ごくごく個人的な「本」日記
2015年9月
2015. 9. 30 水
次号のメルマガをドロップしました。先月に下北沢の本屋 B&B でおこなわれた 『テクストの擁護者たち』 出版記念のトーク・イヴェントから訳者の福西さんとの翻訳裏話を中心にした第1部を文字に起こしました。残念ながら会場に来られなくて涙を飲んだ方々にも、あの感動をふたたびお送りします。配信は10月2日です!
ここで書いたか忘れましたが、『テクストの擁護者たち』
が出版されてから、それまで錯綜していたアマゾンの著者ページがひとつに統一されてデザインもすっきりし、気に入っています。
2015. 9. 29 火
2012年にピッツバーグでおこなわれた国際会議からの豪華執筆陣による論集 『初期近代の医学と哲学』
Peter
Distelzweig et al (eds.), Early Modern
Medicine and Philosophy (Springer, 2015) は、11月20日の発売予定になっているようです。この夏休みに校正をしたときには、9月末といわれたのですが、それは現実的ではないと感じました。これで、いつでるか決まったようです。しかし、なぜ哲学のシリーズってデザインに味気がないのでしょうね?でも、中身は良いですよ!
つぎのメルマガの準備もしないといけません。なににしましょうか?ヨシ君の1週間の滞在のレポートにしましょうか?それとも、8月のトークショーの内容を書きおこしましょうか?
2015. 9. 28 月
お昼過ぎからオンライン読書会「ダニエル書を読む」の第2回をおこないました。ファンタジーにあふれる本当に面白いテクストで、僕はとても気に入っています。われらが英雄のダニエルの行く手には夢解釈あり、預言あり、怪獣あり、人間味あふれるダメな王様たちありと、なんとも楽しいものです。ヨーロッパ文化では、画家レンブラントをはじめ、いろいろな芸術家に霊感を与えたというのも納得できます。また今回の特徴として、参加者の大半は一般の女性たちというのも注目点です!
今日はフィラデルフィアとサンフランシスコのあいだのフライトも予約しました。
ニューアーク 10:30―サンフランシスコ 2:00
サンフランシスコ 8:00―ニューアーク 16:30
僕の動きがスローだったので関係者の皆さんをヤキモキさせましたが、カナダのリチャードから非常に好意的な返事がありました。2月13-20日がタームの休みなので、トヤマ計画の開催がそのときに当たると最高だといっています。
2015. 9. 27 日
アメリカ科学史学会が11月19-21日にサンフランシスコでおこなわれます。まずは今日、アメリカ行の航空券を入手しました。自分のメモ用にフライトの日時をここに書いておきます。数日ほどフィラデルフィアに滞在したあとに現地に向かいますが、そちらのフライトは別に調べないといけません。
ブリュッセル 11月14日(土)10:10―ニューヨーク 12:45
ニューヨーク 11月23日(月)19:30―ブリュッセル 09:00(火)
2015. 9. 26 土
ディディエと来年の夏に、イタリアのコモ湖畔にあるヴィラ・ヴィゴーニという風光明媚なところで国際会議 『偽パラケルスス:初期近代の医学と自然哲学における錬金術と偽造文書』 Pseudo-Paracelsus:
Alchemy and Forgery in Early Modern Medicine and Natural Philosophy を開きます。クレアに簡単な専用ウェブサイトをつくってもらいましたので、お披露目します。キミア研究の世界最高峰のゲスト群に交えて、世界中から若手研究者や博論生を積極的に採用するために発表者を公募します。締め切りは、1月1日です!
2015. 9. 25 金
案の定、フラフラで今日は朝から使いものにならないと悟り、早目にオフィスから撤退することにしました。長いことずっと控えていたレッドブルにてドーピングして電車に乗りました。> ということで、16時にはリェージュに帰ってきました。
クレッグによるアリストテレス主義の歴史についての本を書評して、去年12月初めに Isis 誌に提出していました。はや10カ月が経つということで、どうなっているのかなと思いたち、編集部に問い合わせてみました。すぐに返事があり、今年の12月号に掲載されるようです。なんとも時間がかかりましたが、問題なく出るとわかって良かったです。
2015. 9. 24 木
今日は書類づくりをはじめました。でも、3週間つづいたB計画のための突貫工事と、1週間のヨシ君の滞在のアテンドが重なったので、どうも疲れがたまっているかも知れません。カゼをひかないようにヴィタミン剤を飲みます。
2015. 9. 23 水
ここ3週間ほど集中的にとり組んでいたB計画も、図版のキャプションと文献表ともにほぼ完成しましたので、出版社の方に送りだしました。読んでいただいて、10月の編集会議に備えます。著者のプロフィールもそろったので、この時点ではもう準備すべきものはないでしょうかね。しかし訳者には急ぎ足の作業をお願いしたので、さぞかし根を詰めたかとは思います。でも弱音もはかず、立派な仕事をなしとげて頂きました。リスペクト!
