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ごくごく個人的な「本」日記

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201910

 

2019. 10. 31

  エリザベトがニューヨークにやってきました。あいにくの雨だったので、研究所と図書館を見学させたあとは、研究所の図書館でいろいろな話をしました。ついにデビュ論文がはいった論集『初期近代のプロテスタント諸大学における自然の知識とアリストテレス主義Natural Knowledge and Aristotelianism at Early Modern Protestant Universities (Harrassowitz, 2019) が出版されたようです。皆さんには嬉しいことに、この論集全体を無料でダウンロードできます!

 

  この論集はベルリンで開催された国際会議をもとにしています。僕も招待参加で発表したのですが、忙しすぎて残念ながら論集には寄稿しませんでした。なかなか立派な論集になったので、良かったです。表紙のデザインも、気に入っています。

 

 

2019. 10. 30

  恒例のセミナー、今日は所長がシチリア島からスカイプで参加しました。ちょっと音声が割れて厳しかったです。遠隔会議のための高性能なマイクではなかったのでしょう。

 

 11月後半にドイツで、錬金術諸大学についての国際会議が開催される予定です。そろそろ本格的に準備をしないといけません。

 

  ついにテレジオ論集が発送されたという連絡がきました。おそらくブリルのボストン支社からですので、数日で届くでしょう。楽しみです。

 

 

2019. 10. 29

  図書館からの帰り道、途中から一緒になった他のフェローたちとエレヴェターにのったところで、僕がもっていた『フットノート』の背表紙をみて、フランチェスコが「脚注の書き方についてなのか?」とバカにしたように聞くので、「脚注の歴史だよ」と応えたら、すかさず他のフェローが「知っているよ、スゴイ本だ」と加勢してくれました。フランチェスコはフレンドリーで良い人なのですが、子供っぽいところもあります。

 

 

2019. 10. 28

  次号のメルマガの原稿をドロップしました。舞台裏についても、いろいろ書いています。配信は112です。お楽しみに!

 

  37日の土曜日に、桑木野君と学術イヴェントをするために計画を練りはじめました。こちらも、乞うご期待!BHファンの皆さんは、いまから日程を開けておいてくださいね。

 

 

2019. 10. 27

  つぎのメルマガの原稿を書いたのですが、分量が多くなりすぎたので、推敲して前半・後半の2回にわけました。前半の今回は、アパート探しから図書館の使い心地や職員の福利厚生まで幅ひろく議論しています。

 

 

2019. 10. 26

  そろそろ次号のメルマガを準備しないといけません。今回は、コロンビア滞在記にしようと思っています。お楽しみに!

 

 

2019. 10. 25

  今週は注文していた本がいろいろと届き、それらをスキャンする作業で明け暮れたのですが、これで数年来ずっと欲しかったアイテムはだいぶ入手できました。もうすぐ僕のリストも底をつきます。たしかにロンドンナイメーヘンでも、いろいろ手にいれることができたのですが、短時間でレア・アイテムに手がとどく能力は比べものにならないと思います。

 

  フェイスブックの個人アカウントに、久しぶりに投稿しました。特集号「偽パラケルスス:偽書と初期近代の錬金術、医学、自然哲学」は、 ESM 誌の24巻(2019年)第56分冊にて、年末ごろに公刊されますという告知です。フォロワーは海外の研究者たちが圧倒的に多いのですが、なかなか良い反応です。皆さん、テーマの独創性に注目しているのではないかと思います。

 

 

 

2019. 10 24

  今日は、レフェリー審査にとおったESM誌での偽パラケルスス特集号に寄稿した自分の原稿について、2名のレフェリーからの修正指示をとりこもうと思ったら、僕の原稿には特段これといった注文がつかなかったようです。これは、ありがたい!夏前に提出してから気がついた修正点だけいじって、もう一回だけ読みなおして明日には提出したいと思います。

 

 

2019. 10. 23

  昨日の5に寝ぼけ眼でメール箱をチェックしたら、たどたどしい英語で「あなたをポルトガルのマデイラ島に招待します」という、いかにも怪しいメールが。「なんだ、スパムだろう」と思って削除する前に見直したら、今春に開催される国際会議での基調講演を依頼してくるものでした。マデイラ島とは、どこだろうと検索すると、なかなか風光明媚なところです。こういう離島で初期近代のガレノス医学についての国際会議が開催できるのですね!?

