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ごくごく個人的な「本」日記

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201911

 

2019. 11. 30

  今季のニューヨーク滞在の目的はカルダーノの研究です。今週は、ずっと彼のテクストを読んでいます。どういう論理構造になっているのかを見定めようとしていますが、多くの錬金術のテクストの方が簡単だと思えるくらい錯綜していて難しいです。難解なテクストを読みとく胆力には、それなりに自信があったのですが、なかなか手ごわい。これが、研究が少ない理由なのだと理解しました。

 

 

2019. 11. 29

 午前中は、郵便局にいったりして、ドイツ遠征についての書類の片づけなどをしています。次号のメルマガも準備して、ドロップしました。今回は『機関精神史』でのインタヴュについてです。122日の配信です。

 

 

2019. 11. 28

  今日は感謝祭で休日です。年末には一時帰国できませんが、1月後半から3月前半にかけて帰るための航空券を入手しました。長旅ですので、例によってロス経由でゆるくいきます。

 

            ニューヨーク 11915時―ロス 11919

ロス 12010時半―羽田 12115時半

            羽田 31016時半―ロス 31010時半

ロス 31012時半―ニューヨーク 31021

 

 

2019. 11. 27

  明日は感謝祭の祝日なので、大学も今日は早い時間に閉まります。まだ時差ボケですので、集中力のいらない手作業などを中心に進めています。

 

  オックスフォード大学出版の件が2つも春先にあり、結局のところ世界霊魂の原稿だけつくれたので、ガレノスの方は放置していました。編者から連絡があり、今年末までにできるか聞いてきました。もうダメだと思っていたので、これは助かりました。11日のセミナーでの僕の発表後の期間で原稿を仕上げたいと思います。

 

 

2019. 11. 26

  ルネサンス研究のあいまに、時間をみつけてはディルタイと精神史についても調査を進めています。時代精神という概念についての論文があり、起源は16世紀のフランスにありそうだということが分ってきました。もちろん、それ以前のラテン語の文献にもあるかも知れないですが、同定されているのはあのルロワです。ただし現代的な意味で使われるようになったのは、19世紀のことのようです。

 

 

2019. 11. 25

  濃霧で包まれるフランクフルトの空港に着いたら、搭乗する予定の経由地アムステルダムまでの便が突然にキャンセルとなり、ルフトハンザ航空の便に振り替えとなりました。指示どおりにターミナルを移動すると、そちらではチケット・センターへ行けといわれました。むむ、これは悪い予感。案の定、そこには長蛇の列です。あらら。

 

搭乗予定の1時間前ほどになったところで諦めて、すごすごとデルタのターミナルに戻りました。事情を説明すると、つぎのパリ経由ニューヨーク便に無料で変えてもらえました。これは、おそらくデルタのゴールド会員だったからスムーズだったのだと思います。予定より2時間おくれただけで帰宅できました。

 

 

2019. 11. 24

  さらにスローな動きでいきます。> 20時半のデュッセル発のフランクフルト行の特急電車に乗る予定でしたが、途中で止まってしまい、2時間ほど遅れで深夜1に目的地に到着しました。これには参りましたね。明日のフライトでニューヨークに戻ります。

 

 

2019. 11. 23

  スローな動きで、クリスマス村を堪能しています。

 

 

2019. 11. 22

 3日目の最初の発表は、ラリー(プリンチーペ)による17世紀のイエナ大学におけるキミアの伝統についての発表でした。いつもながら鮮やかなものでした。2本目は、マリエケ(Marieke Hendriksen)によるブールハーヴェとライデン大学についてからのはずでしたが、すぐに話は離れて研究の発表というよりも計画の発表でした。残念。

 

 最後に台湾のケヴィン(Kevin Chang)のハレ大学におけるシュタールのキミアにたいする態度の変化についての発表がありました。残念ながら、僕は質疑の途中で会議を離れなければなりませんでした。また会う日まで。

 

  12時半から電車に乗り、予定どおり16時にデュッセルドルフに到着しました。週末は、3年ぶりにクリスマス村などをめぐります。アメリカに戻るのは、月曜日のフライトです。

