僕の本が出版されました!
『ルネサンスの物質理論における種子の概念
マルシリオ・フィチーノからピエール・ガッサンディまで』
Le
concept de semence dans les théories de la matière à la Renaissance
de Marsile Ficin à Pierre Gassendi
Brepols, 2005.
Publié
avec le concours de la Fondation Universitaire de Belgique
スペインの雑誌 Azogue のブック・オヴ・ザ・イヤー(2005)受賞!
フランス医学史学会のスルニア賞を受賞!
ついに書評が出始めました!
“A
great scholarly accomplishment”
- Guido Giglioni (Warburg Institute), Early Science and Medicine, 11 (2006), pp.
117-119.
“A
significant book that must be read by all those who work
in
the field of the history of Renaissance and early modern science”
- Peter Anstey (
“This
work admirably explores a large number of infrequently studied texts as well as
classics”
- Craig Martin
(Katholieke Universiteit Leuven), Renaissance
Quarterly, 59 (2006), pp. 226-227.
“Seminal
work on Renaissance and early modern theories of generation”
- Antonio Clericuzio,
Metascience, 15 (2006), pp. 315-318.
“Pregevole
per la ricca messe di citazioni e per l’attenta analisi di numerosi testi,
alcuni dei quali di difficile interpretazione”
- Antonio
Clericuzio, Bruniana & Campanelliana,
11 (2005), pp. 594-597.
- Jochen Büchel, Berichte zur Wissenschaftsgeschichte, 29
(2006), pp. 260-262.
Essay Review
“Hirai’s
book will become a classic and remain for years to come
an
indispensable reference for anyone working on early modern matter theory”
- Christoph Lüthy, Annals of Science, 64 (2007), pp. 411-420.
“L’ouvrage est dense et les références
nombreuses. Il intéressera les historiens et pas seulement ceux de la
Renaissance”
- Pierre Savaton, Revue d’histoire des sciences, 61 (2008), pp. 218-220.
“Significant
book that must be read by all those who work in the field of the history and
philosophy of the Renaissance and early modern science”
- Remi Francowiack, Ambix, 56 (2009), p. 89.
これから書評が出る雑誌のリストを挙げておきます。書評を見かけら、一報ください!
Sixteenth Century Journal
British Journal
for the History of Science
(2006-2008 はチェックしました)
全文仏文ですが、引用文(主にラテン語とドイツ語)は豊富です。フランスやアメリカと違って、注はタフなものとなっていますのでイタリアやドイツの感じを想像しておくと良いかもしれません(そこまで行かない?ま、両者の中間ぐらいです)。国際科学史アカデミー叢書 Collections of Studies from the
International Academy of History of Science というシリーズに入って、国際学術出版の老舗ブレポルス書店 Brepols, Turnhout (Belgium) から出版されました。ちなみに、日本語ヴァージョンはありません。目指すは、「10年に一冊の重み」に入るような歴史に残る本です。16世紀の生命と物質そして自然観、パラケルスス主義、新プラトン(フィチーノ)主義、キミア(錬金術=化学)、種子、スピリトゥス(プネウマ)、ロゴイ・スペルマティコイ(種子的理性)、キンタ・エッセンチア(第5精髄)、アリストテレス主義の鉱物学、その辺がキーワードです。
第一部 ルネサンスの種子の理論の独創性とフィチーノの役割を明かします
1. フィチーノ以前 イントロ的な小品。
2. フィチーノ これは良い出来です。英訳されて世界的なフィチーノ論集にも入りました。
3. フィチーノの周辺 フィチーノとフラカストロの関係を示唆。ヴェローナでここの話をしました。
4. フェルネル 偉大なる D. P. Walker に捧げます。
第二部 アリストテレス主義鉱物学の伝統と種子の理論が関係ないことを示す
5. アグリコラ ソリッドな鉱物学史研究。
6. カルダーノ ベルギーで2番目に書いた章です。何度も書き直しました。
7. チェザルピーノ ま、これもソリッドな小品。
第三部 パラケルススと三人の有名な弟子の分析
8. パラケルスス ドイツのパラケルスス学者を超越できたかな?奥が深い作品。
9. セヴェリヌス 博論のメインとなる長尺の章。
10. デュシェーヌ 単品作品として切り出しました。
11. クロル Hannaway
を超えることができたと思います。
第四部 最新のキミア理論 (セヴェリヌスの種子の哲学)
が、鉱物学に浸透していく過程
12.パリシー パリシーとフランスの錬金術文献の関係。
13.センディヴォギウス 難しい錬金術作品の種子の理論を中心とした読解。
14.デ・ボート デ・ボートの歴史的な意義を発掘できたと思います。
15.ゼンネルト 4頁の橋渡し的な小品です。
16.ドゥ・クラーヴ 第5部への架け橋。単品として切り出しました。
第五部 セヴェリヌスの種子の哲学の行方。
非合理・神秘主義といわれる錬金術と近代科学の起源と言われる機械論哲学の近親関係性について
17.ファン・ヘルモント 若きヘルモントのソースとその展開。良い出来だと思います。
18.ガッサンディ あっと驚くスリリングな結幕。単品として切り出しました。