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ごくごく個人的な「本」日記

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201811

 

2018. 11. 30

  昨日つくっていた書類を仕上げました。そして各方面に連絡をとりました。返事をまって、つぎの段階へ向かいます。

 

  いま気になっている本は、『プトレマイオスの哲学:生き方としての数学Jacqueline Feke, Ptolemy’s Philosophy: Mathematics as a Way of Life (Chicago UP, 2018) です。占星術の基礎をうちたてたプトレマイオスは、霊魂・生命の秘密を数学によって探ろうとしていたようです。プラトンの『ティマイオス』や、天球の奏でる世界音楽(ムジカ・ムンダーナ)にもつながる、とても刺激的な話なのでしょう。

 

 

2018. 11. 29

  ブックガイド計画のためのクラウド・ファンディングの様子がだいぶ見えてきました。

 

  午後は書類づくりで忙しくしていました。まあ、短時間でだいぶカタチができてきました。明日には仕上げたいと思います。

 

 

2018. 11. 28

  ずいぶんと時間がたちましたが、オックスフォード大学出版からのガレノス・ハンドブック計画について連絡がありました。書式についてと、さらに締め切りが3月初旬に延びるという嬉しい知らせでした。これで、落ちついて作業できますね。

 

  世話になっている出版社から春に出された本の回収の話題が、世間を騒がしています。もともと剽窃を疑われていた人の博論を、そうとは知らずに請けおって、書籍化してしまったということなのでしょう。著者は、出版社と齟齬があったと声明を出しているようですが、通常のやり方にしたがえば出版前に2回の校正刷りのチェックをしておいて、どのような齟齬を意味しているのでしょうか?

 

 

2018. 11. 27

  先週からつづいてブックガイドの作業をしています。今日は3をチェックして、校正指示を送りだしました。序文のタタキ台についての反応は、まだもらっていません。今週は編集会議があり、そこでクラウド・ファンディングのことを決めるので、そちらを優先しているのだと思います。

 

  そろそろメルマガの準備をしないといけませんが、今回はブックガイドのことにしようと思います。> 原稿をドロップしました。配信は122日です。

 

 

2018. 11. 26

  先週の水曜日からブックガイド第1部、金曜日に2、そして今日は3の最初の校正刷りがきました。分量の多い1は大変でしたが、なんとか週末に2をチェックしました。だいぶカタチになってきたと思います。

 

それと前後して、クラウド・ファンディングで使うために序文のタタキ台を書いてみました。幾分にも殴り書きですが、思い当たる点を箇条書きでならべていって、それぞれに肉付けしていっている感じです。最初の原稿を送りだしました。序文のほかに、4部構成の各部の短い扉も書かないといけません。それぞれ見開き2頁でおさまる1000くらいを想定しています。あとは、凡例と寄稿者一覧、最後に頁打ちが確定したところで、目次の作成となるでしょう。目次については、人名およびキーワードにした事項は最低限でも拾おうと思っています。キーワードだけで200個を超えますから、それで十分かもしれません。

 

 

2018. 11. 25

文学フリマに出品された新しい雑誌『機関精神史』の創刊号に掲載されいる高山宏氏のインタヴュで、BH についても言及されているようです。お褒めいただいて、光栄です!なお、この雑誌は「精神史 Geistesgeschichte を旗印にしているようですが、アマゾンなどでは買えないようです。

 

ところで、精神史とは「時代精神 Zeitgeist を炙りだすことを目標とするもので、90年代以降のインテクチュアル・ヒストリーの新潮流とは方向性が異なるものです。そのあたりついては、僕なりにメルマガで説明を試みています。20155月号の「インテレクチュアル・ヒストリーの変遷について」を参考にしてみてください。

 

 

2018. 11. 24

 昨日のつづきで、ドイツの印刷業についての文献をウェブ上で検索しています。この作業は、去年の夏にとりくんでいたシレジア地方の知のコスモスの炙りだしとも関連します。

 

 

2018. 11. 23

  ケルンの印刷業者ビルクマンとパラケルスス関係の出版について調べていて、新しい論文をみつけました。「1596年におけるケルンとトゥルンのトゥルナイサーDiethelm Eikermann, “Köln im Jahr 1596 und Leonhard Thurneysser zum Thurn (1531–1596),” Jahrbuch des Kölnischen Geschichtsvereins 81 (2011–2012), 85–126 です。第5節がケルンにおける初期のパラケルスス主義についてビルクマンの出版を中心にまとめています。

 

 

2018. 11. 22

  こちらは感謝祭で祝日です。今日はスローな動きでいきます。> と思っていたら、ブックガイドの第1部のゲラがきてしまいました。レイアウトの細かい部分にも注意を払わないといけないので、外付けモニターがないと作業するのは難しいと思います。一日がかりで、気がついた点をメモしていきました。

