ごくごく個人的な「本」日記
2022年3月
2022. 3. 31 木
さあ、パワポの作成も発表原稿のプルーフ・リーディングも終わり、これで準備はオーケーだと思います。
4月22日(金)の「ディオスコリデス祭り」に参加してくださる古代ギリシアと植物好きのキュノスーラさんと通信テストをしてみました。音声もクリアで、大丈夫そうです。
2022. 3. 30 水
先日の生配信「ヒルデガルド祭り」でも活躍していただいた長谷川弘江さんのおかげで、現代の魔女シリーズの対談がもうひとつきまりました。これまた興味ぶかいものとなりそうです。もう少し見えてきた時点で詳報します。
2022. 3. 29 火
今日は、来週の国際会議「粉々になる質料形相論」での発表のためにパワポをつくりました。デザインに凝るわけでなし、話が見通しやすくなれば良いだけなので、これで良しとしましょう。
現代の魔女シリーズの一環として、谷崎榴美さんを特別ゲストに迎えて、西洋魔女術や縄文魔女術について、関心や活動の背景、そして現在について、たっぷりと語っていただきました。この動画「現代の魔女・谷崎榴美さん登場!」は4月1日(金)22時からプレミア公開します。併設される同時チャットで皆さんの声や質問に応えますので、お気軽にチャットにご参加ください!
2022. 3. 28 月
メルマガの原稿をもう一度だけ見直しして、ドロップしました。配信は4月2日になります。個人的には、これまでの原子論研究をひっくり返すような衝撃作だと思っています。来週の国際会議での人々の反応が楽しみです。
古代ギリシア・ローマの薬物・植物の知識を集大成したディオスコリデスの『薬物誌』のギリシア語原典からの全邦訳が発売されました。この一大事件を記念して、大槻真一郎さんの弟子筋にあたる長谷川弘江さんと東昭史さん、そして古代ギリシアと植物好きのキュノスーラさんをゲストに迎えた「ディオスコリデス祭り」を4月22日(金)22時から生配信します。お楽しみに!
2022. 3. 27 日
メルマガ用に準備した発表原稿の邦訳版を見直して推敲をつづけました。ほぼこれで良いと思います。明日もう一度だけ見直してからドロップします。
2022. 3. 26 土
次号のメルマガのために、できたばかりの発表原稿を邦訳しました。明日にもういちど推敲して投下したいと思います。
2022. 3. 25 金
今日は朝9時から魔術研の事務的なことを話しあう会議がありました。1時間半ほど、いろいろな課題を話しあいました。専用のウェブサイトを立ちあげるために、週末に英語の概要をつくってタタキ台として話しあいたいと思います。
昨日に仕上げた発表原稿は、この週末にプルーフ・リーディングしてもらいます。ところで題名の方は、「シェキウスと原子論者アナクサゴラスの伝説」“Jacob
Schegk and the Myth of Anaxagoras the Atomist” でいこうかと思っています。邦訳版をつくって、次号のメルマガで配信したいと考えています。
2022. 3. 24 木
昨日の夕方から夜にかけて微熱で苦しんだのですが、今朝は平熱にもどりました。まだ完全な復調とはいえませんが、残り時間が少ないので、今日はクスリを飲んでベッドのなかで作業することにしました。そのかいあってか、お昼までには発表原稿がほぼ完成しました。あとは、この週末にプルーフ・リーディングしてもらえば、オーケーです。今回は苦しみましたね。ふう。
2022. 3. 23 水
最終節をラフなかたちで埋めたところで、3000語を少し超えるところにきました。あとは推敲しながら枝葉をはらい、足りないところは強調すれば良いかと思います。ただ運の悪いことに体調を崩したようで、途中でクスリを飲んで休むことにしました。
