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ごくごく個人的な「本」日記

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201310

 

 

2013. 10. 31

  僕のUP誌リレー連載への寄稿「インテレクチュアル・ヒストリーとはなんですか?」も、めでたくほぼOKがでました。修正をもとめられたところの他にも数か所、すこし言葉の足りなかった部分を書きたして、担当者の方におくり返しました。これで良いことを祈りましょう。

 

  クニ君が企画した僕の第2著作の合同書評にたいする応答を書いています。5000くらいということですが、分量的にはよい感じになりました。ただまだアイデアを殴り書きした状態のものなので、推敲してロジックの通ったものにしないといけません。でも、それほど時間はかからないでしょう。> 一度、方向性がクニ君の望むものか見てもらうことにしました。もうちょっと本書をとおして見えてきたことについて加筆した方がいいようです。

 

  今日は大学にジョナサンをはじめ、パリやらゲントやら、ルーマニアからたくさんの人が来ています。でも、ビジネス・ミーティングという感じの内容で、われわれの身の丈からはかけ離れたところにある感じです。最初の1時間半だけで退散しました。20時からのディナーには出るつもりです。

 

  やっとのことで、Isis 誌に僕の第2著作の書評がでました。書誌データは Isis 104 2013, 607-608 です。ジョーリー(シャッケルフォード)が書いています。良いのではないでしょうか?クスカワさんの本の前なので、ちょっと恐縮です。

 

 

2013. 10. 30

  体勢をたて直して、今日はオフィスに向かいます。7時に起きて8の電車に乗ります。11時には着くでしょう。

 

  BH 叢書の第2弾、菊地原洋平君による『パラケルススと魔術的ルネサンス』の出版データが、e-hon というサイトにアップされました。細部に問題あるものの、ここはアマゾンよりも早くいつも出してくれます。僕たちの気がつく前にこの件を最初に知らせた人のツイートは、すでに15もの方にリツイートされていました。反応のヴィヴィッドさに驚いています。早速にも、予約をした人もいるようです。皆さん、邦語で読めるパラケルススについての本格的な研究書をこころから待っていたのですね!

 

  その菊地原君によるUP誌リレー連載への寄稿「パラケルススと魔術的ルネサンス」がほぼ準備ができたようです。なんともグッド・タイミングですね。11月号で、1110ごろから大学生協などで手に入るでしょう。確実に入手したい人には、送料・税込で1000円ポッキリの年間購読(海外は2000円)をおすすめします。12月中旬に出版される本をまっているあいだ、これを読んで期待度を高めてください!

 

 

2013. 10. 29

  今週はいつもどおり水曜日に戻ろうかと思いましたが、今日でかけることにします。> 結局、オランダに行くのは明日にしました。今日はちょっと疲れが出たみたいです。すいません。

 

 

2013. 10. 28

  週末につくった書類をゆっくりと見直しして、送りだしています。

 

  BH 叢書の第2弾となる『パラケルススと魔術的ルネサンス』の最終確認のための念校がおくられてきました。今週の金曜日、111までにチェックして責了、つまり著者側の作業は終了です。この1年というもの、菊地原君もなかなか苦しかったと思いますが、ここまでよくがんばってくれました。ここが本当に最後の正念場、もうちょっとの辛抱です!

 

  一息ついたので、セミナーでつかう教材のことを考えています。ペトラルカのつぎはフィチーノにいく予定です。

 

  それから、そろそろボストン行の航空券もかわないといけません。ニューヨーク経由になる予定です。すでに宿は手配してあります。

 

 

2013. 10. 27

  昨日の作業のつづき。これについては、だいたいいい感じにはなってきましたが、まだ出口が見えません。> 夕方には、なんとかなりました。ふう。ふたつの書類を一緒につくるのは大変でした。

 

  そうそう、ピッツバーグ論集用の原稿も送りだしました。あとは編者の手に委ねます。

 

 

2013. 10. 26

  午前中は、急に飛びこんできた書類づくりをしました。こちらは、来年の夏の集中講義の関係です。比較的、すぐにできました。正式に決まったら、ここで告知いたします。

 