 

 

2018. 11. 21

  この日記ではお馴染みのローマの大橋さんが、ルネサンス期における一大奇書『ポルフィルス狂恋夢』の全訳を出版するようです。1211に発売の予定。あの『ピカトリクス:中世星辰魔術集成』から一年半も経たないうちに、850越えの大冊を世に送りだすとは!BH の特集「大橋コレクション」や『ピカトリクス』についての緊急対談も、よろしくお願いします。

 

 

2018. 11. 20

  昨日の件、たまたま HAB に滞在している友人にチェックしてもらったところ、どうも『事物の本性についてDe natura rerum を拾ってはいないようです。残念。宗教的な検閲について触れているところに注をつけたかったのですが、この件はここまでかも知れません。

 

 

2018. 11. 19

  ルー君による仏語テクストの翻訳を添削しました。

 

  ディディエに指摘された部分を修正・加筆して、偽パラケルスス論文を完成させるべく、作業をしています。その過程で、『カトリック教会と近代科学Ugo Baldini & Leen Spruit (eds.), Catholic Church and Modern Science (Vatican, 2009) の記述を確認したいのですが、収蔵されている図書館が結構かぎられています。> パラケルススについての記述は、3に収録されていることまで突きとめました。あとは、『事物の本性についてDe natura rerum への言及があるかを確認したいと思っています。

 

 

2018. 11. 18

  二日間の停電騒ぎで、今日はまだなにも手につきません。とりあえず、後片づけなどをしています。

 

  フラカストロの詩学について、本をつくる方向で新プロジェクトがスタートしました。まずは、向こう1年を目安に作業していただきます。

 

 

2018. 11. 17

  電力会社から午前中に1チーム、午後に1チームやってきましたが、問題の解決にいたりませんでした。明日以降に持ち越しとなったようです。とほほ。> と思っていたら、22に別のすごいチームがやってきて、1時間後くらいに暖房が復旧しました!

 

 

2018. 11. 16

  インターネットやランプはつくのですが、暖房調理器がまったく使えません。つまり、半・停電ということになります。一日かけて何が原因か探りましたが、電気屋さんに調べてもらったところ、電力会社の240ヴォルトの供給がとまっていると分かりました。

 

  なにもできないので、ドイツ語の本をいろいろダウンロードしています。

 

 

2018. 11. 15

  今シーズンでは最初の雪が降ってきました。かなり積もっています。夕方には、暖房がとまってしまいました。

 

 

2018. 11. 12

  ブックガイド計画からのウェブ連載も、ついに最終回となる20となりました。今回は、岡北一考君によるパノフスキーの名著『イコノロジー研究』の紹介です。皆さん、要チェックです!

 

 

2018. 11. 11

  昨日に引きつづき、別口の書類づくりをしました。先週から今週にかけては、忙しくて首が回りません。

 

 

2018. 11. 10

  書類づくりで忙しい一日が終わりました。

 

 

2018. 11. 9

  ヴェネツィアの国際会議『ガレノスと初期近代人たち』から論集をつくる計画がスタートし、スプリンガー書店の International Archives of the History of Ideas シリーズからの出版を考えているという連絡がきました。11月末までに200の要旨を提出とのこと。う〜ん、僕はオックスフォード出版局から予定されているガレノスについての新しいハンドブックに、論考を回そうかと思っていたので悩みどころです。皆さんは、どう思いますか?ツイッターでアンケートをとってみましょう。

 

 

2018. 11. 8

  古代神学の流れで、ずっと探していた本を入手しました。『月神の都市:ハンの宗教的な伝統Tamara Green, The City of the Moon God: Religious Traditions of Harran (Brill, 1992) です。以前にシンプリキオスを調べていて、謎の都市ハラーンについての研究を読んだことを、この日記にも書きました。もともと異教の栄えた辺境の都市にギリシアの文化が届き、そこでミックスされたものがアラビア世界に流れこんでいくという重要経路の話です。アル・キンディやアブ・マアシャル、タビト・イブン・クッラなどが登場し、アラビア伝統における占星術ヘルメス主義の起源についても議論している楽しい本。最近になって電子版が出ていたようです。

 

  全国のキュモン・マニアには事件です。『ミトラの密儀』が、ついに文庫化されたようです。これはマスト・アイテムです!