今週末は生配信をしないので、中西さんとのスペース対談「ミツミツドキ」で収録しておいた動画「アヴィセンナと占星術」を公開しました。対談ラジオですので、お気軽にお楽しみください。
2022. 3. 22 火
今日から例によってカンヅメとなって執筆に専念します。30分の発表ですから3000語ほど必要ですが、ラフな原稿で2000語まできました。数日前から論述の展開をずっと考えていたので、それを紙に流しこむだけでスムーズに前進しました。明日には最終節を下書きして、なんとか全体を整える作業に入りたいと思います。
2022. 3. 21 月
今日はスローな動きとなりました。
3週間前にアヴィセンナをあつかった本を注文したのですが、配送途中でダメージがあったとかで、なんと宛名書の部分だけがアメリカの郵便局の封筒に入れられて届きました。通関後にアメリカ国内の郵送の途中でダメになったようです(おそらく袋が破けて中身だけ紛失したのでしょう)。払いもどしを申請しないといけません。
いま分析しているルネサンス期のテクストは、(デモクリトスとは異なるタイプの)原子論がキリスト教徒にとって重要だと主張する非常に興味ぶかいものです。あと1週間でうまく発表原稿をまとめないといけません。
2022. 3. 20 日
日本では3連休の真中となっているようですね。生配信「ヨーロッパ・イスラム魔術研究会」の視聴数が、グングン伸びていて嬉しいところです。ツイッター上でのリアクションがもう少し欲しいところです。
いま読んでいるルネサンスのテクストのクライマックスで投下されるプラトンの『ピレボス』からの引用を同定することができました。なるほど理に適っている展開です。あとは週明けから、発表原稿を執筆したいと思います。もう一週間、とても忙しい期間がつづきます。
2022. 3. 19 土
昨晩の生配信「ヨーロッパ・イスラム魔術研究会」は、大きな反響とともに1日足らずで視聴数も500を超えました。
2022. 3. 18 金
アマデオ君や若手の人たちと中世のヨーロッパやイスラム世界における魔術的な知の伝統についての研究会を立ち上げ、そのキックオフの生配信「ヨーロッパ・イスラム魔術研究会」を、日本時間で今夜22時からおこないます。告知ツイートへの反響が非常に伸びているので、とても楽しみです。> とても多くの方々に参加いただき、大成功でした。こちらに関連するツイートをまとめました。
2022. 3. 17 木
なんとかラフな下訳づくりも終わりました。まずは下訳を吟味しながら、この部分について原稿を書いていこうと思います。とくに今回は、すでにほかの部分もどのようにしようかいろいろ考えていて、楽しい気分でいます。
2022. 3. 16 水
打ちこみをもとにして、非常にラフな下訳をつくりはじめました。なかなか難しいテクストなので苦しいのですが、まずは必要な部分とそれほどでもない部分を分別する作業だと思っています。
2022. 3. 15 火
今日も打ちこみの作業を継続しています。なんとか夕方には、だいたい終えることができました。明日からは、訳していこうと思います。
21時から現代の魔女である谷崎榴美さんとの対談を収録しました。4月1日(金)22時から生配信する予定です。
2022. 3. 14 月
今日はルネサンス期のラテン語テクストの打ちこみをしています。議論をだいたい追えたところで、必要なところを訳していこうと思います。ただひたすらガマンの作業です。
2022. 3. 13 日
なんとかシンプリオスのテクストで必要だと思えるところは読めたので、つぎは受容側となるルネサンスのテクストを読みたいと思います。この作業を手際よく進めないと、時間が足りなくなってしまいます。しかし、ルネサンスにおけるシンプリキオスの受容についての研究は、それほど進んでいないように思えます。影響力は大きかったと個人的には思えるのですが、ことさら彼を称揚する著名人やテクストがあまりなかったからなのでしょう。