  午後は予定どおり、ふたつの書類づくりをしています。それぞれ3つくらいの構成アイテムからなっています。基本的には似たような内容ですが、強調する場所が微妙に違います。この作業が終われば、晴れてすこしだけ息ができます。

 

  11月はボストンでの米国科学史学会での発表原稿と、『ラウトレッジ版16世紀哲学必携』に約束している原稿を書かないといけません。2つとも、これまでの僕の研究を集大成するような方向性のものですので、ぐっと気合いをいれてがんばります!前回の『ブリル版ルネサンス占星術必携』と同様に、これまた教科書的なテーマではないというパラドクスを抱えていますが、やっぱり必携シリーズは幅広い研究者や学生などの目につくものだと想像します。

 

 

2013. 10. 25

  これから週末にかけて、集中して書類づくりをふたつほど片付けたいと思います。それでなんとか、もう1ヶ月も続いている果てしないトンネルの出口がやっと見えてくる感じです。土曜日に集中して作業できるように、明日の朝ではなく今夜のうちにリェージュに戻ることにしました。つぎに帰ってくる水曜日までのアダム君の作業プログラムを決めて、またオランダに残してきました。

 

いまアダムは波に乗っているので、工程表さえ決めておけば一人でも問題なく進めるでしょう。なぜこういう単純なことが、過去1年半のあいだ出来なかったのか?と自問し続けているようですが、彼のように周りの楽しいことに流されやすい人は、勝負のときにはドラスティックに世間とのつながりを絶って、山ごもりの荒行をすることが必要なのだよと伝えました。

 

 

2013. 10. 24

  僕はリェージュに戻らなければならなかったので、1週間ほどアダム君をオランダで独りにしておいたのですが、まるでそれまでの彼とは見違えるほど生まれかわったかのように、決めておいた1週間分の課題はすべてこなし、さらにその先をいくという順調ぶりです。こちらに来てちょうど2週間がたったところなのですが、このままいけば、あと1〜2週間で全体の最初のヴァージョンが出来あがると思います。そのあとに、1〜2週間ほど磨きをかけて完成かと。

 

  9月のあいだ仕事を休んだために、今朝は9時半から大学のワークドクターに面会しなければなりませんでした。でも、簡単に15ほどの面会で済みました。そのあとは、昨日から続けているメルマガの準備です。夕方にはなんとか出来あがったので、ドロップしました。112の配信です。今回は、これまで誰にも話したことのない BH 以前のことなどもたっぷりと語った、未公開の裏話が満載の工作舎でのインタヴュの模様の前半です。僕の高校大学時代、そして BH の起源となった渋谷の秘密スポットとは?25年前1990年の前後にタイムトリップします。

 

  3月4日にパリで講演をします。講演シリーズのプログラムはフェイスブックに貼っておきます。パリに呼ばれると断れないのですよね。

 

 

2013. 10. 23

  帰欧してこのかた、ずっと締め切りにつぐ、締め切りに追われているので、じっくり腰を落ちつけてものを考える時間がとれません。忙しすぎるというのも、なにかを生むためのクリエイティヴな作業には向かないですね。今日は移動日なので、オランダのオフィスに向かっております。電車のなかが座ってなにかひとつに集中できる唯一の時間というのも、ちょっと皮肉な感じです。

 

  頭を覚まして客観的にみても、菊地原君の『パラケルススと魔術的ルネサンス』はとても良くできた本だと思うのです。英語化して世界に出しても恥ずかしくないものです。出版は年末になってしまうので、ちょっとタイミングがよくないかもしれませんが、十分になにかの賞をとりにいける作品だと感じています。

 

  ピッツバーグ論集のための原稿を、一日ほど寝かしてから読みかえしました。ロジックの破たんはないか、脚注は正確か、引用の翻訳は的確かといったことを最終チェックしました。ま、これで良しとしましょう。これをクレアにプルーフ・リーディングしてもらいます。ふう。ゲント時代は、何日間も推敲を延々とくり返して完全に納得がいくところまで粘りましたが、いまはそういう余裕がありません。

 

 