 

 

2018. 11. 7

とんでもない、スゴイ本が出るようです。題して、『必携・ルルスとルルス主義 Amy Austin & Mark Johnston (eds.), A Companion to Ramon Llull and Llulism (Brill, 2018) です。これは、長いあいだ待望されていたルルスについての文字どおり必携の入門書となるでしょう。ルルスの記憶術百科全書主義についての今後の議論では、本書はどうしても避けて通れないでしょう。しかし、600近くあって3万円もする本なら、この半分の分量で良いので、価格をせめて1万円前後に落してくれないとツラいですよ

             

Llull and His Contemporaries  18

Llull as Lay Philosopher and Theologian  46

Llull’s “Great Universal Art”  81

Llull and Islam  119

Llull and Inter-Faith Dialogue  146

Llull’s Crusade Treatises  176

Llull and Medieval Exemplary Literature  217

Narrative Structure and Cultural Significance in the Novels of Ramon Llull  305

Llull as Encyclopedist  364

Lullism among French and Spanish Humanists  399

Academic Lullism from the Fourteenth to the Eighteenth Century  437

Llull in Seventeenth-Century England  471

A Lullist in the New World: Bernat Boïl  499

Lullism in New Spain  515

A Lullist in the New World: Junípero Serra  533

 

 

2018. 11. 6

  『錬金術の秘密』のオンライン読書会の第1回目は、今夜21からです。参加者のための連絡用のチャット・ルームを立ちあげました!> 結局のところ、満員御礼であとから参加希望した方は入れないということになり、申し訳ありませんでした。一人だけで読んでいては気がつかないような、読書会ならではの突飛な質問も飛びだし、「めくるめく刺激的な時間でした」という感想をいただき、大変うれしかったです。のちほど、動画も公開します。

 

  それまでとは一線を画するインテレクチュアル・ヒストリーの新潮流が生まれたのは1990年代ですが、それを象徴するような新雑誌があるようです。その名も、『博識と文芸共和国Erudition and the Republic of Letters で、今年で3年目となるようです。『情報爆発』のアン・ブレア氏のお薦めで、僕も注目しています。

 

 

2018. 11. 5

科学史学会のブックフェアでは、 『王権と宇宙:占星術とマクシミリアン一世の政治Darin Hayton, The Crown and the Cosmos: Astrology and the Politics of Maximilian I (University of Pittsburgh Press, 2015) を、最終日セールにより半値22ドルで入手することができました。最近は、初期近代における政治権力と占星術の関係あつかった本が立てつづけに出版されていますが、これもその流れの一角をなします。この流れについては、いつか特集をしてみたいと思っています。

 

 

2018. 11. 4

  東海岸に帰るフライトは23なので、20時ごろに空港に向かうとして、11に宿舎をシェックしたあとに、かなりの時間をつぶさないといけません。シアトル湾の向こう岸にフェリーで行ってみることにしました。1時間ほどかかるのですが、天気が良いせいか、明るい船内はとても心地の良い空間でした。

 

 

2018. 11. 3

  今日は、ファブリツィオが主催している植物についてのセッションに顔を出して、いろいろな質問をしました。昼食に出る前にブックフェアにいってみると、僕の欲しかった占星術についての本が半額になっていたので、すかさず入手しました。詳細については、家に帰ってから来週にでも報告します。もうひとつ目をつけていた本は、割引ではなく、もう一冊別の本をもらえるという方法にかわっており、3冊もってかえるのは重いので、ちょっと及び腰となりました。

 

  午後の後半からラリーとジェニーによる錬金術宮廷文化についてのセッションがあるので、それに顔を出す予定です。

 

 

2018. 11. 2

  時差ボケのせいで朝4時半に目が覚めました。朝食の後まずは、米国科学史学会の開催されている会場に向かい、最初に向かったセッションでラリー(プリンチーペ)に会いました。勁草書房から送られた本が届いているかと聞いたら、まだだというので、万が一のため持っていった『錬金術の秘密』の邦訳版を手渡しました。ラリーは非常に喜んでくれて、いろいろな人に見せていました。

 

  そのあとは中世の物質論にかんするセッションに顔をだし、たくさんの質問をしました。昼食は、近くのディン・タイ・フォンで小龍包などを食べました。午後は、ブックフェアを冷やかして明日の値引きで入手する本をチェックしました。

 

  軽く夕食(残念ながらハズレでした)を食べて、レセプションに顔をだし、ビル(ニューマン)やラリー、その他の人たちと歓談をしました。

 

 

2018. 11. 1

  朝5時半の電車でニューヨークをめざしました。空港には8には着いたでしょうか?11時発のフライトで、西海岸のワシントン州にあるシアトルに向かいます。ヴェネツィアから帰って2で、つぎの遠征に出発するのは強行軍ですね。ちょっと疲れ気味なので、カゼをひかないようにしないといけません。

 

  『錬金術の秘密』のオンライン読書会、その第1回目は116日(火)21時からを予定しています。第1章を読みます。あと1-2の参加者が必要です。参加ご希望の方は、僕まで連絡ください!

 

 

 

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