2022. 3. 12 土
今日は6時に起きて、8時からの生配信にのぞみました。現代の魔女である円香さんに、スターホークの運動や体験談を中心にたっぷりと話していただきました。
2022. 3. 11 金
久しぶりにシンプリキオスのアリストテレス注解を読んでいます。ほかの注解にはない豊富な情報量による展開が面白いのですが、シンプリキオスは言葉づかいの微細なところにも注力するので、ときに議論がとても難しく、理解するのには胆力を要求します。昨日は、ひとつの話題を追うのが精一杯でした。まだアヴェロエスの大注解の方が、僕の性格にはあっている気がします。今日は、べつの話題を追いました。このふたつの部分をだいたい押さえたところで、ルネサンス期にはどうなるのかを見ていきたいと思います。
2022. 3. 10 木
最近はやりの完全オンライン式の査読は、苦労して時間をやりくりして書いた審査評をアップロードしたところで編集部とのやりとりもなく終わるので、編集部から労をねぎらう言葉もなく、なんとも味気ないものです。完全オンライン式は非人間的で好きではないからという理由で、これからは査読を断ろうかと考えています。
アナクサゴラスは、いわゆるソクラテス以前の哲学者として知られていますが、原子論者としてのアナクサゴラスというナゾ(国際会議の参加者たちには意味不明に見えるかも知れません)のテーマは、僕が博論を書いているときに出会った不思議な現象がその出発点になっています。いつかはと思いつつ、ずっと実現していなかったプロジェクトなので、時間内に上手くカタチになるか分からないのですが、ついに着手することになります。
ルネサンス期における原子論の復活の流れでいえば、古代ローマの原子論者ルクレティウスに影響をうけたフラカストロと有名な悲劇の哲学者ジョルダーノ・ブルーノのあいだに位置する1550年代くらいが物語の舞台になるかと思います。スカリゲルよりも微妙に前になるのでしょう。
2022. 3. 9 水
先日のタタキ台については、金曜日に話すことになりました。
先日に編者から泣きつかれて、特急で審査をすることになった論文の審査評を提出しました。良いところは良いし、直すべきところは直すように提案しています。なかでも、ネガティヴな意味で「暗黒の」という形容詞を連発するのは、先行研究の議論を批判するためであっても微妙だなと思います。人種差別の含意がある語ですので、できれば置換して欲しいと思います。そういう危惧も書きくわえました。
国際会議マラソンのつぎの行先はスウェーデンです。4月上旬に開催される国際会議は『粉々になる質料形相論』というテーマで、初期近代におけるアリストテレス主義の変容と原子論の復活をさぐるものだと考えれば良いでしょう。発表にむけて原稿を執筆しないといけません。今回は、ルネサンス末期に流布した「原子論者アナクサゴラス」という神話というか誤信に迫るつもりです。
2022. 3. 8 火
僕の新機軸エッセイがお気に召したようで、すすはらいさんがご自身の素晴らしい蔵書から関連書を引きだしながら、ネタバレにならない程度に、素敵な連続ツイートをしてくれました。それをまとめておきましたので、お楽しみください。
3月15日に企画会議があるということなので、講談社現代新書の担当者の方には、1月末から練ってあった企画書のタタキ台をおくりだしました。まずは反応を待ちましょう。
アズーロさんが教えてくれたのですが、『中世思想原典集成』に収録されている純潔同胞団の部分訳は、やっぱりという感じで、知性論についての第32書簡と第33書簡のようです。
2022. 3. 7 月
すすはらいさんは、早速のところ『群像』を入手して僕のエッセイ「謎の魔術書がひらく知のグローバル・ヒストリー」を楽しまれたようです。お気に召したようで嬉しいです!
