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ごくごく個人的な「本」日記

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20195

 

2019. 5. 31

  今日は、細かい部分をいろいろチェックしております。 この作業は際限ないのですが、ここで胆力の違いが出ます。

 

  偽パラケルススについての特集号への僕の寄稿について、ディディエから画像とそのキャプションの問い合わせが来ました。要旨およびキーワードも提出しないといけません。週末にかたづけます!

 

 

2019. 5. 30

長いなが〜い暗闇のトンネルを、小さなランプひとつもって歩きつづけるような、そんな缶詰の作業が終わり、英語の新作論文「ルネサンスにおける世界霊魂」をほぼ完成させました。そうです、世界霊魂(アニマ・ムンディ)です。オックフォード大学出版局から出される論集に寄稿するものですが、あとは細部の微調整が残っています。

 

僕としては長年にわたって扱ってきた愛着あるテーマなのですが、ルネサンス期の全体を一人で担当するとなると、議論するべき内容の多様性があまりに大きく、あちらの大家やこちらの大家の顔が浮かび、さすがに尻込みして、なかなか着手できないでいました。「ライターズ・ブロック」というやつです。

 

思い切って「えいや!」と、あつかう人物を象徴的な数人に絞ることにしました。そのおかげで、議論も四方八方へと散漫とならず、全体的にリズムのある流れとなったのではないでしょうか?フィチーノアグリッパステウコを扱った前半部分のラフな邦訳版を、明日に配信される予定のメルマガでお送りします。

 

 

2019. 5. 29

  いま話題の展覧会「身体の宇宙」と『ルネサンス・バロックのブックガイド』のコラボ企画として、当展覧会を計画した学芸員の藤村さんに特別ガイドツアーを開催します。日時は、69日(日)14時から。参加希望者は『ブックガイド』を持参のうえ、10分前に2階展示会入口に集合してください(鑑賞券は各自で用意してください)。寄稿陣からは、僕の代理として加藤ルー君に参加していただきます。

 

 

2019. 5. 28

  最後にくわえたリプシウスについての部分をふくめて、全体の流れを調整しています。だいぶ完成に近づいてきました。まだイントロと結びをつけてないのですが、かなりのチャレンジだった割には、本体のできは良いように感じられ、嬉しい気分です。以下のような構成になっています。

 

1. イントロ

2. フィチーノ

3. アグリッパ

4. ステウコ

5. ブルーノ

6. カンパネッラ

7. リプシウス

結論

 

 

2019. 5. 27

  今日は、最後にリプシウスについての部分をだいたいのカタチにしました。全体をあわせると7000ということで、リミットの8000にはおよばないものの、だいぶ良い感じの分量になってきました。あとは全体の議論を整え、イントロ結論をつければ8000に近いものになるのではないでしょうか?やっとのことで、長いトンネルの出口が見えてきました。

 

 

2019. 5. 26

  今日は結局のところ、丸一日がかりの缶詰作業でステウコについての部分だけ、なんとかカタチにできました。ちょっと最初に思ったよりも手ごわかったです。まだ枝葉末節に議論がひろがっているので、すこし刈りこみをしないといけません。ま、全体をつなげたときにしようかと思います。明日は、ブルーノについての部分にいきます。

 

  先日もここで書いたように、大事なところでステウコが依拠するアレクサンドリアのキュリロスというギリシア教父がいます。『ユリアノス反駁』という著作で、彼はヘルメスポルピュリオスの超レアな断片をあつめています。まさに、その部分をステウコは使うのです。ユリアノス専門家の中西さんに、この著作の標準的な版について教えてもらいました。感謝!

 

 

2019. 5. 25

  週末ですが缶詰で作業をつづけています。今日はついにフィチーノについての部分を、それなりのカタチにできたので良しとしましょう。明日はステウコに戻ります。上手くいったら、ブルーノにも戻れるかも知れません。なんだか遠くにぼんやりと出口が見えてきました。

 

  時間はないのですが、アグリッパについての小さなセクションを設けることにして早足で分析をしました。基本的には、『オカルト哲学について』(ケルン、1533年)の小さな章で議論しているので、その部分を使います。

 

 

2019. 5. 24

  午前中は昨日の部分の仕上げをおこないました。ラテン語の読みの細かいところなどをチェック。午後は、『プラトン神学』から大事なところを読みなおしています。

 

 

