ごくごく個人的な「本」日記
2021年12月
2021. 12. 31 金
今日は朝からスケザネさんの年越し生配信にちょっとだけ顔を出して、今年の2冊として原さんの『ダンテ論』と中西さんの『ヒュパティア』を紹介しました。僕の登場は、10分もなかったかと思います。こちらからどうぞ!
午後はがんばって残り200頁のうち50頁を読みました。あと3章分で終わりです。正月を返上して、がんばります。
2021. 12. 30 木
まだまだ納得のいく仕上がりではないのですが、昨日の段階でほぼ全体ができあがったところで、気持ちが弛緩してしまいました。あと2日あるので、なんとか締めの部分をもう少し研磨したいと思います。
つぎは書評なのですが、まだ対象となる本を読んでいる段階で、最後となる第4部の200頁が残っています。これだけで1冊分の本文ではないでしょうか?鈍器としての厚さを競うのではなく、量より質を重視して欲しいところです。エッセンスを煮詰めて結晶化させるのではなく、ブンブンと筆を回して幾らでも増量できる著者なのだろうと想像しています。
2021. 12. 29 水
6時半に起きて、8時からの動画のプレミア公開にそなえました。宗教学者・中西恭子さんとの対談「古代ローマの女性知識人ヒュパティア」は、各方面でとても好評だったと思います。多くの方の参加により、同時チャットも非常に盛りあがりました。
だいぶ原稿が整ってきたので、推敲をつづけるのと並行して、中西さんにアラビア語まわりをチェックしてもらうことになりました。海より深く感謝いたします。
2021. 12. 28 火
インテレクチュアル・ヒストリーの展開史にグローバル・ヒストリーの具体例をつなげようとしたら、全体で6500字となりました。しかし上手くなじまないので前半と後半を切りはなし、後半だけで3700字となりました。こちらを整えて簡単な注をつけると4500字になるかなという気がします。あと3日あるので、がんばります。
2021. 12. 27 月
一晩明けたら、昨日の告知への反響がとても大きく伸びていたので驚きました。僕としては、同時チャット欄が盛りあがると楽しいので、そこに期待しています。
今日は原稿に集中したいと思います。
2021. 12. 26 日
やっとのことで、昼過ぎから原稿の執筆をはじめました。すでに書いてあるものに肉づけしていくつもりですが、最初の段階で2500字あります。依頼は4500字ですので、半分は埋まっていることになります。だいたいの字数を埋めてから、データの確認と推敲をしたいと思います。
やっとオーケーがでましたので、対談動画「古代ローマの女性知識人ヒュパティア」のプレミア公開をセットして、告知をはじめました。投稿の直後から非常に良いリアクションです。
2021. 12. 25 土
今日もスローな動きがつづきます。体調の方は完全に回復しました。今月末が締めきりの原稿を執筆するために、静かに気持ちを高めています。シャドー・トレーニングの段階ですね。
木曜日に収録した対談動画へのゴー・サインを待っています。オーケーが出ましたら、プレミア公開をセットして告知をはじめます。今回は公開予定日の29日まで時間が短いので、どうなるでしょうか?