 

 

2019. 11. 21

昨晩の基調講演につづき、2日目の今日はプログラムもいっぱいです。9時に会場の「聖書室」 Biblsaal に集合し、主催者のウテ(Ute Frietsch)の発表からはじまりました。ダンカン・リデルとヨハン・ホルストのキミアについての論争を中心とした話です。両者とも最近の研究で、初期近代のプロテスタント諸大学における役割が注目されているので、良い目のつけどころです。ただし、総攬的で論争の機微に入りこんでいくものではありません。

 

午前中2本目の発表はもうひとりの主催者フォルクハルト(Volkhard Wels)によるもので、キミアの知識を定式化する初期近代の営為について。論理学や学問論とキミアの関係を、パラケルスス主義に対抗するリバヴィウスのラムス(メランヒトン)主義などを軸にみていくものです。ふたつ目のセッションの最初は、ディディエ(Didier Kahn)の発表です。パリを中心とするフランスにおけるキミアについての講義がどうなっていたのかを、1610年代から1640年代までトレースするものでした。2本目は16世紀のバーゼル大学における錬金術についてのトマス(Thomas Hofmeier)の発表でした。新しいデータも多く面白いのですが、話の分量が多すぎました。

 

 ランチのあとの午後の最初のセッションは、まずエリザベトの発表からスタートしました。ハルトマンとその継承者ペトレイウスを中心としたマールブルク大学のキミアについての発表でした。そのあとは僕の発表でした。昼食のあとの消化のための時間帯的には聴衆が眠くなるころなので、それほど期待していなかったのですが、たくさんの質問をいただき、とても盛んなディスカッションとなりました。なにが普段と特別に違っていたのか僕にもわかりません。面白いものですね。

 

 僕の発表のあとは、カスパー(Kasper von Greyerz)によるゼンネルトの著作群の英訳についてでした。おもな訳者は有名なパラケルスス主義者の占星術師カルペッパーです。僕の発表と内容がかぶると発表者は言いましたが、ほとんど重なる部分はなかったと思います。

 

 今日の最後のセッションは、ジョー(Georgiana Hedesan)によるファン・ヘルモントのルーヴァン大学での背景(1590年代〜)に迫ります。リプシウス、神学部ではアウグスティヌス主義が支配的で、そこに新しいイエズス会とヤンセン主義がくる。医学部はパリとケルンをモデルにしていた。フィエヌスは反対の傾向をもっていた。イエズス会ではデル・リオが妖術を反駁していた。今日の最後は、アネット(Anette Marquardt)とベッティーナ(Bettina Wahrig)によるシュナイダーの薬物コレクションの紹介でした。

 

 

2019. 11. 20

  日中はスローな動きで、時差ボケを軽くするために体調を整えることだけに専念しました。

 

  18時からアウグスト公爵図書館(HAB)のメイン・ルームで、ブルース(Bruce Moran)によるドイツの諸大学におけるキミアをめぐる様子をパノラマ的にみせる基調講演から国際会議が開始されました。これまでのブルースの仕事を総攬するようなものでした。非常に美しいロケーションでおこなわれる発表には息を飲むものがありました。写真は、FB版のBHへの投稿をご覧ください。

 

 

2019. 11. 19

  フライトはスムーズで、予定どおりの9時過ぎにフランクフルト空港に到着しました。空港のシャトルバスで鉄道駅に向かい、切符をかいました。そこから幾つかの方向には特急列車ICEも出ていますが、僕が向かうべきブランシュヴァイクへはベルリン行となるようで、いったん近郊線のSバーンで中央駅に出ないといけません。はじめてくる中央駅近辺の写真をとって、30分ほど時間をつぶしました。

 