2013. 10. 22

  今日も天気が良いですね。気温は20までいくようです。10月後半とは思えません。この日曜日から欧州は冬時間となるのに。BH 本館のある建物は最近ツタがからんできて、なんともいい感じの趣がでてきました。フェイスブック版のほうに、写真をアップしておきます。

 

  ピッツバーグ論集のための原稿はすこし寝かせておいて、頭が冷めたところで見直すことにします。ということで、今日はUP誌リレー連載のための原稿を書きました。軽めの読み物風のものを、という注文がついていますので、肩の力をぬいて楽しめるものを目指しました。基本的にはインテレクチュアル・ヒストリーとはなにか?本邦におけるこの手法の歴史、そして『ヘルメスの図書館』と伝説的編集者とのつながりという具合に4500字で結んでいます。リレー連載の寄稿者諸君よりも、すこし短いかもしれません。

 

  さあ、つぎはメルマガの準備です。夏休みのあいだに山積した宿題をかたづける突貫工事は、まだまだつづきます。

 

 

2013. 10. 21

  今日も天気がよく、静かな午後を最大限につかって原稿の仕上げに集中したいと思います。> ふう、疲れました。なんとかできました。もっと欲をいえば、まだまだ序の口なのですが、もう残り時間はかぎられていますので、このあたりで良しとしましょう。基本的には、ゼンネルト論文、ガッサンディ論文、キルヒャー論文のリミックスです。これらの3人の著作家のアイデアの類似と相違を調べつつ、目に見えないつながりがあるのかを探るための第1歩となるでしょう。とくに後者の2つのアイテムは、いまのところ僕の作品のなかでも仏語でしか読めないので、英語化して多くの人の目に触れられる機会をえるべきでしょう。ということで、これをだす意味があると思っています。

 

 

2013. 10. 20

  以前から何度もいっていることですが、どうも僕は原稿の執筆中は他のことが何もできなくなる性格のようです。朝から原稿をいじっていますが、今日の作業でなんとか最後まで行きつきました。これから読みなおして推敲をつづけ、細部に手をいれてから完成としたいと思います。

 

  あとは、メルマガの準備とUP誌リレー連載の記事、そして書類を2本つくれば、なんとか10月の課題はクリアできます。夏のあいだにできなかったことを、9月の後半から追いあげているのですが、なかなかここまで息をつくがありませんでした。ちょっと疲れています。

 

  パラケルススと魔術的ルネサンス』の第2ゲラの校正指示リストを送りだしました。まだお見せできませんが、カバー案も来ています。さらにオビの文面も考えました。

 

 

2013. 10. 19

  週末ですが、缶詰になって原稿を仕上げています。テクストは発表原稿とかわらず、とにかく脚注をつける作業です。今日はエアをあきらめて、大きな画面の古いマシンで作業しています。やっぱり、根をつめる細かい作業の場合は、画面の小さいエアよりも、少しくらい古くても大きな画面の方が快適です。昨日よりはかどった気がします。昨日今日の作業で、だいたい全体の3分の2が終わりました。あと一息です。

 

  そろそろ11月後半にボストンで行われる米国科学史学会のために旅の準備をはじめないといけません。会議場となるホテルは特別割引があったても値段が高いので、その近場の安いところを探します。といっても、1泊で100ドルはかかってしまうのですが。今回はホテルではなく、BBを試してみようと思っています。

 

 

2013. 10. 18

  おお!ブリルのサイトに『ブリル版ルネサンス占星術必携』の正式な告知が出ていました!カバー・デザインも決まっているようです。ナイスです!今年12月に発売とのこと。寄稿者にダレルが入ってないのが残念ですが、ルネサンス期の占星術研究の最前線をつたえる決定版となるでしょう。なんだか興奮してきましたね。これは事件ですよ! > 僕も寄稿した論集ですので、フェイスブックの個人アカウントのほうに告知しました。僕のフェイスブック・フレンドの多くは海外の研究者なのですが、すぐさま大きな反響がありました。人々は、こういう本を待っていたのですね!

