リール国際会議

 

17世紀における化学と医学

 

 

 

 

北フランスのリールで2007326日(月)行われる国際会議です

 

 

プログラム

 

9h - Accueil et présentation par Bernard Joly et Rémi Franckowiak

9h15 - Hiro Hirai (Ghent University) : « Atomes, origine de la vie et génération spontanée chez Daniel Sennert »

10h15 - Rémi Franckowiak (Université de Lille 1) : «Médecine vitriolique et sympathique, chimie spirituelle et atomique expérimentées par Digby »

10h15 - 10h45 : pause

11h45 - Antonio Clericuzio (Université de Cassino) : « Médecine et chimie en Italie au XVIIe siècle »

12h45 - 14h : repas

14h - Claire De Oliveira (Université de Paris 8) : « Médecine, chimie et mécanisme dans l’œuvre de Henry More ».

15h - Miguel Lopez (El Scorial) : « Chimie et médecine dans l'Espagne de la fin du XVIIe siècle »

16h - 16h30 : pause

16h30 - Dominique Boury (Institut catholique de Lille) : « Venel - Bordeu, dispute autour des eaux minérales ».

17h30 - Fin des travaux

 

 

 

会議までの道のり

 

2007. 3. 27

  無事にリール会議は終了しました。月一セミナーで一緒だったボルドー会議でもお馴染みの気の知れた仲間が多いので、十分に楽しめました。次に皆に会うのは8月末のルーヴァン会議になると思います。今日は朝10時からゲントで会合があるので、6時半起きで7時半にはホテルを後にしました。疲れのせいなのかも知れませんが、ノドがはれてカゼ気味です。まだは出ていないみたいですが、そのうちに来ると思います。> 結局、会合は昨日流れたらしいメールで中止となったようですが、ボスと会ってゲマ論集の話をすることができ、最初の計画通りで行くというゴーサインが出ました。ということで、無駄足ではありませんでした。家に帰ったら、その旨を伝えるメールをジェルマーナに書きます。

 

 

会議後のレストランで

 

2007. 3. 26

よく折衷的ということで、オリジナルな思想からは程遠いとされて、教科書的記述では軽くあしらわれるゼンネルトですが、彼の原子論というのは実は非常にラディカルなものであるということが見えて来ました。バッソベークマンのものに比較しても分かるように、彼が展開した理論は実のところ時代の最先端を行くものだったのです。ボイルを始めとする多くの人間が彼の教えを熱心に勉強した理由が、さらに良く分かるようになった気がします。で、僕の個人的な課題は、いかに説得力をもって、この点を人に説明できるかです。今回の発表ではもう変更しようがないのですが、4月以降に議論を磨いてさらに熱を帯びたものにしたいと思います。それこそ、僕の2冊目の著作の最終章コーダにふさわしいものとするのです。

 

 

2007. 3. 25

  それではこれからリールに行って来ます。火曜日まで留守にします。いつも使っている鈍行の直行便ではなく、ブリュッセルに行って、そこから新幹線ユーロスターにのります。> ん?気が付きませんでしたが、最終的なプログラムには変更があるようです。ウィリスではなく、ヘンリー・モアに関する発表がある模様ですね。> 今回は、新幹線の中でシャンパンが出ましたよ。このマシンのための電源も各席についています。う〜む、やっぱり新幹線の1等車での移動は快適です。> 予定通り16時半にはリールに着きました。ホテルに荷物を置いて、すぐに散歩に出かけました。昔懐かしい場所をクルクルと歩き回って写真を撮ったりして、2時間近く歩いて少しバテ気味です。残ながら良いセンスの絵ハガキがありません。絵ハガキは出すなという天命でしょう。

 

  教科書的な解釈というのは固定観念の上に成り立っていることが多いのですが、なかなか人の固定観念を覆すというのは難しい作業です。今回のゼンネルト論文も、殆どの歴史家が彼の粒子論、そして最近ではそのキミア的背景に関心を集中させている中で、キミアが原子論採用のキッカケだということは認めつつも、生物学的な領域こそがゼンネルトに原子論を深く確信させたということを示そうとしています。そして、その最も重要なファクターがリチェティの自然発生論と生命の起源についての議論だったのです。そうすると、ゼンネルトの熱心な読者であったガッサンディキルヒャー、そしてボイルライプニッツといった次世代の自然哲学者たちが自然発生に大きな関心を寄せた理由がよりよく理解できるという訳なのです。

