ごくごく個人的な「本」日記
2014年11月
2014. 11. 30 日
今日一日かけて、なんとかクレッグの本を読み終わりました!明日から書評の執筆に取りかかります。
14日(日)の16時にパリから日本に向けてフライトしますが、ここのところベルギー国内で連続ストがおきていて、15日(月)もその予定に入っているようです。保険をかけて1日前にパリに入っておくべきか迷っています。ただ、クリストフもツノさんもいない週末なので、どこかに宿をとらないといけないのですよね。
2014. 11. 29 土
なかなか本腰を入れられなくて苦労していたのですが、やっとクレッグの本の読書に戻りました。あと40頁くらいでテクストは読み終わるでしょう。しかし、後注式の本の PDF をアイパッドで読むのは辛いものがあります。
桑木野君の入魂作『叡智の建築家』(中公美術社、2014年)にたいする根占先生による書評が、『イタリア学会誌』最新64号(2014年)、89-96頁に掲載されました。力作のようです。要チェックですよ!
2014. 11. 28 金
昨日のつづきです。今日は、1ヶ月前に博論の第1章草稿の一部といってエリザベトに渡されたものを読みました。まだまだ読書ノートの切り張りの山という感じで、五里霧中です。僕には理解できないもので、それはストーリーを語れていないからだと思います。
研究所に新しくはいったショーケースにガファレル論集が飾られました。写真は、フェイスブックをご覧ください。
2014. 11. 27 木
ここのところ寝つきが悪くて疲れているようで、書評のためのクレッグの本の読書に向かえません。ひたすら、頭を使わない手作業ということで、ガファレル論集の送りだしをしています。最初にもらった30冊は、日本で幾人かに手渡しする分をのぞいて送りだすことができました。
しかし、そればかりではダメなので、『ルネサンス哲学辞典』で担当している医学の部分の投稿記事の審査をはじめました。記事がたまっていますので見てくださいというリマインダーが出版社から来たのですが、実際に審査用のボックスを開けてみると、エリザベトによる2つの記事「根源的湿気」と「潜在熱」だけでした。ああ、良かったです。たくさん来てたら、どうしようかと心配していました。
2014. 11. 26 水
次号のメルマガをドロップしました。今回はシカゴ遠征で発表した菊地原君とのコラボ企画「パラケルススにおける梅毒、性、想像力」です。
2014. 11. 25 火
今年は、『知のミクロコスモス』にはじまり、ガファレル論集とトニー計画という3つの大型プロジェクトに支配された1年でした。トニー計画そのものは進行が遅れたので、出版まであと半年ほど本づくりの作業が残っています。来年は、国内向けにはラリーの本の翻訳と論集1冊、海外向けにはサンディエゴ論集の作業がまっています。なかなか休む暇はありませんね!
次号のメルマガの下原稿もつくりました。明日もう一回、推敲してドロップします。今回はシカゴ遠征からです。
2014. 11. 24 月
ある雑誌から、ガファレル論集の書評を依頼する候補の名前をあげるようにいわれました。ルネサンスの魔術やキリスト教カバラに関心をもっていて、まがりなりに英・仏・伊の3か国語が読めて、満足な英語で書評が書ける現役の人って誰がいるでしょうね?どちらにしても非常に限られている気がします。
本当は、お尻に火のついている ISIS 誌の書評(クレッグの本)の作業をやらないといけないのですが、もう少しで終わるトニー計画の方を先に片付けることにしました。>
やった!第9章の最終チェックを終わらせました!計画そのものがスタートしてから4年、僕が集中的な作業を今年の4月にはじめてからずっと、本当に長くて苦しい道のりでした。これから出版社の担当の方に全ファイルを送りだします。めでたい!