 

  お昼すこし前から、ピッツバーグ論集への寄稿論文を準備するために、発表原稿をひっぱり出してきて見直しています。発表時間もアメリカにしては長かったせいか、このままでも分量的にはいけそうです。脚注をしっかりとつければ、すこし短めでも完成としていいかなと思えてきました。とにかく締め切りが近づいてきているので、欲張らずに急がないといけません。> 基本的には字面をなおして注をつける作業ですが、19時くらいまでエアで作業を続け、とても疲れました。これまで端からは端までエアだけで原稿を執筆したことがあったか忘れましたが、幾ばくかは大きな画面のセヴン・マシンを使っていたと思います。

 

  午後には菊地原君と、『パラケルススと魔術的ルネサンス』の第2ゲラの校正指示リストについてスカイプをつかって話しあいました。幾つかあった疑問点をクリアにして、これで良いと思います。

 

 

2013. 10. 17

  セミナーの副教材として、クリスチェレンツァの「イタリア・ルネサンスでは何が哲学とされたのか哲学史、科学史、そして生き方 Christopher S. Celenza, “What Counted as Philosophy in the Italian Renaissance? The History of Philosophy, the History of Science, and Styles of Life,” Critical Inquiry 39 (2013), 367-402 を移動中に読みました。アメリカのルネサンス研究の中心人物となりつつあるチェレンツァ氏が、大所高所からイタリア・ルネサンスにおける哲学とは何だったのかを分析する論文です。おそらく、このアーギュメントを発展させて一冊の本となるのではないでしょうか?人文主義者と職業的な哲学者を明確に区分するハンキンスの立場とは異なります。僕のセミナーの生徒の大半は哲学科に所属していて、現代的な理解で哲学というものをとらえています。そういう彼らには、ポンポナツィのものは哲学だが、ピコモンテーニュは哲学ではないと感じられるようなのです。その観点の根底にある19世紀ドイツ型の哲学解釈の問題点を気づいてもらうためには、この論文はなかなか良い教材であると思われます。

 

  今年のルネサンス・セミナーでは、クリステーラーの学派であるハンキンスチェレンツァだけではなく、別の流れの頂点にあるトニーの研究も学生さんたちに紹介したいと思っています。人文主義者ポリツィアーノが編み出した文献学の手法についての論考が、とてもスリリングで後期の人文主義を知ってもらうために良いかもしれないと思っています。この論考が入っている著作は、BH 叢書に収録する予定ですので、乞うご期待!

 

 

2013. 10. 16

  朝からオフィスに来て、菊地原君の第2ゲラの校正指示のリストをチェックしました。そのあとは、僕のパラケルスス論文の英語版が雑誌のウェブ版で無料公開されるのですが、その校正をしたものの再チェックの依頼がとつぜん入ってきたので、仕方なく先に片付けました。一般に公開されたら、ここでリンク先をお知らせします。

 

また、先日うけとった原稿のコメントと今後の作業の進め方をスカイプで話しあいました。いい感じですすめてもらっているので、このペースを崩さずにいきたいものです。ラフな下書きでも、年内に一本、そして3月までにもう一本できてしまえば、夏前にはすべてが完成するでしょう。

 

クニ君に依頼した ESM 誌のための書評が来たので、それもチェックしました。ちょっと文飾を凝ろうとしているところが、逆にメッセージを分かりにくくさせているので、その辺りに手を入れました。週明けにでも最終版を提出してもらって、クレアに英語をチェックしてもらいましょう。

 

最後に、こんど新しくこちらの博論生になったイタリア人のエレナと作業の進め方について話しあいました。この職場とナイメーヘンを気に入っているということです。基本的に博論は、ルネサンス期におけるルクレティウスの受容の研究になると思います。今日は本当にいろいろな仕事が重なって忙しい一日でした。

 

  朝からポールと面談のあったアダム君は、ひさびさに古巣にきて皆に会って嬉しそうにしています。でも、どうもムダ話ばかりで作業に集中していないので、午後は家に帰ってもらうことにしました。人情に流されず、心を鬼にしてストイックにやらないといけないこともあるのです。

 

 