短い期間でしたが、ヨシ君のナイメーヘン滞在も今日が最後です。明日はロッテルダムに旅立ちます。数日滞在したあとに日本に帰るようです。
2015. 9. 22 火
午前中の作業で、B計画はテクストも注もほぼ終わりました。あと残すは図版の簡単なキャプションと文献表です。明日の作業で終わりにできるでしょう。午後はヨシ君の本について相談しました。今日は、いろいろあって大変でした。
BHでも、もうおなじみの赤江君から献本をいただきました。『托鉢修道会の説教集:その形成から受容まで』 Yuichi Akae, A
Mendicant Sermon Collection from Composition to Reception (Turnhout:
Brepols, 2014) という、なんとも立派な一冊です。ありがとうございます!
2015. 9. 21 月
特別に今週はヨシ君と今日からオフィスに出ます。9時半の電車に乗ってナイメーヘンをめざしました。
ついにB計画は全体の訳文チェックも終わりました。ここまで3週間、がんばった訳者の方のガッツに乾杯です。また108点!の図版が入るべき位置もしっかりと通し番号で指示しました。これから最終チェックの段階にはいります。紙にプリント・アウトして、ゆっくり進みます。
2015. 9. 20 日
ヨシ君のBH本館への滞在もあっという間に終わろうとしています。仏語圏のお祭りに重なり、町を満喫できたのではないでしょうか?明日はナイメーヘンに戻ります。僕としては特別に長い1週間となります。
B計画の訳文チェックも、ランディーノとロレンツォの残っていたものは終わり、最後にポリツィアーノの『スタンツェ』の訳が済めば完了です。あとは保留にしてある訳語を幾つか確認し、図の表示を挿入すれば良いでしょう。
2015. 9. 19 土
午前中にヨシ君の洗濯につき合い、午後はB計画のために注を整える作業をおこないました。夕飯のあと22時くらいに訳文チェックが送られてきましたので、ついでに幾つか残っている長めの引用を訳してみました。でもまだ、あと3つくらい残っています。
2015. 9. 18 金
午前中のセミナーでヨシ君の発表がありました。よく出来ていたと思います。皆さんのリアクションも良かったです。午後は、電車に乗ってリェージュへ向かいました。夕飯はギリシア料理。いろいろな話をしましたね。
2015. 9. 17 木
今日はヨシ君と一緒に朝からオフィスへ。10月に向けての書類づくりも本格的に開始しました。まずは、チームづくりからです。方々へメールを書いて、返事をいただいて終わった感じです。仕事のできる人は、やはり返事の早い人ですね!
ついにB計画では、105頁の最後まで最初の訳文チェックができました。あとは、ところどころに残っているフィチーノやランディーノ、そしてロレンツォからの引用と脚注を片づけないといけませんが、日本の連休中にはなんとかなると思います。
2015. 9. 16 水
いつもの9時半の電車でオランダのオフィスに向かいました。予定どおり12時半について、アムスから到着していたヨシ君と合流しました。そのままバスでオフィスに向かい、クリストフに紹介しつつオフィスの鍵をもらいました。いつもより早めの17時過ぎにオフィスを出て、宿舎に到着し、2時間後に夕飯を食べに街中にでました。
宿舎に着いたときにB計画のための訳文が届いたので、夕食の前と後に作業しました。105頁のうち99頁まできました。もう少しです!
2015. 9. 15 火
B計画の方は、今夜で訳文チェックが105頁のうちの88頁まできました。本当に、もうあと一息です。がんばりましょう!
