パラケルスス論文



 

 

 

Hiro Hirai

 

パラケルススの鉱物学と宇宙生成論における種子の理論

Logoi spermatikoi and the Concept of Seeds in the Mineralogy and Cosmogony of Paracelsus,”

Revue d’histoire des sciences 61 (2008), i-xxi.

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オリジナル仏語版

ロゴイ・スペルマティコイとパラケルススの鉱物論と宇宙生成論における種子の理論

Les logoi spermatikoi et le concept de semence dans la minéralogie et la cosmogonie de Paracelse

Revue d’histoire des sciences 61 (2008), 245-264.

 

特集号「16-17世紀の自然哲学におけるストア自然学の存在」所収予定

Présence de la physique stoïcienne dans la philosophie naturelle des seizième et dix-septième siècles

 

 

1. イントロダクション  Introduction

2. ストア派、プロティノス、聖アウグスティヌスにおけるロゴス・スペルマティコスの学説 

La doctrine des logoi spermatikoi chez les Stoïciens, Plotin et Augustin

3. パラケルススの鉱物論における種子の理論  Le concept de semence dans la minéralogie de Paracelse

4. パラケルススの『創世記』解釈における種子  Les semences dans l’interprétation paracelsienne de la Genèse

5. マルシリオ・フィチーノの媒介者的な役割  Le rôle intermédiaire de Marsile Ficin

6. 結び  Conclusion

 

 

出版までの流れ

 

2014. 6. 20 金

去年の春と秋に2回ほど校正につきあわされた、僕のパラケルスス論文(2008年)の英語版がオンライン版 (無料)で読めるようになっています。皆さんも、この機会にどうぞ。

 

 

2013. 10. 16 水

  朝からオフィスに来て、菊地原君の第2ゲラの校正指示のリストをチェックしました。そのあとは、僕のパラケルスス論文英語版が雑誌のウェブ版で無料公開されるのですが、その校正をしたものの再チェックの依頼がとつぜん入ってきたので、仕方なく先に片付けました。一般に公開されたら、ここでリンク先をお知らせします。

 

 

2013. 6. 4 火

  パラケルスス論文を寄稿した雑誌から、論文を英語化したものを雑誌のオンライン版に掲載したいという連絡がありました。

 

 

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2009. 6. 7

  午後は英語版パラケルスス論文をもう一回読み直して、細部の微調整をしました。もう、ここまでくると本当に細かい話です。そろそろ今月末が締め切りのクロル論文の作業も射程に入れて作業をしないといけません。これは『ルドルフ2世宮廷と錬金術』という論集に入るものです。

 

 

2009. 6. 6

  今日はパラケルスス論文をアップデートするにあたり、読まなければいけないと思っていた僕の本の出版後に世にだされたマテリアルの消化に務めました。基本的には何かを学ぶというよりは、何がダメなのかをあぶり出しにする作業だといえます。明日は出来上がったものをプリントして通して読み直してみたいと思います。

 

   英語しか読まない人はパラケルススの著作をみるとき、19世紀末に近代ヘルメス主義者アーサー・ウエイトによって英訳された作品集を使うことが多いのですが、なぜかこの作品集は鉱物論については、標準的なズートホフ版のドイツ語全集に入っている正真とされる『鉱物についてDe mineralibus ではなくて、『鉱物のオエコノミアOeconomia Mineralis をメインに据えています。実はこれ、パラケルスス主義者ゲルハルト・ドルンが前者に大幅に手を加えつつラテン語訳した一種の偽作で、1581年に最初の版が出たのち、1583 年と1584 年にも再版されています。しかし、代表的なラテン語版全集 (ジュネーヴ、1658年) には収録されなかったものです。有名なところではオールドロイド1974年の論文で偽作の方をテクストとして用いて議論をし、最近ではノリスが同じ間違いを繰り返しています。独語仏語を読む人間は避けられる間違いですが、英語では誰も指摘していないので、こうした間違いがいつまでも繰り返されるのでしょう。

 

 