2013. 10. 15

  久しぶりにゲント時代の同僚であるマヌとスカイプで話をしました。ジョン・ディーと彼の『モナス・ヒエログリフィカ』を出版したシルヴィウスについての国際会議を201410月にアントワープで行うことをロンドンのステーフェン(クルカス)と企画中ということで、発表の招待をされました。この出版業者については、僕も前から興味があったのですが、なかなか手がかりをつかめないでいました。これは良い機会かもしれません。

 

  9月下旬に帰ってきてから、夏のあいだに溜まった作業をひとつひとつこなしています。そろそろ本腰を入れて、去年の秋にピッツバーグで行われた国際会議からの論集に寄稿するための原稿を仕上げないといけません。この論集は、アメリカを中心とする世界の精鋭が集まっているために反響が大きそうなので、どうしても原稿を落とすわけにはいきません。はやく気分の転換をはかって、集中しないといけないですね。

 

 

2013. 10. 14

  予定を変更してナイメーヘンに戻りました。電車のなかでは、つぎの僕の本についてのアイデアをいろいろと話しあいました。じつはこの2〜3年ほど漠然と考えてはいるのですが、なかなかコレだ!という解答にはいたっていません。

 

アダム君に頼まれた『ブリル版アルベルトゥス・マグヌス必携』(2012年)をチェックしたら、800を越える大冊で、値段も3万円近くもします。いったい誰がこういうものを買えるのでしょうか?はたして、僕が寄稿した『ブリル版ルネサンス占星術必携』も、こういった値段の設定になるのでしょうか?ちょっと気になります。ま、いくらなんでも300くらいだとして、1万円くらいでしょうかね?それでも、公費をもってる人しか買えないでしょうね。

 

  先日わたされた1章分を読んでみました。ま、良いのではないでしょうか?今後のことについて水曜日に話しあいます。

 

 

2013. 10. 13

  今日は、とても寒くなりました。もう夜にはゼロ度に近いところまで気温が落ちています。缶詰のアダム君を励ますために、紺野君がハングアウトに来てくれました。

 

  各方面から好評いただいている『UP』誌上でのリレー連載跳躍するインテレクチュアル・ヒストリー」は、平岡君とエミーさんにつづいて、その第3弾となる菊地原君の原稿も版組に入ったようで、残っているのは僕のものだけとなりました。普段、BH の日記やメルマガを読んでいる人には、あまり新鮮味がないかもしれませんが、そもそもインテレクチュアル・ヒストリーとはなんであるのか?BHはどのようにとり組んできたのか?近年の成果は?他の寄稿者たちとの関係は?そういったものを綴ってみたいと思います。自分用にメモしておくと、5千字で締め切りは今月末ですが、できればなるべく早めに仕上げてしまおうと思っています。

 

 

2013. 10. 12

  20年のあいだに BH 本館に積りつもったモノを、ドラスティックに処分することにしています。今日は、本棚の一角の整理をはじめました。そして、使わないものはアマゾンで売り出すことにしました。カタログをいじっているうちに、じつは昔いろいろ買った本で、いまでは中古市場で高値がついているものがあることに気がつきました。とくに、10年前に5千円くらいで入手したのに、いまでは数万円になっているものが幾つかあります。これには驚きました。逆に、高値がついていそうなのに、まったくの二束三文で売られているものもあります。なにが基準なのか分からないところがあります。

 

 

2013. 10. 11

  ペトラルカのテクストの前半をセミナーで読むことになっているのですが、どうも盛り上がりに欠ける感じがするので心配でした。でも、フタを開けてみると学生君たちは議論に熱心に参加してくれて、なかなか良いセミナーとなりました。ふう。

 

  午後にワーク・イン・プログレス式の院生セミナーに参加した後に、アダム君と電車に乗って、BH 本館のあるリェージュに向かいました。数日滞在する予定です。

 

 

2013. 10. 10

  朝はアダム君の強化合宿について、今後の方針を話しあいました。これまで書きためたファイルをもらって、オフィスで印刷しました。昔ながらに10かけて博論を仕上げるような流暢なやり方では、限られた時間でなにかをものにすることはできません。大作でなくてもいいのです、小粒でもいいのです。いまの時点では自分の身の丈にあわせて、カタチを整えることに集中すべきでしょう。

 