10日ほどオランダに来る予定のヨシ君は、定刻の18時過ぎに到着したようです。明日のお昼に合流します。
2015. 9. 14 月
秋学期になり、BH主催のオンライン読書会も再開することになりました。今回は夏休みあけのウォームアップという感じで、旧約聖書の『ダニエル書』を、3回にわけて読むことにしています。今日は日本時間の20時から第1回目をおこない、第1章から第3章までを読みました。参加者にも好評で、なかなか楽しく役に立つものだったと思います。関連ツイートのまとめは、こちらです。次回は9月28日(月)の20時から、第4章から第7章を読みます。
つづけているB計画の作業ですが、今日は71-79頁の訳文をチェックしました。これで105頁のうちに4分の3を終えたことになるでしょう。あと2〜3回でテクストの部分は終わるでしょうか。そのあとは、長めなものが沢山ある引用および注の整備です。もう少しですので、がんばりましょう!>
送り出したあとに、プロティノスからの引用はすぐにできるなと思いつき、それを付加した修正版をおくりだしました。
2015. 9. 13 日
昨日の帰りの電車のなかで、『テクストの擁護者たち』の巻末につけた僕の解説文「インテレクチュアル・ヒストリーの新しい時代:解題にかえて」(pp. 461-468)をできるだけ他人目線で読み直しました。最初のたたき台となったヴァージョンをいろいろな人にみせて、さまざまな意見をもらいながら研磨したものです。そのおかげあってか、自分でいうのもなんですが、なかなかよく書けていると思います。やはり、書き物を発表前に人にみせて意見を聞くというのは、いつの時代でも鉄則ですね。
今夜も21時ごろに訳文がきたので、こんなに遅い時間からチェックを開始し、なんとか午前2時に終わりました。105頁のうち68頁まできたので、3分の2という感じです。訳者さんは宵っ張りのようなのですが、もうちょっと早い時間ですと助かります。
2015. 9. 12 土
今日は朝10時から16時まで B 計画の訳文チェックをおこないました。105頁のうちの45頁を終わりました。もう少しで半分です。がんばりましょう!> そのあとに2便目のチェックを21時から朝2時までつづけました。これでついに50頁まできました。
2015. 9. 11 金
今日は朝からデルポイの神殿にいる巫女さまから神託がくだったような感じで、B計画に大幅な推進力が加わりました。おかげで年末・年始は休みなしの突貫工事になるかもしれませんが、BHファンの皆さまに来春までにビッグなプレゼントを準備できそうです。がんばりましょう!
お昼のあとは簡単な作業をして、リェージュに向かう電車に乗り込みました。
2015. 9. 10 木
この春から始動したB計画も、訳文チェックのほぼ3分の1を終了しました。この調子でいけば、9月中にだいたいのかたちにできるかも知れません。今回は芸術を扱っていますので、美しい図版多数のプロダクトになると思います。皆さんの応援をよろしくお願いします!
この月曜日からはじまるオンライン読書会では、旧約聖書の『ダニエル書』を3回にわけて読む予定です。ぞくぞくと参加希望者から連絡が来ています。気軽な気分で聴講できるオブザーヴァ枠もありますし、いまからでも遅くありませんので、関心のある方は遠慮せずに連絡してください。楽しいですよ!
2015. 9. 9 水
今日は移動日です。久しぶりにオランダのオフィスにきました。たまった郵便物を片づけ、郵便に出さないといけないものを梱包し、いろいろ山積した書類群をスキャンします。こうしてスキャンすると、あたかも読んだ気になるところが危ないですね。最後に、『テクストの擁護者たち』の邦訳が出されたことを報告するために、トニーに簡単な手紙を書きました。
2015. 9. 8 火
昨日から断続的におこなっていた作業は、それなりに立派なリストができたなと思えるところまできました。出版社の判断にもよりますが、僕としてはプロ・アマを問わず、一人でも多くの人に寄稿してもらう読者参加型のプロジェクトにしたいと思っています。しかも、カギとなるアイテムについては、紹介動画もつくろうと考えています。こんなのって、これまでなかったと思いますよ。> とりあえず、パイロット版としてキルヒャーの『普遍音楽』について動画をつくりたいと思っています。
同時並行で、監訳者として訳文チェックを進めています。今回は分量もあり、難所という感じで意味の不明瞭なところが多かったので、原著のフランス語版にあたりながら作業しました。これは時間がかかりましたが、だいぶスッキリしたと思います。
2015. 9. 7 月
8月中にあるところからきた相談にのっています。まずは、いただいたタタキ台をもとにして僕なりのアレンジを加え、皆さんの意見を聞いています。この計画にはプロ・アマを問わず、なるべく多くの人に参加してもらいたいと思っています。もうすこし詳しいことが話せる段階になったら、ここに書きます。>相談した皆さんからは、即座にポジティヴな反応とアイデアの束をもらいました。それらをフィードバックして、リストを強化したいと思います。
つぎのオンライン読書会は来週の月曜日になりますが、今日はテクストにえらんだ『ダニエル書』の今回の分を読んでみました。これが、面白いのです!なんともいえないこの面白さ。皆さん、ぜひとも読書会で味わってください。まだまだ間に合いますよ!
2015. 9. 6 日
さあ、新学期です。好評のオンライン読書会を再開します!今回は、旧約聖書の『ダニエル書』を3回に分けて読みます。予言や夢判断など謎に満ちた一冊で、ヨーロッパ文化に大きな影響を与えた書物です。邦訳版が出版されたばかりの『テクストの擁護者たち』でも、重要な役割を演じています。第1回は9月14日(月)の20時から。参加者をひろく募集します。聴講だけのオブザーヴァ枠もありますので、お気軽にご相談ください!
