ルネサンス・バロックの科学・文化・思想
新刊書案内
その２１
『16-17世紀の科学と知』
Gerard Simon,
Sciences et
savoirs aux XVIe et XVIIe siecles.
Septentrion, Lille, 1996.
225pp. +Index ISBN 2-85939-506-7 Price 160FF
本書は、フランスの大ケプラー学者ジェラール・シモン氏の退官記念の論集で、氏がそれまでに発表した論文を集めたものです。ここでの主なテーマは、ケプラー、デラ・ポルタ、デカルトの３人です。シモン氏には僕の博士論文の審査会の委員長を務めてもらったこともあって、それまで敬遠していた天文学史関係の本を読むようになった切っ掛けを与えてくれました。実際、前からスゴイらしいと感じていましたが、なかなか時間が取れなくて読む機会がなかった氏のマスターピースである 『ケプラー、天文学者・占星術師』 （Kepler,
astromone astrologue. Gallimard, 1979） には大きな感銘を受けました。基本的に、伝統的なスタイルの科学史研究のフレーム中で占星術や「擬似」科学とレッテルを貼られていた分野が真面目な研究課題に値することを身をもって示してきた70年代半ばから90年代半ばまでのフランスの科学史界を支えてきた人物です。
1．De la reconstitution du passe
scientifique p.11-
科学の過去の再構成
I. Le finalisme latent de l'histoire des
sciences
科学史の潜在的決定論
II. La banalisation de l'optique du rayon visuel
視覚光線の光学の一般化
III. Le rayon visuel et statut de l'image
視覚光線と像の位置付け
IV Deconstruction de l'interpretation et condition de
possibilite de sens
解釈の破壊と感覚可能性の条件
Conclusion
結び
2．La
"Physiognomie humaine" de Porta p.31-
ポルタの『人間体型論』
3．Sur
un mode de meconnaissance au XVIe siecle : Porta et l'occulte
p.49-
16世紀における不認識の一パターンについて：ポルタとオカルト
4．L'astrologie
dans la pensee du XVIe siecle p.63-
16世紀の思想における占星術
I. Les trois fondaments de la prevision astrologique
selon Kepler
ケプラーにおける占星術的予見の３つの基礎
II. L'astrologie et son fond culturel
占星術と文化的基盤
5．Kepler
ou les lecons d'un contre-exemple en epistemologie p.77-
ケプラーあるいは認識論における一つの反証の教え
6．Le "Songe" de
Kepler p.103-
ケプラーの『夢』
7．Descartes
incertain, mais pas inutile p.113-
デカルトは不確か、けれども不用でない
8．Les
verites eternelles de Descartes, evidences ontologiques
p.123-
デカルトの永遠なる真理、存在論的証拠
9．Descartes,
le reve et la philosophie au XVIIe siecle. p.137-
デカルト、17世紀における夢と哲学
10．Les
machines au XVIIe siecle : usage, typologie, resonances
symboliques p.161-
17世紀における機械：使用、類型学、シンボル的響き
11．Mais
qui donc etait Newton? p.183-
ニュートンとは誰だったのか？
12．Quand
la science etait metaphysicienne p.201-
科学が形而上学的であった時代