2021. 12. 24 金
今日はスローな動きでいきます。
2021. 12. 23 木
今日は20時半から、各方面で好評の邦訳書『ヒュパティア』をだされたばかりの宗教学者・中西恭子さんとの対談を無事に収録することができました。今回は双方の体調不全などで2回ほど延期したのですが、やっと最後に上手くいきました。プレミア公開は、12月29日(水)22時を予定しています。
2021. 12. 22 水
なんだか、まだまだ完全な復調とはいえない感じがします。はやく原稿の執筆に向かわないといけないのですが。
2021. 12. 21 火
今日も朝から頭痛が残っていて、微熱があるのが分ります。
2021. 12. 20 月
もう今日となれば、ワクチンの影響は大丈夫かなと思っていましたが、夕方になってから微熱と頭痛がもどってきました。なかなか勘弁してくれませんね。
夕方から今年最後の対談動画を収録する予定でしたが、日本時間で24日午前に振り替えとなりました。対談のお相手には、大変ご迷惑をおかけしました。
2021. 12. 19 日
もうワクチンの副作用もなくなり、だいぶ落ちつきました。今日もスローな動きでいきます。
2021. 12. 18 土
朝6時半に起きて、8時からのプレミア公開にそなえました。新刊『ダンテ論』を出されたばかりの、イタリア文学者の原基晶さんとの対談動画です。原さんは同時チャットでも丁寧に対応されており、参加された視聴者の皆さんにとっても、とても良かったと思います。これから年末・正月と視聴数も伸びていくと思います。
2021. 12. 17 金
3日目の朝は平熱の36度にもどりました。まだ完全に抜け切っていないかも知れませんが、いまのところ大丈夫です。ファイザー製のワクチンですが、3本目は2本目より厳しくない感じがします。
2021. 12. 16 木
昨日の夕方には熱が37度5分まであがってきたので、バッファリンからロキソニンに切りかえたら、だいぶ楽になりました。やはりロキソニンは効きすぎてヤヴァいですね。
2021. 12. 15 水
昨日の16時すぎにコロナ・ワクチン(ファイザー社製)の3本目をうちました。その日は問題なかったのですが、今日になったら微熱が出て、背中を中心に節々が痛いです。僕は平熱が低く、微熱だけで動けなくなるので、数日のあいだスローな動きでいきます。
2021. 12. 14 火
朝起きたらタイムラインでオススメとなっていたのですが、あの有名なサイト
Medieval Updates で『偽パラケルスス』論集が2日前に紹介されていました。中世ヨーロッパについての研究を中心に多様な新刊を紹介しているサイトなのですが、われわれの論集が紹介されるとは想像していませんでした。しかも反響が良いのに驚いています。現在のところ「いいね」が95に「シェア」が33まで伸びていました。テーマの独創性にくわえて、ジャケットのデザインの良さが効いているだろうと思います。
2021. 12. 13 月
今日はスローな動きでいきます。
2021. 12. 12 日
ボローニャ大学のWさんのおかげで、ガレノスの『単体医薬について』についての特集号「ガレノスの『単体医薬について』:解釈と伝播」
Caroline Petite et al. (eds.), Galen’s Treatise On Simple Drugs: Interpretation and Transmission,
Special Issue, Archives Internationales
d’histoire des sciences 70 (2020), 1-237 を入手することができました。電子版の全体を入手できるまで丸1年かかりました。イントロをふくむ9本の論考からなっています。ガレノスの薬学についての国際論集が1997年にブリル書店から出されていますが、この特集号はそれ以来のまとまった論文集となります。
2021. 12. 11 土
昨日の動画のプレミア公開時のチャット欄の盛り上がりから、「すすはらい」さんと呼ばれるツイッター・アカウントの声に背中を押されるかたちで、純潔同胞団についてアチコチに断片的に書き散らしていたものを「純潔同胞団と知のグローバル・ヒストリー」という記事にまとめて note に投稿しました。お楽しみください。
ある有名な出版社が出している雑誌に4000字の原稿を頼まれています。インテレクチュアル・ヒストリーにするか、錬金術にするかで悩んでいて、なかなか執筆のための気持ちが入らないでいました。しかし上記の記事を書いたことをヒントにして、原稿の方針がきまったような気がします。上手くいくか分かりませんが、来週に集中して作業したいと思います。
2021. 12. 10 金
朝6時半に起きて、7時からのプレミア公開にそなえました。今回は、小村優太さんとの対談「プラトン主義の饗宴!?」です。ふたりのプラトン主義者による、とても密度の濃い内容になっているかと思います。個人的には、これまで収録した動画のうちでベスト5に入る内容になっているかと思います。視聴数も伸びてくれることを祈りましょう。
2021. 12. 9 木
