。作業は火曜日まで最小限となります。

 

 

2013. 1. 11

  まだ最終決定ではないので、申し訳ないことに詳しいことは書けませんが、世界最強のアイテムがまた一冊、BH 叢書に加わることになりそうです。これは興奮がやみません。どうしてくれるのって感じです。乞う、ご期待!

 

  メガ・シンポ論集は今日の作業で僕の論考もほぼ完成したので、カズ君に目を通してもらおうと思って送り出しました。また後発で寄稿をお願いした折居さんの原稿も届きました。すぐに編集作業に取りかかりたいと思います。

 

  さて、正月休みも明け、榎本恵美子さんの『天才カルダーノの肖像:ルネサンスの自叙伝、占星術、夢解釈』を BH 叢書の一冊として出版するためのエミー計画も、作業を再開です。今日は、巻末にくる予定のクニ君による解説の原稿を読みました。非常にうまく書けていて、感動的な内容です。これは本当に良い本になりますよ!

 

 

2013. 1. 10

  どうも、いろいろ気をもむことが多くて、今日は作業に集中できませんでした。ま、そういう日もあります。仕方ありません。なるようにしかならないこともあるし、そういう場合は流れに逆らわずに低空飛行でいくしかありません。

 

  夕飯後に一時帰国と台湾行きの航空券を購入しました。しめて35万円でした。あとで大半は帰ってきますが、それでも一挙にこれだけ出費するのはかなり痛い感じではあります。カードでなく、ネット・バンクで大口のほうを払えたので、限度額のことを心配することなく助かりました。

 

            130日(水)    ブリュッセル南駅 1020                            パリ空港駅 1135

                                   パリ 1335分                        −                   成田 翌31日の木曜日 9

 

            219日(火)     成田 10時                              −                   台北 13

            222日(金)     台北 15時                              −                   成田 19

 

            223日(土)     成田 11時                              −                   パリ 1550

                                   パリ空港駅 17時                     −                   ブリュッセル南駅 1845

 

 

2013. 1. 9

  メガ・シンポ論集の編集作業は桑木野君とヨシ君とも、疑問点もクリアされ、図版(最終的に桑木野君は8点、ヨシ君は4点)も決まり、ほぼ校了となりました。非常に魅惑的な図版も入ったことで、知的興奮いっぱいの論考群もさらに色気を増しました。> そうそう、僕自身の原稿も、もうすぐ準備が終わります。もう一回読み直して推敲すれば良いかと思います。

 

  すいません、どなたか以下の論文のコピーをとれる人いますか?楠川幸子(宮崎文典訳)「近世スコラと宗教改革:ルター主義者とアリストテレス哲学」『西洋哲学史 3:「ポスト・モダン」のまえに』(講談社、2012年)、99–146頁。英語版はあるのですが、メガ・シンポ論集のための原稿にこの邦訳版が必要なのです。

 

 

2013. 1. 8

  こんど出ることになった『ラウトレッジ版・16世紀哲学必携Routledge Companion to 16th Century Philosophy に、身体とその内的な力についての認識にルネサンスの医学錬金術が与えた新しい潮流をまとめる一章を書いてくれと依頼されました。ついに憧れのラウトレッジ書店から出版物をだす機会を与えられた訳ですが、流行りの必携ものということで世界的なインパクトも大きいでしょう。締め切りは11月末です。これは一切の迷いなしで引き受けたいと思います。なんだか、お年玉をもらった気分です。

 

  ブリルの『占星術必携』、そしてラウトレッジの『16世紀哲学必携』という仕事の依頼の流れからすると、近いうちに何らかのかたちで本家本物のオックスフォード版やケンブリッジ版の必携の話が来るのも、あながちではないのかもしれません。

 

  しかし、あえてルネサンスとしないで16世紀と絞りこむなんて、とても野心的な計画だと思います。編者はスアレスについての論集を出しているカナダの Henrik Lagerlund 氏です。

 

  コンパニオン(必携)は教科書の上級版みたいなもので、多くの大学がシリーズで自動的にそろえ、廉価なので学生・院生も読むのでしょうから、出版社はかなり儲けているのでしょう。日本でも各種のコンパニオンを翻訳する動きがみられるようですが、上記の本のような特化したテーマのものを出してもマーケットの規模からしてそれほど売れないでしょう。でも、『占星術必携』は邦訳したら、それなりに行くかもしれませんね。どこかの出版社、今からまじめに考えませんか?

