ごくごく個人的な「本」日記
2023年02月
2023. 2. 28 火
首筋の痛みに苦しめられた2週間でしたが、やっとのことで集中して作業できました。3月3日の締切りまで時間がないブルーノ論文を微調整です。もう一度だけ再読して提出したいと思います。
2023. 2. 27 月
次号のメルマガをドロップしました。チェザルピーノ論文の中篇です。配信は、3月2日となります。
2023. 2. 26 日
今日はスローな動きでいきます。
2023. 2. 25 土
今朝は、3月に魔術研の面々でおこなうプエルトリコ遠征に向けて、中西さんの発表練習をおこないました。なかなか良い感じに仕上がっていると思いますが、幾つか微調整の提案がありました。
2023. 2. 24 金
朝6時に起きて、8時からの生配信『ついにNHKに進出!?』に備えました。今回もとても楽しいものとなりました。簡単なチャプター割をつけたので、お気軽にお楽しみください。
2023. 2. 23 木
メルマガの原稿も推敲を終わらせて、ドロップするのみとなりました。明日の生配信のあとにセットしたいと思います。ところで明日の生配信は、NHKラジオの『昼も夜も彷徨え』の中村小夜さんと、宝塚星組の『ディミトリ』の原作『斜陽の国のルスダン』の並木陽さんという超豪華なタッグをお迎えします。お楽しみに!
2023. 2. 22 水
はじまってから2週間が経過しますが、まだまだ首筋が痛いので、あまり集中力を必要としない作業を優先しています。そんななかで、すこし楽になったので、次号のメルマガの原稿を準備することにしました。今回は、チェザルピーノ論文の中編をお送りすることにします。
2023. 2. 21 火
残り時間が少なくなってきたので、まずはプエルトリコ遠征で発表する原稿を仕上げてしまおうと思います。> 丸一日かけて2000語の原稿にしました。ちょっと寝かしてから、落ちついて再読したいと思います。まずは腰を落ちつけて、じっくりと作業ができたのが良かったです。
2023. 2. 20 月
つぎはブルーノ論文の微調整を仕上げないといけません。締切りは3月3日ですが、プエルトリコ遠征での発表原稿もあるので、今週中になんとかしようと思います。
ちなみにブルーノ論文の審査では、ひとりのレフェリーはべた褒め、もうひとりは難癖をつけてきたという感じです。もともと論文の性格から議論をまき起こすのは覚悟していたので、ひとつひとつ批判点をしっかりとクリアしたいと思います。
2023. 2. 19 日
昨日からの作業ですが、分量をけずって審査評を完成させました。来週頭には提出したいと思います。>
提出して、受けとりの連絡も帰ってきました。これで任務は完了です。
2023. 2. 18 土
今月24日が締切りの審査評を書きました。中世イングランドのロジャー・ベイコンというテーマは良いのですが、イタリア・ルネサンスの研究費とマッチしない点について書いています。審査の指針にも、マッチを重視するように指示があります。1・2段落でという要望ですが、3段落になったので、すこし削りこまなければなりません。
じつは数年前から工作舎で本を準備しているのですが、コロナ禍のせいで足踏みしていました。気合を入れなおすために、今日は寄稿者予定者のひとりとオンライン会議をしました。この春休みに頑張ってくれるようです。お願いいたします!
2023. 2. 17 金
3月のプエルトリコ遠征のために、宿舎を予約しました。これはルネサンス学会の前後に滞在するためのものです。飛行機の発着日時の関係で、そうせざるをえませんでした。
2023. 2. 16 木
今日も見積もりのために業者が2つもくるので、落ちつかない日となりそうです。
アマデオ君とオンラインで話しながら、チャールズさんの航空券を手配しました。上手くいったと思います。>
チャールズさんから返事があり、たぶんこれで大丈夫だと思います。良かったです。
2023. 2. 15 水
あのアラビア占星術史の権威チャールズ(バーネット)さんが、われらが魔術研のRSAパネルに参加します。今日はその旅程について相談がありました。中西さんにも協力していただくことがあったので、オンラインで手短に話しあいました。
2023. 2. 14 火
今日も暖房器具の業者が入るので、落ちつかない感じになるでしょう。そろそろ月末が締切りとなっているブルーノ論文の微調整をしないといけません。RSAの発表原稿も準備しないといけないので、忙しくなってきました。こちらはゼンネルト論文を20分用に切りだして論旨を整えれば良いので、それほど大変ではないと思っています。
中西さんの方は、RSAの旅費支援をもらえたようです。ついてますね!