2014. 11. 23 日
気分を入れかえて集中し、トニー計画の第8章のチェックを終わらせました。残すところ、長めの第9章だけとなりました。これをなんとしても、一時帰国までに終わらせたいと思っています。
錬金術・化学史協会 SCHAC から、ニュースレターのためにシカゴでのパラケルススについてのパネルについて簡単な報告をしてくれないかと依頼されていたのですが、すっかり忘れていました。急いで10行程度のものを書いて送りだしました。明日の朝には発行されるようです。
12月21日(日)の16時から、第2回目のホーム・パーティを前回と同様におこないます。飲み物、食べ物、持ちよりで10名くらいの参加者です。
2014. 11. 22 土
欧州に帰還直後の時差ボケのなかでの1週間をなんとか乗り切りました。これで一息つけます。ふう。
12月17日(水)に立教大学でおこなわれる 『ダンテ、錬金術伝統、カバラー文学における遍歴する知性』
という夢の饗宴にむけて準備をしていきましょう。まずは、今年の話題書となったダンテ『神曲』(講談社学術文庫、2014年)の地獄篇、煉獄編、天国篇です。
これは今回のメイン・ゲストである原基晶さんによる入魂の新訳。ぜひとも目をとおしてから、ご参加ください。
2014. 11. 21 金
漠然と考えているときは、あれこれとアイデアが浮かぶのですが、真剣に熟慮すると出てこないものです。ガファレル論集を世界のカギとなる人々に送ろうと思っているのですが、昨日あげた5名のほかに誰が良いのでしょうか?>
そうだ、クリス(チェレンザ)とミゲル(グラナダ)にも送りましょう。ジェルマーナは、ギド(ジグリオーニ)に渡してくれたようです。
ディディエ
トニー
リチャード(ブルム)
モーティ
ステーフェン(クルカス)
いろいろ考えた挙句に、魔術史家(それほどいるか疑問)と科学史家にアピールするために「魔術と科学のはざまで」
between Magic and Science とタイトルにいれたのですが、「古代ヘブライ人たちの擁護者」 The
Defender of the Ancient Hebrews とトニー的にしても良かったのかなと思っています。宗教学史の観点からは、後者の方がアピールしたかもしれませんね。> ヨシ君に、このアイデアをタイトルにして内容一覧をアマゾンのレビュ欄にあげてもらいました。ふかく感謝です!
2014. 11. 20 木
時差ボケの今日は朝3時に目が覚めました。まだ早すぎます。
ガファレル論集について昨日のつづきでいうと、6人の寄稿者、12人のサポーター、6つの雑誌だけの合計で24冊となります。また、今回の作業を助けてくれたエリザベトとジョール(クライン)の2人にもお礼として渡すつもりです。あとはディディエ、トニー、リチャード(ブルム)、モーティ、ステーフェン(クルカス)にも送ろうかと思っています。どう考えても、最初にもらった30冊では足りませんね。>
さらに5冊ほど、追加で注文しました。
Isis
Ambix
Renaissance Quarterly
Intellectual History Review
Aries
Revue d’histoire de la religion
2014. 11. 19 水
案の定、時差ボケですが、今回は朝2時に目が覚めてしまいました。さすがに早すぎますよね。これでは午後までもたないでしょう。> 今日はオフィスに行きます。やっとのことで、ガファレル論集を手にとって見ることができるでしょう。まずは、寄稿者とスポンサーの方々に1冊ずつ送ります。そのあとは、書評用の雑誌群です。
届いていました、ガファレル論集が。理屈ではわかってはいても、実際に手にとると感激もひとしおです。とくに今日は時差ボケでフラフラの状態なので、頭をつかう仕事には向いていません。ということで、6名の寄稿者と寄付をくれた10名のサポーターの方々に論集を郵送する手配を続けました。>
メールで送り先を問い合わせといった作業ですね。まず10冊は、送りだしました。年末の帰国時に会うことがわかっている幾人かには、そのときに手渡しします。
2014. 11. 18 火
定刻の9時より1時間ほど遅れてブリュッセルに到着しました。電車に乗ってリェージュに向かい、12時半にはBH本館に到着。眠気と闘いながら、3週間におよんだアメリカ遠征の片付けものなどをして過ごしました。
これから今月中にこなさないといけないのは、クレッグの本について
ISIS に書評を書くことと、ルネサンス哲学百科の2つの記事を完成させることです。
2014. 11. 17 月
大雨のなかフィラデルフィアからトレントンの駅まで車でいって、そこから電車に乗ってニューヨークに向かい、19時半のブリュッセル行のフライトです。天候が良くなく、飛行機のなかで1時間ほど待たされました。しかも離陸後も、最初の2時間くらいとても揺れました。そういう緊張感もあったせいか、気がついたら残り4時間となっており、フライト中に眠ることもできませんでした。
