ピッツバーグ会議



 

 

『初期近代の医学と哲学』

 

“Early Modern Medicine and Philosophy”

 

2012年の112日(金)-4日(日)にアメリカのピッツバーグで行われる会議に招待されました。

 

 

 

会議の専用ウェブサイトはコチラです

 

 

 

 

会議までの道のり

 

2012. 11. 13

  やっとピッツバーグ会議の主催者から、僕の旅費の払い戻しの手続きが始まった旨の連絡がありました。助かりました。ふう。

 

 

2012. 11. 5

  3週間のアメリカ遠征の最初のメイン・イヴェントである3日間にわたる熱い知の競演も終わり、一転して今日は移動日となります。9時にホテルをチェック・アウトして空港バスに乗り、一路ニューヨークまでフライト。そこからシャトルで市中のペン駅まで行き、メガバスに乗ってフィラデルフィアに向かいます。直接にフィラデルフィアに飛べば良かったのですが、諸般の事情で旅費を抑えるために、こういうややこしいことになりました。

 

 

2012. 11. 4

  アメリカは昨日の夜のうちに冬時間に移行しました。まだ時差ボケがあり、夜の21時過ぎには猛烈に眠くなりダウンして、朝の4時には目が覚めてしまいました。

 

  今日は日曜日ですが、異例にも午前中だけ4本の発表があります。1本目の発表「ハーヴィの解剖学における機械種類と限界 Peter Distelzweig, ‘Mechanics’ in Harvey’s Anatomy: its Varieties and Limits は、ベルリンにも来ていた今回の会議の主催者のピーターによるものです。偽アリストテレスの『機械論Mechanica に注目するのは当たり前すぎるので、ガレノスにおいては「メカニカ」という用語はどのように使われていたのか?と質問しました。まったくの盲点だったようです。これから勉強しますといわれました。最初のセッションの本目は、「ペロー、デュヴェルネー、そして動物機械 Anita Guerrini, Perrault, Duverney, and Animal Mechanics は、解剖学研究の大御所によるものです。1671年の動物論における解剖学についての話でした。

 

  病気のために寝込んでいたジャスティンの発表「ライプニッツと初期近代の医学的幸福 Justin E. H. Smith, G. W. Leibniz and Early Modern Medical Eudaimonism は、どうなることでしょうか?ライプニッツの医学的著作における分析でした。さて、今回の会議のオオトリを勤めるのがデニスの発表「機械論的精神身体論感情の身体への影響 Dennis Des Chene, Mechanistic psychosomatics: the effects of the passions on health は、ペローの著作にみる感情の身体への影響の話でした。

 

  会議全体の感想としては、哲学と医学の相互作用に焦点をあてた発表はじつは少なく、ピュアに医学史科学史と読んだほうが良いものが多かった気がします。それからアメリカの人たちは新しいマテリアルの発掘よりも、これまでに与えられた材料をどう再解釈するか?という点に関心を集中させているような感じです。それも良いのですが、やっぱり新しい素材を扱うほうが、オリジナルな結果を得やすいと思います。よっぽどの才能でないと、手垢にまみれたマテリアルから何かを産むのは難しいでしょう。しかし、久しぶりに非常にレヴェルの高い国際会議に参加することが出来ました。

 

 

2012. 11. 3

  さあ、2日目です。午前中の最初のセッションで僕の発表もあります。最初の発表は、ジョリーによる「パラケルスス主義の生命哲学における移植と粒子的本性Jole Shackelford, Transplantation and Corpuscular Identity in Paracelsian Vital Philosophy は、いつもながらセヴェリヌスに関してでしたが、僕の本までパワーポイントで大々的に紹介してもらいました。ビックリでした。

 

  昨日に配信されたメルマガでも紹介した僕の発表「生きた粒子の謎:ゼンネルト、ガッサンディ、キルヒャーにおける原子論と生命の起源」は、かなり成功だったと思います。かなり良いリアクションで、驚くほどの沢山の質問が来ました。収穫大でした。

 

  2つ目のセッションでは解剖学に焦点が当たり、一本目の発表「ザバレラ、ファブリキウス、カセリウスにおける眼球内の体液の役割Tawrin Baker, Jacopo Zabarella, Hieronymous Fabricius ab Aquapendente, and Julius Casserius on the Usefulness of the Vitreous Humor は眼球の解剖についてものでした。次の3本目の発表「ドゥ・ラ・フォルジュにおける動物精気の発生と機能 Patricia Easton, Louis de la Forge on the Generation and Function of Animal Spirits は、ドゥ・ラ・フォルジュによるデカルトの『人間論』への注解における動物精気に注目した発表でした。