  フランクフルトからブランシュヴァイクに向かうベルリン行の電車のなかでは、キョーレツな睡魔が襲ってきて眠くて仕方がありませんでした。大陸間フライトのあとに、4時間の超距離電車に乗るのはツライものがあります。フランクフルトで一泊して、翌日に電車に乗るという緩い旅程にすれば良かったかなと後悔しました。味気ないブランシュヴァイク駅で乗りかえて、ウォルフェンビュッテル行の小さな電車に乗りました。10分ほどで目的地に無事に到着し、歩いて宿舎となっているホテルにたどり着きました。

 

  国際会議は明日の夕方から始まるので、それまでスローな動きでいきたいと思います。

 

 

2019. 11. 18

  さあ、今日はドイツ遠征に向けて出発します。19時ニューヨーク発のフランクフルト行のフライトです。フランクフルトには直行で明日の9に到着する予定です。そのあとは、まずは特急電車でハーノーファを目指します。

 

 

2019. 11. 17

  今日はパワーポイントをつくり、遠征用の旅行カバンを準備します。

 

 

2019. 11. 16

  今日は発表原稿のプルーフ・リーディングをしてもらい、晴れて完成となりました。明日はパワーポイントをつくり、遠征用の旅行カバンを準備します。

 

 

2019. 11. 15

  昨日よりは良い状態で朝をむかえました。一安心。一日無事にもつかは別問題ですが、ドイツ遠征前に片付けないといけないこともあるので、スローな動きでオフィスにいく準備をしています。

 

 

2019. 11. 14

  まわりでカゼを拗らせている人が目立つなかで、昨晩にハメを外したわけではないですが、僕も今日は体の底からエネルギーがわきません。こういう状態ではなにも作業ができないので、ちょっとバッファリンを飲んで安静にしています。ドイツ遠征の前に体調をおおきく崩すわけにはいきません。

 

 

2019. 11. 13

  恒例セミナーのあと、夕方に数人のフェローと夜会をしました。外は冷蔵庫のように非常に寒い夜となっています。

 

 

2019. 11. 12

  BHでもお馴染みの桑木野君が、今年度のサントリー学芸賞(芸術・文学部門)を受賞したというニュースが入ってきました。おめでとうございます!ご存じのように、2000年に開催した第1回のBHミーティングのときから、『ミクロコスモス』や『知のミクロコスモス』への寄稿をはじめ、いろいろとお世話になっています。

 

  来春の3月7日(土)には都内で、楽しい知的イヴェント(桑木野&BH祭り)を一緒に開催するべく計画を練っているところです。現在は会場の交渉をしています。桑木野君のこれまでのプロダクトの紹介にくわえ、BH叢書の2の計画の発表など、特別ゲストともにいろいろな出会いを堪能できる蜜の滴るような時空間にしたいと思っています。

 

 

2019. 11. 11

  午前中に読みなおしつつ推敲し、だいたい完成したので、プルーフ・リーディングに回しました。このあとは、スキャンしてあったカルダーノのテクストを読み書きやすいようにプリント・アウトします。来週のドイツ遠征を抜かして、今月はこのテクストを読みこみます。

 

  昨秋に僕をオーストリアのインスブルックに呼んでくれたオヴァーネスが企画した、パトリッツィについての雑誌特集号を入手しました。 パトリツィ:ルネサンス哲学者についての新研究 Ovanes Akopyan (ed.), “Francesco Patrizi da Cherso (1529-1597): New Perspectives on a Renaissance Philosopher,” Intellectual History Review 29 (2019), 541-668 という題名で、8本の論考が入っています。要チェックです!

 

 

2019. 11. 10

  今日もう一日だけ発表原稿を推敲して、そのあとはつぎの作業に移ります。1211までは、非常に忙しい時期となります。

 

 

2019. 11. 9

  丸一日の作業で、なんとか全体ができて3000となりました。あと23日ほど推敲すれば良いのではないでしょうか?