2015. 9. 5 土
昨日はこちらの時間で朝3時ごろから活動を開始したわけですが、さすがに午後に2時間ほど昼寝して、そのあとは夕食後の21時に寝落ちしました。今朝は4時に目が覚めました。完全に起きたのは8時になってからです。まあ、時差ボケの調整としては良い方をいっているのではないでしょうか?
チェコのトマスから頼まれた論文の PDF を探すのにてこずりました。ファイルの仕方がまずかった感じですが、なんとか見つかったので送り出しました。ふう。>
彼のルネサンス研究所が主催したプレトンとパトリッツィについての2つの国際会議からの論集が、それぞれ無料でダウンロードできます。よくツボを押さえて国外から研究者を招いているところも重要です。皆さんも、ぜひどうぞ!
呼びたい人をタイミングよく招聘できて、それなりの原稿を寄稿してもらうというのは、本当に大変なのです。その点をみごとにクリアしていると思います。トマスがここ数年で急浮上してきた理由だと思います。経済と事務の障害をクリアして立派な国際会議をオーガナイズし、結果をしっかりとしたプロダクトにするというのは、とても大事なことです。
2015. 9. 4 金
定刻23時に羽田空港を出発したフライトですが、日本の近くでは乱気流があって揺れました。食事のあとに2本ほど映画をみてから眠りにつき、目が覚めたときにはパリに到着する1時間前でした。12時間のフライトで7時間くらい眠れたことになります。朝4時に着陸。荷物をうけとってから、地下鉄の5時の始発でパリ北駅に向かい、そこから6時発の新幹線でリェージュに向かいました。BH 本館に着いたのは、朝8時半といったところです。すぐに荷物を片づけはじめ、10時くらいには書類の片づけも終わりました。長旅でしたが、慣れた旅程なのでスムーズでした。
ローマの大橋さんにスキャンしてもらった論文「14世紀イタリアの人文主義における反アラブ主義、あるいはスコラの否定」 Richard Lemay, “De l’antiarabisme -- ou rejet
du style scolastique -- comme inspiration première de l’humanisme italien du
Trecento,” in Filosofia, scienza e
astrologia nel Trecento europeo, ed. Graziella Federici Vescovini & Francesco Barocelli
(Padua: Poligrafo, 1992),
105-120 を読みました。それ以前から存在するものの、占星術を中心として圧倒的な強さを誇ったアラビア学にたいしてキリスト教を基礎にしたヨーロッパ主義をうち出そうとする運動が生まれますが、その最初のまとまった成果はダンテに見出されるという主張です。
2015. 9. 3 木
雨が降っていたのですが、18時に家を出て電車で空港に向かいました。乗りかえなどはスムーズで、20時に羽田空港に到着しました。チェック・インのときに、空港ラウンジが使えますといわれました。僕はデルタのゴールド会員ですが、今日のフライトは提携会社のエール・フランスです。なぜか日本だけは JAL とエール・フランスが提携しているので、JAL のラウンジに行けということだと理解しました。空港ラウンジには生まれて初めて入ります。ビュッフェ式で食事も飲み物も無料、無制限の WiFi もあり快適です。
メガネを新調して、まともに本が読めるようになったので、電車での移動中に論文をアタックしてみました。「罪人と聖者の身体:イタリア・ルネサンスにおける検死と解剖」 Katherine Park, “The Criminal and
the Saintly Body: Autopsy and Dissection in Renaissance Italy,” Renaissance Quarterly 47 (1994), 1-33 という記念碑的な一本です。科学史や医学史の領域をこえて、トニーの著作とともに1990年代半ば以降、いろいろな方面に衝撃を与えた研究だと考えられています。読んでいない人は、ぜひどうぞ。> そういえば、『テクストの擁護者たち』の巻末にある謝辞で、トニーはこの本の構想をキャサリン・パークに相談していたと書いていましたね!
2015. 9. 2 水
明日の出発にむけて準備をしています。明日は、23時のフライトなので、20時に羽田空港に着けばいいでしょう。
ブリル書店のカタログを見ていて出会った 『ヘレニズム占星術におけるダイモン』 Dorian Greenbaum, The Daimon in Hellenistic Astrology
(Brill, 2015) は、なんとも魅惑的なテーマを扱っていて、とても気になります。11月に出版されたらチェックしたいと思います。この本が収録されている「古代の魔術と占術」叢書は、なんともクレイジーかつ魅力的なシリーズですね!