2019. 5. 23

  今日は昨日に引きつづき、フィチーノについての作業をしています。新しいテクストを読んでいます。去年のルネサンス学会で発表したカンパネッラについての論考が役だっています。

 

 

2019. 5. 22

  ステウコの部分はある程度のかたちになったので、フィチーノについての作業に移りました。フィチーノから議論をはじめますので、あとの部分に上手くつながるように手際よくまとめないといけません。

 

  町田の国際版画美術館で開催されている『身体の宇宙』展は、連休明けにもかかわらず、かなりの来館数があるようです。アンケートによると、「ツイッターを見て」という方が多いと聞きます。『機関精神史』のHPに緊急寄稿した一般向けのエッセイ「獣帯人間」は、それなりのインパクトがあったのかなと思っています。ちなみに、試みに「ノート」というところにも公開しています。

 

 

2019. 5. 21

  テレジオ論集に寄稿した論文「テレジオ、アリストテレス、ヒポクラテスのコズミック・ヒート」の校正指示を送りだしました。論集全体の英語を最後に直したプルーフ・リーダーが、2か所ほど文章の意味を真逆にとり違えていて危ういところでした。僕の論文の頁打ちは、51-65となるようです。PDFが欲しい方はご連絡ください。

 

  僕の学生さん(女子)が6に北海道から上京するのですが、1・2週間ほど泊められるスペースのある人は、ご連絡ください。礼儀正しい、明るい方です。家事などなんでも手伝うそうです。

 

 

2019. 5. 20

  もうちょっと足腰を固めておこうと思い、あやふやだった部分を調べるためにギリシア教父のひとり、アレクサンドリアのキュリロスの『ユスティアノス反駁』について調べていました。三位一体の考えを異教徒ももっていたのだという主張のために、『ヘルメス文書』の断片をいくつか収録していますし、ポルピリオスにも言及しています。

 

  しかしキリスト教父のことを調べるためには、ルーヴァン大学の神学部の図書館が、これまで僕の使ったことのある図書館のなかで、もっとも充実していました。そこでしばしば使っていたマテリアルに、パリの Cerf 書店から出されている仏語による見開き対訳のシリーズがあります。これは、ギリシア教父にしてもラテン教父にしても非常に充実しています。

 

 

2019. 5. 19

  以前からやってみたいと思っていたテーマがあって、じつはブルーノとも深く関係しているのではないかと思えるようになりました。というのも、彼の哲学の特徴のひとつとされる部分の元ネタのようなものを見つけしまったのです。これをもっと調べたいけれど、いまは他の締め切りがあるのでできません。うう。

 

  これまでにも何度もあったのですが、つぎの研究のテーマを見つけて放置しておくと、忘れてしまうのですよね。2001年ごろにも、ライプニッツで半年くらい没頭していたテーマがあったのですが、別のテーマのためのロンドンでの滞在がきまって流れてしまいました。

 

 

2019. 5. 18

  ブルーノの部分はだいたいの姿が見えてきたので、一旦ここで止めておいて、つぎはステウコの議論をまとめることにしました。彼のテクストにとりくむのは今回がはじめてですが、う〜ん、なかなかBH的な関心にビシビシと反応する内容です。これはシビレます。もっとじっくりと時間をかけて読みたいマテリアルですが、今回は時間が足りません。>あらかじめ目星をつけておいたところを拾い読みしていましたが、見逃していた大事な部分が分かったので、そこに集中することにしました。

 

 

2019. 5. 17

  伊仏語による見開き対訳の全集から、2016に出された『原因・原理・一者について』の第2版を入手しました。これは、1996の初版のイントロを、190を越えるトマス・ラインカウフによるイントロに置きかえ、補注も大幅に充実しており、本全体でも460頁が870の大冊に変容しています。初版をもっている人でも、こちらの乗りかえる必要があるでしょう。

 

  この本の助けを借りて、いま作業している原稿のブルーノについての部分をまとめることができました。短い準備の時間でしたが、なかなか良い話の展開になっていると思います。これは嬉しい。のちのこの部分を拡大して、単独の論文とすることも見えてきました。

 

 

2019. 5. 16

  ある素晴らしい計画について、編集者の方とFBメッセンジャーで1時間ほど話しあいました。この計画、上手くいくと良いですね。新しい道に進まれる編集者さんへのプレゼントとお考えください。個人的に5月中は忙しいので、6月末にむけて企画書を練りこむことを決めました。

