アラビア占星術の研究プラットフォーム
アラビアの占星術は、ギリシアの伝統的な体系にインドやペルシアの諸要素を受けいれて開花し、占星術的に創建日(762年7月30日)が決定された新都バクダードを中心に、マーシャアラーフからアブー・マアシャルが活躍した初期の100年間で驚くべき独創的な展開をとげます。その後は各地でいくつもの手引書が生みだされますが、同時に独創性は弱くなっていったともいわれます。そんななかで、10世紀後半にイベリア半島のアンダルシア地方で成立した星辰魔術書『ピカトリクス』は、ギリシア由来の占星術とは一見して大きく異なる性格をもった潮流の結晶といえるでしょう。
日本語でなにが読めるか?
テスター『西洋占星術の歴史』(恒星社厚生閣、1997年)、198-237頁。
アラビア占星術についての特別な章ではなく、中世ヨーロッパにおける受容の文脈でアラビア占星術に紙幅が割かれています。もちろん本全体をとおして、さまざまな記述があります。
矢野道雄『星占いの文化交流史』(勁草書房、2004年・2015年)、第8章。
おもにマーシャアラーフ、アブー・マアシャル、クーシュヤール、ビールーニーを軸に記述されています。
通史的・全般的な研究文献
Carlo Alfonso Nallino, “Astrologia e
astronomia presso i Musulmani,” in idem, Raccolta
di scritti (Naples: Istituto per l’Oriente, 1944), V: 1-41.
「イスラム教徒における占星術と天文学」
David Pingree, “Astrology,” in The Cambridge History of Arabic Literature
(Cambridge: Cambridge UP, 1990), 290-300.
「占星術」
『ケンブリッジ版アラビア文学史』に所収された短い概説ですが、有用です。
George Saliba,
“The Role of the Astrologer in Medieval Islamic Society,” Bulletin d’études orientales 44 (1992), 45-67.
「中世イスラム世界における占星術師の役割」
David Pingree, From Astral Omens to Astrology (Rome: Istituto italiano per l’Africa e l’Oriente, 1997).
『天兆から占星術へ』
アラビアに割いた特別な章はないのですが、アラビア占星術についての知見がちりばめられています。
George Saliba, “Islamic Astronomy in Context: Attacks on Astrology and
the Rise of the Hay’a Tradition,” Bulletin of the Royal Institute for Inter-Faith Studies 4 (2002),
25-46.
「イスラムの天文学とその背景:占星術反駁とハイヤの伝統の興隆」
タイトルでは言及されていませんが、アブー・マアシャルに多くの紙幅が割かれています。
Charles
Burnett, “Astrology,” Encyclopedia of
Islam, Three (Leiden: Brill, 2007).
「占星術」
最新の研究にもとづいた簡便な通史が見出せます。まずは、ここから入ると良いでしょう。
Antoine Borrut, “Court Astrologers and Historical Writing in Early Abbāsid
Baghdād:
An Appraisal,” in The Place to Go:
Contexts of Learning in Baghdād, 750-1000 C. E., ed. Jens Scheiner & Damien Janos (Princeton: Darwin, 2014),
455-501.
「初期アッバース朝バグダードにおける宮廷占星術師と歴史叙述」
アラビア占星術についての従来の研究成果をまとめつつ、新しい視点を提示する良い論文です。
A.
ギリシア由来の占星術
1.
マーシャアラーフ
(Māssā’allāh, c. 762-815)
アッバース朝につかえたギリシア系のキリスト教徒エデッサのテオフィロス(c.
695-785)の同僚で、テオフィロスが780年ごろ完成させたギリシア占星術集成を利用した最初期のバグダード宮廷の占星術師。新都バクダードの創建日を占星術的に決定した一人。ユダヤ系のペルシア人とされ、アラビア語で占星術書をつくった最初の一人といえます。
テクスト
Edward S. Kennedy & David Pingree, The Astrological History of Māshā’allāh (Cambridge, MA: Harvard UP, 1971).
