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ごくごく個人的な「本」日記

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201705

 

2017. 5. 31

  今日はゼンネルトフライターグの論争の発端となった部分を、ゼンネルトの証言から読みはじめました。16世紀末から17世紀の前半において、オカルト質についての論争が、なぜこれほどまでに盛りあがるのか、その意味がなんとなく見えてきました。われながら、ちょっと興奮しています。おそらく、これまでの研究はこの点を捉えてこなかったのではないでしょうか?もうちょっと考えがまとまってきたら、この点とはなにかについて、ここにも書こうと思います。

 

 

2017. 5. 30

  メルマガの原稿を推敲して、ドロップしました。また、RSA カンパネッラ・パネルのための要旨と履歴書を書いて、ジャン・ポールに送りだしました。問題ないことを祈ります。> ちょっと修正をもとめられましたが、これで大丈夫でしょう。

 

  この週末はがんばったので、神学論争についての最後のセクションと、全体のイントロをつければ、ゼンネルトについての論文のタタキ台が完成というところまできました。もちろんこれでは30の発表には長いので、このあと短いヴァージョンをつくります。

 

  遅ればせながら、『中世とルネサンスの医学、占星術、魔術:アーバノのピエトロをめぐって  Médecine, astrologie et magie entre Moyen Âge et Renaissance: autour de Pietro d’Abano (Firenze: Sismel, 2013) という国際論集が出ていることに気がつきました。世のピエトロ・マニアは要チェックです!

 

 

2017. 5. 29

  だんだんアブラがのってきている論文執筆に徹したいところですが、そろそろ次号のメルマガを準備しないといけません。今回はどうしましょうか?> 『ジオコスモスの変容』の出版記念トークの後半部にしました。

 

  つぎの RSA ジャン・ポール(ルッカ)が、カンパネッラについてのパネルを組むので誘われていたのですが、どうやら3つのパネルで8の発表者となる大型なものとなったようです。締めきりを過ぎてしまったのので、急いで要旨を書きあげました。8人もいれば、そのまま論集をつくりあげることも可能だと思います。

 

 

2017. 5. 28

  今日も、ゼンネルト4章のテクストうちの12の部分で、枝葉末節を削りつつ議論の流れを整理しました。最後に、今回の目玉となる神学的な議論の部分も書きはじめました。

 

  ガレノスの薬学における「実体全体 substantia tota から出る諸力の理論について、なにか良い研究はないのかなと探しています。まずはコーペンヘイヴァの議論からおさらいをします。とくに新著の内容のチェックを忘れてはいけません。> 読みはじめてみると、彼がこれまで出してきた一連の論文群を再録して、1冊にまとめたものだということが見えてきました。各章は読みやすくなっているし、いろいろ細部の微調整はしたのでしょう。これからは、こちらを使う方が便利かもしれません。

 

 

2017. 5. 27

  ワシントンにきてから早くも2か月が経過しようとしていますが、やっとのことで、なんとなくゼンネルトの議論のツボが見えてきた気がします。今回はすごく時間がかかっています。ベルリン会議まであと3週間となり、ちょっと焦ってますが、もうちょっと見えてきたところで、発表用に30分ヴァージョンを切りだそうと思います。

 

 

2017. 5. 26

  R 君の RSA 用の発表要旨を午前中に添削したので、あとはクレアに見てもらいます。> それが帰ってくる前に、僕の気づいたことを説明する 「論述のアルス」 を、久々に30分ほどオンラインでおこないました。メール以外でまとまった欧文を書くのは、これが初めてだと思われますが、それにしては良くできている方だと思います。説明した留意点を次回に活かしてくれれば、ぐっと成長するでしょう。活かすも活かさないも受け手のこころもち次第ですね。

 

 

2017. 5. 25

  午前中に、ブックガイド計画のための書式についての説明文をチェックして送りかえしました。寄稿予定の皆さんには、明日にはレイアウト見本とともに送りだされると思います。