2009. 6. 5

  今週は毎日の午後を医学史図書館での写経に費やしているのと、一昨日のボルティモア行き、プラス年度末の連夜の行事で、すっかりしなければならない雑事がたまってしまいました。英語版パラケルスス論文の微調整に集中するのもままならない状態です。あっぷ、あっぷ、しております。> それでも何とかパラケルススの方はそれなりのところまで来ましたので、同僚のジェニーに見てもらうことにしました。ファイルを送り出しました。ふう。過去の記録をみてみると、最初に英語訳したのは何と200610ということで、僕の英語論文の執筆歴でもかなり古いほうに入ります。英語で書いたのはボイル論文が最初ですから、次のキルヒャー論文やシェキウス論文のあとくらいの時代です。そのあとにゲマリプシウスが来て、ゼンネルトになると思います。今だから分かることなのかも知れませんが、まだまだこの時代の僕の英語はスムーズではなく非常に読みにくい感じがします。

 

 

2009. 6. 2

  昨日の夕方から、英語版パラケルスス論文のアップデートを開始しました。基本的には、錬金術師ケントにかなり詳細にプルーフ・リーディングをしてもらったので、それを取り込むことと、最近出た幾つかのパラケルスス関係の文献についてのデータを盛り込むことです。

 

 

2009. 5. 15

  やっとのことで、仏語版パラケルスス論文の掲載された Revue d’histoire des sciences 誌が出版されたようです。CHF にも届いたようなので、すぐにチェックしたいと思います。伝説的な僕のデビュ論文にしてゴーストになってしまったものです。はるか彼方の12の時空を超えて、ついに日の目を見ました。世の中、そういうこともあります。> オフィスに着いたら、何とも大きな包みで抜き刷りの束が届いていました。せっかく荷物を減らせたと思ったのに、また増えてしまいました。とほほ。

 

 

2009. 3. 27

  まだ仏語版パラケルスス論文の載った Revue d’histoire des sciences 誌の特集号「初期近代におけるストア自然学」は出ないのでしょうか?3月初旬という予定だったはずです。

 

 

2009. 2. 26

 パリの RHS 誌から連絡がありました。僕の仏語版パラケルスス論文の掲載される最新号は、予想した通り3月上旬の出版となるようです。なお、論文の頁打ちは pp. 245-264 となるようです。

 

 

2009. 2. 14

  幾つかの図書館カタログのデータから判断すると、仏語版パラケルスス論文の掲載される Revue d’histoire des sciences 誌の最新号は、3月上旬に発刊予定のようです。

 

 

2008. 12. 11

  10年前に執筆して、僕のデビュ作のはずなのにゴーストになっていたパラケルスス論文の校正刷りが届きました。今月の22が締め切りだそうです20頁ありますが頁打ちはまだ分かりませんが、61巻 (20087-12月号) となるようです。これで2008年度の出版物が増えました。

 

 

2008. 9. 22

  Revue d’histoire des sciences 誌に掲載予定の仏語版パラケルスス論文の編集校 (まだ校正校の段階ではありません) が送られてきたので、早速チェックをしました。

 

 

2008. 6. 17

  仏語版パラケルスス論文に微調整をほどこした最終稿を早いところ送り出さないといけません。まだその作業には入れていません。> 作業は簡単に済みましたので、一回だけ見直しをして原稿を送り出しました。あとは、版組みを待つだけです。どれだけかかるでしょうか?ここで夏休みに入ってしまうので、アメリカに行ってから受け取ることになるでしょうね。

 

 

2008. 6. 13

  デビュ論文からいきなりゴーストなのはアダム君だけではなく、僕も実はそうでした。そのパラケルスス論文を含む曰くつきの論文集が、Revue d’histoire des sciences 誌の特集号「初期近代科学におけるストア自然学」という形で、今度こそ発刊に向けて動き出すという知らせが来ました。レフリーの指摘する3点を微調整した上で、すぐに最終稿を提出しないといけません。ま、簡単なことなので問題はありません。そうしたら版組みに入るのでしょうが、そもそも会議が1997年に開かれてから11年ですよ。編集のジョリー氏の責任は大きいですな。

 

 