『合、諸宗教、そして諸民族について』の手稿ファクシミリと英訳・注解。
代表的な研究文献
Lynn Thorndike, “The Latin Translations of Astrological
Works by Messahala,” Osiris 12
(1956), 49-72.
「マーシャアラーフの占星術書のラテン語訳」
Fransic J. Carmody, Arabic
Astronomical and Astrological Sciences in Latin Translation (Berkeley, LA:
California UP, 1956), 23-38.
『アラビアの天文学・占星術のラテン語訳』
上記の論文と併用すれば、ラテン語訳の状況をほぼ網羅できる。
David Pingree, “Māshā’allāh: Greek, Pahlavy,
Arabic and Latin Astrology,” in Perspectives
arabes et médiévales sur la tradition scientifique et philosophique grecque,
ed. A. Hasnawi et al. (Louvain: Peeters, 1997), 123-136.
「マーシャアラーフ:ギリシア、ペルシア、アラビア、ラテン占星術」
マーシャアラーフの源泉にとりくんだ論文。
David Pingree, “Māshā’allāh’s (?) Arabic Translation of Dorotheus,” Res orientales
12 (1999), 191-209.
「ドロテウスの占星術詩のマーシャアラーフによるアラビア語訳」
マーシャアラーフが利用したシドンのドロテウスの占星術詩は、パフラヴィ語訳のものだったかを探る一助として、現存するアラビア語訳を英訳したもの。
David Pingree, “From Alexandria to Baghdād to Byzantium:
The Transmission of Astrology,” International
Journal of the Classical Tradition 8 (2001), 3-37.
「アレクサンドリアからバグダート、ビザンツへ:占星術の伝搬」
マーシャアラーフの源泉を分析した諸論文を統合する刺激的な論考。ここから入ると良いでしょう。
David Pingree, “Māshā’allāh’s Zoroastrian
Historical Astrology,” in Horoscopes and
Public Spheres, ed. Günther Oestmann et
al. (Berlin: de Gruyter, 2005), 95-100.
「マーシャアラーフのゾロアスター的な歴史占星術」
巨人ピングリーの最晩年の論文です。
David Pingree, “The Byzantine Translation of Māshā’allāh
on Interrogation Astrology,” in The
Occult Sciences in Byzantium, ed. Paul Magdalino
& Maria Mavroudi (Geneva: La Pomme
d’or, 2006), 230-243.
「マーシャアラーフの質問占星術書のビザンツ訳」
これもピングリーの最晩年の論文です。
2.
アブー・マアシャル
(Abū Ma‘sar,
787-886)
ペルシアの出身で、アラビア占星術の基礎を築いた権威です。ヨーロッパ世界にも著作が翻訳・紹介され、その後の西洋占星術の伝統における支柱となりました。
テクスト
Abū Ma‘sar, The Abbreviation of the Introduction to Astrology, ed. Charles
Burnett, Keiji Yamamoto & Micho Yano (Leiden: Brill, 1994).
『占星術小序説』
Abū Ma‘sar, On Historical Astrology: The Book of Religions and Dynasties, ed.
Keiji Yamamoto & Charles Burnett (Leiden: Brill, 2000).*
『歴史占星術について:諸宗教と諸王朝の書』
Abū Ma‘sar, The Introduction to Astrology, ed. Keiji Yamamoto & Charles
Burnett (Leiden: Brill, 2019).
『占星術大序説』
代表的な研究文献
Richard Lemay, Abū Ma‘shar and Latin Aristotelianism in the Twelfth Century (Beirut:
American University of Beirut, 1962).
『アブー・マアシャルと12世紀のラテン・アリストテレス主義』
大部な研究書。
Jean-Claude Vadet, “Une défense d’astrologie
dans le Madhal d’Abū Ma‘sar al Balhi,”
Annales islamologiques 5 (1963),
131-180.
「アブー・マアシャルの『大序説』における占星術の擁護」
George Saliba, “Islamic Astronomy in Context: Attacks on Astrology and
the Rise of the Hay’a Tradition,” Bulletin of the Royal Institute for Inter-Faith Studies 4 (2002),
25-46.
