自然魔術とカバラ
 
 
 
その18
 
『魔術の曖昧な本性:ルネサンスの哲学者、魔法使い、そして儀式』
 
Paola Zambelli,
L'ambigua natura della magia : Filosofi, streghe, riti nel Rinascimento.
2nd enlarged ed. Marsilio, Venezia, 1996.
345pp. +Index、ISBN:88‐317‐6321‐0、Price:18000 Lire
 
  
    本書は、1991年出されたものの増補第2版です。初版は余り有名でないので、この第2版から本書を目にする方も多いと思います。小判ですが、345頁に詳細な注がつく、かなり密度の濃い本で、値段的には大変お買い得です。内容は、3部構成で、(第1部がルネサンスのオカルト思想の概説、第2部が自然魔術について、第3部がヘルメス主義と魔術について、となっています。イタリア語の読める人は、凡百のマズイ一般向け概説書を読むより、一気に本書からルネサンスのオカルト思想史を学ぶと最新学術研究の動向も含めて総括的に捕らえることのできる良書です。収録作品は基本的に、著者がこれまで出版した学術論文からのセレクションに手を加えたものです。
 
「自然魔術とカバラ」へ戻る