ごくごく個人的な「本」日記
2020年5月
2020. 5. 31 日
今日は第6章の第3節の前半をゆっくりと読みなおしました。ここではエウゼビオスとその後継者たちの教会史が、ローマ帝国の東西でたどる運命が議論されます。しかし東側の流れはあんがい短く、議論の大半は西側の流れについて、とくに中世ヨーロッパの話が中心となります。
2020. 5. 30 土
第6章の第2節を読みなおしました。だいたいこれで、大丈夫でしょう。教父エウセビオスの仕事の意味を、彼の先行者と後続者たちと比較しながら浮きぼりにしていく部分です。最初にチェックしたときは、東ローマにおけるキリスト教の歴史について理解していないと難しく思えたのですが、だいぶこなれてスラスラと読めるようになったと思います。
2020. 5. 29 金
今日は第6章をとおして読みなおす作業をはじめたのですが、うまく集中できなかったのか、難しかったのか、翻訳校で5頁あまりの第1節だけしかできませんでした。明日から、がんばります!
2020. 5. 28 木
ついに第6章の最後までチェックが到達しました。一回とおして読みなおして、第6章の作業を完成としたいと思います。これまでのペースですと、2〜3日ほどかかるかと思います。
この作業が終わったら、つぎの段階として全体の統一と、最低限の訳注をつける作業をしたいと思います。最初はいつもどおり、訳注はなしでいくつもりでしたが、原注がないことから、どうしても説明が避けられないものがあり、それなら全体をとおして作業するしかないだろうと思います。1か月もかからないでしょう。
2020. 5. 27 水
今日は翻訳校で4頁ほど進みました。中世ヨーロッパにおけるエウセビオスの教会史の伝統をあつかう部分でした。ついに残りは、泣いても笑っても翻訳校で3頁となりました。明日にはなんとかなるでしょう!
2020. 5. 26 火
今日は昨日の遅れをとり戻すために、がんばって翻訳校の11頁まで進み、第2節までを終わらせました。残りは第3節の7頁ですので、2日分の作業量で済むと思います。ここでは西ローマと東ローマの関係がややこしいので、あとで落ちついて見なおす必要があります。
2020. 5. 25 月
最終章ととなる第6章のチェックをはじめました。今日は作業の開始がおそかったので、翻訳校で3頁ほど進むのがやっとでした。しかし残りは16頁です。1日に4頁ずつなら、4日でなんとか最後まで到達します。
2020. 5. 24 日
ついに第5章もほぼ完成しました。ふう。
2020. 5. 23 土
今日はちょっと一休みして、ほかのことはしていません。
木曜日にここに箇条書きしたことを FB 版のBHに投稿したあと、なかなか気に入っている内容なので、もうすこし言葉を補ったりして、ノートでも「モミリアーノ計画をめぐる夢想(1)類型学」という記事にしました。最後のものが、もっとも充実した記述になっていると思います。こちらです。
2020. 5. 22 金
スプリンガー書店の『初期近代哲学辞典』に、ついにアマデオ君の記事「ホムンクルス」が先行公開されました。こちらから無料ダウンロードできます。同時に僕にも種子の理論についての記事のプルーフが届いたので、3カ所だけ修正案を記して送りかえしました。そのうちに出版されるでしょう。
今日は第5章の後半を読みなおしましたが、残り数頁のところで時間切れとなりました。予想はしていたとおり、あと半日ほど必要です。
2020. 5. 21 木
学術雑誌 Perspectives on Science から投稿論文の審査依頼がきました。18世紀のことを扱ったものですが、ルネサンス期の宇宙観に近いものなので、僕のところにきたのでしょう。ご指名を受けるのは嬉しいですが、いまはモミリアーノ計画で忙しいので辞退する方向で考えています。
今日は、第5章の前半分をじっくりと読みなおして、推敲を進めました。昨晩の睡眠時間がすくなかったわりには、なんとか午後の早い時間までもちました。明日は、残りの部分を読みなおします。
昔からもっている素朴な疑問に、なぜ哲学者の多くはルネサンスを嫌うのかという問題があります。モミリアーノ計画を進めるなかで考えていることですが、ルネサンス期は古代のアレクサンドリアで栄えたタイプの学問の影響を大きく受けていると思えます。アレクサンドリアでは細部に関心をもち、多くのデータを収集して、分類していくことが流行るのです。アリストテレスの『動物誌』を手本に、彼の学派を中心とした類型学的なアプローチが好まれます。モミリアーノは、それを「体系的」な手法と呼びますが、百科全書的といっても良いかも知れません。