 

  種明かしをすると、マデイラ島にはイエズス会のコレギオがあり、それが現在の大学のもととなったようです。ここに所縁のあるユダヤ人改宗者カストロのロドリゴという人物は、『女性の普遍医学De medicina universa mulierum (ハンブルグ、1620年)という著作を出版したようです。これは婦人科医学についての重要な書物で、今回の国際会議のもととなるプロジェクトは、ロドリゴを中心に初期近代の婦人科医学を研究するもののようです。国際会議では婦人科医学だけではなく発生学もふくめ、それで僕に声がかかったという流れです。

 

 

2019. 10. 22

  ヨハン・ヴァイアーの『悪魔の欺きについてJohann Weyer, De praestigiis daemonum (バーゼル、1563) は、悪魔学の基本書として名高いのですが、世界的にも研究が少ないように思えます。幸運なことに、日本語では平野先生による『魔女の法廷』(岩波書店、2004年)の第3章で扱われています。テクストは現代英語訳(1991年)と当時のドイツ語訳(1567年)や仏語訳(1629年)もあるので、ラテン語が苦手な人でもなんとかなりそうです。いつかアタックしてみたいと思っています。

 

 

2019. 10. 21

  何年も前からずっと入手不可能だった、超のつくレア・アイテム2つほど入手しました。それから今春に知ったものですが、実物を取りよせてみると、大判カラー本だと分かりました。これは中古市場で比較的に安価なうちに入手した方が良いという判断です。しかし機動力のある図書館が手近にあると、本当に良いですね!

 

 

2019. 10. 20

  今日はスローな動きでいきます。

 

 

2019. 10. 19

  ESM誌のための偽パラケルスス特集は、審査をとおったようです。2名の外部レフェリーの評価も非常に高いものでした。これからジェットコースターのように年末の出版まで進みます。24巻(2019年)の第56冊子となります。

 

 

2019. 10. 18

  今日は研究所で巨大なカンファレンスが開催されています。欧米の博物館などにあるアフリカの芸術品を返すべきか、どうするのが最善かというデリケートな問題をあつかうものです。脱植民地主義の観点からは全部すぐにでも返すべきなのでしょうが、返したものが事故などで破損・消滅したり、政治的な理由などで破壊されたりという、悩ましい問題が根底にあるからです。> 普段見かけない人々が多数、フェローがいる4階にも入ってきているので、どうも今日は建物全体が落ちつきません。

 

 

2019. 10. 17

  昨日の作業をつづけつつ、ダイレクト・ボローの使い方がわかったので試しています。全米の図書館間をむすぶ従来の相互貸借のシステムとは違って、アイヴィリーグだけが参加するものです。オンラインで注文してから到着まで、平均で2・3日くらいと迅速です。

 

 

2019. 10. 16

  ドロップボックスの新機能をうまく使えてなかったのですが、クラウド上に保存するだけでマシンの容量をとらない方法が分かりましたので、膨大な電子ファイルを移動しています。ほとんどが文献のPDFJPGのファイルです。

 

 

2019. 10. 15

  昨日から調子の悪かったスキャナーを直してもらいました。電源を抜いて再起動させただけのようですが、今度はちゃんと動いています。なにが原因なのか聞いてみたのですが、わからないという話です。週末から溜まっていた7冊分の作業をいっきに片づけました。4冊は先日お伝えしたミクロログスの論集ですので、いつか内容をかんたんに紹介します。

