『ミクロコスモス:初期近代精神史研究』
第1集 (2010年)

 



論文&研究ノート

 

I.   生命と物質

 

記号の詩学:­パラケルススの「徴」の理論   菊地原洋平

 

序論

1. 薬草物語

2. 認識とその方法

3. 未来地図:予言書の位置づけ

4. 大宇宙と小宇宙の論理学

結論

 

 

ルネサンスにおける世界精気と第五精髄の概念:ジョゼフ・デュシェ−ヌの物質理論   平井 浩

 

1. はじめに

2. 『ヘルメス哲学の 真実のために』(1604)

3. 自然と世界霊魂

4. デュシェーヌの自然哲学における種子、原質、元素

4-1. 種子と位格的原質

4-2. 元素の可視的物体

4-3. 天空と「賢者のアルモニア塩」

4-4. 第五精髄あるいは第四精髄

4-5. バルサム医薬

5. ヘルメス化されたモーゼの哲学に おける天空

6. むすび

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

II.  空間の表象

 

画家コペルニクスと「宇宙のシンメトリア」の概念:ルネサンスの芸術理論と宇宙論のはざまで   平岡隆二

 

はじめに

1. 画家コペルニクス

2. コペルニクスの「宇宙のシンメトリア」

3. ルネサンス芸術論におけるシンメトリア

4. むすび

 

 

百科全書的空間としてのルネサンス庭園   桑木野幸司

 

 

 

 

 

   1. 初期近代庭園史の新たな視点

   2. 16世紀後半の博物学的研究の特徴

   2-1. エンブレム的博物学

   2-2. 16世紀における博物コレクションの流行と博物図譜の発展

   3. デル・リッチョの理想庭園にみられる博物学て研究の側面

   3-1. デル・リッチョの理想庭園構想の概要

   3-2. 「王の森」の博物学的グロッタ

   4. 百科全書的空間としての庭園

   4-1. 「王の森」の百科全書的グロッタ

   4-2. 博覧教育施設としての庭園

   むすび

 

 

III. ルドルフ二世とその宮廷

 

アーヘン《トルコ戦争の寓意》シリーズに見られるルドルフ二世の統治理念:《ハンガリーの解放》考察を通して   坂口さやか

 

1. トルコ戦争

   2. ラープ要塞征服と《ハンガリーの解放》

   2-1. 歴史的な背景:ラープ要塞征服

   2-2. 《ハンガリーの解放》

   3. 《ハンガリーの解放》における政治・宗教的寓意

   3-1. 普遍主義思想によるハンガリー救済

   3-2. ハンガリーの反宗教改革

   おわりに

 

 

ハプスブルク宮廷におけるディーとクーンラートのキリスト教カバラ思想   小川浩史

 

1. はじめに

   2. ハブスブルグ宮廷におけるユダヤ教とヘブライ文化

   2-1. 16世紀後半におけるハブスブルグ宮廷の宗教的態度

   2-2. ハブスブルグ宮廷とユダヤ文化

   3. ディーとクーンラートにみるキリスト教カバラの思想と身体表象

3-1. ディーとクーンラートの帝国内での活動

   3-2. 『象形文字の単子』におけるかバラ的要素

   3-3. 『円形劇場』におけるキリスト教カバラ

   3-3-1. 『円形劇場』内の銅版画

   3-3-2. 《レビス》

   3-3-3. 《原型》

   3-3-4. 《カバラ的宇宙内のキリスト》

   3-4. 円形版画三連作の順序と『象形文字の単子』との関連

   4. 結論

 

 

 

 

 

 

IV. 知の再構成と新哲学

 

伝統的コスモスの持続と多様性:イエズス会における自然哲学と数学観   東慎一郎

 

   序

   1. 原因の理論

   1-1. 原因の重要性とその一般的な定義

   1-2. 原因の類と序列

   1-3. 目的因

   2. 数学の哲学

   2-1. 諸学の位階と数学の地位

   2-2. 数学の中間性説反駁

   2-3. 数学的対象としての量

   2-4. 抽象化と想像力

   2-5. 質料と形相の複合体としての数学的対象

   2-6. 数学は学問といえるか

   2-7. 中項の問題

   3. クラヴィウスの数学観

   3-1. 数学的諸学の性質

   3-2. 数学的諸学の価値

   結論

 

 

ニコラウス・ステノ、その生涯の素描:新哲学、バロック宮廷、宗教的危機   山田俊弘

 

はじめに

   1. 誕生からコペンハーゲン大学卒業まで

   2. オランダでの修学時代

   3. フランスを経てイタリアへ

   4. 名声と論争

   5. 宗教家としての活動と死

   むすび

 

 

 

 

 

 

 

翻訳

 

初期近代の哲学的世界観、神秘学、神智学における光シンボル   ゴルトアマー (岩田雅之・訳)

 

1. 由来

   2. クザーヌスからアグリッパまで

   a. ピコ・デラ・ミランドーラ

   b. フィチーノ

   c. ポンポナツィ

   d. クザーヌス

   e. トリテミウス

   f. アグリッパ

   3. 自然の光と霊の光:パラケルススと認識シンボル

   4. 光と闇、倫理的シンボルと霊性的宇宙論

   a. セバスチャン・フランク

   b. ヴァレンティン・ヴァイゲル

   5. 光と闇の諸力間闘争:ヤコブ・ベーメ

   6. トマジウスと人間学的な光シンボル

 

 

 『光について』   フィチーノ(平井浩・訳)

 

序文

   1. 世界の身体、霊魂、天使、神の中における光とは何か?

   2. 可視的な光

   3. 光と神ほど明瞭なものはなく、不明瞭なものもない

   4. 可知的な光は可知的なものの原因

   5. 可視的な光、理性の光、可知的な光、神的な光

   6. いかにして可視的な光から不可視光へと上昇するか

   7. 諸星辰は笑い、輝きと運動で歓喜の身震いをする

   8. 神意の喜びによって起こされた天の笑い

   9. 光は非物体的であり、星辰的な本性の現実態である

   10. 光は熱に先んじる

   11. 光は宇宙の絆である

   12. 光は神を真似る

   13. 光の霊魂や天使との類似

   14. 神、天使、理性、精気、身体のなかにある光

   15. 霊魂は光と呼ばれる

   16. 光はいわば可視的な神意である

   17. 神的な光の下で幸福なる者と哀れなる者の様子

 

 

 

 

 

動向紹介

 

ルネサンスの建築史:ピタゴラス主義とコスモスの表象   桑木野幸司

 

1. はじめに

   2. 人文主義時代の建築原理

   3. ルネサンス建築理論と修辞学・文学

   4. 建築におけるコスモスの表象

   5. むすび

 

 

ノストラダムス学術研究の動向   田窪勇人

 

   1. はじめに

   2. 文献学的探求

   2-1. 書誌

   2-2. テクストの復刻・校訂

   2-3. 『予言』の典拠

   3. 伝記

   4. 文学史におけるノストラダムス

   5. オカルト哲学伝統におけるノストラダムス

   6. おわりに

 

 

ルネサンスの新しい身体観とアナトミア:西欧初期近代解剖学史の研究動向   澤井直

 

1. 初めに

   2. 解剖の対象としての「身体」

   3. 解剖と美術

   4. 解剖劇場

   5. 新たな学説史の可能性

   6. むすび

 

 

 

 

 

 

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