普遍と個別という言い方をすれば、個別に人々の関心が向かうのです。地理的な拡大を背景にして、自然誌の手法がルネサンス期に流行するのも、理解されるかと思います。まさにカルダーノによる夢の類型学も、この流れにあるといって良いでしょう。たしかにデカルトは、個々の事物の類型よりも普遍的なものを希求したのでしょう。だから中世の哲学者たちから、一気にデカルトにつなげたくなる気持ちも理解しないではないですが、やはりそれは現実を無視したネオ発展史観でしかないと思います。
近代科学の誕生には、圧倒的なデータの収集と解析という作業が不可欠で、まさにこの領域にルネサンスの類型学的な作業は大きなインパクトをもつわけです。18世紀における植物学や動物学などの領域が隆盛をきわめるのも、ルネサンス期の準備作業がなければ成立しません。もし近代以降に哲学の相対的な立場が科学にたいして弱くなっていくのだとしたら、哲学はこの類型学的な次元を取りこめなかったからではないでしょうか?
ちなみにモミリアーノは、まさに近現代の社会学や人類学が、この「体系的」な手法を吸収して誕生すると説明しています。
2020. 5. 20 水
昨晩からちょっと体調を崩しているのですが、なんとか第5章のチェックも最後までできました。あと一回じっくりと読みなおして、推敲すれば大丈夫でしょう。今週後半で、その作業をゆるゆるとやれば、来週からは最終の第6章に入れます。全体としても、156頁の原文の130頁が終わりました。あと6分の1でしょうか。
現在進行中のモミリアーノ計画を盛りあげるために、勁草書房編集部の『けいそうビブリオフィル』のなかにある「BH叢書のコスモス」のコーナーにも、新しいコンテンツをあげようということで、動画『インテレクチュアル・ヒストリー入門』を先行公開する投稿をしていただきました。公開授業と思って、どうか皆さん、お楽しみください!
2020. 5. 19 火
翻訳校でのこり3頁のところまできました。あと1日の作業でいったん第5章を踏破できます。そのあとに通してじっくりと読みなおさないといけません。この作業には第4章のときに3日かかりましたから、今回もそれなりに時間がかかるでしょう。それでも、どう考えても今月中には、なんとか第5章も完成させることができると思います。
2020. 5. 18 月
今日はなかなか頑張って、翻訳校で21頁のなかの14頁まできました。この章も3分2まで到達したことになります。作業をはじめるのがお昼ごろと少し遅かったのですが、そのせいか夜遅くまでかかってしまいました。ちょうどルネサンス期におけるタキトゥスの受容をあつかう部分となります。
2020. 5. 17 日
昨日と今日の作業で、翻訳校にして22頁のなかの9頁まで到達しました。半分をすこし欠けるといったところです。このままのペースだとすると、あと3日の作業が最低でも必要ですね。まあ、25日くらいまでには第5章のチェックを終わらせることができるでしょう。やはり6月半ばに全体を終わらせるというのが、現実な線でしょうね。
2020. 5. 16 土
今日は第5章の作業にとりかかりました。この章は長尺の3節で構成されており、1日の作業分ごとに分割するのが容易ではありませんが、1回につき4頁から5頁を目指したいと思います。
2020. 5. 15 金
大仕事を終わったばかりのローマの大橋さんと、オンラインで2時間ほどいろいろな話をしました。前回お会いしたのは、ローマを訪れた2016年の夏ですから、もうかれこれ4年近くになります。2か月にわたるロックダウン下でなかなか大変な生活でしょうが、お元気そうでなによりでした。
つぎの本は6月3日の発売を予定しているそうで、そのころになったら詳細について書きたいと思います。目下のところ、販促のためにラジオ対談をしたいと思っています。版元の八坂書房の粋な計らいで、僕も見本を送ってもらえることになっています。
2020. 5. 14 木
ついに第4章の見直しを終わることができました。これで良いでしょう。つぎからは第5章のチェックに移ります。なんとしても、今月中には第5章を終わらせたいものです。
2020. 5. 13 水
昨日から第4章をじっくりと読みなおしていますが、思ったよりも時間がかかります。今日の作業で3分の2まできました。もう一日必要でしょう。ローマ最初の歴史家といわれるファビウス・ピクトルの仕事とその影響についての議論です。彼は、古代ギリシアの伝統からなにを学び、どのように活かしたのでしょうか?
