新しい雑誌の紹介
その1
『アリエス』
西欧エソテリスム研究の雑誌
ARIES : Journal for the Study of Western
Esoterism
もともとはフランスはパリでの『ヘルメス主義のカイエ』の運動から生まれた西欧エソテリスム・オカルト哲学の真面目な歴史研究の雑誌で、対外的にはミラノのArche
書店から発売されていました。また、パラケルススのラウンジ(3−1)で紹介した通り、その19号では、『パラケルススとその周辺』と題した特集号も組んでいましたし、そこから新たなフランス語圏におけるパラケルスス研究の核となるようなものができつつあるとラウンジ(4−2)において報告しました。今日(2000年2月18日)受取った情報ですが、ついに、2001年からオランダはライデンの伝統ある老舗出版社の王立学術出版 E. J. Brill 書店から、装いも新たに、『アリエス:西欧エソテリスム研究の雑誌』 ARIES : Journal for the Study of
Western Esoterism となって再出発することになったようです。掲載可能な言語は、英・仏・独・伊の四つです。
編集体制は、パリ・ソルボンヌ大学の高等研の「近現代ヨーロッパにおけるエソテリスム-神秘主義的潮流」という講座とオランダ・アムステルダム大学の「ヘルメス哲学とその関連潮流の歴史」という講座の主催で組まれています。その編集責任者は、ソルボンヌ側から Roland Edighoffer 氏と Antoine Faivre 氏、そしてアムステルダム側から Wouter J. Hanegraaf 氏となっています。
編集ポリシーの翻訳をしておきましょう。「『アリエス』は、近現代西欧文化におけるエソテリスム潮流の研究の全ての側面に関する論文と新刊紹介を歓迎する。古代・中世といった初期の時代に焦点を当てたものは、それが明らかに近現代西欧エソテリスムの研究に関連すると判断された時考慮されるだろう。『西欧エソテリスム』とは、初期近代におけるヘルメス主義といわゆる「オカルト哲学」の復活、そしてその後代の発展形(錬金術、パラケルスス主義、薔薇十字会主義、キリスト教カバラとその発展、神智学的・イルミニスト潮流、19-20世紀の様々なオカルト主義とその関連的な発展形など)を包むと理解される。『アリエス』は、社会学的な手法よりむしろ歴史学的手法に集中するが、歴史学的な枠組み内での社会学的な手法の使用を含めた学際的なアプローチを応援する。『アリエス』は、批判的学術性を歓迎するが、宗教的・イデオロギー的擁護や論争のための舞台ではない。」
ちなみに現在までのパリ版の『アリエス』の編集ボードには、そうそうたる名が連ねられていることを明記しておきます。その一例は、アルファベット順に故人も含めて、ヨアン・クリアーノ、A. G. ディーバス、ミルチャ・エリアーデ、ジョスリン・ゴドウィン、D. P. ウォーカー等、日本でもお馴染みの面々です。
資料請求は、アムステルダム大学 神学および宗教学部 「ヘルメス哲学とその関連潮流の歴史」講座の Andrea Kroon 氏まで。
Drs. Andrea Kroon
Faculty of Humanities, Department of
Theology and Religious Studies
Chair for History of Hermetic Philosophy
and Related Currents
Oudde Turfmarkt 147, NL-1012 GC
Amsterdam The Netherlands
Tel : +31-20-525-3571 Fax
: +31-20-525-3572
e-mail : hermetica@hum.uva.nl