2015. 9. 1 火
明後日の帰欧にむけてカバンや持っていくものの準備などをしています。明日の夕方に紀伊国屋でおこなわれる鏡リュウジさんの出版記念イヴェントがとても気になるのですが、一時帰国の最後の晩なので無理でしょうね。
2015. 9. 30 水
次号のメルマガをドロップしました。先月に下北沢の本屋 B&B でおこなわれた 『テクストの擁護者たち』 出版記念のトーク・イヴェントから訳者の福西さんとの翻訳裏話を中心にした第1部を文字に起こしました。残念ながら会場に来られなくて涙を飲んだ方々にも、あの感動をふたたびお送りします。配信は10月2日です!
ここで書いたか忘れましたが、『テクストの擁護者たち』
が出版されてから、それまで錯綜していたアマゾンの著者ページがひとつに統一されてデザインもすっきりし、気に入っています。
2015. 9. 29 火
2012年にピッツバーグでおこなわれた国際会議からの豪華執筆陣による論集 『初期近代の医学と哲学』
Peter
Distelzweig et al (eds.), Early Modern
Medicine and Philosophy (Springer, 2015) は、11月20日の発売予定になっているようです。この夏休みに校正をしたときには、9月末といわれたのですが、それは現実的ではないと感じました。これで、いつでるか決まったようです。しかし、なぜ哲学のシリーズってデザインに味気がないのでしょうね?でも、中身は良いですよ!
つぎのメルマガの準備もしないといけません。なににしましょうか?ヨシ君の1週間の滞在のレポートにしましょうか?それとも、8月のトークショーの内容を書きおこしましょうか?
2015. 9. 28 月
お昼過ぎからオンライン読書会「ダニエル書を読む」の第2回をおこないました。ファンタジーにあふれる本当に面白いテクストで、僕はとても気に入っています。われらが英雄のダニエルの行く手には夢解釈あり、預言あり、怪獣あり、人間味あふれるダメな王様たちありと、なんとも楽しいものです。ヨーロッパ文化では、画家レンブラントをはじめ、いろいろな芸術家に霊感を与えたというのも納得できます。また今回の特徴として、参加者の大半は一般の女性たちというのも注目点です!
今日はフィラデルフィアとサンフランシスコのあいだのフライトも予約しました。
ニューアーク 10:30―サンフランシスコ 2:00
サンフランシスコ 8:00―ニューアーク 16:30
僕の動きがスローだったので関係者の皆さんをヤキモキさせましたが、カナダのリチャードから非常に好意的な返事がありました。2月13-20日がタームの休みなので、トヤマ計画の開催がそのときに当たると最高だといっています。
2015. 9. 27 日
アメリカ科学史学会が11月19-21日にサンフランシスコでおこなわれます。まずは今日、アメリカ行の航空券を入手しました。自分のメモ用にフライトの日時をここに書いておきます。数日ほどフィラデルフィアに滞在したあとに現地に向かいますが、そちらのフライトは別に調べないといけません。
ブリュッセル 11月14日(土)10:10―ニューヨーク 12:45
ニューヨーク 11月23日(月)19:30―ブリュッセル 09:00(火)
2015. 9. 26 土
ディディエと来年の夏に、イタリアのコモ湖畔にあるヴィラ・ヴィゴーニという風光明媚なところで国際会議 『偽パラケルスス:初期近代の医学と自然哲学における錬金術と偽造文書』 Pseudo-Paracelsus:
Alchemy and Forgery in Early Modern Medicine and Natural Philosophy を開きます。クレアに簡単な専用ウェブサイトをつくってもらいましたので、お披露目します。キミア研究の世界最高峰のゲスト群に交えて、世界中から若手研究者や博論生を積極的に採用するために発表者を公募します。締め切りは、1月1日です!
2015. 9. 25 金
案の定、フラフラで今日は朝から使いものにならないと悟り、早目にオフィスから撤退することにしました。長いことずっと控えていたレッドブルにてドーピングして電車に乗りました。> ということで、16時にはリェージュに帰ってきました。
クレッグによるアリストテレス主義の歴史についての本を書評して、去年12月初めに Isis 誌に提出していました。はや10カ月が経つということで、どうなっているのかなと思いたち、編集部に問い合わせてみました。すぐに返事があり、今年の12月号に掲載されるようです。なんとも時間がかかりましたが、問題なく出るとわかって良かったです。
2015. 9. 24 木
今日は書類づくりをはじめました。でも、3週間つづいたB計画のための突貫工事と、1週間のヨシ君の滞在のアテンドが重なったので、どうも疲れがたまっているかも知れません。カゼをひかないようにヴィタミン剤を飲みます。
2015. 9. 23 水
ここ3週間ほど集中的にとり組んでいたB計画も、図版のキャプションと文献表ともにほぼ完成しましたので、出版社の方に送りだしました。読んでいただいて、10月の編集会議に備えます。著者のプロフィールもそろったので、この時点ではもう準備すべきものはないでしょうかね。しかし訳者には急ぎ足の作業をお願いしたので、さぞかし根を詰めたかとは思います。でも弱音もはかず、立派な仕事をなしとげて頂きました。リスペクト!
