隠れた名著
  
 
 
その4
 
チャールズ・ニコル著
『化学劇場』
Charles Nicholl,
The Chemical Theatre.
Routlegde, London, 1980.
 
    以前にルネサンス末期(16世紀末から17世紀始め)には、しばしば演劇にて錬金術やそれにまつわるテーマが使われたり、錬金術師が登場したりしたと別項にて言いました。本書は、シェークスピアの『リア王』における錬金術的テーマの分析をメインテーマとしています。ちょっと風変わりで面白い問題設定です。キミアの歴史研究、そのものに与えた影響と言うと良く分りませんが、演劇とかシェークスピアと錬金術の関係について知りたいときは、本書の一読をお薦めします。当時の英国の状況(英文学と文化など)に興味を持っている人にも良いと思います。一般読者向けには、これを邦訳すると良いかもしれません。残念ながら、ニュートンも使っていた17世紀始めに編纂された一大錬金術集成 『化学の劇場』 やその編者である出版業者ラザルス・ゼッツナー(ツェッツナー)についての研究ではありません。僕としては、これをやってくれる人の出現を待望しています。
     
 
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