占星術いろいろ
その3
『西洋占星術の歴史』
S. J.Tester,
A History of Western Astrology.
Ballantine Books, Woodbridge, 1987.
今はソフトカヴァーのリプリント版になってます
Boydell Press, Woodbridge, 1996.
ISBN 0-85115-446-8 Price 30$@amazon.com
リプリント版のカヴァーのイラストは、12世紀の英国の
古手稿から取られた「ふたご座」の挿画です。
本書は、西洋占星術の歴史を古代から17世紀にかけて総括的に扱った最初の真面目な学術研究です。これ以前には、この著作に匹敵するような企てはなされてためしがありません。(あるいは、少なくともそういった企てが成し遂げられたことはありません)。そう言った意味で、不完全な部分もあるでしょうが、これは基本文献中の基本文献です。あえて欲を言えば、各章が小さめな節に区切られてないで、扱いにくいところが少し残念です。とにかく、古代・中世期の占星術的な「知」のあり方について各著作家・思想家ごとにこと細かく丁寧に解説されています。著者は、もともとは科学史家ではないのですが、本当に良く占星術に関する歴史研究の文献を広く、そして、くまなく読んでいます。ホント、これだけやれば素晴らしいですね。
(その後、このページを見られた識者から情報を得たのですが、本書は1997年に邦訳されています。書誌データは、S.J.テスター著・山本啓二訳『西洋占星術の歴史』 348pp. (恒星社厚生閣、東京、1997年)です。要チェック。)
I. Introduction pp.
1-
イントロダクション
II. From Beginnings to Manilius pp. 11-
発生期からマニリウスまで
III. From Manilius to Vettius Valens pp. 30-
マニリウスからヴェッティウス・ヴァレンスまで
IV. Alexandria to Byzantium : Ptolemy and Later Greek Astology
pp. 57-
アレクサンドリアからビザンティンへ : プトレマイオスと後期ギリシア占星術
V. The latin Middle Ages pp. 98-
ラテン中世における占星術
VI. Renaissance and Enlightenment : The Second Death of Astrology
pp. 204-
ルネサンス期と啓蒙の世紀のおける占星術 : 占星術の第2の死
Index pp. 245-256.