短い期間でしたが、ヨシ君のナイメーヘン滞在も今日が最後です。明日はロッテルダムに旅立ちます。数日滞在したあとに日本に帰るようです。
2015. 9. 22 火
午前中の作業で、B計画はテクストも注もほぼ終わりました。あと残すは図版の簡単なキャプションと文献表です。明日の作業で終わりにできるでしょう。午後はヨシ君の本について相談しました。今日は、いろいろあって大変でした。
BHでも、もうおなじみの赤江君から献本をいただきました。『托鉢修道会の説教集:その形成から受容まで』 Yuichi Akae, A
Mendicant Sermon Collection from Composition to Reception (Turnhout:
Brepols, 2014) という、なんとも立派な一冊です。ありがとうございます!
2015. 9. 21 月
特別に今週はヨシ君と今日からオフィスに出ます。9時半の電車に乗ってナイメーヘンをめざしました。
ついにB計画は全体の訳文チェックも終わりました。ここまで3週間、がんばった訳者の方のガッツに乾杯です。また108点!の図版が入るべき位置もしっかりと通し番号で指示しました。これから最終チェックの段階にはいります。紙にプリント・アウトして、ゆっくり進みます。
2015. 9. 20 日
ヨシ君のBH本館への滞在もあっという間に終わろうとしています。仏語圏のお祭りに重なり、町を満喫できたのではないでしょうか?明日はナイメーヘンに戻ります。僕としては特別に長い1週間となります。
B計画の訳文チェックも、ランディーノとロレンツォの残っていたものは終わり、最後にポリツィアーノの『スタンツェ』の訳が済めば完了です。あとは保留にしてある訳語を幾つか確認し、図の表示を挿入すれば良いでしょう。
2015. 9. 19 土
午前中にヨシ君の洗濯につき合い、午後はB計画のために注を整える作業をおこないました。夕飯のあと22時くらいに訳文チェックが送られてきましたので、ついでに幾つか残っている長めの引用を訳してみました。でもまだ、あと3つくらい残っています。
2015. 9. 18 金
午前中のセミナーでヨシ君の発表がありました。よく出来ていたと思います。皆さんのリアクションも良かったです。午後は、電車に乗ってリェージュへ向かいました。夕飯はギリシア料理。いろいろな話をしましたね。
2015. 9. 17 木
今日はヨシ君と一緒に朝からオフィスへ。10月に向けての書類づくりも本格的に開始しました。まずは、チームづくりからです。方々へメールを書いて、返事をいただいて終わった感じです。仕事のできる人は、やはり返事の早い人ですね!
ついにB計画では、105頁の最後まで最初の訳文チェックができました。あとは、ところどころに残っているフィチーノやランディーノ、そしてロレンツォからの引用と脚注を片づけないといけませんが、日本の連休中にはなんとかなると思います。
2015. 9. 16 水
いつもの9時半の電車でオランダのオフィスに向かいました。予定どおり12時半について、アムスから到着していたヨシ君と合流しました。そのままバスでオフィスに向かい、クリストフに紹介しつつオフィスの鍵をもらいました。いつもより早めの17時過ぎにオフィスを出て、宿舎に到着し、2時間後に夕飯を食べに街中にでました。
宿舎に着いたときにB計画のための訳文が届いたので、夕食の前と後に作業しました。105頁のうち99頁まできました。もう少しです!
2015. 9. 15 火
B計画の方は、今夜で訳文チェックが105頁のうちの88頁まできました。本当に、もうあと一息です。がんばりましょう!