 

やっぱり深いですね、歴史は。そして、その深みに入って行ってやろうとする意識がないものは、すぐれた歴史家ではないのです。その作業は、人の固定観念のヴェールをピンセットで一枚一枚はがしていくことなのです。僕は不器用ながら、ベストを尽くそうと日々精進しております。

 

 

 

途中の原稿の準備具合は、ゼンネルトのコーナーをご覧ください。

 

2007. 2. 26

  実はこれから間髪を入れずに、326日のリール会議に向けてゼンネルトの研究に移行しないといけません。一時期は熱く燃え上がったゼンネルト研究に対するですが、その後に一旦その熱を冷ますことになったので、また温め直しをしないといけません。なかなか難しいものです。> まずはテクストをプリント・アウトしてと思ったら、あらら、もうインク切れですか?この間カートリッジを買い換えたばかりなのになあ。

 

 

2007. 2. 10

  3月のリール会議の事務的なメールが来ました。

 

 

2006. 10. 25

   3月のリール会議の仮プログラムが送られてきました。また、オープニングを務めることになりました。

 

 

2006. 10. 11

  早速にもゼンネルト研究のための準備ページを作成しました。どちらにしても、僕の2冊目の著作ではゼンネルトに当てた章が来ることになっていたので、2冊目の作業が無理矢理にでも進められるのだとポジティヴに考えるようにしました。

 

 

2006. 10. 10

   ゼンネルトにおける自然発生の理論について話そうと思っていたリールの化学と医学に関する会議は、僕の希望していた5月ではなく、3月末となりそうです。受けるか、どうか分かりません。ゲマ会議と近すぎて準備できない可能性が大です。しかし、ゼンネルトを研究したいはどんどん高まっていたところなので悩みます。本当に、世の売れっ子と言われるスターたちは、どうやってこういう事態を切り抜けているのでしょうか?いまのところ、今後の予定はこんな感じです。> ワーク・イン・プログレス(WIP)で良いというので、受けちゃいました。ということで、ちょっと3月はホットになりそうです。タイトルは、「ゼンネルトの自然発生論“Sennert on Spontaneous Generation” と英語ならではの潔いほど簡素なものです。

 

 

2006. 9. 27

   SKMT君に送ってもらった「ゼンネルトとライプニッツにおける動物発生 Richard T.W. Arthur, “Animal Generation and Substance in Sennert and Leibniz”, in Justin Smith (éd.), The Problem of Animal Generation in Early Modern Philosophy, Cambridge, Cambridge UP, 2006, pp. 147-174 という論文を読みましたが、ガッサンディも含めて僕のやって来たこと&今取り組んでいることに非常に近いことを取り上げています。アントニオの本2001年)は大きく利用していますが、残念ながら非常にシャドウィな雑誌に載った僕のガッサンディ論文(2003年)を知らないようなので早速にも抜き刷りを送ることにしました。しかしですね、ライプニッツ学者の最前線もついにゼンネルトに関心を持つに至った訳です。リチェティシェキウスにも言及しています、この人は。やっと哲学の世界でもデカルト直前の辺り、つまり16世紀末から17世紀初頭がホット・ポイントとなってきているようです。こうして、10年後20年後の真に革新的な研究のメイン・ストリームは出来上がって行くのです。> ゼンネルト熱がムラムラと高まってきました。2月にあるゲマ会議のことを放り出して、走ってしまいそうです。イカン、イカン。ゼンネルト研究は、会議が終わってから5月にかけて行います。

 

 

2006. 9. 11

  最近はライプニッツ学者の最先端の人たちも、ようやくゼンネルト重要さに気づいてきたようですが、僕に言わせれば、まだまだ序の口です。彼を中心テーマにすえた国際会議の開催が求められている時期ではないでしょうか?そういう気がするのです。そういう機運がさらに高まるのを待っている間に僕としては、2冊目の著作のゼンネルトの章に当てるために、5月を目処に彼の自然発生の議論にアタックするつもりです。

 

 

2006. 9. 7

  だんだんゼンネルトを本格的にアタックしたい気持ちが強くなってきました。狙い目はもちろん自然発生の問題と発生論です。前者はリチェティの流れから、後者はシェキウスの流れから、という具合に2つの潮流が合流する地点となるからです。一応、今後の予定的には来年の5月に自然発生について発表する機会が来るかと思います。

 

 

 

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