まずはテラピーというか、リハビリからはじめないといけないのですが、9月に僕がだした課題は結局のところなにもしなかったようですので、手を変えないといけません。スポ根的な山ごもりの修行よろしく、日常はネット禁止で、とにかく執筆に集中するために缶詰になってもらいます。あとは自分との闘いです。2か月後に魔球をひっさげて、晴れて下山できればしめたものです。

 

  金曜のセミナーで読むことになっているペトラルカのテクストと一緒に見てもらう副教材として、『ペトラルカの人文主義と自己のケアGur Zak, Petrarch’s Humanism and the Care of the Self (Oxford, 2010) という本の第3章を読みました。おもにペトラルカの書簡と『わが秘密』を題材にして議論していますが、さすがオックスフォードから出される本だけあって、非常に練りに練ってよく書かれています。

 

 

2013. 10. 9

  今日は移動日です。リェージュからナイメーヘンは、2回乗りかえがあります。全行程で2時間半、そのうち運がよければ2時間は無線LANがある列車で、移動オフィスという感じです。クニ君には驚かれましたが、欧州での列車の旅って風情があると思えるので、それほど苦にならないのですよね。

 

  金曜日のセミナーのためにペトラルカのテクストを読まないといけません。> 金曜につかう『無知について』の前半部を読みました。どうでしょうね。ちょっとまだ五里霧中という感じです。

 

  夕方に、スターのように一人でタクシーに乗ってアダム君が、ウチにやって来ました。荷物を部屋に入れ、アパートの使い方を説明し、その後は一緒に夕食を食べにいきました。今日は難しい話はナシです。

 

 

2013. 10. 8

  まだ僕もクレアも、本格的な復調とはいえません。ちょっと熱っぽい感じ、これはあきらかにヴィタミン不足によるものです。

 

  菊地原君の『パラケルススと魔術的ルネサンス』も、出版まであとほぼ2カ月のカウントダウン状態となり、作業も大詰めになってきました。これからは、出版記念のトークショーの日程と場所の交渉、それから全国の書店に提供する本のデータにつける売り文句の決定など、プロモーションのための具体的なことをこなしていきます。もう、ここまでくるとジェットコースターのように流れていく感じもあります。

 

 

2013. 10. 7

  ちょっとカゼ気味です。こちらに帰ってきてから、驚くほど天気が良かったのですが、朝晩は気温がとても冷え込むようになってきています。この寒暖差の激しさのせいで体調を崩すのでしょう。

 

  昨日ここで書いたエヴァンズ著『バロックの王国:ハプスブルグ朝の文化社会史1550-1750』の紹介は、けっこう各方面から反響がありました。なかでも、小澤君が「エヴァンズの本はおそらく二宮さんの置き土産です[…]。彼はまだいくつも各地に種を残しているので、ここ数年のうちに次々と花開くかもしれません」というコメントをくれました。楽しみですね。

 

 

2013. 10. 6

  故・二宮さんのアレンジによってエヴァンズの名著『魔術の帝国:ルドルフ2世とその世界』が文庫化され、ちくま学芸文庫に入ったときに僕は下巻で解説を書くことになったわけですが、そのエヴァンズのもう一つの大著の邦訳が、『バロックの王国:ハプスブルグ朝の文化社会史1550-1750』(慶応大学出版会、2013年)として今夏に出版されています。知らない人も多いと思うのですが、本書の後半で扱われる初期近代のハプスブルグ宮廷の知的文化のところでは、驚くことにキルヒャーをメインの登場人物として大胆にフィーチャして、考察を進めています。つまり、本書はキルヒャー研究としても大きな価値を持っているのです。公費をもっているような人でないと手を出しにくい値段設定なので、どのくらい売れているか分かりませんが、BH としてはイチオシの書物であることは間違いありません。

 

  売り文句にも『魔術の帝国』は言及されていませんし、社会文化史という副題のつけ方や、訳者の専門分野からうかがえることなのですが、出版社としてはそちらの色を出したくなったのではないでしょうか?しかし、第3部のカトリック的学問の解剖から、学識魔術、そして普遍計画へと話が展開する流れでは、紛れもなくエヴァンズ節が全開です。これは、必見!