 

 

2019. 5. 15

  あの学魔的な文芸誌『機関精神史』のHPに、話題の『身体の宇宙』展によせる一般向けのエッセイを寄稿しました。題して、「獣帯人間:ルネサンスの医学と占星術にみる小宇宙としての身体」というもので、さきほど一般公開されました。展覧会と『ルネサンス・バロックのブックガイド』のコラボ企画として書いたのですが、さらに『機関精神史』も加わる三重に偉大なるコラボとなりました。

 

  ニューヨークのコロンビア大学で、秋口に講演会をすることになりました。おそらくは、918(水)となる模様です。誰でも無料で参加できるので、その時期にニューヨーク近辺におられる方は、ぜひお越しください!詳しいことがきまり次第、お知らせします。

 

 

2019. 5. 14

  良い機会なので、以前にアカウントだけつくって放置していたノートというところに、昨日の原稿を掲載して細部を仕上げていたら、『機関精神史』のウェブサイトに掲載しないかと誘われたので了解し、編集長にデータを送りだしました。明日には、一般公開される模様です。お楽しみに!

 

  ついに、テレジオ論文の英語版の校正刷りが帰ってきました。1週間でチェックして送りかえさないといけません。最終編集校からさらにプルーフ・リーダーの手が入ったようですが、議論のうえで決定的な場所2つで、まったく文意が真逆になっていました。こういうこともあるのですね。その前後を読めば、ありえないと子供でも分かると思いますが。これは危ない!気がついて良かったです。紙にプリントしてラテン語を指で追いながらチェックして、送りだしたいと思います。論集自体は、この調子だと秋ごろにはブリル書店から公刊されるでしょう。

 

 

2019. 5. 13

  ふたつほど原稿の締め切りを抱えているのですが、『身体の宇宙』展のための一般向けのエッセイを書きました。どこに出すかは、まだ決まっていません。とりあえず、学芸員の藤村さんと栗田さんにも、表記に間違いがないかチェックしていただきました。

 

 

2019. 5. 12

  今日はブルーノから離れて、フェルネルの弟子筋によるラテン語の短い論考(1570が初版だといわれています)を写経しながら読みました。基本的に批判的なもので、議論も面白味に欠けます。なんでも入れられるわけではないので、これはパスしましょう。以前から読まないといけないと思っていたものなので、チェックした意味はあったとは思います。

 

 

2019. 5. 11

  一昨日から、ブルーノの『原因・原理・一者について』をゆっくりと再精読しています。19世紀の哲学史家たちは、彼をスピノザの先駆者だと誤解し、現代における復活に大きく寄与したようです。たしかに彼の普遍知性の議論は、トマス・アクィナスによるアヴェロエス論駁やライプニッツの論考ともつながる系譜にあるといえるかも知れません。内容は難しいですが、哲学科の学生たちにもっと読まれるべきでしょう。> 『ルネサンス・バロックのブックガイド』では、アダム君がこの部分をうまく紹介してくれています。

 

ところで、イタリア語を普通に読める知識人が当時のパリロンドンには多かったと、幾つものブルーノ関係の文献に出ているのですが、ほかのイタリアの著作家については同様な記述を見かけません。これは、どういうことなのでしょうか?

 

 

2019. 5. 10

  東京の町田にある国際版画美術館で、「身体の宇宙」という展覧会が開催されています。副題は「小宇宙としての人体:芸術、解剖学、そして占星術The Human Body as a Microcosmos: Art, Anatomy and Astrology ということで、ヨーロッパでしばしば見かけるような、とても先進的なテーマどりです。 『ルネサンス・バロックのブックガイド』の世界に非常に近い内容となっているようです。ルネサンス芸術だけではなく、古楽占星術のファンの方にもおススメです!