「イスラムの天文学とその背景:占星術反駁とハイヤの伝統の興隆」
タイトルでは言及されていませんが、アブー・マアシャルに多くの紙幅が割かれています。
Charles Burnett, “The Certitude of
Astrology: The Scientific Methodology of Al-Qabīṣī and Abū Ma‘sar,” Early Science and Medicine 7 (2002),
198-213.
「占星術の確実性:カビーシーとアブー・マアシャルの科学的な方法」
Peter Adamson, “Abū Ma‘sar, Al-Kindi and the
Philosophical Defense of Astrology,” Recherches
de théologie et philosophie médiévales 69 (2002), 245-270.
「アブー・マアシャル、アル・キンディ、そして占星術の哲学的な擁護」
Charles Burnett, “Agency and Effect in the Astrology of Abū Ma‘shar of
Balkh (Albumasar),” Oriens 47 (2019), 348-364.
「アブー・マアシャルの占星術における作用因と作用」
3. カビーシー
(Al-Qabīṣī, fl. c. 950-967)
プトレマイオス『アルマゲスト』に精通する権威として知られ、おもに『占星術序説』(950年ごろ執筆)によって、その名前が記憶されているようです。独創性よりも、教科書的な記述で人気を博したとされます。
テクスト
Al-Qabīṣī (Alcabitius), The Introduction to Astrology, ed. Charles Burnett, Keiji Yamamoto
& Michio Yano (London: The Warburg Institute, 2004).
『占星術序説』
代表的な研究文献
Rüdiger Arnzen, “Vergessene Pflichtlektüre:
al-Qabīṣīs astrologische Lehrschrift im europäischen Mittelalter,” Zeitschrift für Geschichte der
arabisch-islamischen Wissenschaften 13 (1999-2000), 93-128.*
「忘れられた必読書:中世ヨーロッパにおけるカビーシーの占星術序説」
Charles Burnett, “The Certitude of
Astrology: The Scientific Methodology of Al-Qabīṣī and Abū Ma‘sar,” Early Science and Medicine 7 (2002),
198-213.
「占星術の確実性:カビーシーとアブー・マアシャルの科学的な方法」
4.
ビールーニー
(Al-Bīrūnī, 973-c. 1048)
マンスール2世に仕えましたが、政治的な混乱による紆余曲折のあと、スルタンのマフムードに仕える学者としてカズナに留めおかれました。『インド誌』の著者としても有名で、彼の占星術書にもインドについての知見が見出せます。
テクスト
ビールーニー『占星術教程の書』山本啓二・矢野道雄訳『イスラーム世界研究』第3巻(2010年)、303-371頁、第5巻(2012年)、299-356頁、第6巻(2013年)、467-539頁。
代表的な研究文献
David Pingree, “Al-Bīrūnī’s Knowledge of Sanskrit
Astronomical Texts,” in The Scholar and
the Saint (New York: New York UP, 1975), 67-81, repr. in idem, Pathway into the Studies of Ancient Sciences
(Philadelphia: American Philosophical Society Press, 2014), 347-361.
「サンスクリットの占星術書についてのビールーニーの知識」
David Pingree et al., “Al-Bīrūnī’s Treatise
on Astrological Lots,” Zeitschrift fur
Geschichte der Arabische- und Islamischen Wissenschaften 1 (1984), 9-54.
「占星術的な命運についてのビールーニーの著作」
ファクシミリ復刻と英訳。
Michio Yano,
“al-Bīrūnī,” Encyclopedia of Islam, Three (2013).
「ビールーニー」
辞典類の記事では、最新かつ詳細です。矢野『星占いの文化交流史』、第8章第5節も参照。
5.
イブン・エズラ
(Abraham
ibn Ezra, c. 1087/92-1164/67)
アラビアの学問をヘブライ語でユダヤ人たちに伝えたことで、とくにイベリア半島におけるアラビア占星術の受容にとって大きな役割を果たしましまた。近年、著作の校訂英訳版が大幅に進んでいます。
テクスト
Abraham ibn Ezra, The
Book of the Reasons, ed. Shlomo Sela (Leinde: Brill, 2007).