 

  ここ10年くらいの僕の個人的な観察では、フランスではルネサンス研究というのは依然として文学の人たちにおもに扱われていて、他の分野では大きく育たなかったような気がします。たとえば、哲学科学医学は本当に限られた人たちだけに扱われていますし、他の時代を専門にしている人たちの意識もそれほど変わってはいず、とくに花形17世紀をやっている人たちは見向きもしない感じです。おそらく、それらを教えている場所も多くはないのではないでしょうか?

 

  僕としては、ひとまずオーディエンスのことは置いておいて、とにかく自分の好きなことを徹底して掘り下げるということを、この20年間してきました。そして、つぎの第3著作は、もっと一般的なアピール度の高いものにしないといけないと、ここ数年ずっとアイデアを練っています。まだまだコレだ!というものにはたどり着いていません。これまで書きためてきたものを、まとめて本にするのも手ですが、それでは安易すぎる気もします。そんななか、今年の夏に手術・入院を経験して、ちょっと人生観がかわりました。これについては機会をみつけて説明していきたいと思っています。

 

 

2013. 10. 5

  昨日のセミナーの初回をうまく乗りきれるか心配していたのですが、問題なかったので安心しました。ここまで夏休みのあいだに溜まった宿題を緊急度の高い順にひとつひとつ片付けてきました。これからは原稿書きなど、腰を落ちつけて時間をかける作業をこなしていかなければなりません。なにを抱えているのかを整理するために、自分用のメモとしてすぐに頭に浮かぶアイテムを以下に挙げておきます。

 

           ピッツバーグ論集への寄稿(10月末)

           UP のリレー連載の原稿(10月末)

           ボストンでの発表原稿(1120日締め切り)

           ラウトレッジ論集への寄稿(11月末)

 

           ガファレル論集の編集

           『ミクロコスモス』第2集の編集

 

  菊地原君の『パラケルススと魔術的ルネサンス』の第2ゲラの校正指示の作業は、人名索引のためのリストの製作とともに、1020に提出できることを目指して作業を進めてもらっています。いま個人的に忙しいようですが、ここが最後の追い込みの正念場ですので、がんばってもらいます。彼を励ますキャンペーンフェイスブック BH 上ではってますので、皆さんも温かいエールを送ってあげてください!

 

  フェイスブック BH は、初期近代ヨーロッパの書物に収録されている味わいぶかい図版も豊富に紹介され、ただ見ているだけでも楽しく、さらに知的興奮も満載だと、われながら思えるのですが、皆さんはいかかですか?

 

 

2013. 10. 4

昨日、電車のなかでチェックした論考の校正リストをつくって、編者に送りだしました。書誌データは、新しいアストラル・メディシン “The New Astral Medicine”  『ブリル版ルネサンス占星術必携』 Brill’s Companion to Renaissance Astrology, ed. Brendan Dooley (Leiden: Brill, forthcoming in 2013), 267-286 となります。あらためて読んでみて感じたのですが、学生一般読者にもわかりやすい&スピード感のある叙述になっていると思います。僕としては新境地というところです。直しが終わったものの PDF をもらったら、academia にアップします。

 

  1か月ほど代講の方にピンチを救っていただいた僕のルネサンス・セミナーが、本格的にスタートしました。今日は、学生との顔見せという感じで評価の仕方などを説明し、後半はハンキンスの論文「人文主義、スコラ主義、そしてルネサンス哲学」をたたき台に議論をしました。次に読むテクストは、ペトラルカにするかフィチーノにするか迷っていたのですが、前者で行くことにします。まずは、『自分と他の人々の無知について』を読みます。

 

 

2013. 10. 3

  昨日の電車での移動中に、『ブリル版 ルネサンス占星術 必携』に寄稿した論考の校正刷りを読みました。テクストはほとんど問題ないと思います。注では、原典のロキを書・章、フォリオあるいは頁(例 Fernel, De abditis, 2.3, 45)としておいたものを編者がいじったときに、勘違いしたものや不揃いなところが幾つかあります。夜にリストをつくりたいと思います。もうひとつ疑問なのは、フォリオの指示を f ではなく、編者のするように p で書いていいのか?という点です。皆さんは、どう思いますか?