10日ほどオランダに来る予定のヨシ君は、定刻の18時過ぎに到着したようです。明日のお昼に合流します。
2015. 9. 14 月
秋学期になり、BH主催のオンライン読書会も再開することになりました。今回は夏休みあけのウォームアップという感じで、旧約聖書の『ダニエル書』を、3回にわけて読むことにしています。今日は日本時間の20時から第1回目をおこない、第1章から第3章までを読みました。参加者にも好評で、なかなか楽しく役に立つものだったと思います。関連ツイートのまとめは、こちらです。次回は9月28日(月)の20時から、第4章から第7章を読みます。
つづけているB計画の作業ですが、今日は71-79頁の訳文をチェックしました。これで105頁のうちに4分の3を終えたことになるでしょう。あと2〜3回でテクストの部分は終わるでしょうか。そのあとは、長めなものが沢山ある引用および注の整備です。もう少しですので、がんばりましょう!>
送り出したあとに、プロティノスからの引用はすぐにできるなと思いつき、それを付加した修正版をおくりだしました。
2015. 9. 13 日
昨日の帰りの電車のなかで、『テクストの擁護者たち』の巻末につけた僕の解説文「インテレクチュアル・ヒストリーの新しい時代:解題にかえて」(pp. 461-468)をできるだけ他人目線で読み直しました。最初のたたき台となったヴァージョンをいろいろな人にみせて、さまざまな意見をもらいながら研磨したものです。そのおかげあってか、自分でいうのもなんですが、なかなかよく書けていると思います。やはり、書き物を発表前に人にみせて意見を聞くというのは、いつの時代でも鉄則ですね。
今夜も21時ごろに訳文がきたので、こんなに遅い時間からチェックを開始し、なんとか午前2時に終わりました。105頁のうち68頁まできたので、3分の2という感じです。訳者さんは宵っ張りのようなのですが、もうちょっと早い時間ですと助かります。
2015. 9. 12 土
今日は朝10時から16時まで B 計画の訳文チェックをおこないました。105頁のうちの45頁を終わりました。もう少しで半分です。がんばりましょう!> そのあとに2便目のチェックを21時から朝2時までつづけました。これでついに50頁まできました。
2015. 9. 11 金
今日は朝からデルポイの神殿にいる巫女さまから神託がくだったような感じで、B計画に大幅な推進力が加わりました。おかげで年末・年始は休みなしの突貫工事になるかもしれませんが、BHファンの皆さまに来春までにビッグなプレゼントを準備できそうです。がんばりましょう!
お昼のあとは簡単な作業をして、リェージュに向かう電車に乗り込みました。
2015. 9. 10 木
この春から始動したB計画も、訳文チェックのほぼ3分の1を終了しました。この調子でいけば、9月中にだいたいのかたちにできるかも知れません。今回は芸術を扱っていますので、美しい図版多数のプロダクトになると思います。皆さんの応援をよろしくお願いします!
この月曜日からはじまるオンライン読書会では、旧約聖書の『ダニエル書』を3回にわけて読む予定です。ぞくぞくと参加希望者から連絡が来ています。気軽な気分で聴講できるオブザーヴァ枠もありますし、いまからでも遅くありませんので、関心のある方は遠慮せずに連絡してください。楽しいですよ!
2015. 9. 9 水
今日は移動日です。久しぶりにオランダのオフィスにきました。たまった郵便物を片づけ、郵便に出さないといけないものを梱包し、いろいろ山積した書類群をスキャンします。こうしてスキャンすると、あたかも読んだ気になるところが危ないですね。最後に、『テクストの擁護者たち』の邦訳が出されたことを報告するために、トニーに簡単な手紙を書きました。
2015. 9. 8 火
昨日から断続的におこなっていた作業は、それなりに立派なリストができたなと思えるところまできました。出版社の判断にもよりますが、僕としてはプロ・アマを問わず、一人でも多くの人に寄稿してもらう読者参加型のプロジェクトにしたいと思っています。しかも、カギとなるアイテムについては、紹介動画もつくろうと考えています。こんなのって、これまでなかったと思いますよ。> とりあえず、パイロット版としてキルヒャーの『普遍音楽』について動画をつくりたいと思っています。
同時並行で、監訳者として訳文チェックを進めています。今回は分量もあり、難所という感じで意味の不明瞭なところが多かったので、原著のフランス語版にあたりながら作業しました。これは時間がかかりましたが、だいぶスッキリしたと思います。
2015. 9. 7 月
8月中にあるところからきた相談にのっています。まずは、いただいたタタキ台をもとにして僕なりのアレンジを加え、皆さんの意見を聞いています。この計画にはプロ・アマを問わず、なるべく多くの人に参加してもらいたいと思っています。もうすこし詳しいことが話せる段階になったら、ここに書きます。>相談した皆さんからは、即座にポジティヴな反応とアイデアの束をもらいました。それらをフィードバックして、リストを強化したいと思います。
つぎのオンライン読書会は来週の月曜日になりますが、今日はテクストにえらんだ『ダニエル書』の今回の分を読んでみました。これが、面白いのです!なんともいえないこの面白さ。皆さん、ぜひとも読書会で味わってください。まだまだ間に合いますよ!
2015. 9. 6 日
さあ、新学期です。好評のオンライン読書会を再開します!今回は、旧約聖書の『ダニエル書』を3回に分けて読みます。予言や夢判断など謎に満ちた一冊で、ヨーロッパ文化に大きな影響を与えた書物です。邦訳版が出版されたばかりの『テクストの擁護者たち』でも、重要な役割を演じています。第1回は9月14日(月)の20時から。参加者をひろく募集します。聴講だけのオブザーヴァ枠もありますので、お気軽にご相談ください!