『定義についての書』
Abraham ibn Ezra, The
Book of the World, ed. Shlomo Sela (Leinde: Brill, 2010).
『世界についての書』
Abraham ibn Ezra,
On Elections, Interrogations and Medical Astrology, ed. Shlomo Sela
(Leinde: Brill, 2011).
『選択占星術、質問占星術、占星医学について』
Abraham ibn Ezra,
On Nativities and Continuous Horoscopy, ed. Shlomo Sela (Leiden: Brill,
2014).
『出生占星術と進行星図について』
Abraham ibn Ezra,
Introductions to Astrology: The Book of the Beginning of Wisdom and the Book of
the Judgements of the Zodical Signs,
ed. Shlomo Sela (Leiden: Brill, 2017).
『占星術序説:叡智の端緒の書と星図判断の書』
Abraham ibn Ezra (Latinus), On Nativities, ed. Shlomo Sela (Leiden: Brill, 2019).
『出生占星術について』
Abraham ibn Ezra (Latinus), On Elections and Interrogations: Liber Electionum, Liber
Interrogationum, and Tractatus particulares (Leiden: Brill, 2020).
『選択占星術と質問占星術について』
ラテン語版の校訂英訳。シリーズ第7巻。
代表的な研究
Raphael Levy, The
Astrological Works of Abraham ibn Ezra (Baltimore: Johns Hopkins Press,
1927).*
『イブン・エズラの占星術書』
Lynn
Thorndike, “The Latin Translations of the Astrological Tracts of Abraham Avenezra,” Isis
35 (1944), 293-302.
「イブン・エズラの占星術書のラテン語訳」
Bernard Goldstein, “Astronomy and Astrology in the Works of
Abraham ibn Ezra,” Arabic Science and
Philosophy 6 (1996), 9-21.
「イブン・エズラの著作における天文学と占星術」
Shlomo Sela, “Abraham
ibn Ezra’s Scientific Corpus: Basic Constituents and General Characterization,”
Arabic Sciences and Philosophy 11
(2001), 91-149.
「イブン・エズラの科学的著作群:基本構成と特徴」
Renate
Smithuis, “Abraham ibn Ezra’s Astrological
Works in Hebrew and Latin: New Discoveries and Exhaustive Listing,” Aleph: Historical Studies in Science and Judaism
6 (2006), 239-338.
「ヘブライ語とラテン語によるイブン・エズラの占星術書」
B. 星辰魔術
1. イブン・クッラ
(Thābit ibn Qurra, 826/36-901)
ハラーン人のイブン・クッラは、バグダードで天文学書のアラビア語への翻訳作業に大きく関与したことで知られますが、彼の星辰魔術書『像について』は、アリストテレス主義にもとづいた議論が展開されているようです。現在チャールズ・バーネット氏が校訂版を作成中ということです。星辰魔都もご参考に!
テクスト
Francis J. Carmody (ed.), The Astronomical Works of Thabit b. Qurra (Berkeley, CA: Californi
UP, 1960).
『イブン・クッラの天文学書』
イブン・クッラの天文学書のラテン語訳を収録。『像について』(167-197頁)
Gideon Bohak & Charles Burnett (eds.), Thabit ibn Qurra On Talismans and Ps.-Ptolemy On Images 1-9 together with the Liber prestigiorum
Thebidis of Adelard of Bath (Firenze:
Sismel, 2021).
イブン・クッラ『護符について』、偽プトレマイオス『像について』、バースのアデラール『タービットの書』
代表的な研究文献
Charles Burnett, “Tābit ibn Qurra the Harrānian on
Talismans and the Spirits of the Planets,” La
Coronica 36 (2007), 13-40.
「ハラーン人イブン・クッラ、護符と惑星の霊」
Roshdi Rashed (ed.), Thābit
ibn Qurra, Science and Philosophy in Nineth-Century Baghdad (Berlin: de
Gruyter, 2009).
