ごくごく個人的なアウトプット
海外編
その3
ジョゼフ・デュシェーヌの『ヘルメス主義医学の真実のために』(1604年)における
物質の理論にみるパラケルスス主義、新プラトン主義、そしてヘルメス医学
Paracelsisme, néoplatonisme et médecine hermétique
dans la théorie de la matière de Joseph Du Chesne
à travers son Ad veritatem hermeticae medicinae
(1604)
『国際科学史アーカイヴ』
Archives internationales d'histoire des sciences,
51, (2001), pp. 9-37.
その名字をラテン語化した名であるクェルケタヌスでしられるフランス人パラケルスス主義者ジョゼフ・デュシェーヌ (1546-1609)は、フランス初の新教派国王であるアンリ4世の侍医兼秘密政治エージェントでった。17世紀初めのパラケルスス主義、というよりは、化学哲学者の中でも飛びぬけて大きな影響力を持った人物である。その主著『ヘルメス主義医学の真実のために』(1604年)は、その後世に与えた影響力の重要性にもかかわらず、歴史家によって殆ど研究された事はない。デュシェーヌについての研究は、D. Kahn の博士論文におけるその伝記的な分析以外では、R. Hooykaas の『元素概念の歴史』と A. Debus のパラケルスス主義者研究で触れられたのみであり、その徹底的な研究が待たれている。本論文は、その主著において展開される自然哲学体系にみる物質理論を歴史的コンテクストにおいて、特にそのパラケルスス主義的、新プラトン主義的、およびヘルメス主義的諸相を分析するものであり、本格的なデュシェーヌについての学術研究の第1歩を印すものである。 |
第1節 イントロダクション
1. Introduction
第2節 『ヘルメス医学の真実のために』(1604年)
2. L’Ad veritatem hermeticae medicinae (1604)
第3節 自然と「世界霊魂」
3. La Nature et l’âme du monde
第4節 ケルケタヌス体系における「物質理論」
4. Les semences dans le système quercétanien
その1 「種子」と階位的3原質
4-1. Les semences et les trois principes hypostatiques
その2 元素の可視的な体
4-2. Les corps visibles des elements
その3 空気と「哲学者のアンモニア塩」
4-3. L’air et le sel armoniac des philosophes
その4 「第5精髄」あるいは「第4精髄」
4-4. La quintessence ou la quartessence
その5 バルサム医学
4-5. La médecine balsamique
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第5節 ヘルメス化されたモーゼの哲学における「天空」
5. Le Ciel dans la philosophie mosaique hermetisée
第6節 終りに
6. La dernière evaluation