昨晩は20時から、『ダンテ論』を出されたばかりの原基晶さんとの対談動画を収録しました。なかなか良いものになったと思います。12月18日(土)21時のプレミア公開を目指しています。詳細は、もう少しお待ちください。
2021. 12. 8 水
いつのまにかスプリンガー書店の『初期近代哲学辞典』の方は、電子版の先行出版の直前となる最終工程の記事が残すところ7本となり、年内に全体の完成を迎えるのではないかという段階に入ってきました。ということで、今日は各部門の編者に顔写真を提出するように依頼がありました。巻頭に入れるのだそうです。
出版されたばかりの『偽パラケルスス』論集について、各方面に告知を出しております。パラケルスス研究のメール・グループや僕個人のFB、そして英語版のツイッターなどです。
2021. 12. 7 火
アヴェロエスの医学書にみる実体全体 tota substantia という概念のつづきです。アラビア語原典のスペイン語訳と、ヨーロッパで重用されたラテン語訳を見比べているのですが、どちらでも「医学者たちが実体全体と呼ぶ」と語られるので、もともとギリシア語でのガレノスの言い回しだったものが、アヴェロエスの時代にほぼ専門用語として医学者たちに使われていたことが分かります。
この概念に関連して語られることが多い特殊形相 forma specifica の方は、アラビア語(とスペイン語訳)のところで別の表現が採用されているようです。ラテン語訳に見出せるものは訳者による挿入である可能性がでてきました。実体全体を語る文脈で特殊形相に言及するのはアヴィセンナの医学書に由来しますので、その流れを訳者が勘案したように思えます。もちろんアラビア語の原典に異読がある場合も、まだ排除はできません。その点の解明にはアラビストの協力が必要です。
2021. 12. 6 月
今日は20時から対談動画を収録する予定だったのですが、お相手の方は体調不良ということで順延することにしました。あのまま無理に収録しなくて良かったと思います。お大事にしてください。
2021. 12. 5 日
今日はスローな動きでいきます。
アヴェロエスの医学書から、ガレノスのいう実体全体 tota substantia の概念に言及している部分をピックアップしています。どうも彼は、「医者たちがいうように」という感じで、この概念について明確な定義を定めずに利用している印象を受けます。これに関連して、特殊形相 forma specifica にも1回だけ触れているようです。
2021. 12. 4 土
昨日の生配信の動画ふたつを結合して、1本のものにして再アップしました。昨日のものもリストしないかたちで公開はつづけますので、告知のリンクから視聴することができます。結合版の方がスムーズに観ることはできるでしょう。
アラビア語原典から考えると、アヴェロスの医学書 Colliget (al-Kulliyyāt)は、医学の『一般論』あるいは『概論』くらいがタイトルとして良いようです。『大全』 Summa では誇張し過ぎかなと思います。
2021. 12. 3 金
朝6時半に起きて8時からの生配信に望んだのですが、30分を過ぎたところで時間切れのサインがでました。問題解決できず、そのまま放送事故となり、別枠で40分の配信をつづけました。どうも昨年の10月に申し込んだプロ・アカウントが切れていたようで、あとで申し込みなおしました。これで上手くいかなければ、別個にアカウントをとろうかと思います。
2021. 12. 2 木
ディディエと編集していた国際論集『偽パラケルスス:偽書と初期近代の錬金術、医学、自然哲学』
Didier Kahn & Hiro Hirai (eds.), Pseudo-Paracelsus:
Forgery and Early Modern Alchemy, Medicine and Natural Philosophy (Leiden:
Brill, 2022) の電子版が、ついにブリル書店から先行出版されたようです。2015年からの国際共同研究プロジェクトの成果です。いまなら、300頁越えの偽書カタログが無料でダウンロードできるようです。なお紙ヴァージョンの方は、少し遅れて陽の目をみると思います。慶賀。
2021. 12. 1 水
ここのところ気がついた見逃していた論集を紹介します。ひとつは少し前のもので、『第1性質と第2性質:歴史と現在進行形の論争』Lawrence
Nolan (ed.), Primary and Secondary
Qualities: The Historical and Ongoing Debates (Oxford UP, 2011) です。古代ギリシアとラテン中世のあとは、デカルト以降の初期近代の哲学者たちに焦点をあわせています。
もう一冊は、ベルリンのフンボルト大学の古典学講座が中心となっている新シリーズに収録された、『アリストテレス以降のプネウマ概念』Sean Coughlin et al. (eds.), The Concept of Pneuma after Aristotle
(Berlin: Topoi, 2020) で、古代ギリシアの哲学や医学におけるプネウマの概念をあつかっています。ガレノスについての論文が3本、新プラトン主義のプロクロスについての論考が1本となっています。