 

  午後の最初のセッションでの一本目の発表「ふたつの解剖の物語り:ハーヴィと哲学的解剖学Benny Goldberg, A Tale of Two Anatomies: William Harvey and Philosophical Anatomy は、主催者の一人のベニーによるものでした。僕の作品を幾つか読んでいたようです。滞在中、いろいろ世話にもなりました。次の発表「経験的解剖学者たちと思弁的デカルト主義者たち Evan Ragland, A Mutual Divide: Experimental Anatomists vs. Speculative Cartesians in Seventeenth-Century Dutch Medicine は欠席のため、代読者による発表でした。久しぶりにエヴァンに会えると思っていたので残念です。ここのところ2つもをとっているのですよね、彼は。

 

  今日の最後のセッションの一本目「医学、哲学、そして科学革命 Dolores Iorizzo, Medicine, Philosophy and the Scientific Revolution という大上段に構えたタイトルの発表ですが、これから5年間にわたって行なわれるベイコンの医学とその後の英国の医学におけるベイコン主義の影響を探るものだそうです。研究というよりは、計画の紹介でした。ただし、この人の関心は1620から始まっていたので、カズ君の研究とはかぶらない感じです。2本目の発表「ボイルの医学計画の再考:レナラ婦人の影響 Michelle DiMeo, Rethinking Robert Boyle’s Medical Agenda: The Influence of Lady Katherine Ranelagh は、ボイルの姉キャサリンの弟への影響を見るものでした。ミケーレはアメリカ人だと思いますが、2009に英国で博論を書いているようで、それは自由にダウンロードできます。> ボイルの幾つかの著作は実は彼女の手によるものではないか?という興味ぶかい仮説を発表のあとの質疑のなかで話していました。

 

 

2012. 11. 2

  さあ、今日が会議の初日です。12時半から始まります。プログラムを紹介していませんでしたね。こちらのウェブサイトにあります。>全部20の発表が金曜から日曜までの3日間に渡って予定されていますが、既にアントニオエヴァンの発表はキャンセルされました。ひとつ分からないのは、これまで他では見たことないのですが、Discussants と呼ばれる人たちが13もいることです。率先して質疑に参加して、議論を盛り上げるための要員なのでしょうが、いくら何でも13というのは多いような気もします。> しかし、不思議なことに、これらのディスキュッサンは質問もしなければ、議論にも参加してきません。いや、謎な役割です。

 

  今日は午後から始まるのですが、いきなり最初のセッションがギデオンクレッグという知り合いによるのものです。

 

  セッションの最初はクレッグの発表 アリストテレスの『問題集』とルネサンス末期の医学哲学 Craig Martin, The Aristotelian Problemata and Late-Renaissance Medical Philosophy です。アリストテレスの『問題集』のルネサンス期における受容を、イタリア人の注釈家たちに注目して分析したものでした。クレッグ節という感じで華を咲かしては、次の華に移っていくというものでした。しかし、なかなか気合の入った一本だったと思います。質問も鋭いものばかりで、会議のレヴェルの高さを期待させます。

 

  2番目のギデオンの発表「ガレノス主義の躍動性と多様性Gideon Manning, The Vitality and Divergence of Galenism は、これからの研究計画としてガレノス主義の多様性と躍動性をシュミットがアリストテレスについて行なったように狙うというものでしたが、テクストの分析もなく、僕にいわせれば新鮮な中身を感じませんでした。

 

  第2セッションは、ルネサンスの解剖劇場についての著作(2011年)を出しているシンチアの発表「実践知性:ルネサンス外科医たちの貢献についてCyntia Klestinec, The Practical Intellect: Some Contributions of Renaissance Surgeons からです。基本的には16世紀後半のイタリア語による外科学の文献から、解剖学からみた知性の働きについての分析で、後半は芸術との関係になってきました。もっと哲学的な議論になっていくかと期待しましたが、そちらには向かいませんでした。

 

  4本目はシドニーの Alan Salter 氏による発表「懐疑主義と医療における逸話Alan Salter, Scepticism and the Clinical Anecdote は、ハーヴィを中心とする17世紀英国の医学的著作における脱線にみる懐疑主義の役割についての発表でした。モンテーニュの懐疑主義をそのソースではないか?と提案していました。モンテーニュに関してはポプキンの著作を土台していました。

 