 

ブックガイド』に寄稿していただいた栗田さんによるナイスな紹介記事で、この展覧会のことを知りました。それについてツイートしたところから、展覧会にかかわっている学芸員のかたとの縁が生まれました。展覧会での物販でも、『ブックガイド』をおいてくださっているということです。この際ですから、僕もなにか書きましょうかと提案しました。あっと驚くような、コラボ企画を実現したいと思います。

 

 

2019. 5. 9

  『ルネサンス・バロックのブックガイド』のオンライン読書会を開催するために、告知を出しました。当初は64日(火)を想定していたのですが、あいにく都合が悪くなったので、1週間ずらして611日(火)21時から1時間チョイを予定しています。案内はこちらです。

 

 

2019. 5. 8

  今日は天気も悪く、時差ボケも完全に抜けていないので、スローな動きでいきたいと思います。

 

  先日のパリ滞在で知ったところでは、ながらく在庫切れになっていたジョルダーノ・ブルーノの対話篇の伊仏対訳シリーズが再版されたという話です。僕は2、4、6巻しかもっていないので1、3、5、7を買いたいのですが、結局のところ時間切れ Les Belles Lettres 書店にいけませんでした。つぎの機会には、ぜひとも揃えたいと思っています。

 

 

2019. 5. 7

  朝6時半におきて支度をし、日本時間で21からの『錬金術の秘密』を読むオンライン読書会7をおこないました。昨年の11月から月イチのペースで進めていたこの読書会も、ついに感動の最終回を迎えました。今回もまた女性陣の活躍が光るものでした。このグループは、本当に良いですね。

 

 

2019. 5. 6

  今日は朝から眼科で再検診をうけました。この件については、別のところで異なる検査をして、それらをあわせて総合的に判断するということになりました。しかし、とりあえず新しい読書用のメガネをつくらないといけません。

 

  ヨーロッパからアメリカにBH本館を移動してきたときに、なにも考えずに詰めこんでカオス状態だった書棚を整理することにしました。今回は洋書用のビリー2本分を完璧ではないですが、数時間かけて悪戦苦闘して満足のいく状態にできました。

 

 

2019. 5. 5

  南フランスでの国際ワークショップで気になった話題として、初期近代ドイツでルター派を中心にひろまった預言者エリアの話があります。この点でいまでも基本書としてあげられるのが、『預言と叡智:ルター派宗教改革の起源における終末論Robin Bruce Barnes, Prophecy and Gonisis: Apocalypticism in the Wake of the Lutheran Reform (Stanford UP, 1988) です。この際ですので入手しました。

 

 

2019. 5. 4

  時差ボケで3に目が覚めましたが、ポドキャストをつけて半眠状態で7までひっぱりました。完全な睡眠ではないですが、起きてしまうよりは良いのではないでしょうか?

 

 

2019. 5. 3

  途中で何度か目が覚めましたが、全体としてはそれなりに眠れて、7に起きてゆっくりと身支度しました。9時半に宿舎をチェックアウトし、10からのオフピーク電車で市内に向かいました。6番線についた1050の電車に乗り、1145にトレントン駅で降りました。クレアが車で迎えにきてくれました。そのまま家に帰って、近所の四川料理屋でヌードルを食べました。

 

  長旅のあとのカバンを片づけ、洗濯や散らかった家の片づけ、そして庭掃除などをして、16を迎えました。時差ボケで眠くなる時間です。これから数日間は、スローな動きでいきたいと思います。

 

 

2019. 5. 2

  17のフライトのために、すこし早く空港に着くようにしようとお思い、11時半に出発しました。13時過ぎには空港に着き、荷物を預けてチェックインしました。空港ラウンジで無料の食事と飲料をいただき、なるべく機内食は食べなくて済むようにしました。定刻どおり17時の出発でした。早めの18時半にニューヨークの空港に着いてから、空ゲートがないということで1時間ほど飛行機のなかで待たされました。荷物が出てくるのも遅く、空港近くの地下鉄駅についたときには20時半で、どうやら予約していた21の電車を逃したようです。

 

  仕方ないので、地下鉄近くに宿舎をとることにしました。ホテル95は、税込みで130ドルでした。部屋に入ると、疲れのためかすぐに寝てしまいました。明日は、10時の地下鉄で市内に向かい、1050分の電車の乗りたいと思います。

 

 

2019. 5. 1

  今日はメーデーでパリは多くのお店が閉まっているのですが、火災にあったばかりのノートルダム大聖堂を見にいこうと思い、午後に市中に出かけました。地下鉄の駅が工事中で閉まっているところも多くて乗り換えできず、けっこう歩くことになりました。大聖堂の周辺はさすがに通行止めとなっていますが、セーヌ川の対岸からは良くみえます。火災後の大聖堂の姿は痛々しいですが、かなりの観光客があつまっていました。しかし音楽家たちが路上で平穏な楽曲を演奏していて、驚くばかりの平常運転です。

 

 

 

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