2023. 2. 13 月
ついに5日目となりますが、まだ首筋から左腕にかけての痛みに苦しめられています。2018年になったものと同じですから、要領はわかっているのですが、それでも痛いものはツライです。> 日記を見直したら、12月半ばに同じ状況になったときは、ほぼ3日間で良くなったと書いてありますね。どうやら今回は対処法を間違えたようです。
2023. 2. 12 日
今日は22時半から入魂の交渉をおこないました。いつの日か、後日談として語ることがあるかも知れませんが、おそらくはないだろうとも思います。
2023. 2. 11 土
1か月半ほど休んでいましたが、朝6時に起きて8時から生配信をおこないました。フラワーエッセンス研究家の東昭仁さんをゲストに迎えて、出たばかりの電子書籍『ファーイースト・フラワーエッセンスの研究』について、たっぷりと語っていただきました。とても楽しかったです。
2023. 2. 10 金
今日も首筋の痛みと苦闘しております。横になると痛みが増すせいで、ここ3日ほど良く眠れていないのがツラいです。
アダム君に論文をひとつスキャンしてもらいました。読んでみたのですが、アリストテレスの『自然学』にたいするシンプリキオスの注解は中世ヨーロッパでほとんど知られていなかったという僕の認識に間違いはないようです。この点について、ブルーノ論文で査読者が異議をとなえている意味が良く分かりません。向こうは根拠となる文献を示していないですし、どう考えてもほかの書物の注解と勘違いしている気がします。こういういい加減な査読者がいることに驚いています。
2023. 2. 9 木
運悪くまた首筋を違えたようで、昨夜は痛くてよく眠れませんでした。ということで、今日はフラフラです。それでも、8時から魔術研の話しあいを1時間ほどしました。
2023. 2. 8 水
今朝はふたつの案件で2時間ほど話しました。午後は、その流れで若手の原稿のチェックをしました。さらに、夕方にもうひとつの若手の原稿もチェックしました。今日はこれだけです。
ところで、プラトンの対話篇『ピレボス』(30D)のソクラテスの発言で、「ゼウスが自然にもつ本性には、王者の霊魂と知性が存在している[…]、それはこの原因によると君はいうだろう」という一条があります。ここでの議論は、知性の働きの宇宙的な次元だけではなく、その倫理的な帰結までを含意しています。フィチーノは、自身のラテン語訳 “Ergo in Jovis ipsius natura regiam animam
regiamque mentem inesse propter vim causae confiteberis” に注解をつけていませんし、ほかの著作でもこの部分に言及していないようです。ルネサンス期の1480年〜1550年の著作家で、この部分に注目した人物はいるのか探していますが、どうもほとんどいない気がします。
2023. 2. 7 火
今日は断熱工事があるので、なんの作業もできないと思います。
オンライン講座の説明文にたいする要望を反映させるために、最初のタタキ台を微調整してみました。具体的な人名を入れて欲しいということですが、誰も知らないものを入れても難易度があがるだけなので、なかなか難しいところです。
6月にドイツのゴタで開催されるゼンネルトについての国際会議の準備が進んでいるようで、今日は論題と要旨についての問いあわせがありました。実際の作業は3月以降にはじめるので、いまの段階では以前に提出したものから変更なしと返事しました。
2023. 2. 6 月
丸善が企画している『西洋中世文化辞典』に、錬金術についての原稿を寄稿しています。今日は編集者から、原稿が8行ほど足りないと連絡があり、加筆することになりました。もともとは最初の原稿を見てもらったときに、原稿を5行ほど削っていました。なにかの勘違いだったのでしょう。もとの長さにもどしても余裕があったので、中世の伝統がルネサンス期のパラケルススにつながる記述を加えることにしました。これで良いのではないでしょうか?