  今日の最後のセッションの1本目(全体では5本目)は、チャールズ(ウォルフ)の発表「ディドロの生物学的計画における後成説とスピノザ主義Charles Wolfe, Epigenesis and/as Spinozism in Diderot’s Biological Project で、ディドロスピノザ主義における生物学の役割についてでしたが、今回はダラダラとした話しで、前回のベルリン会議のときの発表のほうが良くまとまっていたと思います。

 

  本日の最後、ニコ(ベルトローニ・メリ)の発表「病理学におけるヴェザリウスは誰だったのか?Nico Bertoloni Meli, Who Was the Vesalius of Pathology? は、病理学についてのもので沢山の図版が紹介されましたが、食事の直前に見るものではありませんだしたね。

 

 

2012. 11. 1

  朝の5に起きて6の電車に乗り、ブリュッセルの空港に向かいました。ブリュッセルからニューヨークまでのフライトはスムーズでした。乗り継ぎは同じデルタ航空なのですが、到着したのが第4ターミナルで、次のフライトが第3ターミナルからの出発です。あいにく、ハリケーンの影響でターミナル間を結ぶエア・トレインは運行していませんでした。仕方ないので、すし詰めのバスに乗ってターミナル間を移動して、次のフライトの搭乗手続きを済ませました。幸いにも3時間の余裕を持っていたので、何とかなりました。しかし、国内線はかなりスケジュールが乱れているようで、ピッツバーグ行きは30分ほど遅れました。なお、機内には WIFI があるということで楽しみにしていたのですが、なんと有料です。ちょっとケチくさくないですか?

 

  何とか現地時間の20にホテルについて、ネットに接続することも出来ました。リェージュのアパートを出発してから21時間かかりました。非常にお腹が空いているのですが、もう動く気がしません。> 結局、ホテル内のバーでメキシコ料理みたいなものを食べました。悪くなかったです。ただ、ビールとアレで20ドルは高すぎる気がします。

 

 

2012. 10. 31

  さあ、出発です。まずは、今日中にリェージュに向かい、ブリュッセルの空港から明日10時のフライトでニューヨークに向かいます。ニューヨークには14時に到着予定です。入国審査などがあり、ちょっと時間が短いかもしれないのですが、到着の2時間半後にピッツバーグ行きのフライトに乗り継ぎます。そして、19時ごろにピッツバーグに到着予定です。

 

 

2012. 10. 30

  やっとのことでメルマガも準備が終わり、ドロップすることができました。長旅と発表の準備と重なり、今回は時間がなかったので苦しかったです。ここ何日かは気持ちの余裕がありませんでした。ふう。「生きている粒子の謎:ゼンネルト、ガッサンディ、キルヒャーにおける原子論と生命の起源」ということで、配送は112の予定です。ちょうど、ピッツバーグの国際会議で発表をしているころだと思います。ヴァーチャルですが、臨場感を味わってください。

 

 

2012. 10. 28

  メルマガ準備が遅れています。明日何とかがんばります。ただ、まだ何を披露するか決めていません。最初のメルマガとキルヒャーの部分が少しかぶってしまいますが、ピッツバーグでの発表原稿にしましょうか?それとも、種子の理論の本の邦訳に着手しましょうか?あるいは、セネカ論文にしましょうか?いろいろ迷っています。

 

 

2012. 10. 26

  今日も引き続き作業をするべきでしたが、連絡がないので心配していたピッツバーグでのホテルや会議の場所についての報せがやっと来たことも影響したのか、なんだか緊張の糸が切れてしまったようです。

 

 

2012. 10. 25

  今日は缶詰明けという感じで、久々にオフィスに来ました。原稿をプリントし、他にもたまった雑用を片付けました。

 

 

2012. 10. 24

  スッキリした話の展開か望ましい英語のものとしては、すこし話が入りこみ過ぎていたキルヒャーの部分を大胆に整理して、イントロ結論をあわせても全部で5枚半に入りました。ちょうど良い分量となりました。> 何とかカタチになったと思った途端に集中力が切れてしまいました。これはいけません。

 

 

2012. 10. 23

  今日も、昨日からの缶詰での作業を続行しております。イントロ結論の下書きをあわせて6枚を超えてしまいました。もうちょっと要らないものを削って議論を整理し、全体の分量を減らしたいと思います。あと1〜2日で何とかなるでしょう。同時に、やっとホテルについての連絡が来ました。どうやら、アシスタントの人は僕のメアドを間違えていたのではないかと思われます。