 

 

2013. 1. 7

  世界中どこも、実質的に今日が仕事はじめなのでしょうか?これまで信じられないほど静かだったのに、朝起きたら一挙に沢山のメールが来ていました。一個づつ対応するだけでも大変かもしれません。

 

  日本学術振興会賞授賞式のために一時帰国する際、昨年7月の立教大学からの招聘のときと同様に、日本行きの航空券は指定の代理店をつうじて行なわれるのかなと思っていたら、どうやら僕自身が購入して、あとで払い戻しという仕組みのようです。もっと早く確認しておけばよかったのでしょうが、ちょっとうっかりしていました。早速これから、入手したいと思います。でも、急にいわれて日本行き2人分(20万円)を立て替えるのも大変です。

 

  なんでも御進講とか呼ばれる、授賞式のときの簡単な質疑(おそらく園遊会でのやり取りを想像すれば良いかと)のため、多くの人に理解できるように自分の研究のオリジナリティ興味ぶかい点、苦労した点を数行ずつで手短に説明するように求められました。コレって簡単なようでいて、なかなか難しいことだと思います。> 例えば、興味ぶかい点として以下のようにまとめてみました。どうでしょうかね?

 

後世の視点から非合理とされたさまざまな考えも、過去の異なる体系のなかで合理的に生み出されたことを証明することで、合理主義のうえになりたつ西洋文明は非合理的なものを排除することで近代科学を生みだし発展してきたという従来の歴史観の再考を迫っている。

 

 

2013. 1. 6

  メガ・シンポ論集の作業を少しだけ行ないました。校了した人たちのうちで謝辞を入れてない人に、どうするか確認しました。とくに経験の浅い若手は、原稿を仕上げることで精一杯でそこまで気が回ってないようなので、こちらから注意を喚起してあげることには意味あるでしょう。

 

 

2013. 1. 5

  今日はメガ・シンポ論集のための細かい作業を少しだけ行ないました。

 

 

2013. 1. 4

  BH 叢書がお送りする栄えある第一回 ミクロコスモス大賞 受賞者の菊地原君のデビュ作 『パラケルススと魔術的ルネサンス』 を出版する計画(略してキクパラ計画)では、ついに仮の章立てを発表しました!う〜ん、これは期待できます。出版されるまで待てません!> 収録する図版の選定などの作業にも入りたいと思います。1章につき2〜3点は入れたいところです。

 

  メガ・シンポ論集用の桑木野君の原稿ですが、僕の疑問点への答えが返ってきました。それらを取り込んで、今日の午後にもう一回通して読み直してみたいと思います。それで問題なければ、ほぼ校了でしょう。> 読み直して微調整ののち、桑木野君に確認のために送り返しました。

 

  うまいことにゲマの肖像画も入っているベルギー(といっても低地地方という意味で、現在のベルギーオランダも区別ありません)の著名人の生涯と著作についての書物のなかに、登場人物の一人であるウァレリウスの肖像画を見つけたのですが、主人公であるシェンケルのものは見つけることはできませんでした。そうなると、ちょっとバランスが悪いですよね。

 

  同時に、カズ君の原稿も校了となりました。お疲れさまでした。こちらは、図版の選定作業も終わっています。全部で4点ですね。新大陸のインディオたちのボディ・ペインティングの様子も、しっかり入ってますよ。乞うご期待!

 

 

2013. 1. 3

  菊地原君からキクパラ計画の進行状況の報告がありました。この年末年始の集中的な作業で原稿の準備も大幅にすすみ、もうすぐ脱稿する模様です。1月中には原稿のチェックを終えて、春先には版組みに入りたいと考えています。そのあいだに平行して図版の準備も進めないといけません。

 

  年末年始は上方にいるクニ君も、エミー計画用の解説の原稿の執筆を鋭意すすめているようで、もうすぐ完了するのではないかと思われます。

 

  午後からは、メガ・シンポ論集のための桑木野君の原稿の編集にとりかかりました。夕食をはさんで、いったんは完了。幾つか登場人物の生没年に関する疑問を質問し、明日もう一度全体を見直してみたいと思います。

 

 

2013. 1. 2

  自分のメモ用に新年の予定をあげておきます。まずメガ・シンポ論集の作業では、はやいところカズ君の原稿を校了にして送りだしたいところです。桑木野君のものにも、はやいうちに目をとおさないといけません。それから、ブリル書店からだされるという西欧占星術の歴史についてのコンパニオンに、医学占星術についての章を寄稿しないといけません。これは基本的に、昨年の秋にだされたジェルマーナの論集のための伊語訳のもとになった英語版に注をつければいいのだと思います。また、そろそろ到着することになっている菊地原君のパラケルススについての著作(キクパラ計画)の原稿を編集する作業がまっています。このあたりで、ほぼ1が終わるのではないかと予想されます。

 

 

2013. 1. 1

  元旦だというのに昨日と変わりなく黙々と作業を続行しております。今日は、アンドレアスの論集のための原稿の前半部分の微調整を行ないました。これで3分の2が終わりました。あとゼンネルトの部分と結論を明日にでも仕上げれば出来上がりです。だいぶ気分は楽になってきました。ふう。

 

  メルマガは無事に配信されたようです。過ぎ去った年の活動のまとめと、新たにおとずれた年の展望が記されています。この日記などでは書けない甘く危険なことがらもいろいろ入っております。お楽しみに!

 

 

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