 

とりあえず、直近10ミクロログス叢書から選んだ書物のタイトルだけでも列挙しておきます。

             

              La magia naturale tra Medioevo e prima età moderna (2018)

              『中世と初期近代の自然魔術』

 

              Geomancy and Other Forms of Divination (2017)

              『土占いとそのたの占術』

 

              De Frédéric II à Rodolphe II: astrologie, divination et magie dans les cours (XIIIe-XVIIe siècle) (2017)

              『フレデリック2世からルドルフ2世へ:宮廷における占星術、占術、魔術』

 

              Penser avec les démons: démonologues et démonologies (XIIIe-XVIIe siècles) (2015)

『悪魔と考える:悪魔学者と悪魔学』

 

Dialogues among Books in Medieval Western Magic and Divination (2014)

『中世ヨーロッパの魔術書と占術書における対話』

 

Les savoirs magiques et leur transmission de l'Antiquité à la Renaissance (2014)

              『魔術的知と古代からルネサンスまでの伝搬』

 

Ritual Healing: Magic, Ritual and Medical Therapy from Antiquity until the Early Modern Period (2012)

『祈りによる癒し:古代から初期近代までの魔術、祈り、医学理論』

 

Chasses aux sorcières et démonologie (2010)

『魔女狩りと悪魔学』

 

 

2019. 10. 14

  目の前に1000を超える本があります。中身はつながっていますが、理論編応用編のような感じで毛色の異なる2部構成400頁と550頁、文献表)です。こういう場合は、思いきって2冊の本にした方が良かったのではないかと考えられます。いかにも博論をそのまま本にしましたという感じで、こうした大鑑巨砲主義でつくられた書物は使いづらいですし、値段も非常に高くなるので、読者はぐっとかぎられるでしょう。著者はその後に名前をあまり見かけないので、良いアイデアではなかったような気がします。

 

 

2019. 10. 13

  思っていたよりも手間どりましたが、地学史MLの参加者をグーグル・グループにつくった新しい場所に引っ越しました。560ある過去ログは eml 形式のファイルなのですが、検索が簡便な PDF に変換したいと思っています。良い方法はないでしょうかね?

 

 

2019. 10. 12

  おおお!またまたスゴイ本を見つけてしまいました。『初期近代イギリスの神秘主義  Liam Temple, Mysticism in Early Modern England (London: Boydell Press, 2019) です。以前から気にしていた著者ですが、最近になって出版されたようです。

 

 

2019. 10. 11

  テレジオ論集が出版されてから3カ月が経つのですが、論集はいっこうに届きません。疑問に思い、寄稿者たちに受けとった人がいるか聞いたら、当然のごとく誰もいません。しかし、編者は数週間前に手配したといっています。どうなんでしょう?それから二日後に、ブリル書店の担当者から送り先の確認がありました。最初に僕が聞かなければ、さらに数か月も放置されていたでしょう。

 

  こういうときでも、良いこともあります。さすがにバツが悪かったのか、ブリルの担当者はデータベースの僕の住所がアップデートされているかも確認してくれました。これも心配だったので、これで一安心です。

 

 

2019. 10. 10

  今日は久々に神学部の図書館にいったあとに、オフィスでスキャンをかけました。夕方からは、ニューヨーク市長が主催するイタリア文化記念のレセプションに参加します。

 

 

2019. 10. 9

  今日も図書館から借りだした本をスキャンしたり、新しいオーダーを出したりしていました。こんな調子が、あと2・3週間はつづくかと思います。とにかく、ながらく探しつづけて入手できないでいた本がどんどん手に入ります。

 

