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ごくごく個人的な「本」日記

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20222

 

2022. 2. 28

 チェザルピーノについての国際会議での発表のために続けていた作業で、アヴィセンナ占星術をめぐる問題であまり議論されてこなかったように思えるマテリアルを見つけました。これについて、少し深掘りしてみたいと思っています。>とりあえず、明日午前10時のスペース対談「ウシミツドキ」あらため「ミツミツドキ」で、中西さんとお話しします。お楽しみに!

 

 

2022. 2. 27

 急な展開となってしまったのですが、先日のスペース対談「ウシミツドキ」でアラビア・イスラム学者の中西悠喜さんと勝手気ままに放談したものを動画化した「ビザンツ世界における占星術・錬金術・魔術」を、22時からプレミア公開します。同時に、ビザンツ世界における占星術・錬金術・魔術を研究するための専用頁も開設しました。これから記述を充実させていきます。

 

午後には、「ルネサンスにおけるプセロスの『ダイモーンについて』Darin Hayton, “Michael Psellos’ De daemonibus in the Renaissance,” in Reading Michael Psellos, ed. Charles Barber & David Jenkins (Leiden : Brill, 2006), 193-215 というタイトルの論文を読みましたが、これはすごいものでした。

 

フィチーノのラテン語訳によって西欧に導入されたダイモーンについてのプセロスの議論は、アグリッパカルダーノといったルネサンス期の著作家から、17世紀のケンブリッジ・プラトン主義者まで、多くの人々の議論の枠組みを与えていたというものです。なかでもカルダーノの『事物の多様性について』にいたっては、ダイモーンについての一巻がまるごとプセロスの論考を要約にすぎないというものです。

 

 

2022. 2. 26

オンライン上のヴェネツィアでの国際会議は、今日が2日目です。20分の発表4のあとに、なかなか良い感じで1時間ほどディスカッションが展開しました。世界のトップと16世紀自然哲学医学についてガチンコで議論できる時空間は、かけがえのないものです。このために生きていると再確認しました。

 

この国際会議が終了する間際のところで、ベルリンからメールが入り、9月末の国際会議に招待されました。ミカエル・マイアーと当時のキミアをテーマとするようです。まだ遠征は怖いのですが、行きたい気持ちは生まれてきています。

 

 

2022. 2. 25

6時半に起きて、8からの国際会議にそなえました。1020からが僕の出番で、パワポをもとに原稿なしで話をしました。原稿を読んだとしても、それなりにアリストテレスの気象論を知らない場合は、話だけを聞いても理解するのは難しいだろうと思います。質問にたったエリザベトのおかげもあって質疑はとても盛りあがり、楽しい時間をすごせました。

 

年末からつづくマラソンに、これでひと息つくことができるかと思いますが、じつは1か月ちょいで、つぎの国際会議がくるので、休んでいるヒマはあまりありません。

 

 

2022. 2. 24

パワポをつくりながら、原稿を読みなおして記述のユレをチェックしているのですが、なぜか今回の原稿はポロポロとでてきます。明日の朝は8から11まで、仮想世界のヴェネツィアで国際会議です。この会議をもとにした国際論集は、アリストテレスについての書物に強いロンドンのブルームズベリーから出版される予定です。

 

 

2022. 2. 23

まだまだ不確かだった部分をひとつひとつチェックして、ほぼ完成に近づいてきました。金曜日が発表ですから、明日は作業をいったん止めて、パワポをつくることに専念しようと思います。

 

 

2022. 2. 22

トマス・アクィナスの師であるアルベルトゥスの『気象論注解』から、いろいろ学んでいます。なかでも注目すべきは、彼がセネカの『自然問題集』を良く読んでいる点です。気象現象や地震、疫病を説明するときに硫黄の働きを重視するのは、アリストレスや錬金術ではなく、じつはセネカから学んでいるようです。

 

 

2022. 2. 21

いろいろ細かいところを詰めているのですが、だんだん見えてきたのは、『気象論』の伝統におけるアルベルトゥスの重要性です。彼の注解を読まないといけないかも知れません。

 

 

2022. 2. 20

  今日一日の作業で、だいぶ完成に近づいてきました。山は越したと思います。ところで、タイトルはシンプルに、「チェザルピーノの鉱物学と錬金術反駁“Cesalpino’s Mineralogy and Attack of Alchemy” にしようかと思います。あるいは、「チェザルピーノの鉱物学におけるキミアと蒸散気“Chymistry and Exhalations in Cesalpino’s Mieralogy” が良いでしょうか?