2008. 3. 4

  パリのクリストフは原稿の最終段階として、英語のプルーフ・リーディングに出しました。早い出来上がりのコースを選んだようなので、24時間以内に結果が帰ってくると思います。> 僕の英語版パラケルスス論文も早いところ出さないといけないですね。

 

 

2008. 2. 29

  今週はポスト・フェステムということで大したことをすることもなく流しましたが、来週からは新しい作業を始めたいと思います。英語版パラケルスス論文を見直して投稿することと、英語版リプシウス論文を完成させることです。3月半ばからは、医学とレトリック関係のセミナーのゲスト講師として呼ばれているので、パリ行きの準備をします。> 午後一杯を使って、ほぼ1年前に英語版を作ったきりで寝かせてあったパラケルスス論文を読み直して、細部に手を入れました。もう何回か読み直して推敲したら、英語のプルーフ・リーディングをしてもらって、予定通りに Journal of the History of Ideas 誌に投稿したいと思います。この論文は、最初のヴァージョンを1997に発表していますから、付き合いの非常に長い腐れ縁となっています。

 

 

***

 

2007. 4. 23

  今日は朝から幾つもメールが来ています。これまでの3週間の何もなさがウソのようです。やっぱり、こうでなくっちゃね。> クリストフは、最近の Isis は近年どんどん社会学的なものに傾いてきているから、むしろゼンネルト論文は Journal of the History of Ideas を狙ったら良いのでは?と言っています。そうですか。僕としては、JHI には英語版のパラケルスス論文を送るつもりでいたので、少し考え直さないといけません。

 

 

2007. 2. 1

  僕のパラケルスス論文の仏語版が掲載予定の Revue d’histoire des sciences 誌のストア自然学特集号の出版が、また延期になりました。今度は2008年前半だそうです。トホホ。ほんとにふざけているとしか言いようがありません。好い加減に見切りをつけて、英語版Journal of the History of Ideas 誌への投稿を急ぎたいと思います。

 

 

2007. 1. 18

   ラリーからキルヒャー論文の英語の直しが帰ってきました。彼がマークを付けたのは4箇所だけです。ちょっと修正の少なさに驚いています。4箇所だけなので、すぐに確認して速攻で送り返しました。1月末までにということなので余裕です。我ながらマーヴェラスなスピードです。この論文は、僕のアメリカ進出の第一弾となります。ラリーの言葉を引用します:

 

              “Thank you for providing so excellent a paper, and for following the editorial guidelines so well !”

 

ま、これがプロの仕事ですね。こうなったら、パラケルスス論文もいつまでも寝かせていないで、さっさと投稿してしまおうと思います。> なお、プロフィールの頁にある作品リストを見て頂くと、それぞれの作品がゆっくりですが、だんだんと着実に出版行程を進んでいく(リストでは近刊の部分で、行程が進むと上に上がって行きます)のが分かります。そうだ、クラシック音楽の世界に倣って、僕も自分の作品に通し番号を付けようかと思います。Op. 3 とかです。

 

 

2006. 11. 2

   2000年に開かれた HAB サマースクールで一緒だったアンドリューから、いきなり5年振りくらいで連絡があり、僕のパラケルスス論文を見せてくれと言ってきました。ちょうど良い機会なので、この夏に英語版も作ったところなので、それを見てくれないか?と聞きつつテクストを送ったら、かなり興奮した様子で返事をしてきました。そして、これは Journal of the History of Ideas に投稿すべきだと言っています。僕としては、もともとそういうつもりだったので渡りに船です。内容を手づかみで理解できる彼にプルーフ・リーディングをしてもらうのが一番良い気がしますので、何とかならないか道を探してみます。

 

 

2006. 9. 25

  それでも何とか集中力を高めて英語版のパラケルスス論文の読み直しを最後まで通しました。だいぶ良くなり、これで人に見せられるくらいのところまで来た感じです。読みたい人は遠慮なくいって下さい。ファイルをお送りします。

 

 