 

 

2012. 10. 22

  今日から、ピッツバーグ会議の発表原稿をつくるための作業に着手します。朝から晩まで缶詰状態です。ゼンネルトガッサンディキルヒャーを扱った3つの論文の話をひとつに流し込みます。30分の発表なので、A4紙のシングル・スペースで6枚に収まれば良いわけですが、今のところイントロと結論がない状態で7となっています。話を整理して要らない枝葉末節を切り落とさないといけません。そのあとでイントロと結論をつけます。

 

 

2012. 10. 14

  11月はアメリカに足掛け3週間にわたる大遠征をします。昨日は苦闘の末、すべてのフライト・チケットを以下のように予約しました。特に一日目はニューヨーク経由で一気にピッツバーグまで行くのですが、乗換えが上手くいくか気になります。帰りは、はるばるアメリカに西海岸から一気に欧州まで、一回の乗換えをニューヨークでするだけで帰ってきます。その後はボロボロでしょうね、きっと。でも、良いのです。それと今回は初めて、最初のブリュッセルとニューヨークの往復で、これまでがんばって貯めたマイルを使ってみました。なんと、補足した50ユーロ(約5千円)だけで、あの広大な大西洋を往復します。

 

           111

           ブリュッセル     1020 1400    ニューヨーク  (デルタ)

           ニューヨーク      1640 1844    ピッツバーグ  (デルタ)

 

           115

           ピッツバーグ     1230 1400    ニューヨーク    (デルタ)

 

           1115

           ニューヨーク      1725 2040    サンディエゴ    (アメリカン)

 

           1118         

           サンディエゴ      735 1600     ニューヨーク    (アメリカン)

           ニューヨーク      1945 – 翌930  ブリュッセル   (デルタ)

 

 

2012. 9. 13

  112-4日にピッツバーグで行われる国際会議『初期近代の医学と自然哲学 “Early Modern Medicine and Natural Philosophy” の仮プログラムが送られてきました。いや〜、再来週のベルリン会議もなかなかの顔ぶれなのですが、こちらはこれまたスゴイことになっています。

 

 

2012. 8. 31

  しかし、まだ9になっていないのですが、こうして今からクリスマスまでの4ヶ月の予定は、危険なほどビッシリと詰まってきてしまいました。ベルリンバルセロナピッツバーグという3つの国際会議、そしてメガ・シンポからの論集の編集やエミー計画に、トニー計画と。いったい、どうなってしまうのでしょうか?

 

 

2012. 5. 26

  ピッツバーグ会議のための1000の要旨を送りだしました。論題は、「生きている粒子の謎:ゼンネルト、ガッサンディ、そしてキルヒャーにおける原子論と生命の起源“Mysteries of Living Corpuscles: Atomism and the Origin of Life in Sennert, Gassendi and Kircher” でいきます。

 

 

2012. 5. 21

   午前中はそれでも、前から課題となっていたピッツバーグでの国際会議『初期近代の医学と自然哲学Early Modern Medicine and Natural Philosophy での発表のための要旨1000を、それなりのかたちにまとめました。もうこれくらいでいいでしょう。

 

 

2012. 5. 18

  まだ体調がすっきりしないというか、底力がでないという感じではあるのですが、今日はなんとかしてピッツバーグ用の1000のレジメを書きあげたいと思います。要は集中です。> 何とかそれなりのカタチになってきました。

 

 

2012. 5. 5

  初期近代における哲学生物学の関係について今年11月におこなわれるピッツバーグ会議では、これまで発表してきたいくつかの僕の研究からの知見を総合するような一本を考えています。題して、「生きている粒子の謎:ゼンネルト、ガッサンディ、そしてキルヒャーにおける原子論と生命の起源“Mysteries of Living Corpuscles: Atomism and the Origin of Life in Sennert, Gassendi and Kircher” というのはどうでしょう?とくに、ガッサンディ論文とキルヒャー論文は仏語での出版だったので、まだ英語圏を中心とする世界ではあまり知られていないこともあるので、それらを救うためでもあります。どうでしょう、魅力あります?

 

 

2012. 4. 8

  ここバルセロナにくる直前に、アダム君が教えてくれたのですが、今年の11月にアメリカのピッツバーグで初期近代における医学哲学の関係についての国際会議が開かれるようです。なんだ、声がかからなかったなと思っていたら、関係者のひとりから打診がありました。そのあとに土曜と日曜で何回かメールをやり取りして、基本的には行く方向で調整しています。

 

 

 

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