 

 

2022. 2. 19

6時過ぎに起きて、8時からの生配信に備えました。錬金術占星術からのモチーフをとり入れている、まちゅまゆさんの作品を紹介する生配信「まちゅまゆさんの世界」は、とても上手くいったと思います。普段とは異なる多くの方々に視聴していただいたと想像しますが、生配信の最後にチャンネル登録をお願いするのをまた忘れてしまいました。

 

午後は原稿執筆の作業にもどりました。だいぶカタチになってきたと思います。

 

 

2022. 2. 18

明日は日本時間の22時から、福岡在住の画家まちゅまゆさんの作品を幾つか紹介する生配信「まちゅまゆさんの世界」をおこないます。錬金術占星術のモチーフをとり入れた、ファンタジーの溢れる世界観を展開しているアーティストです。

 

今日も作業のつづきに集中しています。> だいたいの下訳が終わりましたが、まだまだ議論が重いので、推敲しながら平易にしたいと思います。1日分ほど予定より遅れています。

 

 

2022. 2. 17

来週の国際会議のための原稿を執筆しないといけないのですが、昨日の質問にひっかかっています。> やっとのことで作業に入れました。以前に仏語で書いたものを使って、再構成しつつアップデートする作業なのですが、まずは全体の下訳をしています。これは、われながらとてもツライです。

 

占星術史の古典中の古典であるブーシュ・ルクレールの『ギリシア占星術』によると、惑星に四性質(熱、冷、湿、乾)というか、体質(四性質の混ざり具合)を認めるのはストア派が顕著であり、プトレマイオスもそれに倣っているようです。ほかの占星術師も、多かれ少なかれ踏襲しているのでしょう。さらにフィルミクス・マテルヌスは、黄道十二宮にだけではなく、匂いを認めているようです。こうした現象は古代ギリシア・ローマだけで終わる話ではなく、たとえばアラビア・イスラム世界なら、まずはアブー・マアシャルの主著などをチェックすべきでしょう。

 

 

2022. 2. 16

熱い・冷たいという「元素的」な性質を天界にみとめる考えについて、中西さんから質問されました。四元素とは異なり、生成消滅を受けいれない特別な「第五元素」のアイテールから天界が構成されているというのが、アリストテレスの基本的な考えです。それと並行して、ストア派から影響をうけているプトレマイオスの伝統もあることを説明しました。「占星術師たち」の見解として言及されるものは、プトレマイオスの流れにあるのではないでしょうか。

 

アリストテレス・プトレマイオス」の宇宙観がギリシア学の主柱となるわけですから、アリストテレスだけを見ていても理解するのが難しいでしょう。ただしプトレマイオスの数学的な哲学については良い本が最近でましたが、生命観などの自然哲学を議論したものは少ないと思います。

 

また偽アリストテレスの『世界について』もストア派からの影響をうけていますし、アイテールへの言及もあります。アリステレス主義の伝統では、『世界について』も早い時期から正真作と考えられ、とり入れられています。良い機会ですので、アイテールについての専用頁をつくりたいと思いますが、少々お待ちください。

 

 

2022. 2. 15

来週のオンラインでの国際会議のために、発表原稿をつくらないといけないのですが、なかなかエンジンがかかりません。

 

日曜のつづきとして、ビザンツ皇女アンナ・コムネナが書いた『アレクシアス』にある占星術についての記述を分析する論文を読みました。この論文から前回に読んだ論文にかけて、じつは著者の解釈に変化が生まれたようですが、大意については問題ないようです。あとで専用頁にまとめたいと思います。

 

 

2022. 2. 14

  今日はスローな動きでいきます。

 

 