2015. 9. 5 土
昨日はこちらの時間で朝3時ごろから活動を開始したわけですが、さすがに午後に2時間ほど昼寝して、そのあとは夕食後の21時に寝落ちしました。今朝は4時に目が覚めました。完全に起きたのは8時になってからです。まあ、時差ボケの調整としては良い方をいっているのではないでしょうか?
チェコのトマスから頼まれた論文の PDF を探すのにてこずりました。ファイルの仕方がまずかった感じですが、なんとか見つかったので送り出しました。ふう。>
彼のルネサンス研究所が主催したプレトンとパトリッツィについての2つの国際会議からの論集が、それぞれ無料でダウンロードできます。よくツボを押さえて国外から研究者を招いているところも重要です。皆さんも、ぜひどうぞ!
呼びたい人をタイミングよく招聘できて、それなりの原稿を寄稿してもらうというのは、本当に大変なのです。その点をみごとにクリアしていると思います。トマスがここ数年で急浮上してきた理由だと思います。経済と事務の障害をクリアして立派な国際会議をオーガナイズし、結果をしっかりとしたプロダクトにするというのは、とても大事なことです。
2015. 9. 4 金
定刻23時に羽田空港を出発したフライトですが、日本の近くでは乱気流があって揺れました。食事のあとに2本ほど映画をみてから眠りにつき、目が覚めたときにはパリに到着する1時間前でした。12時間のフライトで7時間くらい眠れたことになります。朝4時に着陸。荷物をうけとってから、地下鉄の5時の始発でパリ北駅に向かい、そこから6時発の新幹線でリェージュに向かいました。BH 本館に着いたのは、朝8時半といったところです。すぐに荷物を片づけはじめ、10時くらいには書類の片づけも終わりました。長旅でしたが、慣れた旅程なのでスムーズでした。
ローマの大橋さんにスキャンしてもらった論文「14世紀イタリアの人文主義における反アラブ主義、あるいはスコラの否定」 Richard Lemay, “De l’antiarabisme -- ou rejet
du style scolastique -- comme inspiration première de l’humanisme italien du
Trecento,” in Filosofia, scienza e
astrologia nel Trecento europeo, ed. Graziella Federici Vescovini & Francesco Barocelli
(Padua: Poligrafo, 1992),
105-120 を読みました。それ以前から存在するものの、占星術を中心として圧倒的な強さを誇ったアラビア学にたいしてキリスト教を基礎にしたヨーロッパ主義をうち出そうとする運動が生まれますが、その最初のまとまった成果はダンテに見出されるという主張です。
2015. 9. 3 木
雨が降っていたのですが、18時に家を出て電車で空港に向かいました。乗りかえなどはスムーズで、20時に羽田空港に到着しました。チェック・インのときに、空港ラウンジが使えますといわれました。僕はデルタのゴールド会員ですが、今日のフライトは提携会社のエール・フランスです。なぜか日本だけは JAL とエール・フランスが提携しているので、JAL のラウンジに行けということだと理解しました。空港ラウンジには生まれて初めて入ります。ビュッフェ式で食事も飲み物も無料、無制限の WiFi もあり快適です。
メガネを新調して、まともに本が読めるようになったので、電車での移動中に論文をアタックしてみました。「罪人と聖者の身体:イタリア・ルネサンスにおける検死と解剖」 Katherine Park, “The Criminal and
the Saintly Body: Autopsy and Dissection in Renaissance Italy,” Renaissance Quarterly 47 (1994), 1-33 という記念碑的な一本です。科学史や医学史の領域をこえて、トニーの著作とともに1990年代半ば以降、いろいろな方面に衝撃を与えた研究だと考えられています。読んでいない人は、ぜひどうぞ。> そういえば、『テクストの擁護者たち』の巻末にある謝辞で、トニーはこの本の構想をキャサリン・パークに相談していたと書いていましたね!
2015. 9. 2 水
明日の出発にむけて準備をしています。明日は、23時のフライトなので、20時に羽田空港に着けばいいでしょう。
ブリル書店のカタログを見ていて出会った 『ヘレニズム占星術におけるダイモン』 Dorian Greenbaum, The Daimon in Hellenistic Astrology
(Brill, 2015) は、なんとも魅惑的なテーマを扱っていて、とても気になります。11月に出版されたらチェックしたいと思います。この本が収録されている「古代の魔術と占術」叢書は、なんともクレイジーかつ魅力的なシリーズですね!
2015. 9. 1 火
明後日の帰欧にむけてカバンや持っていくものの準備などをしています。明日の夕方に紀伊国屋でおこなわれる鏡リュウジさんの出版記念イヴェントがとても気になるのですが、一時帰国の最後の晩なので無理でしょうね。