 

 

2017. 5. 24

  ナンシーさんに論集をプレゼントする会が、63にニューヨークで行われるそうなので、それに参加する方向で調整しています。カルフォルニア在住の編者ギデオンではなく、トニー(グラフトン)とアン(ブレア)が音頭をとっているということです。> 13時半前にブルックリンにあるナンシーさんの家に集合ということになりました。早速のところワシントンからの移動方法を探して、10のフライトで1140に到着する便にしました。空港からは地下鉄で40から1時間くらいです。

 

 

2017. 5. 23

  今日は18時半から、フォルジャーで新たにはじまる展覧会のためのレセプションがありました。

 

  連日ここで紹介しているナンシーさん記念論集は、すでにフィラデルフィアに届いているという気配です。すぐに手にとれないのが残念なところです。ナンシーさんの自伝がついた編者たちのイントロ PDF を無料でダウンロードできます。こちらです。

 

 

2017. 5. 22

  あっというまにアメリカに帰る日となりました。乗り換えがあるので、旅程は長くなると思います。

 

 

2017. 5. 21

  今日は、素晴らしい一日でした。詳しくは、プライヴェート版ブログの記事をおまちください。

 

  木曜日に提案したことを M さんがすぐに実行したので、素晴らしいフットワークだと感心しました。

 

 

2017. 5. 20

  メキシコ滞在については、プライヴェート版ブログにあげる記事をお楽しみに。

 

 

2017. 5. 19

  今日からメキシコにいってきます。月曜の深夜に帰ります。

 

 

2017. 5. 18

  昨晩は、ワシントンに遠征にきている気鋭 M さんと夕飯をいただきながら、について語りあいました。楽しかったです。こんどラジオ対談をすることになりました。お楽しみに!

 

 

2017. 5. 17

  寝ておきたら、昨日ここで書いたナンシーさん記念論集の電子版が出版されていました!と同時に、ラテン語の引用で2カ所ほど誤植を残しました。これは完全オンライン校正の怖さですね。

 

  何回かの微調整を重ねて、はれてブックガイド記事見本もできあがりました。寄稿者のみなさんに、寄稿上の留意点とともに配られる予定です。

 

  あらたに開設したリサーチ・マップのアカウントにデータをいれています。論文は近年のものだけで半分ほどです。ほかにも忘れているアイテムがあるかもしれませんので、まだ完全ではありません。こちらです。

 

 

2017. 5. 16

  スプリンガー書店から、ナンシーさん記念論集の発送先についての確認メールがきました。もちろんステータスはまだ出版準備中ですが、おやっと思ってカタログ頁にいってみると目次がアップされていました。全部で10のようです。いまの段階では、711日にまず電子版が出されるようですが、これは早まるかもしれません。僕のフィエヌス論文は、211-225と決まったようです。

 

 

2017. 5. 15

  今週末にメキシコにいくのですが、行の便がアップデートされたという知らせを受けました。久しぶりです。アカウントをつくっただけで、中身を入れていなかった ORCID リサーチ・マップを更新しました。時間をみつけて徐々に充実させていきます。

 

 

2017. 5. 14

  今日はスローな動きでいきます。

 

 

2017. 5. 13

HAB には所蔵のマイクロフィッシュから画像ファイルをつくるサーヴィスがあることを、オキ君から教えてもらいました。1ショットで50セントなので、50ショットで25ユーロといったところ。それを試してみることにします。普通のスピードで4週間ほどだそうです。

 

 

2017. 5. 12

  いろいろな方面を探しているのですが、どうしても確認できていない2点は、ドイツの HAB にしかみつかりません。おそらく二つがセットで印刷されたのではないかと想像しています。

 

Johannes Freitag, Disputatio medico-philosophica prior de principiis rerum naturalium (Groningen, 1633)*

 

