新刊案内
その23
『魔術の曖昧な本性:ルネサンスの哲学者、魔法使い、そして儀式』
Paola Zambelli,
L'ambigua natura della magia : Filosofi,
streghe, riti nel Rinascimento.
2nd enlarged ed. Marsilio, Venezia, 1996.
345pp. +Index、ISBN:8831763210、Price:18000 Lire
本書は、1991年出されたものの増補第2版です。初版は余り有名でないので、この第2版から本書を目にする方も多いと思います。小判ですが、345頁に詳細な注がつく、かなり密度の濃い本で、値段的には大変お買い得です。内容は、3部構成で、(第1部がルネサンスのオカルト思想の概説、第2部が自然魔術について、第3部がヘルメス主義と魔術について、となっています。イタリア語の読める人は、凡百のマズイ一般向け概説書を読むより、一気に本書からルネサンスのオカルト思想史を学ぶと最新学術研究の動向も含めて総括的に捕らえることのできる良書です。収録作品は基本的に、著者がこれまで出版した学術論文からのセレクションに手を加えたものです。
L'utopia magica del Rinascimento
ルネサンスの魔術的ユートピア
1. Teorie su astologia, magia, e alchimia (1348-1586) nelle interpretazione
recenti p.5-
近年の研究に見る占星術、魔術、錬金術の理論
2. Platone, Ficino e la magia p.29-
プラトン、フィッチーノ、そして魔術
3. L'immaginazione e il suo potere. Desiderio e fantasia psicosomatica o
transitiva. p.53-
イマジナシオンとその媒体:欲望と心身相関あるいは超越のファンタジア
4. La critica dell'astrologia e la medicina umanistica p.76-
占星術批判と人文主義医学
La magia naturale di fronte alla stregoneria
妖術使いに対する自然魔術
5. Il problema della magia naturale nel Rinascimento p.121-
ルネサンスにおける自然魔術の問題
6. Propaganda e altri usi di astrologia e magia p.153-
占星術と魔術の使用に対するプロパガンダその他
7. L'eredita pichiana in mano agli inquisitori: il caso du
Gianfranscesco p.177-
異端審問官の手中にあるピコの遺産:ジャン・フランチェスコの場合
8. Magia e sistemi: Platonici e aristotelici di fronte a divinazione, prodigi,
stregoneria e eresia p.211-
魔術と体系:占い、超自然現象、妖術と異端に対するプラトン主義者とアリストテレス主義者
Ermetismo e magia
ヘルメス主義と魔術
9. Il mito attuale dell'ermetismo e il dibattito
stroriografico p.251-
ヘルメス主義の現在の神話と歴史学的論争
Indici dei nomi
人名索引