『イブン・クッラ、9世紀バグダードの科学と哲学』
イブン・クッラについての重要なモノグラフで、諸著作の英訳を収録していますが、占星術や『像について』、あるいはチャールズ・バーネットにまったく言及しない不思議な本です。
Charles Burnett & Gideon Bohak, “A Judeo-Arabic
Version of Tābit ibn Qurra’s De
imaginibus and Pseudo-Ptolemy’s Opus
imaginum,” in Islamic Philosophy,
Science, Culture and Religion, ed. Felicitas Opwis & David Reisman
(Leiden: Brill, 2012), 179-200
「イブン・クッラの『像について』と偽プトレマイオスの『像の技』のヘブライ・アラビア語版」
【後記】ついに2021年に上記の校訂版が出版されました。
2. クルトゥビー
(Maslama ibn Qāsim al-Qurṭubī, c. 906-964)
ラテン語訳された『ピカトリクス』で知られる星辰魔術書『賢者の目標』 Ghāyat al-Hakīm の著者で、同じくイベリア半島アンダルスの天文学者マジリーティー(Maslama al-Majrītī, c. 950-1007)と同一視されたこともありましたが、同時代のまったくの別人であることが近年なって示されています。クルトゥビーについての詳細は、アンダルスのコーナーを参照ください。
テクスト
『ピカトリクス:中世星辰魔術』大橋喜之訳(八坂書房、2017年)。
Picatrix: Das Ziel des Weisen von
Pseudo-Magriti, trans. Hellmut Ritter
& Martin Plessner (London: Warburg Institute, 1962).
『ピカトリクス:偽マジリーティーによる「賢者の目標」』
ウォーバーグ研究所の図書館カタログからダウンロードできます。
Picatrix: The Latin Version of the Ghāyat
al-Hakim, ed. David Pingree
(London: The Warburg Institute, 1986).
『ピカトリクス:「賢者の目標」のラテン語版』
Béatrice Bakhouche et al. (eds.), Picatrix: un traité de magie medieval (Turnhout: Brepols, 2003).*
『ピカトリクス:中世魔術の書』
仏語の全訳です。
Picatrix: A Medieval Treatise on Astral Magic, trans. Dan Attrell & David Porreca (University
Park, PA: Penn State UP, 2019).
『ピカトリクス:中世星辰魔術の書』
代表的な研究文献
David Pingree, “Some of the Sources of the Ghāyat al-Hakīm,” Journal of the Warburg and Courtauld Institutes 43 (1980), 1-15.
「『賢者の目標』の原泉の幾つか」
David Pingree, “Between the Ghāyat and Picatrix I:
The Spanish Version,” Journal of the
Warburg and Courtauld Institutes 44 (1981), 27-56.
「『賢者の目標』と『ピカトリクス』:スペイン語版」
Maribel Fierro, “Bāṭinism in Al-Andalus: Maslama b. Qāsim
al-Qurṭubī (d. 353/964), Author of the Rutbat
al- Ḥakīm and the Ghāyat al-Ḥakīm
(Picatrix),” Studia Islamica 84 (1996), 87-112.
「アンダルシア地方の秘教主義:『賢者の歩み』と『賢者の目標』の著者クルトゥビー」
『ピカトリクス』著者の同定問題を解決する入魂作です。バティニスムは、秘教主義の一種のようです。
David Pingree & Charles Burnett, “Between the Ghāyat and Picatrix II: The Flos
naturarum Ascribed to Jābir,” Journal
of the Warburg and Courtauld Institutes 72 (2009), 41-80.
「『賢者の目標』と『ピカトリクス』:ジャービルに帰された『自然物の華』」
Jean-Patrice Boudet et al (eds.), Images et magie: Picatrix
entre Orient et Occident (Paris: Champion, 2011).
『像と魔術:東西における「ピカトリクス」』
2007年に開催されたパリでの国際会議からの論集です。