2022. 3. 6 日
今日はスローな動きでいきます。> 忘れてましたが、僕としては新機軸のエッセイ「謎の魔術書がひらく知のグローバル・ヒストリー」を寄稿した講談社の文芸誌『群像』の4月号が、ついに明日の7日に発売されます。
あのアン・ブレアが主催者のひとりとなっている、ゼンネルトについての国際会議に招待されました。2023年6月に開催の予定だそうです。良い機会ですので、オカルト性質について議論しようかなと思っています。
2022. 3. 5 土
収録や生配信のなかでチャンネル登録に言及するのを忘れがちで、毎回のように後悔していました。神慮めでたく、昨日の生配信では忘れなかったところ、多くの方々に登録いただきました。いつのまにかチャンネル登録者も2000人を超えており、これは本当に嬉しいです。
ふたばさんや長谷川さんの回は祭りとしたので、盛りあがり方も良かったと思います。祭り好きの人は多いと、以前からシシンさんに言われていたのですが、まったくその通りですね。できれば、これからも月イチくらいのペースで祝祭の要素を入れていきたいと思います。
2022. 3. 4 金
朝6時半に起きて、8時からの生配信にそなえました。ハーブや香りの世界で活躍する長谷川弘江さんを特別ゲストに迎えた「ヒルデガルド祭り!」は、大盛況で楽しいものとなりました。20年以上にわたってヒルデガルドとつきあってきた長谷川さんの人間味とヒルデガルドにたいする愛が爆発しているライヴでした。やっぱりライヴは良いですね。
2022. 3. 3 木
結局のところ、昨晩20時(日本時間で午前10時)からスペース対談「ミツミツドキ」の枠組みで、中西さんとアラビアの占星術師アブー・マアシャルについて話をしました。これまでのなかでも、なかなか質の高い対談になったと思います。動画にしてタイミングをみて公開したいと思います。
アメリカの郵便局から発送した本が、日本での配達完了まで詳しく追跡ができるようになっていました。日本とアメリカで追跡のシステムはかなり異なると思うのですが、これには驚きました。同様に、日本の郵便局からアメリカ内での配達まで追跡できるのでしょうか?そちらにも興味があります。
もう今期は論文審査を引きうけないつもりだったのですが、編者の泣きに断りきれず、忙しいのに一件だけ受けることにしました。今日は対象となる原稿を読み、審査評は明日にでも書こうと思います。
2022. 3. 2 水
アラビア占星術を基礎づけたアブー・マアシャルについての論文「アブー・マアシャルの占星術における作用者と影響」Charles Burnett, “Agency and Effect in the Astrology of Abū Ma‘shar of
Balkh (Albumasar),” Oriens 47 (2019), 348-364 を読みました。先日中西さんに質問されたことに関係すると思われる、非常に良い論文です。中西さんに時間があれば、明朝10時のスペース対談「ミツミツドキ」で話せたら良いだろうなと思います。
2022. 3. 1 火
日本時間の午前10時に中西さんとスペース対談「ミツミツドキ」で、アヴィセンナと占星術について話しました。その流れから、今朝は古いのですが、『占星術と人為についてのアヴィセンナの見解』August F.
Mehren, Vues d’Avicenne sur l’astrologie
et sur le rapport de la responsabilité humaine (Louvain: Peeters,
1885) を読みました。星辰の霊魂や地上界への星辰の影響を認めますが、それらは間接因とするのがアヴィセンナの考えだと指摘されています。新しいアヴィセンナの占星術についての本がオーストラリアから2週間後にとどくのですが、分析対象は同じライデン手稿だと推測されます。
つづいて、中西さんが翻訳しているライアナの本からアヴィセンナについての部分を読んでみました。基本的には、アヴィセンナの『治癒の書』を構成する「形而上学」の第9巻での有名な議論を要約するもので、アヴィセンナが名前を出さずに批判していたと考えられるアブー・マアシャルの見解との違いを説明してくれています。
スペースで話したとおり、アヴィセンナは未来予測としての占星術を否定しますが、星辰の霊魂や地上界への影響については認めています。とくに事物の生成の原因を天界的な間接因と地上的な直接因にわける点が特徴といえるかも知れません。これが『医学典範』での議論と、どのくらい整合するのかを見極めたいと思います。