Johannes Freitag, Disputatio medico-philosophica posterior de principiis rerum naturalium (Groningen, 1633)*

 

 

2017. 5. 11

  もともとフライターグは、キミア自体を評価しています。彼の批判は、セヴェリヌスによるパラケルススの解釈、そしてそれをうけついだと彼が見ているゼンネルトです。最初の学生の討論は、まだ穏やかなものですが、二人目・三人目からはタイトルからしてすでに攻撃性をましています。

 

 

2017. 5. 10

  日記の記述が一日遅れています。今日は大雨だったので、家で作業することにしました。

 

  フライターグの著作をいろいろ調べています。データが錯綜していましたが、だいぶ分かってきました。なかでも * をつけたものは彼の学生による討論で、体系的にゼンネルトの批判をおこなわせています。最後のアイテムは、一連の作業の集大成といえるもので、6名の学生の討論をおさめています。図書館のカタログではフライターグの名前で登録されているので、なかなか分かりづらいものでした。最初の3点については内容をおいましたが、残りの2点についてはどうしても電子版が入手できません。

                         

- Noctes medicae, sive de abusu medici tractatus (Frankfurt, 1616)

 

- Aurora medicorum Galeno-chymicroum, seu de resta purgandi methodo e priscae sapientiae decretis postliminio in lucem reducta, et medicamentis purgantibus… tam veterum quam neotericorum et chymistarorum (Frankfurt, 1630)

 

(Conrad Walther) Disputatio medica, calidi innati essentiam juxta veteris medicinae et philosophiae decreta explicans, opposita neotericorum et novatorum paradoxis (Groningen, 1632)*

             

(Jacob Martin) Disputatio medica de morbis substantiae et cognatis quaestionibus contra hujus tempestatis novatores et paradoxologos (Groningen, 1632)*

             

(Heinrich Welman) Disputatio medico-philosophica de formarum origine quam adversus venerandae antiquitati repugnantem neotericorum doctrinam (Groningen, 1633)*

             

(Wilhelm Heinrich Cras) Disputatio medico-philosophica prior de principiis rerum naturalium (Groningen, 1633)*

 

(Jacob Martin) Disputatio medico-philosophica posterior de principiis rerum naturalium (Groningen, 1633)*

 

- Novae sectae Sennerto-Paracelsicae recens in philosophia et medicinam introductae (Amsterdam, 1637)*

 

 

2017. 5. 9

  なぜピエール・ベールの記念碑的な 『歴史批評辞典』 (有名な第5版は1740年)にゼンネルトについての記事があるのか、むかしから不思議に思っていました。まあ、彼が17世紀の科学・医学におおきな影響を放っていたのはたしかです。でも、それは近年になって再確認されたことで、それだけではない気がします。神学論争に巻きこまれたからというのも、考えられます。でも、そういう人物なら沢山いるはずです。

 

  感知できないオカルト性質についてのゼンネルトのテクストを読んでいるうちに、ふといつの間にか旧約聖書の『創世記』にあるヘブライ語をめぐる議論に引っかかり、昨日から今日にかけてずっと彼を批判したフライターグの論争書を検討していました。この本は6部構成ですが、彼の監修のもとに別々の人物が執筆しているようです。彼の友人や生徒ということだと思います。そのなかの一人はゼンネルトの『創世記』の解釈を問題にしていますが、カトリックプロテスタントの両方のソースを使いながら神学的に踏みこんだ議論をしています。なるほど、これに応答するかたちで、ゼンネルトは聖書のヘブライ語をめぐる解釈に踏みこんでいくのですね。少しだけ話が見えてきました。まだ継時的な問題など、わからない部分はいろいろあります。

 

 