2020. 5. 12 火
勁草書房の編集部が『けいそうビブリオフィル』という専用サイトを運営しているのは、皆さんもご存じだと思います。そのなかにある「BH叢書のコスモス」のコーナーに、久しぶりに新アイテムを投入する方向で調整中です。鋭意進行中のモミリアーノ計画を盛りあげるアイデアの一環です。準備にすこし時間がかかりますので、もう少々お待ちください。
2020. 5. 11 月
ついに第4章のチェック作業を完走しました。明日にでも、もういちど読みなおして完成としたいと思います。全体の頁数でいうと、160頁のうちの110頁まできています。のこりは50頁ほどです。3分の1といったところでしょうか?あとは5月中にすくなくとも第5章、それから6月前半までに第6章をできれば、僕の方からは全体の完成です。原著にはないのですが、どういう図版をいれると効果的か、ちょっと考えはじめています。
2020. 5. 10 日
今日中に第4章を終わらせられるかとも思っていたのですが、それは欲張りすぎだったようです。第9節をチェックするだけにとどまりました。まあ、これくらいが人間的なペースなのかもしれません。
2020. 5. 9 土
つづいて第8節を終わりました。第4章の残りは翻訳校でいうと6頁で、これまでのペースでいけば、これは1日半の作業に当たります。まあ、おそくても月曜日にはなんとかなるでしょうか?
2020. 5. 8 金
このながい第7節はなかなか厳しいだろうなと想像していたのですが、なんとか乗りきりました。ふう。第4章もこれで3分の2を終了し、あと2日あれば終わらせられそうです。本の全体としても、あと3分の1というところに到達しそうです。
スプリンガー書店の『初期近代哲学辞典』の方は、残っていた質料形相論とリバヴィウスについての記事が到着し、僕の編集担当するキミア部門も、全部の原稿がそろいました。数週間のうちにすべてオンラインで先行出版されることでしょう。
2020. 5. 7 木
今日はとりなおして、第4章の短めの第5節と第6節をおこないました。しかし、まだまだ半分まで到達していません。この章は長いです。石のうえにも3年の気分です。
2020. 5. 6 水
今日は夜に良く眠れなかったので、どうもイマイチなのです。それでも第4章の第4節だけはチェックをこなしました。まあ、そういう日もあります。
2020. 5. 5 火
さあ、第4章の作業にはいりました。この章は訳稿で28頁とほかの章より長く、より多くの節に分かれています。今日は第1節から第3節までチェックしました。それでも分量的にはこれまでと同じくらいになります。議論の内容は、まだ序論といった感じです。
2020. 5. 4 月
今日は第3章を読みなおして、細部を微調整をしました。まあ、これで良いでしょう。送りだす前に、福西さんと訳語をいくつか相談しないといけません。おもに
antiquarian という用語を尚古家と古物研究と訳すとトリッキーなので、尚古学や尚古研究の方がわかりやすいのではないかという点と、erudition は博識や博学の方が良いのではないかという点です。
2020. 5. 3 日
じつは昨晩にがんばったので、第3章の全体のチェックが今日の作業でほぼ完了しました。もう一回、全体を読みなおして送りだしたいと思います。この作業もだんだんとアブラがのってきました。本全体の半分を超えました!
2020. 5. 2 土
週末ですが、作業をつづけています。今日は短い第5節と、第6節の2頁をおこないました。これで残りは4頁です。しかし、この第3章は尚古主義をあつかっていて、とても興味ぶかいですね。
2020. 5. 1 金
今日は第3章の第4節をチェックします。ここは短めなので、いつもより早めに終了しました。このくらいの分量が人間的ですね。あと第5節と第6節でこの章も終わります。そのあたりで、ちょうど本の半分を踏破したことになります。