2014. 11. 16 日
僕はこれまで学術的にすぐれた作品(そのテーマについての世界のトップの人たちに見せるつもりで)を書こうとして、結果的にストイックなまでに余計な枝葉をそぎ落とした、高度にテクニカルなものとなる傾向がありました。でも、そういう書き方では周りにいる大学院生や若手の研究者たちには難しすぎるようです。第3冊目では、その辺に十分に配慮して多くの人が参照できる本にしたいと思っています。
年末の一時帰国の航空券を入手しました。以下のようになります。
パリ 12月14日 16時10分―羽田 12月15日 12時(お昼)
羽田 1月6日 0時半(真夜中)―パリ 5時半
2104. 11. 15 土
月曜日の夕方のフライトでニューヨークから欧州に戻りますので、この週末が今回のアメリカ遠征の締めとなります。実りのある滞在でした。
今年9月末におこなわれた『知のミクロコスモス』読書会の音声ファイルを入手したので、それを聞いています。記憶術についての桑木野論文と怪物像についての菊地原論文をとり扱っています。とても面白い!プロの方々ではないと思うのですが、ワイワイと楽しい雰囲気で、とても鋭い議論が交わされています。こういう知的サークルが存在するのですね。参考になります。
いま漠然と考えているのは、ルネサンス期に普遍史というかたちで展開した古代世界についての歴史観と、古代神学の考えや哲学諸派の展開を関連させたビザールな世界を記述できたら、楽しいだろうなということです。僕のリプシウス論文でも、古代のストア派が現代の解釈とはまったく異なるかたちで理解されることを描いたわけですが、さらに一歩踏み込んだものです。
2014. 11. 14 金
結局のところ、第7章を終わらせたところで時間切れとなりました。第8章については、欧州に帰ってから作業します。
とある辞典の項目で、「ミクロコスモスとマクロコスモス」が取りあげられているようですが、それはそれで不思議なことです。でも、だからといって、「古代神学」はとり扱わないのだろうなとは想像します。
2014. 11. 13 木
トニー計画の作業を順調に進めることができ、第7章の3分の2を終わらせました。なんとか明日で終わらせることができるでしょう。そのつぎの第8章は短いので、それも早いうちに終わらせられるかもしれません。
2014. 11. 12 水
今日も、昨日のトニー計画の作業をつづけたいと思っています。時間が空くと感覚が鈍るので、この滞在中にできるだけ前進したいのです。>なんとか第6章を終わらせました。
今回のシカゴ遠征でとくに個人的に嬉しかったのは、僕の仕事をフォローしているという若い人たちに会ったことと、クレッグ(マーティン)にいわれたのですが、17世紀イギリスのこと、とくにトマス・ブラウン卿などを研究している人たちが僕の作品を読むべきだと考えるようになってきているらしいことです。もともと、17世紀の研究をしている人たちにルネサンスの重要さを唱えてきたわけですから、これほど嬉しいことはありません。
2014. 11. 11 火
来たる12月17日(水)に立教大学の史学科主催でおこなわれる夢の饗宴『ダンテ、錬金術伝統、カバラー文学における遍歴する知性』の告知が、立教大学のウェブサイトにも出されました。予約不要・入場無料ですが、先着60名という制限があります。お気をつけください。
午後から久しぶりに行った CHF の図書館で、トニー計画の作業にもどりました。いまは第6章の最終チェックをおこなっています。感覚が戻ってくるまでに時間がかかりましたが、なんとか全章を11月中に完成させて関戸さんに送りだしたいところです。>
ちなみに、どういうことをしているかというと、漢字の開き具合とともに、ビザンツかビザンティンかといった細かい用語の問題を全章にわたって統一させる作業です。
2014. 11. 10 月
シカゴでの科学史学会では、ピッツバーグ論集の編者と話をしました。ジャンナ・ポマータを含む2人の大物の最終稿を待っているということです。まだまだ時間はかかるでしょう。論集とはそういうものです。それからナンシーさんの記念論集についてギデオンから話を聞きました。こちらも大物の原稿を待っているようです。しかし、約束しておいて原稿を出さない大物は困りますよね。
2014. 11. 9 日
午前中の錬金術についてのセッションにちょっとだけ顔をだし、そのあとは友人のオファーでタクシーにのって空港に向かいました。13時半発の2時間のフライトでフィラデルフィアに着き、そこから電車で郊外のクレアの実家まで戻りました。19時でした。ふう。
今回はブックフェアでの収穫が少なかったのですが、最終日の半額ディスカウントで1冊だけ入手しました。『ローリー卿の「世界の歴史」とルネサンス後期の歴史文化』
Nicholas Popper,
Walter Ralegh’s