2022. 2. 13

土曜日の生配信とその直後のスペースでの「ウシミツドキ」の流れから、ちょっと気になったので、ビザンツ世界における占星術錬金術についての研究をまとめてみることにしました。「ウシミツドキ」の内容は動画にできたので、そのうちに公開します。

 

ビザンツ世界の歴史と歴史叙述におけるオカルト学と皇帝権力Paul Magdalino, “Occult Science and Imperial Power in Byzantine History and Historiography (9th-12th Centuries)” という論文を読んでみました。著者によると、占星術への言及は7-9世紀のビザンツ世界にはほとんどありませんが、つづく時代には見出せるようになります。アラビア占星術の建設者アブー・マアシャルの『誕生年回帰についてDe revolutionibus nativitatum がギリシア語訳されたのは1015ごろで、ビザンツ世界での占星術にたいする関心の復活を示しているでしょう。

 

皇女アンナ・コムネナ1083-1154)の『アレクシアス』に見出せる占星術についての記述は、一級史料となるようです。彼女に影響をあたえたプラトン主義者プセロスc. 1018-c. 1078)と同様に、アンナも学問として占星術に理解を示します(おそらく基礎も学んだのでしょう)が、当時流行っていた未来について安易な方法で答えを見出そうとする新派には否定的だったようです。さらに彼女の甥にあたる皇帝マヌエル11143-1180)は占星術に熱心で、宮廷には占星術師たちが出入りし、そのことを批判されていたようです。

 

 

2022. 2. 12

ダンテ論』の書評をうけて、原基晶さんとスペースの続編をおこないました。同時視聴がやはり120ほど、1日後の現在の視聴数が約360まで伸びています。これは驚異的ですね。

 

6時に起きて8時からの生配信「アンナ・コムネナ祭り!」に備えました。佐藤二葉さんのパフォーマンスは素晴らしいもので、同時視聴が120にのぼり、同時チャット欄もとても盛りあがりました。BHチャンネルとしては、はじめてのスパチャまでいただき、アンナ様に恥ずかしくないパーティとなったと思います。そのあとは一日中、余韻につつまれていました。

 

二葉さんとの生配信のなかで質問したアンナ・コムネナ占星術の流れから、ビザンツ世界におけるオカルト諸学について中西さんと「ウシミツドキ」としてスペースをおこないました。日本時間の早朝なので誰も聞いてなかったようですが、なかなか面白い話題だったと思います。

 

 

2022. 2. 11

イタリア文学者の原基晶さんから、土曜日の朝日新聞・朝刊に『ダンテ論』の書評が出るという連絡をもらったので、ツイッターの新機能スペースを試そうと誘いました。日本時間で金曜日の午前9から45分間ほど、ほかでは聞けない話のオンパレードとなりました。同時視聴数で120、半日後の現在で視聴数が240まで伸びています。こちらから、お楽しみください。書評をもとに続編を明日(土)の午前9時におこないますので、お聞き逃しなく!

 

原さんとの対談動画「新しいダンテ解釈の核心!」も人気なのですが、もっと爆発的に伸びるかなと期待していました。以前のフォロワー数は桁違いだったので、ツイッターのアカウントを閉じてゼロから再出発したのは痛かったですね。漫画の『チェーザレ』も、もっとプッシュした方が良いだろうと思っています。近々、こちらに特化した動画を撮りたいですね。

 

 

2022. 2. 10

日記の記述が一日分先行しています。日付についてはご注意を。

 

昨日のうちに『群像』の校正指示を送りだしたのですが、すぐに担当の方から返事がありました。僕の原稿について、編集長から「妖しくて面白い」という感想をもらったそうです。お世辞でしょうが、そういう(澁澤的な)学術エンターテイメントの路線を狙ったわけですので、素直に嬉しいです。

 

先日スペースで話したものは、「禁じられた叡智」という題名のラジオ対談として、BHチャンネルのサポート会員のために先行公開しました。300でほかにも蔵出しの動画を楽しめますので、ご一考を!