 

 

2019. 11. 8

  ドイツでの国際会議のための発表原稿づくりに専念しています。2500まできました。30ですから、3000に欠けるくらいが良いので、あともう少しです。少しだけ、肩にかかっていたプレッシャーが減りました。ふう。

 

  午前中にみたイタリアの新聞の記事で、ローマの遺跡のしたに眠っていた古代ローマの医学者ガレノスラボ(実験室)が見つかったという大ニュースを見かけました。これは、すごい!すぐに興奮のあまりツイートしましたが、これまでにない大きな反響です。> 思わぬことで、俗にいう「バズる」ということを経験しましたが、あんがい日常生活は変わらないものですね!

 

 

2019. 11. 7

  各方面で話題の学魔的な文芸誌『機関精神史』から、今年1月にインタヴューを受けました。その原稿が、今月の文学フリマでお披露目される第2号の巻頭に掲載される予定です。当日まで出せないかなと思っていたのですが、どうやら『機関精神史』の公式ツイッターで紹介されているので、BHにも表紙を出して良いでしょう。こちらです。

 

魂のゆくえ:BHのマザーシップ・コネクション」という題で、インテレクチュアル・ヒストリーや研究のことから、最近の本づくり、趣味の話、そして僕が海外へ出る以前の話などをしています。文学フリマでしか買えないようですので、皆さん、スピリットある若手4人組を応援するためにも、当日は会場に足を運んでくださいね!

 

 

2019. 11. 6

  今日は、お昼から恒例のセミナーです。一日の真ん中が3時間ほどつぶれるので、なんだか気忙しいですね。

 

  アカデミアに似ているサイトで、非営利の後発である Humanities Commons にアカウントをつくりました。週末に最近の作品からアップしていたら、どうやら9000件目を踏んだようです。マスコットのぬいぐるみが当たったという連絡がありました。今日、発送されるようです。

 

 

2019. 11. 5

  占星術いろいろのコーナーにも入っている、重要な論集『幻惑された占星術師たち:ルターの時代における星辰と世界の終末Paola Zambelli, Astrologi Hallucinati: Stars and the End of the World in Luther’s Time (Berlin: de Gruyter, 1986) の電子版を入手しました。のちほどメルマガ会員に号外をだします!

 

 

2019. 11. 4

  一昨日やっと切り口が見つかったことで、すこし気持ちが緩んでいます。今日は、まず近場の総合クリニックで定期健診、そのあとに歯医者でディープ・クリーニングを受けるので何もできないでしょう。

 

  そろそろ11月の文学フリマも近いのに、どうしたのだろうと心配していましたが、ついに『機関精神史』第2号のために今年1月にうけたインタヴュ校正刷りがきました。いくつか表記の間違いとか書式の不統一を見つけたので拾いましたが、それほど多いものではありません。すぐに終わりました。これで送りだしたいと思います。

 

  偽パラケルスス特集号への寄稿も、ネイティヴ・チェックが帰ってきました。これから見直しますが、ほとんど問題はないとメールには書いてありましたので、スムーズにいくのではないでしょうか?> まあ、すぐにできました。幾つか提案をくわえてファイルを返しました。

 

 

2019. 11. 3

  アカデミアに似ている Humanities Commons というサイトに、自分のアカウントをつくりました。こちらは非営利のようです。このサイドが、今後どのくらい人気が出るかわかりませんが、とにかく様子をみましょう。それから、知らないあいだに7年間も放置していたことになる英語版のツイッターのアカウントも復活させました。こちらは、研究のことを中心に海外向けにつぶやいていきます。

 

  どうやらテレジオ論集は、この水曜日に到着するようです。

 

 

2019. 11. 2

  何日間かいろいろ考えていたのですが、うまいアイデアが浮かばず、迫りくる締めきりに焦りを感じていたのですが、ついに出口を見つけられたようです。アタックするテクストアングルが決まったので、あとはスムーズにいくことを祈りましょう。ドイツでの国際会議に出発するまで、あと2週間半です。

 

 

2019. 11. 1

  週末は久しぶりにフィラデルフィアに戻りますが、乗っていた直行電車が途中のどこかで電線の障害かなにかで立ち往生してしまい、2時間半も遅れました。きれいな紅葉を車窓から眺めながら、無駄な時間がすぎた感じです。とほほ。

 

 

 

どる