History of the World and the
Historical Culture of the Late Renaissance (Chicago UP, 2012) です。著者はトニーの弟子で、ナンシーさんも手稿の段階で目をとおしてコメントしていると謝辞にあります。
2014. 11. 8 土
明日はお昼の便でフィラデルフィアに戻るので、今日が実質的には最終日です。
午後にベルリンの変成・消化・想像にも参加するアシュリーによるボイルについての発表があります。
2014. 11. 7 金
二日目は、ビルの発表とラリーが司会をするセッションに顔をだしました。ビルの方は、ニュートンのキミアについての研究のデジタル化計画についてのものでした。ラリーのセッションは、バラバラな内容の3本をコメンテーターとしてまとめるラリーの腕前を堪能できました。
夕飯は、ジェニー、ラリー、ビルとアルメニア料理の店にいきました。ギリシアとレバノン料理の亜種といった感じでした。
2014. 11. 6 木
さあ、今日が本番です。最初の時間帯のセッションです。1時間半に4本も詰め込んでいる異例の構成なので、どうなるか心配です。一本目は、HABのサマー・スクールで出会ったアンドリュ(スパーリング)によるパラケルススにおける金属変成について。内容的には、去年ボストンの彼に家に泊めてもらったときに聞いている内容です。決定的な部分が分かりにくかった気がします。
二本目のチャド(グヌー)の発表は、あまり知られていないパラケルスス主義者ミカエル・トクシテスについての伝記でした。そして3本目が僕たちの発表です。今回は、紙にプリントするのではなく、アイパッド・ミニをつかって原稿を読んだのですが、まごつくことなくできました。司会者の段取りが悪くて、あまり質疑の時間はなかったのですが、あとでビル(ニューマン)に良い発表だったといわれ、安心しました。科学史学会よりもルネサンス学会で発表したほうが、内容的にもっとウケたかもしれません。
最後のエミー・シスロの発表は、現代のジェンダー学とパラケルススの発生論を結びつけるもので、どういう意味があるのだという批判的な質疑がくり返されました。僕としては、最初の3本でゆっくりやった方が良かったと思いますが、そうすると女性がいないのでバランスが悪くなるので、仕方なしといったところです。セッションが初日の最初ということで、聴衆は少ないだろうと思っていたのですが、それでも多くの人に来てもらえました。
レセプションと夕飯は、今夏に日本に来てくれたクレッグ(マーティン)夫妻と過ごしました。
2014. 11. 5 水
これから空港に行ってフライトです。シカゴに行くのは今回が初めてです。なんだか寒そうなので、ちょっと心配です。
セラ書店から連絡があり、ガファレル論集を送ってくれるようです。到着するのは僕の留守中なので、実際に手にとることができるのは欧州に帰ってからとなります。本当は、シカゴの科学史学会でお披露目できれば良かったのですが、ギリギリで行き違いとなりました。
2014. 11. 4 火
一日かけて推敲して発表原稿をほぼ完成させました。しかし、原稿を用意しないままに旅に出るのは今回が初めてだったので、なかなか気分が落ち着きませんでしたが、これで少しだけ安心しました。題して、「パラケルススにおける梅毒、性、想像力」 “Syphilis, Sexuality and Imagination in Paracelsus” です。
つぎにクニ君の本の原稿の第2章を入手したばかりのアイパッド・ミニで読み、気がついた点をマーク&メモしました。欧州に帰ったら、フィードバックします。なかなかアイパッドは調子が良いですよ。
2014. 11. 3 月
やっとのことで、発表原稿の執筆をはじめました。とても集中できたせい&もとになる菊地原君のプロットの完成度のおかげで、一日の作業でなんとか分量は申し分ないものとなり、ストーリーとしてもそれなりのものとなってきました。明日一日、ずっと推敲をすれば良いのではないでしょうか。
2014. 11. 2 日
今日は昨日のつづきで、体調を整えつつ、アイパッド・ミニの調整を継続しています。いまのところ友人のジジの新居に泊まっているのですが、彼女の飼い猫のボボがわれわれに良くなついています。とてもかわいいクロネコです。
2014. 11. 1 土
時差ボケを直しつつ体調を整え、アイパッドの慣らし運転をしています。よく使うであろうアプリを調整しています。いまいる場所はネットの速度が出ないので時間がかかります。FB、ツイッター、PDFリーダーなどなどです。ニューヨークからフィラデルフィアに車で移動し、夕飯を我が家のような『さが美』で美味しくいただきました。
ニューヨークにいるあいだにセラ書店から連絡があり、ガファレル論集が出版されたことを知らされました。おお、ついに出たのですね。セラ書店のカタログの頁から注文を出せるようです。