 

アダム君の新作原稿については、手短にオンラインで通話をしました。細かい指摘よりも全体の構成についての話となり、決定的な改善案をしめせたかと思います。なによりも、アダム君自身がとても喜んでいました。

 

 

2022. 2. 9

講談社の『群像』に寄稿した「謎の魔術書がひらく「知のグローバル・ヒストリー」」のゲラがきました。校閲の方にしっかり誤字脱字を見ていただいたので、校正指示は簡単に済みそうです。修正個所のリストをつくって、ゲラにも同様にマーカーとコメントをつけて送りかえしました。

 

新作の英語原稿をチェックして欲しいとアダム君に頼まれました。今週はちょっと気持ちに余裕があるので、やってみることにしました。> 全体に眼をとおしましたが、はてさて、どのように進めれば良いでしょうかね?

 

 

2022. 2. 8

昨日は1時間半も話してしまったので、今日は30に限定して「ウシミツドキ」と題したスペースを開催しました。ビンゲンのヒルデガルドを研究している長谷川さんと久しぶりにお話をして、3月にBHチャンネルに出ていただくことにしました。お楽しみに!さらに現代の魔女ミドリウシさんを、ご紹介いただけそうです。

 

 

2022. 2. 7

今日も時差ボケとたたかつづける中西さんと、「ウシミツドキ」と題したスペースを開催しました。今回は、録音もできたようです。なかなか楽しい話題となったので、ファイルがダウンロードできたら、BHチャンネルにアップしておきます。

 

 

2022. 2. 6

  今日はスローな動きでいきます。ドイツから帰国して隔離中で、時差ボケとかかっている中西さんと、試みに「ウシミツドキ」と題したスペースを開催してみました。まだ使い方がイマイチ分っていませんので、試行錯誤をつづけます。

 

 

2022. 2. 5

今日は朝6時半に起きて、8時からの生配信に備えました。哲学研究者の三浦隼暉さんをゲストに迎えた「バロックの天才ライプニッツ」は、マシンの加熱によりパワポが固まるというハプニングがあったのですが、対談そのものは良い感じになったと思います。

 

 

2022. 2. 4

午後に、ドイツから日本にもどって隔離期間をホテルで過ごしている時差ボケの状態にある中西さんから、秩序をめぐる神学天文学の関係について質問を受けたので、思いきってスペースを試すことにしました。最初はなかなかコネクトできませんでしたが、日本時間で早朝4だというのに、幾人もの方が参加されました。不思議な時空間で、とても楽しかったです。

 

明日の土曜日は日本時間で22時から、哲学研究者の三浦隼暉さんをゲストに迎えて、「バロックの天才ライプニッツ」という生配信をおこないます。お気軽に遊びにきてください。

 

 

2022. 2. 3

BHチャンネルのために2名のアーティストに打診し、ひとつは212日に対談、もうひとつは219日に作品について僕と須田さんでコメントするという形式をとる方向で調整しています。どちらも生配信の予定です。告知をお待ちください。

 

 

2022. 2. 2

昨日ここで触れた開封式の動画を公開しました。ちらです。ちょっと真面目すぎたので、もう少しファンキーなノリでいけば良かったのかも知れません。5と短いので、お気軽にお楽しみください!

 

試みとして、メルマガ会員とBHチャンネルのサポート会員が、BHブック・クラブにアクセスできるようにしたいと考えています。僕の過去作を中心として、BHで紹介した多様なアイテムを閲覧できる仕組みにしたいと思っています。

 

 

2022. 2. 1

今日は昨日届いた荷を開封する動画を撮りたいと思います。どういうアングルで撮影すれば良いのかを考えています。

 

ベルリンで6月中旬に開催される予定の「医学、生命、物質の変容“Medicine, Life and Transformations of Matter, 1500-1800” という国際会議に招待されました。ジョーやジョナサン、エリザベト、ファブリツィオなどが、すでに参加を決めているようです。その前週にべつの大事な会議があり、困りました。どうして、こんなに短い準備期間しかない会議を企画するのでしょうか?コロナ禍の先はよく見えないというのに。

 

すでに以下のような国際会議での発表が予定として入っているのですが、すべてを満足にこなせるか分かりません。

 

2月下旬 チェザルピーノ (ヴェネツィア)

4月上旬 質料形相論 (スウェーデン)

6月上旬 汎神論と汎心論 (チェコ)

 

 

 

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