  『錬金術の秘密』を読まれた方はお気づきだと思いますが、中世ヨーロッパの錬金術はフランシスコ会との関係が深く、その背景ではフランシスコ会士たちの多くが信奉していた終末論予言ともリンクしています。この辺りの関係を正面からあつかう新し目の著作を見つけました。『フランシスコ会士と生命のエリクシル:中世後期の宗教と科学  Zachary A. Matus, Franciscans and the Elixir of Life: Religion and Science in the Late Middle Ages (UP Pennsylvania, 2017) です。

 

 

2019. 10. 8

  12月初めに、現在のところ利用している free ML がサーヴィスを停止するので、地学史MLを引越しさせないといけません。グーグル・グループが簡便なようなので、少しのあいだテストをくり返し、1週間後に参加者を一括して移動させます。都合の悪い方は、ご連絡ください。

 

 

2019. 10. 7

  今日の午後は、研究所のフェローのためにメトロポリタン美術館の素描版画コレクション室の特別ガイドツアーがありました。思わずため息の出るような、『ニュルンベルク年代記』からデューラー、ラファエロ、レンブラント、ゴヤの作品を、至近距離からみることができました。

 

 

2019. 10. 6

  書類を提出しました。それから注文していた本が届きました。

 

 

2019. 10. 5

  今日はスローな動きでいきます。書類の作成をつづけます。

 

 

2019. 10. 4

  今日は書類づくりに勤しんでいます。週末のうちに提出できれば良いかなと思います。

 

 

2019. 10. 3

  今日は久しぶりに雨が降っており、ちょっと肌寒い日となりました。今季はじめて薄手のセーターを着ています。雨が降ると研究所と図書館の往復が乗り気になれません。> それでも、これまでずっと入手できなかったアイテムを手の入れるチャンスということで、いそいそと出かけました。

 

  中世ヨーロッパのインテレクチュアル・ヒストリーを専門にあつかうオシャレな雑誌『ミクロログス』、コロンビアでは電子版が自由にダウンロードできることがわかりました。これは素晴らしい!早速のところ、Sismel 書店から出されている1996年以降をチェックして、必要な論文をすべてダウンロードしました。なお最近は、初期近代についての論文も収録されるようになっています。

 

  と同時に並行する叢書 Micrologus Library をチェックすると、ここ何年か魔術占星術についての単著や論集が幾つも出されていることに気がつきました。こちらはダウンロードできないので、図書館で借りだしてチェックしたいと思います。

 

 

2019. 10. 2

  昼から恒例のセミナーがあり、16時半からはパメラ(スミス)のもとで博論を書いたというフレッドと会いました。はじめて会ったのに、10年来の旧友と錯覚するくらい楽しいひと時をすごしました。神学部に所属してルネサンスの医学について博論を書くなんて珍しいなと思っていたのですが、神聖ローマ帝国の皇帝侍医クラフトハイムのクラトーの(Johannes Crato de Krafftheim)の医学的な書簡集をあつかったようです。伝染病の病因論など、自然哲学神学が交錯するテーマ群が目白押しなので納得しました。

 

  しかも、なんと2週間後に開催される16世紀学会では、エリザベトと同じ医学史的なパネルで発表をするようで、世界は狭いなと思った次第です。早速のところ、エリザベトにも連絡をとりました。次回のルネサンス学会で、医学のパネルをもつことを思いつきました。ただし、つぎはダブリンなのですよね。科学史学会の方でも良いです。

 

 

2019. 10. 1

  フィラデルフィアからニューヨークへ向かう途中で、プリンストンに来ているエリザベトに会いにいきました。まだ到着して1週間だそうですが、なかなか元気そうです。11カ月ほど滞在するようです。半年前の4月に南フランスで会ったときは、ちょっと元気がなかったので心配していましたが、少し安心しました。

 

  午後の終わりにはニューヨークの宿舎に戻ってきたのですが、食品を買いだすためにトレーダー・ジョーズに出かけました。行きはバスに乗ったのですが、帰りは重い荷物を抱えて30分ほど歩いたので、宿舎に戻ったときには疲れはててしまいました。

 

 

 

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