どうやら黄胆汁については、ラテン世界に概念が導入された最初期から黄色ではなく赤色と訳されており、それが伝統となっていたようです。つまり西欧では最初から、胆汁は黄色ではなく赤色という認識だったのです。
2023. 2. 5 日
黄胆汁の流れから古代末期のアレクサンドリアにおける医学について、メモしておきます。アレクサンドリアで医学が復興するのは5世紀から6世紀で、ここで整備された医学教育はエジプトがイスラム世界に飲みこまれる7世紀を経て、とくに8世紀初頭のウマル2世の治世下(717-720)まで継続したようです。その後に幾つかの新しい中心地が生まれますが、どれも不安定で長続きせず、アル・マムーン(813-833)の治世下の文芸興隆につながるようです。
そもそもガレノス自身は四体液にそれほど拘りがあったわけではなく、伝統的な四体液説が整備されたのは、このアレクサンドリアでの医学の復興期のようです。古代末期ギリシアの伝統からイスラム圏への流れは、それほど時代的な隔たりがあるわけではないようです。これは占星術や錬金術の伝統にも当てはまるのでしょう。
2023. 2. 4 土
ギリシア医学に由来する四体液説の「黄胆汁」というものが、じつは赤色なのではないか、つまり「赤胆汁」とすべきなのかという疑問を見かけました。中世ヨーロッパをあつかった本にある医学についての章での記述から、こうした疑問が生まれたようです。気になったので、少し調べてみました。こちらに関連するツイッターをまとめてあります。
ヨハニティウスの『イサゴーゲー』 Isagoge は、イスラム世界の有名な翻訳家フナインに帰される『医学問答集』をもとにラテン語訳されたもので、サレルノ医学校に端をはっする医学教科書集『アルティチェラ』 Articella
の主軸となっています。この著作がその後の西洋医学の流れを大きく規定したといえるでしょう。『イサゴーゲー』の冒頭で、四体液は血液・粘液・赤胆汁・黒胆汁からなると説明されています。間違いなく、黄色ではなく赤色です。これまでまったく気がつかなかったので、本当に驚きました。
ヒポクラテスやガレノスでは、どうなっているか調べてみると、赤色という記述は見出せません。もっと網羅的に調べないといけませんが、少なくとも頻繁に言及されるものではないようです。その一方で紀元後7世紀よりも前に、おそらくアレクサンドリアで成立したギリシア語の小品である偽ガレノスの『体液について』には、赤色の胆汁にたいする明確な言及があります。それによると、7種類に区分される黄胆汁のなかには、赤色のものがあるとされます。
つぎにフナインの『医学問答集』(9世紀)を調べてみると、黄胆汁はじつのところ赤色だと説明されていました。おそらく、ここからラテン語訳者は、実際は赤色なのだから黄胆汁ではなく赤胆汁なのだと理解したのだと思います。異読は報告されていないようです。ここからヨーロッパの伝統では、黄胆汁と赤胆汁が並存することになったのでしょう。
ちなみに、そもそも「黄胆汁」のギリシア語は chole xanthe で、この xanthos という形容詞は赤味がある黄色、あるいは黄金色を意味しているようです。偽ガレノスの『体液について』の以前か、あるいは以降のギリシア語圏で、黄胆汁が赤色だという認識が強まっていったのではないでしょうか?
2023. 2. 3 金
古楽愛好家のためのオンライン講座で、3回シリーズを担当することになりました。いまシリーズのための口上と各回の簡単な方向性を練っております。中世からルネサンス・バロックまでをカバーするもので、自然観をあつかうマクロコスモス編、人間観をあつかうミクロコスモス編、そして奇跡や驚異、さらに占星術・魔術・錬金術の秘密に踏みこむミラヴィリア編という構成を予定しています。古楽ファンだけではなく、一般の歴史好きも聴講できます。詳細が決まりましたら、お知らせします。
2023. 2. 2 木
今年6月の5日(月)から8日(木)までストラスブールで、パラケルススについての国際会議があります。しかも8日(木)と9日(金)には、ドイツのゴタでゼンネルトについての国際会議があります。僕としては、月・火とパラケルスス会議に参加し、水を移動日とし、木・金をゼンネルト会議にあてる予定です。今日は、この遠征のための航空券を入手しました。しかしポスト・コロナの航空券は高いですね。気持ちとしては2倍の価格になっています。
ニューヨーク 6月3日(土) 20:30 --- パリ 6月4日(日)10:00
フランクフルト 6月11日(日) 10:40 --- ニューヨーク 6月11日(日) 13:25
2023. 2. 1 水
アナクサゴラス論文は、編者から受けとりの連絡がありました。編者ふたりで読んでコメントをくれるそうです。
お馴染みとなった『昼も夜も彷徨え』は、イスラム世界で活躍した中世ユダヤの哲学者マイモニデスについての小説です。この作品をもとにしたドラマが、NHKラジオで10回にわけて3月6日から放送されます。これを記念して、原作者の中村小夜さんにくわえて脚本を担当した『斜陽の国のルスダン』の並木陽さんを特別ゲストに迎えて、生配信を2月24日(金)22時からお送りします。ちなみに、『斜陽の国のルスダン』は宝塚星組の『ディミトリ』の原作となっています。これは事件です!