2017. 5. 8

  午前中はベルギー関係で書類のスキャンなどをキンコーズでしました。午後は、リチャード(ブルム)夫妻とアフリカ系アメリカ博物館を見学してから、ワシントン近郊の人たちでつくるスピノザ協会のミーティングに参加しました。スピノザの神の概念って、とてもアメリカ的なテーマなのだと実感しました。ユダヤ教キリスト教の背景をもつ人間が緊密に交錯し、そこに科学者・数学者、そしてフェミニストの意見が加わったりして、議論はつきないものでした。僕たちは電車の都合もあり、残念ながら途中で退席しました。

 

 

2017. 5. 7

  昨日の議論の場所は、ゼンネルトの他の著作でも再利用されていることが分かりました。この著作というのは、どうやら生前には発表されなかったもので、持論を容認してくれる各地の新教派の神学校から送られた手紙群から構成されています。とくに僕の気になる部分は、『創世記』のヘブライ語の解釈についての議論です。

 

  17世紀初頭のドイツで動物の発生について議論している医学者が、言いがかりをつけられたことから、持論を正当化するために旧約聖書のヘブライ語の解釈をはじめるなんて、なんだか 『テクストの擁護者たち』 のなかで見かけたような展開になってきました。僕にとっては超絶に面白いのですが、問題はこれをどうやって面白味が分かるように他の人にむかって語るかです。

 

 

2017. 5. 6

  昨日にひきつづき、関連する部分に言及されている神学者のユニウスについて、いろいろ調べています。けっこう多作家ですが、旧約聖書の研究家で『創世記』の注解をいくつか書いています。どうやらそのうちのひとつが、ゼンネルトのソースのようです。> 苦労のすえに引用箇所をなんとか同定できました。

 

 

2017. 5. 5

  早朝に大嵐があって、朝はいろいろなところに影響が出ているような気がします。

 

   いまの作業をはじめて1ヶ月たちますが、やっとのことでエンジンがかかってきています。とくに今日の午後は、なんだか良くわからない部分にひっかかっていました。ゼンネルトには珍しく、旧約聖書にでてくるヘブライ語についての解釈を議論するくだりがあるのです。気にしなければ、パッと過ぎていってしまうような部分ですが、なんだか気になります。

 

 

2017. 5. 4

  日本は連休なのでブックガイド計画の議論は、時差の関係で1日1回のメールのやりとりだけで進んでいます。おもにレイアウトなどについて、話しあっているのですが、いくつか決まったこともあります。30くらいまでは、出版前に電子版が先行公開されます。また一番できの良いものには、賞金つきの特別賞を授与します。

 

 

2017. 5. 3

  リェージュの住民登録をぬく作業のために、ワシントンにあるベルギー領事館にいっていきました。受けつけの人に丁寧な説明をうけて出直しです。やっぱり、ここもベルギーでした!

 

  スプリンガー書店のカタログに、偉大なるナンシーさんを記念する国際論集 『医学史における教授、医師、そして実践Professors, Physicians and Practices in the History of Medicine: Essays in Honor of Nancy Siraisi, ed. Gideon Manning et al. (Springer, 2017) データが入りはじめました。アマゾンでも予約できるようです。紙ヴァージョンは7の予定ですが、電子版は5に出ると聞いています。

 

 

2017. 5. 2

  週末のあいだずっと花粉症に苦しめられたので、どうも疲労がたまっていたようです。比較的に影響の少ないワシントンに戻ってきてからも、今朝は起きられませんでした。

 

 

2017. 5. 1

  今日はフィラデルフィア滞在の最終日ですが、花粉症の症状が激しいのでスローな動きでいきます。ところで、『ピカトリクス』 邦訳版は、アマゾンのヨーロッパ史一般のランキングで3という驚くべき健闘をみせておりますね。これは素晴らしい。

 

  ゴールデン・ウィークのただ中ですが、工作舎のブックガイドに収録する記事のレイアウト案が、ついに送られてきました。細部を詰めて、縦組み・横組みの問題や記事の文字数、そのたの補助項目の文字数とレイアウトを、はやめに決定したいと思っています。

 

 

 

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