2006. 9. 23

  いつまでたってもパラケルスス論文が収録されるはずのストア自然学に関する論集は出そうにないので、いい加減見切りをつけてパラケルスス論文も英語版にしてしまおうかと思うようになりました。これはひとえに特別号を編集することになっているゲスト・エディターの怠慢によります。いい加減にして欲しいものです。> 思ったが吉日ということで、一日かけてテクスト部を一通り英語化しました。英語論文も4本目とだいぶ慣れて来たので、英語化のスピードも上がってきたと思います。週末に注の部分を英語化し、来週一杯で見直しして、どこかに投稿してしまおうと思います。そうですね、Journal of the History of Ideas でしょうか?狙い目は。英題は、「パラケルススの鉱物学と宇宙生成論における種子の理論Concept of Seeds in the Mineralogy and Cosmogony of Paracelsusです。

 

 

2005. 11. 9

   パラケルスス論文も無事に届いた旨の連絡を受けました。編集・版組みを経て、出るのは来年でしょう。

 

 

2005. 11. 2

  今日も日がな一日パラケルスス論文の細部をいじくっていました。もう何回通して読んだことになるでしょうか?

 

 

2005. 11. 1

  どうも納得がいかない部分がパラケルスス論文にあって、今日はずっとそこばかりをいじっていました。あまり生産的ではなかったですね。

 

 

2005. 10. 30

  パラケルスス論文も終盤戦を迎えています。

 

 

2005. 10. 27

  パラケルスス論文は、だいたい出来上がったと思います。まだ言葉遣いのクセとかに、昔の自分の部分が残っているのですが、もうこれ以上こだわっていても仕方ないでしょう。満足度から言えば、完璧には程遠いのですが、この辺りで良しとしましょう。

 

 

2005. 10. 26

 パラケルスス論文の大体の構成が固まりました。題名は今のところ、「ロゴイ・スペルマティコイとパラケルススの鉱物論と宇宙生成論における種子の理論Les logoi spermatikoi et le concept de semence dans la minéralogie et la cosmogonie de Paracelse という感じです。まだ微調整するかも知れません。8年前に、この論文を最初にフランスの国際会議で発表した時は、フィチーノの部分は、ほんの触り程度という感じだったのですが、その後に大きく研究を進めてスマッシュ・ヒットをモノにできた訳で、そこで得られた知見を大いに増補しました。

 

              1. イントロダクション:種子的理法(ロゴス・スペルマティコス)の学説  Introduction : la doctrine des logoi spermatikoi

              2. ストア派、プロティノス、聖アウグスティヌスにおける種子的原理  Le principe séminal chez les Stoïciens, Plotin et Augustin

              3. パラケルススの鉱物論における種子の理論  Le concept de semence dans la minéralogie de Paracelse

              4. パラケルススの『創世記』解釈における種子  Les semences dans l’interprétation paracelsienne de la Genèse

              5. マルシリオ・フィチーノの媒介者的な役割  Le rôle intermédiaire de Marsile Ficin

              6. 結び  Conclusion

 

 

2005. 10. 25

 パラケルスス論文の化粧直し中ですが、だんだんと手を入れ始めてしまいました。基本的には、僕の本の段階までアップデートしようと思います。しかし、1997年のころの僕の記述は、まだまだ哲学的な色彩が濃く、歴史的なパースペクティヴは弱かった気がします。自分の成長の歩みをまざまざと見せ付けられている気がして、気恥ずかしいですね。まだまだ集中度は60パーセントというところです。

 

 

2005. 10. 24

  今から8年前の1997年に、16-17世紀のストア派の自然学の影響に関するフランスでの国際会議で発表したパラケルススの種子の理論に関する論文が、その国際会議論集が焦げ付いていた関係で、出版がずっと先延ばしになっていたのですが、やっとこのたび出る段取りがついたようで、内容をアップデートして提出しなければいけません。僕の博論の雛形ともいえるもので、まだまだこれ以降に大きく僕自身が成長したわけで、今読み返すとかなり若書きのところがあり恥ずかしいのですが、全面的に書き換えている時間もないので、最低限の化粧直しをだけをして提出するつもりです。出る先は、先日ここにも書いたフランスの雑誌『科学史レヴュRevue d’histoire des sciences です。

 

 

 

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