 

  この作業をとおして、これまで僕がつかってきたカルダーノの『精妙さについて』は、1550年にパリで出された海賊版であり、ニュルンベルグで出された正式な初版ではないことに気がつきました。後者がウェブ上にないものかと探してみて、見つけることができました。なんとこちらの方は版組が上質で使いやすいではないですか。しまった!

 

  遅くなりましたが、菊地原君の『パラケルススと魔術的ルネサンス』の再校ゲラをチェックして、校正指示のリストをつくりました。これを菊地原君に送って、彼が見つけたものを加えてもらいます。初校の校正指示は多く、複雑なところもあったのですが、うまい具合にとり入れてもらっていました。関戸さん、さすが!

 

 

2013. 10. 2

  今日は移動日です。もともと、無理に急いで転んで痛い目をみたのですから、電車の乗換は焦らずにいこうと思います。

 

  『UP』誌上でお届けしているリレー連載 跳躍するインテレクチュアル・ヒストリー』 、第2弾となるエミーさんの「ルネサンスの自叙伝、カルダーノ『わが人生の書』を読み解く」を掲載した10月号が刷りあがったようです。もうすぐ大学生協などで見かけることができるでしょう。ファン必見です。お楽しみに!確実に入手したい人は、送料&税込でお得な1000円ポッキリの年間購読をおすすめします。

 

今季は移動を控えるようにしています。例外は、ボストン1122-23日におこなわれる米国科学史学会です。「初期近代ヨーロッパにおけるキミアと生命Chymistry and Life in Early Modern Europe というパネルに呼ばれていて参加します。台湾のケヴィンと、サンディエゴに来てくれたジョール、そしてエヴァンのからなる構成です。本当は勇んでいくところですが、退院後はじめてのアメリカ遠征は大丈夫なのかな?という気がしています。でも、このセッションのなかではテーマの関係で無理でしょうが、現地では科研費プロジェクト『キリシタンの世紀』の宣伝もしっかり行うつもりです。

 

Chair: Jole Shackelford (Minnesota)

Organizers: Evan Ragland & Joel A. Klein

 

“The Principle of Life in Renaissance Natural Philosophy, Medicine and Alchemy,” Hiro Hirai (Nijmegen)

ルネサンスの自然哲学、医学、錬金術のおける生命原理

 

“Daniel Sennert and the Quest for a Nearly Universal Medicine,” Joel Klein (Chemical Heritage Foundation)

「ゼンネルトと「ほぼ」普遍的な医薬の探求」

 

“Transmuting Mechanism: Mechanical Ideals and the Chymistry of Life in the Work of Franciscus Dele Boë Sylvius,” Evan Ragland (Alabama)

「機械論を変成する:シルヴィウスの著作における機械論的アイデアと生命のキミストリー」

 

“Life and Matter in Georg Ernst Stahl's Early Works,” Kevin Chang (Taipei)

「シュタールの初期の著作にみる生命と物質」

 

 

2013. 10. 1

  なんとか頭のなかのスイッチを切りかえて、セミナーの準備をしないといけません。今回のたたき台になるメインのテクストは決まっていて、すでに学生さんに読んでもらっていますが、その後どうするのかを示すシラバスをつくらないといけません。今季はルネサンス哲学の入門編としてフィチーノピコなどの代表的な思想家のテクストを順繰りに読んでいこうと思っていたのですが、9月のあいだのピンチヒッターにメインとなるピコポンポナツィをやられてしまったので困っています。無理いって準備のための時間もなく代講をしてもらったので、こちらとしても文句は言えません。とほほ。> もっとも困るのは、英語でテクストを提供できるものだけしか選べないということです。ルネサンスは英語だけとなると、けっこう苦しいところがあります。

 

  『ブリル版 ルネサンス占星術 必携』に寄稿した論考の校正指示のしめ切りは、105の金曜日です。明日の移動中に電車のなかで読みたいと思います。ギリシア語なども使っていないので、今回はそれほどリストアップすべき事柄はないと想定しています。

 

 

 

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